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オシャレ《激しい恐怖》を撃つための個人的な備忘録

 

(記事を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説


お疲れ様です。斬進です。季刊という説もあるこのブログも、春に合わせて何か書こうという気になんとなくなりました。これで10記事めらしいです。毎日ブログとかの媒体で日本語を打ち込んでる人が凄すぎる。

今回は少し趣向を変えて、『マジック:ザ・ギャザリング』のプレイ的なお話です。ただしデッキ構築もプレイングも特に上手いわけではなく、かといってものすごい体験や思い出があるわけでもないのでまとめブログみたいな記事になりそうなテーマを選びました。ご容赦ください。

内容が内容なので専門用語とかが多くなるとは思いますが、雰囲気で読んでもいけるように頑張ります。

 

 

 

《激しい恐怖》への道

 

マジック:ザ・ギャザリング』(以下MtG)は世界最初のトレーディングカードゲームとも言われるゲームであり、それ以降の詳しい説明は他の媒体に譲ります。Wikipediaとか有志のM:TGwikiとかあるのでそちらをご参照ください。

自分はPCで『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』をやっていて、ほとんどがスタンダード*1のBO1*2、それもほとんどがフリーマッチでランクはプラチナ*3までで満足する程度のカジュアルプレイヤーです。

フリーマッチとはいえランクで回すデッキの練習にキューを入れる人もそこそこ多く、こちらもある程度強いデッキを用意する必要がありました。そこで目をつけたのがスゥルタイ・根本原理です。詳しいことは解説動画等に譲るとして、だいたい「黒緑青のミッドレンジ*4~コントロール*5デッキであり、《出現の根本原理》*6という撃ったらかなり勝ちに近付くカードをメインにマナ加速や除去で対応したりする」と思ってください。少なくとも自分のデッキはそういう風に組んでいます。

実際に大会で結果を残しているデッキだけあって非常に強く、5ターン目ぐらいに《根本原理》から究極の選択を迫りにいくと楽しいことこの上ないのですが、フリーでデイリーミッション消化用に使うにはひとつの問題がありました。

そう、フリーマッチにはアグロ*7が多いのです。

同じようにデイリーミッションを消化したい人はだいたい試行回数で手早く終わらせたいのでアグロを握ります。さらにフリーマッチはBO1なので、メインデッキからは対策されづらくサイドデッキから対策されると辛いアグロは生きていきやすい。相手に対策が無いならそもそも勝ちやすいし、ぶん回ってしまえば対策を乗り越えて勝つポテンシャルもあります。大会はBO3*8なのでアグロはサイドデッキで対策できるしできていたのですが、フリーで回すならそうともいきません。

アグロと対面して押し込まれることがかなり増え、デッキをチューニングせざるを得ませんでした。必要なのは軽量除去と全体除去、相手の速度を奪う方法と相手のリソースを奪う方法。そして全体除去はおおむねレア以上で、エリクサー病患者としてはワイルドカード*9は最後の手段にしたい。

そんな時、たまたまドラフトで取っていた1枚のカードが目に留まりました。

 

《激しい恐怖/Crippling Fear》 (2)(B)(B)
ソーサリー
クリーチャー・タイプ1つを選ぶ。ターン終了時まで、その選ばれたタイプでないすべてのクリーチャーは-3/-3の修整を受ける。

 

……もうこれでもいいんじゃないか?

《絶滅の契機》*10や《影の評決》*11には少し見劣りするかもしれないけれど、アグロに対応するためという点においてはそんなに不都合はない。強いて言うなら「多相」*12を持つクリーチャーは除去できないけど、そんなに対面しないだろ。そういう相手には単体除去を撃てばいいか。

本来は部族デッキ*13に積める全体除去としてデザインされたであろう《激しい恐怖》を、純粋に追加の全体除去として入れることになった瞬間でした。

 

そして《激しい恐怖》を入れてプレイしていると、ある事実に思い当たります。

基本的に序盤に盤面にクリーチャーを並べないスゥルタイ根本原理では、相手の場のクリーチャーを全て効果範囲内に収められればいい。つまり、相手の場にいないクリーチャー・タイプだったら何を宣言してもいい。

 

――それなら、マイナーなタイプを宣言して謎マウントを取ろう。

 

オタクの悪い癖がこうして発露したわけです。

 

 

 

個人的にオシャレポイントが高そうな部族

 

ということでここからは《激しい恐怖》で宣言したクリーチャー・タイプとして出ると個人的に「おおっ」となってほしい部族の紹介になります。前述の通り100%押し付けなので実際に「おおっ」となるかについては保証できかねますことご了承ください。

基本的に最近(多相を除いて)存在せず、字面がいいものを選びます。

 

「神秘家」

神秘主義(しんぴしゅぎ、英: mysticism)とは、絶対者(神、最高実在、宇宙の究極的根拠などとされる存在)を、その絶対性のままに人間が自己の内面で直接に体験しようとする立場のことである。

(フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より引用)

 「神秘家」と名のついたカードは多数あれど、実際に「神秘家」というクリーチャー・タイプを持っているクリーチャーは圧倒的に少ない。現在7体のクリーチャーが該当するらしいです。内訳としては三国志世界をモチーフにした『ポータル三国志』というパックに道教の関係者として2種類、『オデッセイ』というパックである世界の特定の大陸で活動する秘教の方々をカード化する際に5種類。

ちなみに公式で「もう増えることはない」というお触れが出たらしいので、今後よっぽどのこと*14がない限りマイナー種族であることが決定されています。宣言し得。

 

「テトラバイト」「ペンタバイト」「トリスケラバイト」

急に3つです。何せいろいろそっくりなので。

これらはそれぞれ特定のクリーチャーから生成されるトークン1種類のみにしか使われていないクリーチャー・タイプです。「テトラバイト」は《テトラバス》、「ペンタバイト」は《ペンタバス》、「トリスケラバイト」は《トリスケラバス》。分かりやすい。

それぞれ「テトラ(tetra)」「ペンタ(penta)」「トリ(tri)」は4・5・3を意味する接頭辞ですが、トークン画像を見ても全然形にその要素はありません。それぞれ《テトラバイト》はサイズが4/4として戦場に出てトークン含めて4つに分離できるから、《ペンタバス》も5/5として出て5つに分離できるから、《トリスケラバス》は《トリスケリオン》という別のカードと《ペンタバス》のあいのこのようなカードなので名前を取って、ということで本体のカード名がつき、それに因んでトークンのクリーチャー・タイプもつけられたということだと思われます。ちなみに《トリスケラバス》は4/4として戦場に出て4つに分離する7マナのカードです。3体トークンを出すから、とこじつけられなくもないですがこじつけ。

とはいえ急に宣言された時の「えっ、何お前」感は非常に高いと思います。実際クリーチャー・タイプ一覧を見ていてなったので。

 

「裂片」

こちらも1つのカード、《Splintering Wind(仮訳:切り裂く風)》*15から生成されるトークンにのみ実装されているクリーチャー・タイプです。ちょっとカッコいいんだけど全く形の想像がつかない。当時はトークンの代用にできる公式カードもなかったので映像は謎のままです。

ちなみに一時期このトークンも「スプライト」にクリーチャー・タイプが変更されていた時期があるそうです。この「裂片」の英語名は「Splinter」なのですが、同じく「Splinter」というカード名の《木っ端みじん》があったのがいけなかったようで。MtGのルール上、カード名を指定する場合には実在するカード名じゃないといけない(=トークンのカード名を指定できない)のですが、《木っ端みじん》を指定することによって実質的にこのトークンを指定することができてしまうのです。例えば「この名前のカードから受けるダメージを0にする」というカードの場合に《木っ端みじん》からも《裂片》トークンからもダメージを防げてしまう。これを防ぐために一時期スプライトにされたのですが、諦めたのか紙とオラク*16が大きく違うことによる混乱とこの相互作用を放置した場合の実害を天秤に取ったのか、そこそこで「裂片」は復活することになったとか。

ちなみに「多相の戦士」「組立作業員」なども同様の相互作用があります。反省してないのでは?

 

「フェルダグリフ」

名前から全く想像がつかないシリーズ、続いてはマジック完全オリジナル生物こと「フェルダグリフ」です。こちらは『アライアンス』で登場した《Phelddagrif(仮訳:フェルダグリフ)》と『プレーンシフト』で登場した《探索するフェルダグリフ》の2体だけが持つクリーチャー・タイプ。

画像検索すればわかりますが、「紫色の有翼カバ」です。なぜそんなものを作ったかというと、設定考案中に神様の名前を考えるにあたって出た「フェルダグリフ」という案が「いやいや、そんなんじゃ空飛ぶ紫色のカバみたいな名前じゃん」とツッコまれた結果できたらしいです。それは作れという意味じゃないんだと思う。

ちなみにこの英語の綴り、MtGというゲームを作った「ガーフィールド博士(Garfield Ph.D.)」*17アナグラムらしいです。カバにされたことは許してくれる寛大さよ。

 

「砂漠の民」

イチオシ。自分が宣言するときはだいたいコレです。

基本的にMtGのクリーチャー・タイプは「生物的種族」か「生物的特徴」、あるいは「社会的職業」だと思うのですが、砂漠の民は「砂漠に住んでいる人」です。生態か?

それもそのはず、実はこのクリーチャー・タイプ、もともと「Sand-Warrior(仮訳:砂漠の戦士)」というものだったのが「Warrior(戦士)」というクリーチャー・タイプが存在したが故に無理矢理「Sand(砂漠の民)」と「Warrior(戦士)」に分割したから誕生した、ということらしいです。こっちこそクリーチャー・タイプを完全に別のものにしてどうにかするべきだった気もします。

ちなみに「砂漠の民」も例によって持っているクリーチャーは多相以外にはカードで存在せず、他のクリーチャーの効果で生み出されるトークンのみに存在します。砂漠の民トークンを生み出すカードは2種類あるらしいので、狙い目ではないでしょうか。

 

 

 

後書き

 

いかがでしたか? MtGには多種多様な部族がいることがよく分かりましたね!

冗談はさておき、最近新カードが出たけどマイナーな部族はたくさんいます。「猿」や「恐竜」は一旦消滅してから最近復活しましたし*18、「モグラ」やら「ブラッシュワグ」やら「反射」やら「スポンジ」やら「臆病者」やらよくわからないものまでたくさんいます。あと紹介しきれなかったのだと「オムガイ」や「カキ」はいるのに「貝」が無いとか。

知らないことを知る、というのは楽しいもので、今回の記事を書くにあたって色々調べて面白かったです。

この記事が役に立つとは思いませんしネタ被りしてそうですが、それでもまたなにか思いつきましたら。

*1:直近の5~8パックに収録されたカードを使用できる。9パックめが発売されると同時に古い4パックが使用不可になる。

*2:1本先取。初見殺しだろうとなんだろうと勝てばいいので気が楽。

*3:ここまでは勝つと2ポイント/負けると-1ポイントなので勝率が33%そこそこでも行けるが、プラチナ以降は勝っても1ポイントなので勝率50%以上が必要

*4:攻めたり除去で守ったりリソースを回復したりしながら押し切る中速デッキ。

*5:除去などで相手を押さえこんだ後に重くて強いカードで踏み潰す低速デッキ。

*6:BBGGGUUのソーサリー。デッキから単色のカードを3枚相手に見せて相手に1枚選んでもらい、選ばれなかった2枚をタダで唱えていい。

*7:非常に軽量なカードのみで構成してリソースが枯れて相手のレンジになってしまう前に押し込むデッキ。

*8:2本先取。1ゲーム終わるたびにサイドデッキとメインデッキのカードを交換できる。

*9:レアリティごとに存在し、同じレアリティの好きなカードと交換できるカード。

*10:同じく2BBのソーサリーで、場に出ている全てのクリーチャーのうち点数で見たマナコストが奇数か偶数の選んだほうであるクリーチャーを追放する全体除去。

*11:3BBのソーサリーと1マナ重いが、全ての場と墓地にいるクリーチャーのうち点数で見たマナコストが3以下のものを追放する全体除去。

*12:現在スタンダードに存在する能力のひとつ。「このクリーチャーは全てのクリーチャー・タイプを合わせ持つ」という意味が圧縮されている。

*13:デッキの中のクリーチャー・タイプを偏らせ、そのクリーチャー・タイプのシナジーやそれをサポートするカードを使って戦うことに主眼を置いたデッキ。

*14:わざと昔の体裁やカード、設定をもとに新しいパックを作ることだ。そう、『時のらせん』や『コールドスナップ』のような。

*15:再録禁止カード、かつ日本語版が出る前のカードなので日本語訳が存在しない。

*16:インターネット上にある「最新のテキスト」。紙の印刷よりも優先される。

*17:本名はリチャード・ガーフィールド、数学博士。

*18:特に恐竜は相当枚数が増えました。