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困ったときは遺書としてお使いください

今年のRiJが終わってから今までのRiJの好きなランを紹介することにどれだけの意味があるのか

 

 

 

(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。RTA in Japan(以下「RiJ」)ロスがヤバい。Twitchつけて「あ、やってない……」ってなる。今年の夏は6日間開催だったってことは、ロスは2日間開催だった頃の3倍ですからね。

寝る時にも流していたRiJSummer2023が終わりあまりにも寂しかったので過去のRiJを見返したりしていたのですが、習性で「こういうのは他人に共有することで文章を書くリハビリにしよう」などと考えはじめ、そして今に至ります。即行動することで躊躇する暇を自分に与えない。まあ後で後悔はするんですが。

というわけで今回は過去のRiJで好きなランを並べて感想書いて満足する回です。RiJ視聴者の皆様方におかれましてはメジャーどころが多くなるとは思いますが、読んでいただける方はしばしお付き合いください。

 

 

 

RTA in Japanとは?

 

rtain.jp

 

RTA*1メインのスーパープレイを有志の方々が披露する、だいたい夏のお盆と冬の年末に開催される日本最大級のRTAイベント。開催月のTwitchチャンネル収益やドネート、グッズ売り上げの一部などは税金を差し引いて国境なき医師団に寄付されるチャリティーイベントでもある。2016年年末から開催されているが、年々規模は拡大し続けている。

 

 

 

 

【スーパープレイ部門】

 

ものすごく当たり前のようなことではあるが、RTAプレイヤーはだいたいの場合そのゲームが上手い。RiJに登録し当選する*2ような猛者であればなおさら。

素人目にも「何かおかしいことが起きている」と思わせるようなプレイは、クイズ王の早押しやスポーツ選手のありえないプレーのような、隔絶しているからこその美しさがある。

今回この部門では主にグリッジというよりもスーパープレイの方向に重きを置いて*3、どうにか5つに絞ってみる。

 

 

スーパーモンキーボールデラックス Ultimate Normal (2019冬)

 

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「ボールに入った自キャラを転がしゴールに運ぶ」というゲーム性から最大限繰り出される難所の数々を、テンポのいい喋りとともにばったばったとなぎ倒す。乱数が絡まないというゲームの特性を活かし、いわゆるポーズバッファを使ってフレーム単位の調整から正確に操作することで同じ結果を出力させる技は、素人が手を出したらヤケドしそうなヤバさを明らかに感じさせる。なお走者のゆとりんさんはこの後公式YouTubeチャンネルに達人プレイヤー的な立ち位置でご出演なされた。凄い。

 

 

EQUALINE All Missions (2022夏)

 

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人外の集うパズルゲーム枠からのピックアップは「算数」。盤面にある数字と計算記号を通って目的の数字を作る、というシンプルかつわかりやすいゲーム性から繰り出される、"ちゃんとドン引きできる"超計算スピード。ルールが簡単ゆえに味わえる、どこをどうやっても勝てない絶望感が心地いい。……本当にパターン暗記じゃなくてガチ計算なの?

 

 

Factorio Any% (2022冬)

 

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工場のラインを整備しとにかく効率よく目標まで自動化し続ける……というハマる人間は人生を破壊しかけるレベルでハマる伝説のインディーズゲーム。事前のチャート選択や正確な操作が主に求められるゲームの中で、自分のミスだけではなくエンコードの不具合などにも泣かされながらも、ただただ効率よく効率化していく姿は圧巻の一言。動画の不具合はあるが一見の価値は間違いなくある。ちなみに走者のMazmotさんは2023年8月に世界記録を更新されていた。おめでとうございます。

 

 

Trials Rising Ninja% (2023夏)

 

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最新回からはバイクトライアルのゲーム『Trials』シリーズの最新作。公式が用意していいレベルを超えているようにしか見えない超絶難易度のステージ*4を、重心操作とアクセルブレーキだけでガンガン乗り越える。チェックポイント通過即リトライ可能という条項が何一つ譲歩に見えないし、前半のテンポと経過時間から目標タイムを見て後半の難易度を察せられる。左下の操作を見ると「なんでこれでこうなるのか」と困惑もできる。素人目には物理法則と筋力の限界を超えているようにしか見えない挙動も注目どころ。

 

 

キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲 Maxim Any% 4人×2チーム対抗リレー (2018冬)

 

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ニコニコ動画ではテンプレコメントだらけのTASで有名な『白夜の協奏曲』マクシームAny%を、(当時の動画勢からすれば)見覚えのあるTAS技をいくつも駆使しながら駆け抜ける。人は、キシンになれる。ノリのいい解説や観客席の方々も含め、見ていた人には懐かしさとゲームのブレイクっぷりを再確認させてくれる。Twitchチャンネルに残っているコレクションから当時のコメント欄を覗いてみるのもまた一興。

 

 

 

 

【解説部門】

 

RiJ含めRTAイベントにおいては、走者のほかに解説者が置かれることも多い。プレイしながら話すことが難しいゲームも多く、かといって何も喋らずにプレイだけ見せても凄さが分かりづらかったり間が持てなかったりすることも多いからだ。ランの内容があって、という絶対的な前提を下敷きとしても、そういった解説やリアルタイムの掛け合いもRiJの大きな魅力だと思っている。

 

 

リングフィットアドベンチャー Beat World1 Intensity Level 30, Intended (2021夏)

 

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同時接続者数18万人を達成した伝説のラン。レギュレーションは要するに「運動負荷レベル最大で、指示通り運動を行ったうえでワールド1をクリアする」。

関係各所のご尽力や記録保持者の推移、事前の諸々があったうえでの数字だ、ということを前提としたうえで、筆者は実況の田口尚平さんの話をしたい。元テレ東アナウンサーにしてeスポーツキャスターである田口さんは、率直に言ってしまえば筆者の推しeスポーツキャスターである。様々な仕事を抱えているにもかかわらず事前準備を欠かさずキーフレーズを差し込んでくるプロの仕事感、熱量と勢いを第一に伝えようとする姿勢と盛り上げ方、ほんの少しのあざとさととても大きな愛嬌が見え隠れする姿。素人目だが推せる。そしてその良さが十二分に、かつわかりやすく発揮されているのがこのランの実況だと思っている。ぜひ。*5

 

 

カドゥケウス New Blood Any% Normal (2022冬)

 

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ツッコミどころと見た目の派手さ満載の超次元医療ゲームに解説として参加していらっしゃったのは、医療関係者でもあるRiJ名解説者*6Y's(ワイズ)さん。落ち着いていながらもテンポとノリのいいトーンで、医療従事者目線の冷静なツッコミや実体験に基づいた雑談を繰り出していく。テンプレ天丼芸なども含めて緻密に練られた台本などの事前準備にはただただ頭が下がるばかりだし、世界記録に迫るプレイに合わせてこのランをはっきりと記憶に残るものにしていると思う。

Y's(ワイズ)さんは他にも2020年夏の『メタルスラッグX』や2023年夏の『GS美神 ~除霊士はナイスバディ~』などの解説も務められていらっしゃるので、良いと思われた方はチェックしていただきたい。

 

 

Portal Out of Bounds (2021冬)

 

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「Steamの義務教育」とまで言われる『Portal』の壁抜け可なんでもありレギュレーションでただでさえ常人には理解不能レベルなのだが、ゲームの独特な世界観とランのカオスさを引き立てるのがすないぬさんの解説芸。ボイスチェンジャーをつける、言葉の繋ぎ目を空ける、リトライ時には全く同じ解説を機械的に続ける……などといった形でPortalの世界観を補強している。もはやゲーム・プレイ内容・解説の三位一体の総合芸術と言っても過言ではないかもしれない。一度見たら忘れられなくなることうけあい。

 

 

パズルボブル Arcade 1Player (2022冬)

 

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見た目以上に圧倒的に難しいパズルゲームの、圧倒的高みにいる3人の並走。実力と運がともに必要なこのゲームの盛り上げ役を担ったのが、解説のShino.さん。明朗快活ハキハキとした「おねえさん」然とした声質で、忙しい3人並走を取りこぼしもせずスーパープレイにはプレイヤー視点で心からの賞賛を送りつつ……と完璧に回している。不確かなエイムを頼りに球を撃つ姿も合わせて手に力の入るラン。なお2019冬の『パズルボブル2』のランと合わせて「公式の回し者」「パズルボブルのおねえさん」という呼称が定着したShino.さんは後にパズルボブルの公式対戦会に実況解説としてご出演なされた。一般人とは。

 

 

ニュー・スーパーフックガール Extraモード (2020夏)

 

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世界1位と世界2位の並走を解説するのは、なんとゲームの開発者であるクストさん。スタイリッシュフックアクションの宿命とも言える開発者の予期しないルートを、何とも言えない感じで実況するシーンは一見の価値あり。また、そうでなくともそもそも目まぐるしく状況の変わるテンポの速いゲームを、聞き取りづらくならない程度の早口回しでしっかりと伝えてくれる。実況初心者……?

 

 

 

 

ミーム部門】

 

RiJを盛り上げるTwitchのコメント欄には、一定量擦られるミームと化した定型文が存在する。その中でも視聴者たちに残した爪痕が深く、またランにも見ごたえがあるものからどうにか5つを厳選させていただいた。どうして5つにしてしまったのか。

 

 

DEMENTO A ending (2019夏)

 

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「デメる」「花火はまずい」などの震源地にして、「RiJのホラー枠は縁起が悪い」というとんでもなく当たり判定の広い風評被害の発端のひとつ。世界1位の走者の素晴らしいラン……のはずだったが、なぜか次々と発生するアクシデントとミス。外で花火大会が始まり、画面共有用の配信が謎の成人指定を受け、精神的動揺により連鎖するミスに予定タイムオーバー、挙句の果てにフリーズ……。本人すら出禁を危惧するレベルのグダりっぷりにコメント欄は諸々の渦に包まれた。YouTubeだとどうしてもただミスが強調されて見えるかもしれないので、ぜひTwitchコレクションでコメント欄と一緒に。なお走者のソードフィッシュさんは無事出禁ではなくRiJの名物走者・解説者になった*7

 

 

15m challenge tournament (Barbie Super Model) Any% Super Model (2018冬)

 

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ピクセルパーフェクト」とそれに伴う変形型「フレームパーフェクト」の発信元。本番15分前にRTAを行うゲームを走者に発表し、短い練習の後ぶっつけトーナメントを行うという企画で、走られたのは『Burbie Super Model』。短時間・覚えることが少ない・見どころがある、という難しい条件に見事に合致したゲームに、練りこまれた天丼芸と、初心者・ガチではないエンジョイトーナメントということも相まって白熱するバトル。無駄にテクニカルなピクセルパーフェクトも見逃せない。

 

 

ポケットモンスター ソード&シールド Any% with DLC (2021夏)

 

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コメント欄で見かける謎の気持ち悪いスイクン*8の発祥。DLCダイマックスアドベンチャー226体からランダムで引ける1体を主軸として進行していくにあたり個別チャートを大量に用意した右下のキャロさんだったが、結局スイクンが捕獲できたうえにスイクンより速くなりうるポケモンが出ずにスイクンチャートに収まってしまい、しかもそのスイクン個体値C0*9……という波乱万丈。四者四様のチャートもあって本走も大変に面白く盛り上がったのだが、なぜかこのスイクンだけが一人歩きしてしまった。なおこのスイクンが爆発的に広まったのは本走が終わってからである。また、このランの遥か後に発売された『ポケットモンスター スカーレット&ヴァイオレット』では触手の生えたスイクンのような見た目をした「ウネルミナモ」というポケモンが追加されまた話題になった。

 

 

Paris Chase Any% (2022夏)

 

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「セーヌ枠」「ナイスセーヌ」の本元……というか、本元となったゲームがRiJで初披露され周知された回。海外イベント「Summer Games Done Quick 2021 Online」でこのゲームが披露された際の公式日本語ミラー配信で生まれたミーム*10で、CPUとの対戦レースゲームにして「相手をコースアウトで走行不能にしても勝ち」という悪用しか考えられないシステムにより相手をセーヌ川に投げ落とした際の掛け声。下準備とばかりに障害物を車体で掃除し相撲の決まり手のような形であの手この手で相手を事故らせる姿はあまりにもシュール。以降荒々しい運転が含まれたりややバカゲー寄りなプレイをするレースゲームを「セーヌ枠」と呼ぶ一派が現れるほどには視聴者の心に刻み込まれた。

 

 

Racing Lagoon Any% (2020夏)

 

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RTA界隈で生まれたミームではないが多用される、いわゆる「ラグーン語」の母体。やけにポエティックな語り口や独特な英語の使い方、「……冗談じゃねぇ…」「ごま塩程度に覚えておいてくれ」などの汎用性の高いセリフなどが、深夜帯の視聴者にあまりにも強いインパクトを残した。それはそれとしてゲームもRPGとレースゲームの融合と見どころが高く、走者の細やかな技術もまた面白い。コメント欄はとにかくラグーン語で一色だったので、こちらもぜひTwitchのコレクションアーカイブで。

 

 

 

 

【特殊なゲームやレギュレーション】

 

ギネス世界記録がそうであるように、RTAで記録を競うにあたり様々なレギュレーションが考案される。もちろん競争性・時間を縮めるにあたっての技術介入性が低いものは難しいが、いわゆる「魅せプレイ」として様々な特殊ゲームやレギュレーションが考慮されてきた。RiJでは近年スーパープレイ枠としてシューティングゲームのハイスコアアタックなどが採用されているが、それとはまた違った形の特殊ゲームを3つだけご紹介させていただきたい。

 

 

スーパーマリオ64 70 Stars Blindfolded (2021冬)

 

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Blindfoldedは「目隠し」である。つまりゲーム開始から「てんくうのたたかい!」を制してタイマーストップまで、一切映像情報なしでプレイする。

それを可能にしているのが熟練の目隠しRTA走者であるBubziaさんの正確無比なチャート構築力・記憶力・再現力。世界屈指の目隠しRTA走者であるBubziaさんは様々なゲームで目隠しRTAを行っており、予定タイム2時間以上の長丁場であるこのレギュレーションでも完璧なセットアップから魔法のようにスターを獲得する。わけのわからないものを見たいときにぜひ。

なおBubziaさんはRiJに何度もご参加なされており、これ以外にも『Deltarune』『大乱闘スマッシュブラザーズDX』、そして今回のRiJ2023Summerでは『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』を見事完走された。……なんで? またBubziaさん以外にも目隠し走者は近年増加傾向にあり、『マイクタイソン・パンチアウト!』『海原川背・旬』『ときめきメモリアル』など……なんで???

 

 

カービィボウル 3Keys Normal Courses (2020夏)

 

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ニコニコ動画のTAS*11界隈で非常に話題になったなるしすさんの動画『3つのボタンでカービィボウル*12のルールで行われる8コース+表ボス戦のRTA。ぱっと見わかりづらいが、方向転換もカーブボールもできず最初に出る自動ガイドの方向に発射するしかない超鬼畜ルール。元動画がTASであることもあり、フレーム目押しの緩和など人力一発勝負で再現できるチャートの再構成も凄まじい。3つのボタンでカービィボウル界隈のことは「学会」と呼ばれており*13、学会長なるしすさんのTwitter同時実況なども合わせて盛り上がった。ちなみにspeedrun.com*14によるとこのカテゴリの走者は2名いるらしい。

 

 

KORG Gadget for Nintendo Switch 15分、オールランダム、シーン&ガジェットロック (2020冬)

 

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Switchで音楽を作るためのガジェットアプリである『KORG Gadget for Nintendo Switch』で、製作時間15分+音源・BPM・スケールをランダム決定し変更禁止+8小節縛り。要するにゲームでもリアルタイムアタックでもないという非常に珍しい、この回のRiJのために作成されたレギュレーション。まだスーパープレイ枠が正式決定されていない中で行われた非常に実験的なRTA。ランダムに泣かされながらも作られた曲は果たして。

 

 

 

 

【その他個人的なオススメ】

 

上記の項目に入りきらなかった中でも特に個人的に面白いと思っているもの。こちらも苦渋の決断で絞らせていただいた。お気に入りを全部勧められるなら勧めたい。

 

 

リトルナイトメア Any% (2022夏)

 

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世界1位と世界2位のホラゲー並走なのだが、この回はとにかくガバる*15。短縮技の何もかもをミスってるんじゃないかと錯覚してしまうほどのガバり方なのに、なぜか予定タイムはきっちり守る。ミスをした走者2人の悲鳴と、あまりの事態に溢れ出る3人の笑いがどこか活力を与えてくれる、ホラゲーのはずなのにほっこりするRTA

 

 

ゼルダの伝説 風のタクトGC版) Any% (2020夏)

 

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このランを語るにあたって外せないのが、上動画の2年前に走られた同ゲーム同レギュレーションのランだろう。

 

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予定タイムが2時間50分の驚異のダイエットを遂げている。実は2年前のランの少し後にすべての記録を過去にしうるテクニック(バグ?)*16が発見され、その後も様々なことがあって2年後の予定タイム1時間半に繋がっているのだ。人類の進化の結晶が垣間見える、素敵なRTAと言える。あと3DゼルダAny%特有のメチャクチャ感も分かりやすくて筆者はお気に入り。

 

 

WHAT THE GOLF? Any% No Major Glitches (2021冬)

 

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RTAイベントでは自分の知らないゲームに触れられる。例えそれが、何なのかよくわからない謎ゲーであったとしても。

タイトルの通り「ゴルフってなんだ……?」と言いたくなることうけあいの、パロディ満載インディーズバカゴルフゲー。以降すべての球が転がるシーンにゴルフとコメントがつく原因になったわけのわからないもの。というかそもそも最初のステージの時点でゴールはフラッグにぶつけることであって穴に入れることではない。ユーモアたっぷりな走者さんと解説の方の掛け合いも合わせて、不思議な気持ちになれるラン。

 

 

GeoGuessr 30 Country Streak (2023夏)

 

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2022年にも走られた*17Googleマップストリートビューを使った場所当てゲーム『GeoGuessr』の国名当てモードで30問連続正解を目指すRiJ専用ルール。走者の方は同ゲームの公認プレイヤー。GeoGuessr世界マッププレイヤーであればとりあえず確認するらしい太陽の方角*18はもちろんのこと、電話番号やドメイン、ナンバープレートの色や模様、標識や電柱の植生*19ストリートビューを撮影しているGoogleカーの情報*20など、情報を取れるあらゆる場所から情報を取って知識でシバくプレイを見られる。よりクイズ王の早押しに近いスーパープレイを見たい方はぜひ。

 

 

【RiJ外】弾幕アマノジャク ~ Impossible Spell Card. All Scene No Items (Stylish Speedrun Showcase3)

 

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RiJのTwitchチャンネルではRiJ本番以外にも、有志の開催するRTAイベントを配信し、その活動記録を残す取り組みもしている。その中から1つ紹介させていただくのは、東方projectシリーズの『弾幕アマノジャク』だ。

「回避できない弾幕を、アイテムを使って回避する」という外伝ならではのアプローチがとられている本作を、ノーアイテムで攻略する*21という門外漢からしてみれば製作者の恩情を投げ捨てているとしか思えない恐ろしいレギュレーション。ランダム性の高さも相まって、高い実力とアドリブ力、そして運と祈りの力が要求されるスパルタ種目。思わず前のめりになること必見。

また同一レギュレーションはこのランの約半年後にRiJでも走られており、そちらはこのランの走者ともうひとりの方との並走である。このレギュレーションを走る人間が2人いることに驚きを禁じ得ないが、このレギュレーションのspeedrun.comの走者は世界に5人いるらしい*22。しかも2023年8月に行われた3人並走で世界記録が更新されていた。人類の天井などないことを感じる。

 

 

 

 

 

一旦の後書き

 

とりあえずキリがいいかなと思って各部門3~5個選んではみたものの、まあ当然枠が足りませんでした。普通の将棋とはまた別のアプローチをしており数日前に編み出された新手法が実戦投入された2018冬『最強羽生将棋』とか、無駄に(?)熱い対戦が繰り広げられる2019冬『街へいこうよどうぶつの森 第2回街森借金返済王決定戦』とか、ガバ部門だと茶番のせいでミスをして再走することになった*232019夏『スーパーボンバーマン』や色々あってアーカイブでは音声一部消去の憂き目に遭った2020年冬『サイレントヒル2』。RTA常連勢で言えば『Celeste』や『Cuphead』も何度も披露されているし、派手なゲーム破壊で言えばいつもの走者2021冬『ファイナルファンタジー6』に3Dゼルダ恒例Back in Time*24が乱れ飛ぶ2019夏『ゼルダの伝説スカイウォードソード』、予定タイムだけで明らかにヤバい空気が察せる2020夏『ファイナルファンタジー3』とかネタバレ厳禁にもかかわらずあまりにもゲームが崩壊しているので半分くらいはようわからんまま進行していく2022冬『Inscryption』*25。ひとくちRTAで行くなら2019冬『QWOP』やら2023夏『Gettin Over It with Bennett Foddy』やらのメジャータイトルの他にも、死ぬほど解説の音声がガビっていてそれも面白い2022冬『大工の源さん~べらんめ町騒動記』やセーヌ枠である2023夏『Jelly Drift』がある。ただただ自分の趣味だけで行くなら2018冬『チョロQHG2』に2021冬『NINTENDOパズルコレクションパネルでポン』、2019冬『ルミネス リマスター』や2022夏『VVVVVV』……とまあ挙げればキリがない。今17個ぐらい挙げた。

探したらこういう記事もごまんとあるんだろうな、という気持ちと、そもそもこんな辺境に来る人間は全員このあたり見てるだろうな、という気持ちがないまぜになってはいますが、とはいえこれをインターネットに放流して少しでも自分が好きなものが広まればいいなと思っています。冬も楽しみですね。自分も何かリアルにタイムアタックできる分野がありたい人生だった。

では、また何か思いつきましたら。

 

 

 

 

 

*1:リアルタイムアタック。主として実プレイ時間の短縮を目標としたゲームプレイのこと。

*2:RiJに出るにはゲームやレギュレーション、目標タイムなどを申請したうえで参考記録動画を送付する必要がある。倍率はエグい。

*3:そもそもグリッジ系が好きなのでグリッジを含めると全部ここに入れることになりそうというのもある。

*4:150万人ほどのゲームプレイヤーに対して最終ステージのクリア者は200人くらいらしい。

*5:「この項目だけランに関係ないところ長くない?」という指摘については甘んじて受け止めます。

*6:筆者の個人的な感想です。

*7:筆者個人の感想です。

*8:Twitchスタンプ「PokSuicune」に「Squid2」と「Squid4」を繋げた姿。

*9:とくこうのステータスに補正がない。要するに火力が低く時間はかかるが、当然引き直せるわけではないので一発勝負な以上これで行くしかない

*10:この際の日本語解説役が走者のkamiaさんで、司会進行がRiJ解説のアジーンさん。

*11:ツール使用によって理論値や理想乱数を引き寄せるスピードランやスーパープレイなどのこと

*12:ゴロ/フライの切り替えである上ボタン、コピー能力の使用であるBボタン、ショットとがんばれボタンの役割であるAボタン以外のすべてのボタンを使用できない制限TAS。

*13:主になるしすさんの仕様解析・説明動画が難解で講義のように聞こえたため

*14:おそらく最大級のRTA記録集積サイトのひとつ。

*15:ミスが多発する、のニコニコ動画RTA界隈の言い回し。特定個人発祥。

*16:発見に懸賞金までかかったバリアスキップ。また、表題走の1年半前のHD版のランでは「人間でやっている人は見たことない」と言われていたテクニックも実用化されている。

*17:その時は日本マップで5問連続満点を取るタイムアタックだった。

*18:北側にあれば南半球、南側にあれば北半球。

*19:例:メキシコの電柱は八角形である

*20:例:ケニアGoogleカーにはシュノーケルのような何かがついている

*21:一応達成時の称号は用意されているので理論上はすべてノーアイテムで回避可能ということらしい。

*22:なお現時点でリアルタイム記録1時間を切っているのはこの並走の走者2名。

*23:その後走者の方は世界記録更新をされていた

*24:スタート画面のデモプレイを操作してフラグやセーブデータを持ってくる無法。

*25:とはいえネタバレ要素はあるのでご視聴の際はお気をつけください