UNOに別ゲーのカードをとにかくいろいろ突っ込んでいって面白くなるか実験した話
(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)
前説
お疲れ様です。斬進です。この夏はとにかく体調が上向きにならず、ついでに毎年定期的にできる体質の某路結石も猛暑の影響かめちゃくちゃできて死ぬかと思いました。でも基本的に「痛み止め出すので効いてる間に頑張って水飲んで出してくださいねー」しか言われない世界が憎い。
閑話休題。今回は久々に『捜査一課』*1内で色々やった話、兼カードゲームに関する話です。カードゲームについては色々書こうとはしていたもののまとまらずボツにすることを繰り返していたので本当に久しぶり。
ということで表題の通り、今回はロクでもないUNOを作ってみた話をつらつらと書いていきます。もしご興味等ありましたら読んでいただけると幸いです。
きっかけ
自分は、カードデザインを見るのが好きです。
例えば新しいカードが出るとき、それがどういうコンセプトをもとにしているのか、それをカードの動かしかたなどで元ネタをどう表現しているのか。様々な制約がある中で、どのように新しいデザイン空間*2を開拓していくのか。逆に製作者の想定した通りに動かなかった失敗は、なぜうまくいかなかったのか。どうして公式アンチシナジーが生まれてしまったのか、どのような経緯で禁止カードになるほど大暴れすることになってしまったのか――。
わりあいそういうものを眺めるのが昔から好きで、わりと一時期は誰に見せるでもなくオリカを考えてみたりということをしたりもしていました。プレイヤーの5分類で言うと非常に緩くて浅いメルヴィン*3にあたるのだと思います。
それから話は飛びます。いつだったかSSDの中を整理していた時、ふと「UNO」というテキストを見つけました。
なんのテキストだっけ、と開くと、明らかにUNOに遊戯王カードを入れようとしていた形跡がありました。過去の自分の思いつきにしては試みとしては面白いのかもしれない、と思ったのですが、遊戯王にUNOを入れる程度のことなら誰かが思いついていそうなものです*4。もちろんそういう動画をアップロードしていそうな専業YouTuberもいますし、そういう人たちの発想力に素人の自分が勝てるはずもないでしょう。ならどうするか。
――遊戯王以外のカードも入れて、数と種類の暴力で攻めるか。
それが、カードデザインもどきに挑戦してみたかった自分の出した結論でした。かくしてこの夏、自分は大量のTCGと向き合うことになったのです。
結局本腰を入れて考え始めてから1ヶ月強であらかた元ネタになるカードの候補を挙げ、一課のTCGやゲームバランスに詳しい方々のお話を聞き、どうにかある程度パーティーゲームとしての体裁が整いました。
数度のテストプレイを行い、最終的に残ったカードとそれを運用するだけのルール・裁定が固まりつつあるのでここにメモをする……という流れです。
カードの制作方針
・ある程度きっちりとルールや挙動は詰めるが、基本的にはカードゲームというよりパーティーゲームとして制作する。ノリとパッションを大事にし、「カードを見て/プレイして驚きがある、楽しい」を重要視する。
・UNOに導入するカードを選ぶ際にも上項目を最優先で考慮しつつ、「UNOに存在しない領域や概念(場札/山札/手札以外の概念)を1枚のカードに多く登場させすぎない」「記憶問題*5にもある程度配慮する」「詳細はわからなくても元のカードやテキストを知っているならなんとなくどんなことをしたいのかおぼろげでも想像できる」などを考えつつ選定する。
・UNO用のテキストでは元のカードの動きをなるべく再現するが、ゲームとしてパワーバランスに問題があるならパワーバランスの調整を優先する。
・一部特殊カード間での薄いシナジーを考慮し、プレイ中に予期しない驚きを提供するのも目標とする。
・4色にほぼ平等になるように特殊カードを配置し、それぞれ「小さな数字」「大きな数字」「奇数」「偶数」でばらけさせることによって特殊カードが連続して場に出すぎないようにする。
想定ルール
通常のUNOと同じく、各色に0が1枚、1~9・スキップ・リバース・ドロー2が2枚ずつ存在し25枚。ワイルドとワイルドドロー4が4枚ずつあり、計108枚で構成される。
追加カードは基本的に特定のカードとして扱うルールを持っており、同名になる通常カードと差し替える形で入っている。
プレイ上のルールは基本的に公式ルールに則る。ローカルルールを入れても大きくは問題にならないとは思われるが、基本的に1人のプレイヤーが1ターンにカードを2枚以上出すことを想定していないため、階段出し(シーケンス)や同色同数2枚出しなどを採用すると予期せぬルール上のトラブルが起こる可能性がある。
開発の想定環境は「ドロー2どうし/ドロー4どうしでの累積ドロー」と「効果を持つカードを出してのあがり可能」が採用された準公式ルール。
追加カード紹介・解説・調整メモなど
※テキストは執筆時点のものになります。また諸事情により、カード画像はご用意していません。ご了承ください。
青:数字が小さいカード
《渦まく知識》(Magic:the Gathering)
このカードは「青・1」として扱う。
このカードがプレイされたとき、あなたはカードを3枚引き、その後手札からカードを2枚選び好きな順番で山札の一番上に置く。
手札が減らないかわりにデッキトップに2枚カードを仕込むことができるカード。どちらかというと特殊カードによる空中戦になった際、手札の質を上げることができる。また山札の上を参照する《安心沢刺々美》や使い終わった《挽歌の妖精》とのシナジーも見込める。
絶妙にシナジーしそうでシナジー範囲が狭い、手札を減らすことができないなど痒いところも多いつよわめなカード。とはいえ単体でも最悪打てるしまあいいか……ぐらいのライン。とはいえ手札が増えも減りもしないわりにはカードを引くので、《ケガレた血》が山札に増えてくるとどうしても持て余しがち。
MtGでは青が好きなので、どうしてもこのカードを入れたかった。実カードそのままの挙動にした結果カードの強さとしては微妙になったが、まあ問題はないということでテキスト補整はなし。実際わりとなあなあで打って「まあまあまあ…」みたいなカードに落ち着いたので結果よかった。
《国民的アイドル》(学園アイドルマスター)
このカードは「青・1」として扱う。
次にあなたがカードをプレイしたとき、そのカードが効果を持っているなら、それは2回適用される。
次の効果のあるカードを2回誘発させる夢のあるカード……だが、効果のない通常の数字カードを使っても効果が切れてしまう。相手の出したカードにも依存する関係でこの効果とどこまで心中するかは悩みどころで、無限の可能性もそれを抱えて沈む可能性もある絶妙なカード。
カードリストが半分強ほど埋まった時点で物理カードが存在しないDCGからもゲスト出演させることを思い立ち、一課メンバーに何かいいカードがないか訊ねたところ教えていただいた。誘発増加はMtGで馴染みがあったし、効果があるカードを扱う分野ではわりとベタどころなので喜んで採用した。青・1なのは好調消費1から。
テストプレイでは《ケガレた血》が蔓延した終盤に《カップ・オブ・エース》を2回誘発させて殺意のコイントス2ドロー×2誘発を仕掛けたことがあるので、本当に相手のカードによって不安定だけど超盛り上がる見せ場を作れるカード。*7個人的にはこういう動かし方次第なカードが好きなので無事正式採用となった。
《対抗呪文》(Magic:the Gathering)
このカードは「青・2」として扱う。
あなたの前のプレイヤーが効果を持ったカードをプレイした際、その効果が解決する前にこのカードを公開しプレイを宣言してもよい。その効果を無効にし、このカードを場に出してあなたの次のプレイヤーのターンにする。
MtGの青といえば、な打ち消しカード。山札の半分ほどが効果を持っているこのゲームではかなりの確率で有効に発動することができ、能動的に事態を好転させることはできないがとにかく手堅い1枚。《発見》で青を宣言してこのカードをサーチした時の圧も高く、特殊カードあがりがありのルールならこのカードを残してUNOを宣言すると飛び道具が飛んでこないかぎり妨害してきた相手を踏んであがることもできる。
本来MtGなので直前のプレイヤーのカードでなくても打ち消せるのだが、そうなると他人のターンを飛ばしてこのカードを出すことができる変則的なスキップ効果も内包することになる。そうでなくともこのUNOには効果のあるカードが大量に採用されているため、このカードがプレイヤーが何人残っていても無条件かつ安全に吐き出せる手札として確立されてしまう。そうなるとこのカードを残してUNO宣言されると本当にどうしようもなくなってしまうので、《プログラム緊急停止》や《手札断殺》など遠隔で影響を及ぼすカードでカウンターの余地があるほうがいいだろう……ということで現在のテキストになっている。
自分が打ち消し呪文が打ちたくてMtGを触りはじめたということもあり、かなり初期からずっとカードファイルに存在した。知名度も申し分ない(と思っている)。
《「本日のラッキーナンバー!」》(デュエルマスターズ)
このカードは「青・3」として扱う。
このカードがプレイされたとき、0から9までの整数をひとつ宣言する。次のあなたのターン開始時まで、すべてのプレイヤーは宣言された数字のカードをプレイすることができない。
1周の間カードの一部を出せなくする、UNOの基本ルールに反抗するカードの1枚。ただし記号(スキップ/リバース/ドロー2/ワイルド/ワイルドドロー4)は宣言することができない。
安定択はこのカードに重ねられる3宣言だが、《安心沢刺々美》や《発見》などで相手の手札が見えているならそのカードを封じるように動いてもよい。《対抗呪文》のある2やエクゾディアを掘りに行く《発見》を封じる6なども視野。とはいえ究極的には不安定で最大1ターン貰えるだけのカードなので、やっぱりカジュアルに3を宣言するのが強いような気がする。範囲が他の拘束系より狭いぶんピンポイントで刺さると気持ちいい、芸術性・パーティー性に寄ったカードになった。
青には出せるカードに制限をかけるカードがこのカードを含めて3枚存在するが、一番最初に生まれたのが《「本日のラッキーナンバー!」》。たいていの場合止めたいのが効果を持つカードなので《プログラム緊急停止!》の下位互換になることも多いが、公開情報から手札を増やすカードも増えたのもあり、使い勝手の悪さを感じることはそれほどなかった。
拘束系の効果を作るにあたって一番最初に挙がったカード。本来のカードはツインパクト*8で、このカードは下面側。一時期は上面側も唱えられることで2つの数字を持つカードにする案もあったが、一足飛びにこのカードだけ面倒くさくなるのでボツに。
《プログラム緊急停止!》(デジモンカードゲーム)
このカードは「青・3」として扱う。
このカードがプレイされたとき、次のあなたのターンまでプレイヤーは効果を持ったカードをプレイすることができない。
同じ青3である《「本日のラッキーナンバー!」》と同じく、自分の次のターン開始時まで相手の出すカードを制限できる。こちらは効果を持たない数字札を止められないかわりに、メタ範囲の枚数は非常に広い。
メタ範囲は山札の半分ほどなので、かなり安全に1ターンを買うことができるカード。自分の手札枚数が少ない時にドロー2などの妨害を受けず安全に手札を減らしに行くことができる。ただし効果持ちのカードは記号あがりありでもUNO前に出しきることも多く、そうなると相手の足止めにならないことも。ピンポイントで刺すというよりもあくまで安全を買うカード。安心感は凄いので《発見》で青をサーチする際は候補上位。
UNOテストプレイ班にデジカプレイヤーがおり、せっかくなのでデジカから何かないかということで採用。本来このカードは色で言うと白のカードにあたるが、オプションの枠色がネイビーブルーに近いということで青として採用した。
《ゴマダラチョウ》(蟲神器)
このカードは「青・4」として扱う。
このカードがプレイされたとき、次のあなたのターンまですべての手札にあるカードのカード名としての数字は+1される。(カードの効果テキストの数字は増えず、場に出た後は本来の数字として扱われる。)
次の自分のターンまで手札のカードの数字に干渉する、かなり珍妙な制限札。見た目上は手札から「同じ数字のカード」としてプレイし続けると、場札の数字は1ずつ減っていくことになる。
プレイできるカードの条件のうち「同じ数字のカード」が「数字が1小さいカード」に変わるだけなのでカードパワーとしてはそこまで強くないが、数字の特殊カードが連続して出せる組み合わせが変化するので一風変わった相互作用が望めるほか、このテキストは上限値を設定していないため9のカードは10になり同じ数字では出せなくなる。とはいえそういったことが起こるのはかなり稀で、基本的には奇妙な体験を提供するためのカード。
青のカードでは一番最後に完成した。いわゆる超メジャーではないTCG作品からのスポット参戦を目論んで検索した結果、理論上作れるもののカードファイルには入っていなかった青の4にこのカードが合致。「手札の数字が一律で増える」という体験のよくわからなさを見込んで採用となった。
《アクア・サーファー》(デュエルマスターズ)
このカードは「青・リバース」として扱う。S ・トリガー(このカードを引いたとき、引いたこのカードをただちに公開してもよい。そうしたなら、場札の状態にかかわらずこのカードをプレイする。)
このカードがプレイされたとき、このカードのすぐ下にあるカード1枚をプレイしたプレイヤーの手札に戻す。
リバースをしながら場札の下のカードを持ち主の手札に戻すカード。通常のプレイだとターンスキップが絡まない限り戻したカードが次のターンにそのまま出てきてしまうが、シールドトリガーで発動するとまったく関係ない場札でも出すことができるので直接は出されないというボーナスがつく。
通常状態でも1ターン稼げるのでそこまで悪くはなく、ボーナス効果はかなり良い……というようになった気がする。カードテキストから効果への飛躍も少なく、シールドトリガーかつバウンス効果でリバースであることもまあ直感的ではあり、わりと結果的には理想のデザインになった。唯一の欠点としてはデュエマについて知らない人間にシールドトリガーの説明をどうしたものか難しいところ。
当初は赤/青/緑で1枚ずつ役札の特殊カードを作る予定で、知名度を考えてわりあい早くこのカードをリバースとして採用することが決定した。その後シールドトリガーのテキストを実装するうえで上述のデザイン上シナジーに気付き、世界の美しさを知った。
赤:数字が奇数のカード
《信仰無き物あさり》(Magic:the Gathering)
このカードは「赤・1」として扱う。
このカードがプレイされたとき、あなたはカードを2枚引き、その後カードを2枚捨てる。(捨てたカードは好きな順番で場札に重ねる。プレイしたものとしては扱わない。)
《渦まく知識》の亜種。こちらは山札の一番上に乗せられない代わりに手札を捨てるほか、手札が減る。そのためカード単体で見るとこちらのほうが優秀で、シナジーに関してもまあこちらのほうが受けが広いカードではある。汎用性の《物あさり》とピンポイント性の《渦まく知識》。
カードを捨てるため場札の色も変えられるということもあり本当に強い。さすが元モダン禁止カード。よっぽど手札が少ないか《エクゾディア》周りしか手札にない時を除いて腐ることもなく、ただただ強いカード。引くと嬉しい。
最初はドロー系の有名カードを探していたこともあり、《渦まく知識》に並んでこのカードが直感的にわかりやすいということで即採用になった。その後調整時に《渦まく知識》をがっつり食っていることに気付いたが、まあ色も違うしシナジーを作れば……という甘い気持ちでファイルに残り続けた。実際ストレスフリーに打てるカードも必要だったと思うので、今後もこのカードと《渦まく知識》は両方残ると思われる。
実は調整中は現在のこのテキストに加えて、「誰でも場札にあるこのカードを赤3として一番上に重ね直してプレイできる」というフラッシュバックを再現したテキストを追加するか悩んでいた。強いカードを1度使うと他人にも使われる……といいうゲーム的には正しいかもしれないテキストだったが、最終的には追放領域の定義がないとこのカードを使い続けるだけの停滞する時間が存在すること・連続使用不可などの制約をかけると元カードからもUNOのプレイしやすさからも離れてしまうことなどを理由にカットし、ただ強カードとして君臨してもらうことにした。
《たいまつ》(ゴッドフィールド)
このカードは「赤・1」として扱う。
このカードが場の一番上にあるなら、手番のプレイヤーはこのカードの上には数字が同じでない青のカードをプレイしてもよく、このカードの上には青くないカードをプレイできない。
このカードの上に「青・0」か「ワイルド」がプレイされたなら、そうしたプレイヤーはカードを1枚引く。
直上にプレイできるカードを大きく制限する不思議なカード。ゴッドフィールドの挙動通り火属性は水属性でしか防御できず、防御に0のカード(≒0か数字が書かれていないカード)を使ったならダメージが貫通して1ダメージを与える。
強いカードというよりも面白カード枠だが、ちゃんと圧もあるカード。普通に3人に1ドローずつさせるようなことも発生する。ダメージを受けてでも結局手札を回した方がいいので0を使ったほうがマシ、というのも含めて原作再現。
《国民的アイドル》と同じくDCG枠。ダメージやバーンを担当することが多くUNOにしっくりこないカードも多かった赤はDCG枠の選定に難航していたが、ある日YouTubeでゴッドフィールドの動画をぼーっと見ていた時に「あれ、これいけるんじゃ?」と天啓が舞い降りた。赤1は火属性攻撃力1から。個人的には「普段のUNOではありえない挙動になる」「テキストは一見複雑だがテキストの説明をすると挙動に納得していただける」という点で面白いカードデザインになったし、これがプレイヤー側にも楽しいカードになっていたらいいな……と思っている。お気に入りの1枚。
《スゴイ・シツレイ》(ニンジャスレイヤーTCG)
このカードは「赤・3」として扱う。
ゲーム開始時、これがあなたの手札にあるならこれを公開してもよい。そうしたなら、これを場に出し、プレイヤー1人を選ぶ。そのプレイヤーはカードを2枚引いて、このカードを最初の場札としてそのプレイヤーからゲームを始める。
スタートプレイヤーを決めるより先にスタートプレイヤーを強制するアンブッシュを仕掛けるトンデモカード。このせいで「ではスタートプレイヤーを決めますが、その前に《スゴイ・シツレイ》がある方はいらっしゃいますか?」みたいな胡乱の塊のような確認フェイズが発生するようになった。気心とルールとニンスレが知れた仲の人間でやるなら「それじゃあまずはアイサツをしましょう」という前振りでも伝わるかも。
初手に握っていないとただの「効果解決時何もしないのに効果がある扱いの赤3」、しかも《プログラム緊急停止!》などに引っかかるので(存在すれば)普通の赤3より弱いというまさしく出オチカードだが、それがビーハイヴ=サンらしいといえばらしい。ビーハイヴ=サン、ガトリング・ガンの残骸に包まれてあれ。宣言は基本的に自分の1つ前のプレイヤーにするのが最高効率ではあるが、その効率を投げ捨ててもいい程度のリードなので気軽にシツレイしたい人に投げられる程度のパワーになった。
元のカードは正確には「対象に1点、自分は2ドロー」と「ゲーム開始時初手にあるこのカードを踏み倒してもよい」の2つの効果に分かれているが、UNOナイズするにあたってドローの対象は当てたプレイヤーに*9。普通に使ってもドロー2になるパターンでもよかったが、通常のドロー2のターンスキップルール*10との兼ね合いもあって「対象のプレイヤーの次の人から始める」か「ドロー2ではないが普通に使って2枚ドローさせることができる」というどちらかの挙動を選ぶ必要があり、どちらもややこしくなりそうなので普通に使うとただの赤3になる調整になった。
ニンジャスレイヤーはちらちらweb連載版を読んだりシヨンを見たりしており*11、ニンジャスレイヤーTCGが存在することは知っていた。そういえば枠の色赤と緑があった気がするなということで探しに行ったらゲーム開始時に使えるとかいう他で見つけるのがなかなか大変そうなカードを発見。即戦力として採用した。
《マンティスゴッド》(Inscryption)
このカードは「赤・3」として扱う。
三又攻撃(このカードの上には次の手番のプレイヤーの他に、あなたを除くその次のプレイヤーとさらに次のプレイヤーがカードをプレイする。カードの効果処理は1ターン中に同時に行われたとし、最後に出されたカードが次の場札になる。)
同時に3人に攻撃するハチャメチャカード。挙動としては、(1)プレイヤーAによって《マンティスゴッド》がプレイされる→(2)プレイヤーBが《マンティスゴッド》の上にカードをプレイするターンを得る→(3)プレイヤーBの行動後、プレイヤーCが《マンティスゴッド》の上にカードをプレイするターンを得る(プレイしたカードは一番上に置く)→(3)プレイヤーCの行動後、プレイヤーDが《マンティスゴッド》の上にカードをプレイするターンを得る(プレイしたカードは一番上に置く)→(4)プレイヤーB/C/Dが効果を持つカードを出したならそのカード効果を解決する、複数枚出たならそれらは同時にプレイされたものとして扱う→(5)プレイヤーDの次の手番のプレイヤーが今場札の一番上にあるカードの上にカードをプレイするターンを得る……となっている。
開発想定環境のこのゲームで現状唯一の同時に効果を持つカードをプレイする方法にして、駆けこんできた問題児。最初に手に取ったプレイヤーは「どういうこと?」と言うことうけあい。カードパワーとしては主に多人数戦で輝き、5~6人以上なら大量に出てきた効果カードが自分以外に降りかかることを期待して出すとちゃんとおいしい。逆にゲーム終盤は相手のカードを吐き出すテンポを速くさせるだけになりがちなので、タイミングを見計らって出したい。
開発最終盤になり枚数バランスのため赤や黄のカードを増やす必要がある段になって、どうにかしてスポット参戦でパンチの強いカードがないかと検討し、その中で赤っぽくて一番インパクトがあるとして採用された1枚。Inscryptionの中でもこのカードは2025年夏のRTA in Japanで行われたInscryptionのランでも話題になっていたしいけるだろ、という選出理由。カードが赤黄色っぽいのもあって黄色の検討フォルダに入っていたが、ギリ赤でもいけるという判断に落ち着いた。攻撃的な赤、というパブリックイメージにも合っている。本来攻撃力は1だが、赤1がこの時点で2枚上限採用されていたこと、本編中に攻撃力を上げられる要素があることなどから赤3に。
ちゃんとルールを整備するにあたって処理が非常に面倒な1枚。テストプレイを他の人にも委託できるように作ったGMメモには、現状このカードについての裁定FAQが3つ載っている。またどうでもいいが、元のカードは日本語化の際《マンティス・ゴッド》との表記揺れが見られる(らしい)。
《裂け目の突破》(Magic:the Gathering)
このカードは「赤・5」として扱う。
このカードがプレイされたとき、あなたは手札の効果を持つカードを1枚公開してもよい。そうしたなら、このカードはこのターンの終了時まで「赤・5」であること以外はそのカードの効果を得たものとしてプレイの処理をする。
手札の効果を持つカードを2回使用したり、実質的に色と数字を変えて使用したりできるカード。奇襲性が高く、予想しない角度から予想しないカードが飛んでくるので驚き力が高い。
「そのカードの効果を得たものとして」というテキスト的に、カードの発動条件を無視することができる。ただし現状でカードに発動条件があるのが《貪欲な壺》のみで、《貪欲な壺》は5枚ちょうどを選ばないとただのドロー2なので通常のドロー2を見せるのと大きな違いはない。
とはいえカードパワーとしてはわりと影が薄く、爆発的な上振れも少ない。2ターンに分けて2回プレイしたいカードがそこまで多くないことも相まって、どうしても1枚抜けと言われたらこのカードを抜くことになりそうな雰囲気はする。発動条件が厳しいカードの登場が待たれるところ。(現在開発中)
「踏み倒し」というズル感が好きなのもあり、MtGからカードを出すならということでかなり早めに選定されたカード。一瞬「青3の《実物提示教育》」とどちらを採用するか迷ったが、全員で一斉に手札を踏み倒すとロクなことにならないし、かといって2人だけ得をするとあり得ない勢いでヘイトが2人に向きそうなので政治を避ける意味でこちらになった……という記憶がある。そこから踏み倒しに重点を置いたカードが作れなかった、というのはこちらの手落ちなので、長期開発の難しさを体感した。
《SMAPON(スマッポン)》(デュエルマスターズ)
このカードは「赤・7」として扱う。
スーパー・S ・トリガー(このカードを引いたとき、引いたこのカードをただちに公開して場札の状態にかかわらずこのカードをプレイしてもよい。その際誰かがUNOを宣言していたならさらに(S)以下の追加効果を得る。)
(S):次のあなたのターン開始時まで、あなたでないプレイヤーは手札が0枚になることで勝利するなら、かわりにカードを1枚引く。効果によって勝利するなら、かわりに勝利しない。
通常のシールドトリガー効果に加え、誰かが勝ちそうなら1ターンの間それを阻害するカード。素引きするとただの赤7になってしまうがそれはご愛敬。
刺されば非常に爽快かつ強力だが、UNOを宣言している人がいるうえでトップから引いてこないと十全に能力を発揮できない。デッキトップに仕込むカードを使う・協力プレイするなどで1抜けを止めたいときに使うのが最も効果的か。それはそれとしてシールドトリガー効果じたいは追加効果の条件を満たしていなくても機能するので、自分の手札増加を軽減するという役割はいつでもこなすことができる。
シールドトリガーを導入するにあたって「ピンチに捲って上振れるカード」が欲しく、そもそもの要請として「平時は最低限だがピンポイントで良いカードになるカード」を選定されている。あまりにも普段役に立たなくない? …というのは、パーティーゲームということで……。
なおテストプレイではなぜか高確率で初手に引かれていた。トリガー素引きは伝統。
《無双竜機ボルバルザーク》(デュエルマスターズ)
このカードは「赤・スキップ」および「緑・スキップ」として扱う。(このカードの上には赤と緑のどちらを出してもよい。)
このカードがプレイされた後、スキップ処理をせずもう1度あなたのターンを行う。追加されたターンであなたが勝利しなかった場合、あなたはゲームに敗北する。(残っているプレイヤーの中で最下位としてゲームから離脱する。)
多色のスキップだが、赤のスキップ1枚と入れ替えて使う。誰にも邪魔されない追加ターンを得る代わりに、そのターンで手札を全て吐ききれなければ自分が敗北するというイチかバチかの勝負師ドラゴン。
実質的にこのカード+このカードの上に重ねられるカードの2枚が手札にあれば勝利できる、というリーサルを1ターン短縮するカード。それ以外のタイミングでは手札で機を窺うのが主な仕事で、テストプレイでは他のカードの効果で捨てられることも多かった。とはいえ決まると爽快なのは間違いないので、エンドカードとしては優秀だと思われる。
役札の特殊カードを作るにあたって、知名度が申し分なく「このカードがスキップである」ということにこれほど説得力があるカードもそうそうないだろうということで採用。そもそもカードを作るにあたって意識した「楽しさ」の中に「元のカードがとても強いはずなのにUNOにすると強くないというギャップ」というものもあり、このカードはそれを意識してデザインした。とはいえ元のカードが「勝つにしても負けるにしてもこのカードが出た時点で相手が能動的にアクションできる要素がなくなってしまう」というのが問題点のひとつでもあるのでそこまで大きく元からずれたデザインではないのかなという気もしている。
制作初期は多色ではなく赤単色のスキップだったが、負けないために必要なもう1枚の手札の受けが狭すぎて使いどころがないこと・元のカードが赤緑なのでより直感に寄せたほうが面白そうなことなどから現在のカードデザインに変更された。
緑:数字が偶数のカード
《挽歌の妖精》(カードファイト!!ヴァンガード)
このカードは「緑・0」としても扱う。
ヒールトリガー(あなたがカードの効果でこのカードを山札の上から公開したかこのカードを引いたとき、手札の枚数があなたの枚数以下のプレイヤーがいるなら、あなたはただちにこのカードを公開してもよい。そうしたなら、あなたは手札のこれ以外のカードを1枚捨てる。)
トリガーはトリガーでもヴァンガードのトリガー。自分が一番手札が少ないと使えず引いたこのカードに「手札を減らす」以外の効果がない代わりに、山札の上からカード効果によって捲れた際にも効果を発揮する。
デュエマのシールドトリガーと同様にドローによる損失を軽減するが、このカードは好きなカードを捨てて盤面の色を作り直すことができる。逆にこのカード自身は捨てられないので手札の情報アドバンテージを相手に渡すことになるのも、詰めの段階で残りの手札の中身がかなり重要なUNOにおいてかなり大事。またデュエマのトリガーと違いヴァンガードのトリガーは条件を満たした攻撃宣言時にもトリガーチェックすることができるため、自分の効果で山上を捲った際にも誘発するようになった。ただしドローせずに捲るカードは現在の範囲では《安心沢刺々美》しかおらず、0は奇数ではないので《安心沢刺々美》のハズレを軽減する程度にとどまっている。
調整班にヴァンガードに力を入れているカードプレイヤーがおり、ヴァンガード布教も併設されたオフのサブイベントとして第1回テストプレイを行ったのもあって恩返しのようなことも兼ねて*12ヴァンガードのカードを入れることにした。ヴァンガードの特徴的でわかりやすい部分といえば戦闘システムとトリガーがとっつきやすいかと思い、最初はクリティカルトリガーを考えたものの上手くUNOに落とし込めず。最終的に増えると敗北に近づくことから手札をダメージゾーンに見立てて(本来トリガーゾーンにある)このカード以外のカードを1枚捨てる、という挙動で解決をみた。数あるヒールトリガーの中でもこのカードなのは1枠ファイルに空きがあった緑だったこと、ヒールトリガー以外に効果を持たないフレンチバニラだったこと、名前が「ヴァンガの妖精」のもじりに見えることなどから。0なのはランク表記から。
《新たな芽吹き》(Magic:the Gathering)
このカードは「緑・2」として扱う。
このカードがプレイされたとき、あなたは場札に含まれるカードの中から好きなカードを1枚選び、あなたの手札に加える。
強制効果で場札のカードを拾う、冷静に考えると手札が減らないだけのデメリットカード。
序盤は出しづらいが、一気に場札が肥えてくる中盤以降に打つとその中から1番強いカードをもう1度使う権利を与えられる強カードになる。また《墓地》《エクゾディア》など直接に回収とシナジーするカードも存在するため、しっかり抱えてプレイングで吐き出していくべきカード。シンプルながらパーティーゲームなUNOの中でもかなりカードゲーム寄りな1枚。
「UNOに導入すると弱いはずなのに一周回って強い」という、《ボルバルザーク》の逆方向にさらに二重の裏切りを込めたカード。ついでに言えば同色の《Q.Q.QX.》のタイムリミットを、《Q.Q.QX.》を回収することで解除できるという役割の期待も込めてデザインされた。なお最終的にこのカードの汎用性が高すぎて《Q.Q.QX.》が出る前にこのカードが使われることが多く、目標が達成されているかは怪しいがプレイフィールが高いので問題なし。
《Q.Q.QX.(キュー・キュラー・キュラックス)》(デュエルマスターズ)
このカードは「緑・4」として扱う。
このカードがプレイされたとき、このカードの下にあるカードを山札の上から4枚目の位置に横向きに刺す。
このカードが場札に含まれているかぎり、横向きのカードを引いたプレイヤーはゲームに敗北する。(残っているプレイヤーの中で最下位としてゲームから離脱する。)
このカードが場札から離れたとき、山札をシャッフルする。
UNOに突然「今から4枚めのカードを引いたプレイヤーは死ぬ」という特殊敗北の概念を導入するカード。
理論上このカードによるキルを発生させないためには「山札をシャッフルする」「場札からこのカードを離す」の2種類があり、前者は《発見》《魂剥ぐロア・ハッカー》、後者は《貪欲な壺》《新たな芽吹き》《月のマウンテンサイクル》《イクイノックス》で達成できる。ただしそれらが都合よくあるとは限らず、また握っている人間に余裕があるなら自分以外の誰かを落とすために温存するため、このカードはかなりのキルレートを誇る。ドロー累積を採用していると誰からでも4枚以上累積しての即死がある*13ので、序盤にあえてドロー2/ドロー4をテイクするというカードゲームのような駆け引きも重要になってくる。また場札からこのカードを拾うのも上位を安定して取る手段のひとつではある。ただしその場合は自分が毒殺されても文句を言わないこと。
デュエルマスターズの導入にあたって第1~第2候補にあったカード。当初は緑に遊戯王の魔法カードが偏っていたため、自然文明でドローに関係するカードということで特殊敗北の派手さもありこのカードがすんなり決定し、デザインもある程度は調整したがプレイ感は大きく損なわず完成した。おそらく現実的に非常によく見るキル手段という活躍っぷりで、このカードが出た瞬間緊張が走るのが楽しいところ。
効果として元のカードにある「山札を見ることはできない(=《発見》などの指定サーチを使用できない)」を足すかは《発見》導入時に悩んだが、あまりにもピンポイントメタすぎるのでプレイフィールを考慮し追加しないままにした。
《墓地》(ドミニオン、セット:夜想曲)
このカードは「緑・4」として扱う。
このカードが場札から手札に加えられたとき、あなたはただちにこのカードを手札から公開してもよい。そうしたなら、あなたはこのカード以外の手札を4枚まで任意の枚数選んで捨てる。
ワンクッション挟む必要があるが手札を一気に減らすことができるカード。ただし絶対に公開情報を経由するため、妨害や横取りに遭う可能性はかなり高い。
発動さえすれば一気に手札を4枚まで捨てられるが、複数のアプローチでこのカードが回収できるため自分の持っていないどれかで横取りされる可能性がある。横取りされないためには前のプレイヤーの手番でドロー2/ドロー4以外のカードから《挽歌の妖精》を引くか他人の《手札断殺》頼りになるので現実的ではない。そのため現実的にはリスクを享受して場札に置いておき、然るべきタイミングで回収することになる。
また効果を発動して手札を一気に減らした後は「数少ない手札に《墓地》がある」という情報は周知されてしまうため、緑4が出せる状態でターンが回ってくるかは別問題。手札が少ないということは受けも狭いということで、非常に強力だがただちに勝てるわけではない、程度に収まっている。
スポット参戦のカードを探している際に《発見》を入れることになり、他のボードゲームから緑色のカードを引っ張ってこれるか検討することに。知名度の高いボードゲームを眺めていたところ、ちょうど緑の4金でこのカードを発見。「獲得したとき」を場から手札に戻したときに定義することで、このカードを横取りされるリスクを増大させてうまいことバランス調整できてるかな……という楽観視のもと実装された。結果的にはそこそこうまく機能している。
《手札断殺》(遊戯王OCG)
このカードは「緑・6」として扱う。
このカードがプレイされたとき、すべてのプレイヤーは手札を2枚捨て、その後捨てた枚数と同じ枚数ドローする。(手札が1枚のプレイヤーは1枚のみ捨てる。捨てる行為とドローはあなたから順番に行う。)
全員手札を2枚捨てて2ドロー。混沌を生み出す強制手札交換。
プレイするとたいてい大量に数字札が捨てられ、各手札の役札濃度が上がる。だいたいこのカードが打たれるとその後に続くのは空中戦であり、そういう意味では淡々と処理されがちだが開戦の狼煙となりうるカード。また大量ドローのため《Q.Q.QX.》や《魂剥ぐロア・ハッカー》との相性も良く、《ケガレた血》の処理はプレイヤーごとに行う裁定のためこれ1枚で《ケガレた血》の濃度が一気に上がることもしばしば。この辺りのカードと組み合わせると、注釈文の「あなたから順番に行う」が効いてくる。
全員に影響が出るカード、かつ《Q.Q.QX.》とのコンボで誰か1人を確実に取れる札になるカードとして考案された。セルフとはいえハンデスで相手の状況を引っ掻き回すというのも役割のひとつ。緑は遊戯王の魔法カードが多くなってしまったため、元カードに関係ないものの6を割り振っている。
《カップ・オブ・エース》(遊戯王OCG)
このカードは「緑・ドロー2」として扱う。
このカードのプレイに際し、コイントスを1回行う。表が出た場合、ドロー2の効果対象はあなたになる。(コイントスで表が出たなら、あなたはただちにカードを2枚引き、あなたの手番は終わる。)
純然たるランダムデメリット持ちのドロー2。コイントスで表が出るとシンプルに自分がドロー2。もちろん累積ドローが嵩んでいるならその分も引かされる。
一発ネタといえば一発ネタ枠。「元のカードがとても強いはずなのにUNOにすると強くないというギャップ」の延長線として、「元のカードは表が出た方が嬉しいのにUNOにすると裏が出てほしい」というデザイン。パーティーゲームだと思ってプレイしてくれているから許されるデザインでもある。このカードもかなり早くからファイルに存在した。あまり書くこともないレベルでネタに振りきった1枚。
《貪欲な壺》(遊戯王OCG)
このカードは「緑・ドロー2」として扱う。
このカードは場札が5枚以上ない場合、場に出すことができない。
このカードがプレイされたとき、場札のカードを5枚ちょうど選び、それをデッキに戻してシャッフルする。その後、ドロー2の処理をする。(次のプレイヤーはカードを2枚引く。)
ちょっと迂遠な墓地回収。山札に5枚戻し、かつ隣には2枚引かせる。本来自分が引くところ隣に2枚引かせるのでかなりUNOナイズドされているカードの1枚。
墓地回収だが直接手札に拾えない。その代わり5枚再利用可能にするので、《魂剥ぐロア・ハッカー》などの誰が使っても影響の大きなカードや、《墓地》などの誰かに回収されたくないカードを山札に戻すと美味しい。他の墓地回収と違ってドロー2という相手への妨害をこなしながら山札回復ができるというのも抑えどころで、総じて迂遠なかわりに丸くなったカード。
こちらは《Q.Q.QX.》の対策として想定されたカード。遊戯王のいわゆる壺系魔法カードはどれか入れたいということになり、《強欲で謙虚な壺》《強欲で貪欲な壺》なども考えられていたが最終的に対策カードとしての利点を考慮されてこのカードになった。今なら《挽歌の妖精》との兼ね合いもあって*14《強欲で謙虚な壺》にしているような気がする。そういう意味では開発初期~中期だったからこそこのカードになったという、長期開発の妙みたいなカード。
黄:数字が大きいカード
《封印されし者の右腕》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・5」として扱う。
《封印されし者の左腕》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・6」として扱う。
《封印されし者の右足》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・7」として扱う。
《封印されし者の左足》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・8」として扱う。
《封印されしエクゾディア》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・9」として扱う。
あなたの手札にこのカードと《封印されし右腕》《封印されし左腕》《封印されし右脚》《封印されし左脚》が揃ったなら、いつでもこれを公開してもよい。そうしたなら、あなたはこのゲームに勝利する。(あなたは1位としてゲームを離脱する。既に他のプレイヤーが1位としてゲームを離脱しているなら、1位はふたりになる。)
遊戯王の元祖特殊勝利。遊戯王を少しでも知っている人なら、テキストを事前に知らされていなくてもエクゾディアパーツを引いた瞬間に問答無用でどういうカードなのかわかるという便利なカード。
なんと先にあがったプレイヤーがいても後から同率1位になれるという破格のカード。ただしそのぶんリスクは高く、カードを大量にドローする必要があるうえに他プレイヤーに握られているとそのプレイヤーが手札から吐き出さない限りは回収が不可能。ドローで山札を掘るにあたっては《Q.Q.QX.》や《魂剥ぐロア・ハッカー》が障壁となる。総じて相応にハイリスクハイリターンではあるが、場札からの回収については同色の《時の秘術師 ミラクルスター》を握れればかなり楽になる。
黄色のカードとして(当然)真っ先に思いつき、常にカードファイルに鎮座ましましていたカード群。そもそも「UNOにエクゾディア入れるぐらいのアイデアだったらどこでもやってそうだな」みたいなところからこのゲーム状の何かを考案しているので入れない理由もなく、本来手札を増やすことが勝利から遠ざかるこのゲームで増やして勝利に向かうカードを入れない理由もなかった。
実は長らく特殊カードファイルの黄色の欄にはこの5枚しかなかった。しかしテストプレイにあたって黄色が非常に弱くてエクゾディアを揃える方法も薄く、あまりにも5枚揃える勝利が現実的でない影響で黄色のカードそのものがかなり味のしないカードになってしまっていたため、急ピッチで以降の黄色特殊カードの開発を進めたという経緯がある。特殊勝利が存在するというだけでカード調整が難しいことをひしひしと感じた。
《月のマウンテンサイクル》(ガンダムウォー)
このカードは「黄・5」として扱う。
このカードがプレイされたとき、プレイヤー1人を選ぶ。そのプレイヤーはこのカードを除いた場札の上から5枚を確認し、その中から1枚を公開して手札に加える。残りのカードは山札の下に戻す。
自分も他のプレイヤーも対象に取れる、択の狭い場札回収。攻めにも守りにも絶妙な仕事をするカード。
自分を対象に使った場合は色と数字が変わって対象範囲が狭くなった《新たな芽吹き》だが、相手を対象に取った場合は上から5枚の中で1番強いカードを渡す代わりに相手の手札を1枚増やすことができる軽めの妨害になる。かなりタイミングと使い分けが重要でカードゲーム的なカードで、先々のプレイヤーとの政治に使うことも可能な奥深いカード。やれることが多いというのは正義。
第1回テストプレイ後に黄色のカードを増やす必要があることを認識し、調整班に新規カードのコンペまがいの募集を行った。そこでいにしえのガンダムファンから提案していただいた1枚。かなり独特の使用感と挙動が面白そうということで採用した。数字はしっくりきそうなものがなかったのでこちらの都合で割り振った。
なおオンラインでのテストプレイにおいては「山札の下に戻す」の処理が煩雑なため、「山札に戻してシャッフルする」に置き換えている。正確には《渦まく知識》で置いたカードとの相互作用において違いが発生してしまうが、コラテラルダメージと割り切るほかなかった。
《発見》(カタンの開拓者たち)
このカードは「黄・6」として扱う。
このカードがプレイされたとき、色を1つ宣言する。あなたは山札から宣言した色のカード2枚を公開し、手札に加えて山札をシャッフルする。
山札から指定の色のカードを2枚引っ張ってくる、手札を増やすだけというUNOにあるまじきカード。
純粋に自分の手札が1枚増えてしまうが、山札から同じ色のカードを2枚引っ張ってくることができる。黄色を宣言して《エクゾディア》のパーツを2枚サーチすることはもちろん、緑は《Q.Q.QX.》+《手札断殺》や《墓地》+《新たな芽吹き》、赤は《ボルバルザーク》+赤いカード、青は《対抗呪文》や《国民的アイドル》など欲しいカードには事欠かない。今の自分の手札や状況と相談して柔軟にサーチ対象を考えたい。また山札の中を確認することもできるので、遅延行為にならない程度に山札の中身を覚えておくのも良い。弱点は先に色を宣言する必要があるので、既に欲しいカードが誰かの手札に握られている場合はサーチできないこと、色を持たないカードはサーチできないこと。実際テストプレイでは《エクゾディア》最後の1枚を探しに黄色を宣言し、既に敗北したプレイヤーの手札にあったため不必要なカードをサーチさせられたうえに作戦変更を余儀なくされた事例があった。総じてかなりカードゲーム側にいる、カードプールや状況把握が求められる1枚。
第1回テストプレイ後に黄色のカードを数枚単位で増やす必要があることを認識し、帰宅中に「このUNOなら指定したカードをサーチするカードがあっても活用できるのでは?」と思い立った。黄色のサーチカードとして適合しそうなカードを漁りに漁った結果ようやく見つかった1枚。ついにこのUNOがボードゲームにも浸食した瞬間だった。当初は発展カードの使い方らしく手札のこのカードを自分のターンに公開しゲームから除外することで発動する、などの挙動も考えたが、除外や場札以外の場所に置くことを定義するといろいろと複雑そうなのでやめた経緯がある。数字は相変わらずこちらの都合でつけた。
《時の秘術師 ミラクルスター》(デュエルマスターズ)
このカードは「黄・7」および「青・7」として扱う。(このカードの上には黄と青のどちらを出してもよい。)
このカードがプレイされたか、このカードが他のカードの効果で捨てられたとき、同じ数字を持たないようにこのカード以外の場札を任意の枚数選んで手札に加えてもよい。
多色の7だが、黄の7と入れ替えて使う。数字さえ被らなければ最大10枚ものカードを手札に回収できる豪快なカード。
通常のプレイしたときに加えて手札から捨てられても誘発するうえ、任意効果なので回収しないことも選べる。欲しいときに欲しいだけ回収しやすいというのは非常に便利で、《手札断殺》などで自分より前のプレイヤーが欲しいものを落としたから切ることもできるし、先に捨てておけば他のプレイヤーへの牽制としても役に立つ。数が被らなければいいので、《右腕》《左腕》《右足》《左足》《エクゾディア》を全て回収することも可能。基本的には《新たな芽吹き》の上位種だが、直前で捨てられた《墓地》を拾いやすいのは向こうであるほか、記号持ちのカードは回収できない。かなり強力だがぎりぎり相互互換。存在がプレイングに影響を与えるが、このカードだけでは勝てないのでいい具合な調整だと思われる。
第1回テストプレイ終了後に追加されたカードで、「エクゾディアを集める手助けになる」ほかに「捨てられた時に誘発する」を目標としてカードを探した結果このカードが該当。しかも《ボルバルザーク》と色が被らない黄色と青の多色だったこともあり、カードのバランスとしても良さそうだったので採用された。
ワイルド
《安心沢刺々美》(Shadowverse EVOLVE)
このカードは「ワイルド」として扱う。(このカードはどのカードの上にプレイしてもよく、プレイにあたって色を1つ宣言する。このカードはその色を持つものとして扱う。)
このカードがプレイされたとき、山札の1番上のカードを公開する。それが奇数の数字を持つカードなら、対戦相手すべてはカードを1枚ドローする。そうでないなら、あなたはカードを1枚ドローする。
ワイルドの軽デメリット持ちのほう。山札の一番上を公開し、奇数なら戻して自分以外全員に1枚ずつ引かせ、偶数か記号なら公開したカードが手札に加わる。
ワイルド/ワイルドドロー4はそれぞれ使いやすいカード1枚と使いづらいカード1枚で構成するようチョイスされており、このカードは後者に属する。記号カードもマイナスになるので確率上はデメリットのほうが大きいが、メリット効果がそこそこ大きいうえにデメリットもドロー2よりはマシなので、たいていの場合余裕があるときにサクッと使っておくのがいいカード。また現在のところ唯一の「効果で山札の一番上からn枚を公開するカード」なので、《挽歌の妖精》のヒールトリガーを踏むことができる……が、《挽歌の妖精》は緑0なので手札はプラスマイナス0になる。デメリットの軽減に。
自分がコレクション目的でエボルヴのウマ娘パックを買っており、考えはじめたタイミングでちょうど机の上にこのカードがあった。そこでワイルド系の1枚使いやすい1枚使いにくいというコンセプトを思いつき、このカードがさくっとファイルに入ることになった。
《魂剥ぐロア・ハッカー》(Hearthstone)
このカードは「ワイルド」として扱う。(このカードはどのカードの上にプレイしてもよく、プレイにあたって色を1つ宣言する。このカードはその色を持つものとして扱う。)
場に出たこのカードの上にカードが置かれた後、このゲームに参加した人数と同じ数だけ山札に「ケガレた血」を混ぜる。
《ケガレた血》(Hearthstone、トークンカード)
このカードは自身の効果以外で手札から移動させることができない。
このカードを引いたなら、あなたはただちにこのカードを公開して3ダメージを受け、カードを1枚引き、ゲーム外の「ケガレた血」1枚とこのカードを山札に加えてシャッフルする。
あなたが30ダメージを受けたなら、あなたはゲームに負ける。(残っているプレイヤーの中で最下位としてゲームから離脱する。)
UNOにライフ制とサドンデス要素を導入する不可逆ルール破壊カード。往時のコントロールデッキの最終兵器。
ゲーム外のトークンカード《ケガレた血》は、要するに「誰かに引かれるたびに山札を汚染していき、10枚引いたプレイヤーから脱落していく」カード。補填の1ドローのせいで複数枚連鎖していく可能性があるため、すべてのドローが死に近づくリスクになる。ただしドローの連鎖が止まってから増えた分を混ぜるため、無限に引き続けて死ぬことはない。また複数人でドローする場合、プレイヤーAの《ケガレた血》処理が終わってから次のプレイヤーのドロー処理をスタートするため、後のプレイヤーほど《ケガレた血》が山札に増えた状態でカードを引くことになりやすい。ちなみに《ロア・ハッカー》の効果は「このカードの上にカードが置かれたとき」に誘発するため、このカードの上にプレイ以外の方法でカードが置かれても誘発する。
よほどのことがないかぎり、プレイされたら常に緊張感とヒリつきを与えてくれるルール変更カード。あるテストプレイでは36枚の山札中20枚強が《ケガレた血》になり、1v1がストレスと緊張感とハイテンションでいっぱいの楽しい勝負になった。存在自体が《エクゾディア》や特殊カードを溜めにいく戦術へのアンチカードになり、カードを引くという行為に追加で死の恐怖がチラつくということで存在感がとにかく大きい。かなりお気に入りのカードのひとつ。
DCGのカードを採用するにあたって、かつてよくトーナメントシーンを見ていたハースストーン*15を入れようという案はすぐに思いついていたものの、ハースストーンはDCGならではの効果も多くUNOへの落とし込みに苦しんだ。《希望の終焉ヨグ=サロン》はランダム使用の再現が難しく、《影隠れ》は「コストが低くなる」の再現をするためのテキストと処理が煩雑で難しい。《文書管理官エリシアーナ》はデッキを5種10枚にするために紙で108枚の山札を3セット用意する必要ができてしまうし、《リロイ・ジェンキンス》はどうUNOにしていいかわからない……など色々考えた後、カードバックの感染イベントなどもやっていたしかつてトーナメントシーンで採用されていた実績もあるこのカードを思い出し無事採用となった。結果としてこのカードはとても活躍しているので、とにかく思い出せてよかった1枚。
《博士の研究》(ポケモンカード)
このカードは「ワイルド・ドロー4」として扱う。(このカードはどのカードの上にプレイしてもよく、プレイにあたって色を1つ宣言する。このカードはその色を持つものとして扱う。次の手番のプレイヤーはカードを4枚引く。)
このカードがプレイされたとき、あなたは手札をすべて捨て、カードを7枚引く。その後、ドロー4の処理をする。(次のプレイヤーはカードを4枚引く。)
ワイルドドロー4の使いづらいほう。隣のプレイヤーにカードを4枚引かせるが、あなたの手札も7枚になる。
基本的には引きたくないカードの1枚。このカードが有用に使えるのは手札が8枚以上ある時ぐらいで、あとは手札が増えるデメリットを許容して手札の質を上げに行くような形になる。もちろん場札回収を引いて《墓地》を拾いデメリットを軽減できれば御の字だが、なかなか現実はそう上手くいかないことが多い。
上にも数枚存在した、「元のカードは強いはずなのにUNOにすると強くない」カードの1枚。調整班を含めた一課でポケモンカードがかなりの流行を見せており、とはいえ《ハイパーボール》などはさすがに強すぎる……などの考慮の結果知名度が高くギャップもあるこのカードが採用された。またポケモンに分類されるカード以外は枠色がなく、ポケモンに分類されるカードはエネルギーやダメージに関わる処理が多くUNOにしづらいことからワイルドかワイルドドロー4にする必要があり、そういう意味でもドロー効果を持つこのカードは相性が良かった。
第3回テストプレイまでは「ドロー4の処理をする。」の部分がなく、色を変えて手札を全部捨て7枚引くというほとんどの場合デメリットの塊なカードだった*16。テストプレイの結果あまりにもこのカードが弱すぎたため、元の挙動の再現率を下げてでもUNOとしてのプレイフィールを確保した形になる。それでも「もともと強いカードが弱くなってしまう」がモチーフではあるためこのパワー。
《イクイノックス》(Force of Horse)
このカードは「ワイルド・ドロー4」として扱う。(このカードはどのカードの上にプレイしてもよく、プレイにあたって色を1つ宣言する。このカードはその色を持つものとして扱う。次の手番のプレイヤーはカードを4枚引く。)
このカードのドロー4が解決された後、場札が5枚以上あるなら、あなたは手札を全て捨ててもよい。そうしたなら、場札を全て裏向きにシャッフルし、無作為に5枚手札に加えて残りを新たな場札にする。(次の手番以降のプレイヤーはシャッフルされた場札の一番上のカードからゲームを再開する。場札が0枚になったなら、山札の一番上のカードを場札として置いて始める。)
手札を場札のランダムな5枚と入れ替えるワイルドドロー4。こちらは任意効果。
効果を使用するとなるとかなり不確定要素が多いが、《墓地》や《ロア・ハッカー》など有用なカードを拾えるととても楽しいことになる。また手札を捨てるため、拾いなおしてしまわなければ《ミラクルスター》によって拾いきれなかったぶんのカードも追加で拾うことが可能。また有用なカードがなかったり手札の質がいい時には効果を発動しないことを選べるため、保険的な運用ができる取り回しのいいカード。
なお手札をすべて捨てるか選ぶタイミングはドロー4解決後のタイミングなので、次のプレイヤーがドロー累積を使って逸らした場合はそのドローぶんが解決されるまで待つことになる。そのためドロー4が自分に帰ってきて大量に引くことになっても被害を5枚まで抑えることができる。またオンライン版では場札をシャッフルすることが難しいため、ダイスなどで回収する5枚と一番上に置く1枚を決め、あとは適当に重ね直すことで代用処理をしている。《月のマウンテンサイクル》との相互作用で厳密には違う処理になりうるが、オンライン環境ということでの妥協である。
第1回テストプレイまではワイルドドロー4は《博士の研究》以外の特殊カードがなく、非常に使いづらかった。そもそもワイルドドロー4が強いカードなのでそれでもいいといえばいいのだが、さすがにバランスを取ったほうがいいと思ったので新カードを1枚追加することに。色々と漁ったところ、そういえば前に某所で競馬のTCGが語られていたことを思い出し、どうにかこうにか公式サイトのカードリストまでたどり着く。そこにおそらく人生初の推し馬にあたる存在*17が4という数字とドロー効果を携えて鎮座していたので即採用。業を感じた。
お客様の声(随時募集中)
・「なんてことを……」
・「楽しいけどカスのゲームではある」
・「小さい頃からUNOはたくさんやりましたが、UNOをやってて初めてダメージ計算をしたし、初めてエクゾディアを揃えようとしました。」
後書き
ということでここまでお付き合いいただきありがとうございました。個人的には「たのしいぱーてぃーげーむ」を作れたような気がしています。ぜひ皆さんもプロキシを作ったりオリカを作ったりして自分の考える最強のUNOで遊んでみてください。
今回このカスのUNOを作るにあたって寛大な心と精神でテストプレイや相談に協力していただいた調整班の方々、姪谷凌作さん(旧TwitterID:@meitani_narou)、maronさん(旧TwitterID:@maron5650)、ペルチェ粒子さん(旧TwitterID:@Anz__92)、元ゴリラさん(旧TwitterID:@isonozexal)、ほり。さん(旧TwitterID:@mikamihoP)、相対性さん(旧TwitterID:@Divetorelative)、ヌコスキーさん(旧TwitterID:@280Orin)、タオル半額さん(旧TwitterID:@taoru_hangaku)は本当にありがとうございました。謝辞を書くって伝えたら「最後に"and you!"って巻き込んでくるクソ映画みたい」って言われたので巻き込んでおきます。
なお作者としてはまだまだカード案を募集しています。もし色と数字が条件に合い、UNOっぽくできるカードがあればTwitterなりDiscordなりコメント欄なりのどこかでお知らせください。検討させていただきます。皆さんもぜひあらゆるカードを見た時に一瞬「これUNOいけるか……?」ってなる呪いにかかってください。
何か機会があればプレイしているところをお見せできればな、とは思っているのですが、なかなか難しいので方法については検討中。もちろんそのまま空中分解する可能性も高いので気楽に期待せずお待ちください。
それではまた何か思いつきましたら。以下はおまけです。
おまけ:現時点でのボツカードの一部とそのボツ理由たち
《村》(ドミニオン、基本セット)
このカードは「?・?」として扱う。
あなたはカードを1枚引く。その後、あなたのターンを2ターン続けて行う。(スキップを発動したならあなたの次の次のプレイヤーにターンが移る。)
《ヴァニラ》(ファイナルファンタジー・トレーディングカードゲーム)
このカードは「黄・6」として扱う。
このカードがプレイされた時、あなたはさらに手札から4以下の数字を持つ黄色のカード1枚を出してもよい。
どちらも手札から追加でカードをプレイすることができるという意味では《無双竜機ボルバルザーク》と似た効果を持つ。《ボルバルザーク》と違い追加で出したカードの効果を使えるうえ、《ボルバルザーク》より圧倒的にデメリットが小さい。もちろん色が違うことや多色であることは利点になりうるが、あまりにも同じようなことをしそうなのに性能に差が出すぎるため断念。
《未界域のモスマン》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・4」として扱う。
このカードが捨てられたとき、すべてのプレイヤーは1枚ドローし、その後手札を1枚ずつ捨てる。(ドローと捨てる行為はあなたから順番に行う。)
捨てられた時に効果を発動するカードの候補。遊戯王の類似カードの中では一番これがあり得そうだったが、黄色のコンセプトである「5~9」の範囲に収まらないことや、ルーティング効果によってさらにルーティングをやっても地味かな……という思考から採用に消極的で、最終的に《ミラクルスター》が採用された。
《「僕の日本から…」》(名探偵コナンカードゲーム)
このカードは「黄・7」として扱う。
カード名を1つ宣言し、山札の一番上のカードを公開する。それが宣言されたカードなら、プレイヤーを2人まで選び、そのプレイヤーの次のターンを飛ばす。公開したカードは山札の一番下に置く。(宣言するのはカードの色と種類である。)
コナカの中でもデッキトップを確認する(ヒールトリガーの誘発先を増やす)効果として検討した。難易度が非常に高いかわりに効果は強力、キャラクターとしても安室透は知名度も高いとかなり採用には近かったが、《右足》《ミラクルスター》と数字が被ってしまった。《ミラクルスター》を青7代替で入れてこっちも採用する形でもよかったが、まあこっちを我慢したほうが色バランスが良さそうだったので断念。かなり口惜しいカード。
《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》(デュエルマスターズ)
このカードは「青・5」として扱う。
G・ゼロ:場札が5枚以上あれば、このカードを場札にかかわらず出してもよい。
このカードがプレイされた時、このカード以外の場札を山札に戻してシャッフルする。
場札シャッフルの1枚として推挙をいただいた。非常に出しやすいがそれゆえにこのカードの挙動がほぼシールドトリガーになってしまうこと、このカード自身の知名度がそこまで高いわけではない(うえに見た目にインパクトがない)という点からかなりボツ寄りに傾いてしまった。
《執念の剣》(遊戯王OCG)
このカードは「緑・?」として扱う。
このカードがあらゆる領域から場札に置かれたとき、このカードを山札の一番上に戻す。
《安心沢》や《「僕の日本から…」》などのデッキトップシナジー/アンチシナジーを考えてデッキトップ操作系の新たなアプローチとして考案。しかし緑のパイが偶数な以上ただでさえミドルリスクミドルリターン気味な《安心沢》とのセット運用が弱い方向に作用して向こうがストレスの塊になるほか、少人数戦で(誰かが諦めてこのカードを手札に抱えない限り)詰むパターンがありそうということで断念。
《灰流うらら》(遊戯王OCG)
このカードは「黄・?」として扱う。
いずれかのプレイヤーが以下の効果を含むカードをプレイしたとき、あなたはこのカードをただちに公開しプレイを宣言してもよい。その効果を無効にし、このカードを場に出して現在のターンは終了する。(次のプレイヤーのターンになる。)
無効系効果を増やすことを検討した結果浮かんだ案。しかし《対抗呪文》のプレテキストにあった実質スキップ問題を解決するに至らず、かといって直前のプレイヤーのカードだけを無効にすると《対抗呪文》の下位互換になってしまう。炎属性レベル3から赤3にすると《マンティスゴッド》との兼ね合いが……という様々な理由から最終的には断念した。口惜しいカードの1枚。
???
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《約束された終末、エムラクール》(Magic:the Gathering)
このカードは「無色・13」として扱う。(無色は色を持たない。無色の場札の上にカードを置くなら、代わりに1枚下の場札の色を参照する。)
このカードのカード名にある数字は、場札に含まれているカードの所属するカードゲームの種類の数だけ小さくなる。(数字の最小は0である。)
このカードをプレイするにあたり、他のプレイヤー1人を選ぶ。そのプレイヤーの次のターンの間、あなたはそのプレイヤーかのようにカードを見てプレイを決定する。この効果は無効にならない。
《最果ての罪サタン》(Shadowverse: Worlds Beyond)
このカードは「無色・ワイルド」として扱う。(無色は色を持たない。このカードは場札が「ワイルド」か「ワイルド・ドロー4」の場合にのみプレイすることができる。)
このカードはあなたの10回目以降のターンでのみプレイできる。
このカードがプレイされたとき、このカード以外の山札と場札にあるカードをすべてゲームから取り除き、アポカリプスデッキを新しく山札にする。ライフが21以上あるすべてのプレイヤーのライフは20になり、すべてのプレイヤーは以降このゲームにおいて無色のカードをあらゆるカードの上に出すことができる。
もう1度あなたのターンを行う。
カードが引けなくなったことによって山札が再構成されるとき、このカードが場札に含まれているなら、このカードをゲームから取り除いて再構成する。
次回 「オンライン用調整放棄!? 難解さ急上昇『無色』現る」でお会いしましょう。
続く……?
*1:お世話になっているアイマス系列の謎のDiscordコミュニティ。基本何をすることもなくみんなでだらだらだべってゲームをしているが、最近デレステ10周年を機にちょっとアイマスをしていた。
*2:新しいカードを生み出す余地。
*3:MtGの開発マーク・ローズウォーター氏によるTCGプレイヤーの分類のひとつ。テキストやルールの相互作用や、それによって齎される結果というものが好き。
*4:実際には検索しても目立った動画は出てきませんでしたが、まあ誰かが思いついているでしょう
*5:ターンをまたいだり他人の行動を覚えておく必要があり、アナログな舞台ではヒューマンエラーが起きやすい問題
*6:随時更新される「最新のテキスト」を参照して実際のカードの挙動を決定する方式。MtGが代表例。
*7:最終的にお互い2ドローすることになって仕掛けた側だけが《ケガレた血》の10枚目を引いて沈んだ。
*8:クリーチャー兼呪文であり、基本的に実行する際にはどちらか片方を選んでそちらとしてプレイするカード。
*9:1点ダメージを1ドローと読み替えることもできたがスタートプレイヤー決めにしたほうが「アイサツアンブッシュされた人が返してスタート」になって面白そう&そうなると1ドローしてそのプレイヤーから始める行為が本当に強くなく、結果的に自分の1つ前のプレイヤーを対象にするしかほぼなくなるので不採用に。
*10:ドロー2/ドロー4によってドローさせられたプレイヤーはカードを出すことができず、ドローした時点でターンが終わる。公式ルール。
*11:筆者はシヨンについては「アレがニンジャスレイヤーかと言われたらニンジャスレイヤーな気がするので個人的にアリ」派です。
*12:恩を仇で返している可能性も十分ある。すいません。
*13:実際テストプレイでは4人経由のドロー累積で殺された人が出た。
*14:山札の上から3枚を捲って1枚を手札に加え、残りを山札に戻してシャッフルする。今考えるとこれでもシャッフルはできるし《Q.Q.QX.》の対策になっているのでは?と思うが、ドロー2を2枚特殊札にするなら現行が最適か。
*15:実プレイは一時期バトルグラウンドモードのほうをやっていた。
*16:いちおう手札以外にもドロー累積が8枚以上溜まっているならこのカードを出したほうがいいが、あまりにもピンポイントなカードだった。
*17:詳細は
「国内G1級競争優勝馬の馬名で日英同時しりとりをした場合最大何頭繋げられるか」に関する覚書
(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)
前説
お疲れ様です。斬進です。いろいろいらんことやったりいることやったりしてたらライフワークであるはずのどうでもいいことが疎かになり、気付けば1年2ヶ月ぶりにこのフォーマットに文字を流し込んでいます。もっと気軽にどうでもいいことを思いつきたい。
それはさておき今回はストレス解消を兼ねて、どちらかというとクイズ・パズル系のいらん調査をサクっとしたのでその結果を適当にインターネットに放流するのが主目的です。別に誰も拾わないだろうなと思いつつ、このまま手元に置いておいてもまったく発展性がないので……。わりと自分はここのことを流し雛流し所だと思っているふしはあります。
前置きは適当にして、まだ興味を持っていただけているうちに本題に入ります。
調査のきっかけ
競馬に触れて過去のレースなどを調べはじめた人間誰もが想像するゲーム、競走馬名しりとり。そして有限択のしりとりといえば、袋小路と最長経路を調べたくなるのが人間の性。自分もその例に漏れず、ストレス解消のために無意味無意義な作業を求めていたこともあって考えてみようという気になった。
しかし競馬しりとりそのものは何十年も前から先行研究が積みあがっており、いくら競走馬が増え続けるといっても探せばどこかに最新版は落ちていそう。また無際限に増え続ける競走馬全体を対象に含めると、社会生活を送りながらストレス解消で片手間にできる調査範囲を大きく逸脱しそうということで範囲を制限する必要がある。現実的なのはG1馬限定だが、やはりこれも先行研究がいくらでも落ちていそうなのが難しいところ。
そんなことを考えながらなんとなくYouTubeを開いたところ、とある動画が目に留まった。
――そうだ、これなら経路の限定も効くし先行研究もないだろう。
レギュレーション
1.競走馬名でしりとりを行い、英語馬名でもしりとりが成立するように並べる
2.使用できる単語は国内G1級競争優勝馬の馬名のみ
1984年のグレード制導入以前の競走や地方限定重賞は含まないが、Jpn1やJ・G1競争は含む*1。また海外G1を勝利したが国内のG1を勝利しなかった競走馬(リアルスティールやエイシンヒカリなど)は今回は含まない。
3.馬名表記について、netkeibaに表記があるものはそれに準拠する
日本馬の英語表記・海外馬の日本語表記ともにnetkeibaに準拠し、英語表記がなかったエスプリシーズに関してはJBISサーチでの表記を参照した。ただし正式な英語馬名の規定に準拠し、アポストロフィ以外の記号が含まれているものについてはそれを省いた表記とする。*2
4.最後の長音は無視し、最後の拗音は大きい文字1文字として扱う
長音(「ー」)は対象馬が非常に多いうえに性質上絶対に行き止まりになるのでこの扱い*3。拗音(この場合は「ァ」「ィ」「ゥ」「ェ」「ォ」「ャ」「ュ」「ョ」「ッ」を指す意味で使用している)も前の文字と合わせてのしりとりが困難になりそうなので。
5.濁点のつけ外しはできない
思ったより無限の可能性になりそうなので。
6.同じ馬名を2回以上登場させることはできない
なおインティ/Inti・トウカイポイント/Tokai Point・ルガル/Lugalが完全自己ループが可能。
調査の残骸の一部


※筆者はパソコン素人のためすべて手作業で調査をしました。効率のいいやりかたを思いついた、あるいは知っている・できるという方はぜひ追加調査をお願いします。
結論(おそらくの最長経路)
ビッグウルフ/Big Wolf …2003年ジャパンダートダービー
フォーエバーヤング/Forever Young …2023年全日本2歳優駿ほか
グランプリボス/Grand Prix Boss …2010年朝日杯FSほか
スリープレスナイト/Sleepless Night*4 …2008年スプリンターズS
トーホウエンペラー/Toho Emperor …2001年東京大賞典ほか
ラインクラフト/Rhein Kraft*5 …2005年桜花賞ほか
トウカイポイント/Tokai Point …2002年マイルCS
トウカイテイオー/Tokai Teio …1991年皐月賞ほか
オリオンザサンクス/Orion the Thanks …1999年ジャパンダートダービー
スペシャルウィーク/Special Week*6 …1998年皐月賞ほか
クシロキング/Kushiro King …1986年天皇賞(春)
グランアレグリア/Gran Alegria …2019年桜花賞ほか
アーモンドアイ/Almond Eye*7 …2018年桜花賞ほか
イーグルカフェ/Eagle Cafe …2000年NHKマイルカップほか
アドマイヤリード/Admire Lead …2017年ヴィクトリアマイル
ドゥレッツァ/Durezza …2023年菊花賞
アルマヴェローチェ/Arma Veloce …2024年阪神JF
エリモシック/Erimo Chic …1997年エリザベス女王杯
クロノジェネシス/Chrono Genesis …2019年秋華賞ほか
スワーヴリチャード/Suave Richard*9 …2018年大阪杯ほか
ドライスタウト/Dry Stout …2021年全日本2歳優駿
トランセンド/Transcend*10 …2010年ジャパンカップダートほか
ドクタースパート/Doctor Spurt …1989年皐月賞
トーホウジャッカル/Toho Jackal …2014年菊花賞
ルガル/Lugal …2024年スプリンターズS
ルヴァンスレーヴ/Le Vent Se Leve*11 …2017年全日本2歳優駿ほか
以上28頭。
感想
疲れた。
最適化についてはかなり怪しいが、この流れに繋がらない経路はだいぶ難しく、またより長い回り道が無いように見えたのでこれを最長にした。
またこの経路では最初の3頭がミスターシービー→ビッグウルフ→フォーエバーヤングになっているが、マツリダゴッホ→ホーリックス→スピルバーグでも同じ頭数で繋げることができる。
更新可能性についてはかなり複雑で検討してみないとわからないが、簡易な部分であればアルテヴェローチェが今後G1を勝利するとドゥレッツァ→アルマヴェローチェ→エリモシック…の部分にドゥレッツァ→アルテヴェローチェ→エピファネイア→アルマヴェローチェ→エリモシック…と2頭の簡易ループを挟むことができるようになる。おそらくNHKマイルカップに期待するのが一番だろうか。
なおこの記事を書いている最中に集計メモのミスが大量に見つかった。どうにか本筋は別の馬名を使って通すことができたが、やはり人力の限界を感じる。そもそもCFITはどのツールを使っても排除できないが。
確認ミスや新規G1馬による記録更新を願って、この言葉を終わりの言葉とする。
たぶんこれが1番長いと思います。
後書き
いかがでしたか? ……と言われても困る内容ではありそうです。
完全に自分用のメモと記録なので調査過程を大幅にカットしており薄味にはなってしまいましたが、14か月ぶりの記事なのでご容赦ください。
実際このレギュレーションのしりとりは考えてかなり楽しいし、英語馬名に関する新しい発見も得られるので面白いです。ニホンピロアワーズはNihonpiro OursなのにニホンピロウイナーはNihon Pillow Winnerになってたりとか、カフェファラオは父リスペクトでCafe PharoahだけどダノンファラオはDanon Pharaohだとか。やはり言葉遊びは楽しい。
ということで皆さんもぜひ競走馬名日英同時しりとりを試してみてください。楽しいですよ。重賞ごとに最長経路出してもいいかもしれません。手間すごそうだけど。
では、また何か思いつきましたら。
ウマ娘の番組表を2024年版に改訂した場合にあたっての個人的な覚書
(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)
前説
お疲れ様です。斬進です。気が付けば2月だしめっちゃ寒いし、全体的にやってられません。その割に昼ごはん食べた後日が差してくると鬼のように眠くなる。
そんなことはさておき、2月といえばすっかり生活リズムに組み込まれたウマ娘のアニバーサリーがあるわけで。知人と今年は誰が来るんだろうとか変更は何が来るかなとか、後方勢不遇の半年だった気がするとかいろいろ話していました。
そこで話題に上がったのが、ウマ娘の番組表……つまりレースの日程を現在のものに書き換える、という話でした。今年から実競馬はダート三冠路線の整備により南関東三冠のレースすべてが国内G1(Jpn1)の認定を受けるなど、かなり大きな変更があります。ついでに細々とした変更も含めて、その辺りをそろそろ一括で合わせないとどんどんズレていくのでは……という意見に関してなるほどとは思ったものの、実際問題けっこうな無茶だとは思いました。事実育成目標とかは今の番組表をもとに作られているわけですし。
ということで、変更点をわーっと並べて事実どれぐらいのラインなのか探ってみよう! ……というのが今回の記事の趣旨です。どれぐらいになるのかこの段を書いている時点ではそんなに予想がついていませんが、興味のある方はしばしお付き合いください。完全に自分の備忘録ですが。
前提
ウマ娘の番組表は「重賞などの日程は2018年の番組表」「一部日程調整やグレードについては京都の改修が行われていないほか様々な変更が行われなかったイフの2020年番組表」をもとにしていると思われる*1。ただし単純に上旬/下旬で前半ターン/後半ターンに振り分けるわけではなく、ゲームとしての調整を含んでいると考えられる。
筆者はゲーム制作未経験でありウマ娘をガチガチに極めているわけでもないので、以降新設・移動される重賞のターンの割り振りについては単純に前後半で振り分けている。そのためゲームバランスなどについては多少考察が荒くなる可能性があることをご留いただきたい。
また、上記の理由から「大きく並びが変わったわけではないが徐々に開催日程がズレたり週の変更があった結果ターンを跨いでしまった変更」(例:スプリンターズステークスは9月最終週~10月初週)などについてはそのまま、という前提で進める。
考察
芝重賞について
極端に大きな変更はないが、G3重賞としてウマ娘に登録されている東京スポーツ杯ジュニアステークス*2と紫苑ステークス*3がG2に格上げになることが予想される。
獲得ファン数が増えるのが大きなメリットではあるが、現在のところ両レースとも目標に設定されているウマ娘が存在しない。そのためURA式シナリオでうっかりバレンタインやファン感謝祭で固有Lvを上げるためのファンが足りない事故を防ぐ……などといった明確な恩恵は受けられないものの、まああって損はないと思われる。
一応負になりうる影響として出走条件のファン人数も増えると思われる。東京スポーツ杯ジュニアステークスは350人から前ターンの京王杯ジュニアステークスと同じ375人、紫苑ステークスは1000人から同ターンのローズステークスと同じ1750人になると予想される。紫苑ステークスがメイクデビュー一発勝利から向かえなくなるが、URA式シナリオでは現在のところどんなに長くても夏合宿締切でファン数を稼ぐ目標があるので、問題が発生するほうが珍しいだろう。
ダートレースの新設について
現在ウマ娘の番組表に組み込まれておらず、中央所属の競走馬が出走することができ、国内グレードがついていて、さらに現在ウマ娘に実装されている地方競馬場で行われるレースはブルーバードカップ(クラシック1月前半相当のJpn3、船橋1800m)・雲取賞(クラシック2月相当のJpn3、大井1800m)・京浜杯(クラシック3月後半相当のJpn2、大井1700m)・不来方賞(クラシック9月前半相当のJpn2、盛岡2000m)・羽田盃(クラシック4月前半相当のJpn1、大井1800m)・東京ダービー(クラシック6月前半相当のJpn1、大井2000m)の各グレード2レース。
これらがダート三冠路線の整備に伴って昇格されたということもあり、クラシック級の前半に固まっている。元からダート路線は全日本2歳優駿からジャパンダートダービーまでの間に3レースしか重賞が存在せず、この期間に走れるレースが存在するのはシナリオギミックによってはいい方向に振れることも多いだろう。そもそも単純にファン数稼ぎなどにおいてもグレードの高いレースに出られるほうが当然いい訳で、現在この6レースに出走経験のあるウマ娘が発表されていないということもあって増えるぶんには問題がないだろう。他のレースと重なる場合でも、G1以外はダートに走れるレースが増えたほうが嬉しいし、G1はG1である種しょうがない面もある*4。
ダートレースの変更について・時期のみの変更
現在ウマ娘に実装されているレースのうち大きな開催時期変更のみがあったレースはクイーン賞(両年12月前半からシニアのみ2月前半付近へ)・エンプレス杯(シニア3月前半からシニア5月前半付近へ)・川崎記念(シニア2月前半からシニア4月前半付近へ)。
クイーン賞の開催回数が減ることもさることながら、ゲーム内ではG1扱いの川崎記念が大きくお引越し。ダートウマ娘がファン感謝祭用に走れるG1がひとつ減るほか、ワンダーアキュートとホッコータルマエは目標レース。その中でもワンダーアキュートは「川崎記念の後スマートファルコンはドバイの国際G1に向かい、アキュートは大きな目標をひとつ失う」という展開のため*5、この変更が発生すると4月の前半に翌年3月のドバイに向かうことになって大きく話が食い違ってしまう。一応ドバイに行くための長期休養などと言えばどうにかならないこともないが……というのが所感である。
ゲームのバランスとしてはマイル~長距離走れるウマ娘が走れるG1を全て走る、という因子用育成をした際に肌荒れチャンスが1回増えてしまう。これもこれで育成が上手くいっていないときの足切りが厳しくなると考えれば、そこそこな影響があるかもしれない。
ダートレースの変更について・名称変更を伴う変更
ジャパンダートダービーについては開催がクラシック7月前半からクラシック10月前半付近に移行すると同時に名称が「ジャパンダートクラシック」に変更になる。
名称変更の影響としてはロゴと出走時のロゴ3Dモデルの作り直し。そこそこな手間と見ることもできるだろうが、その辺の手間については浅薄な筆者の知識ではどうにも分からない、というのが正直なところである。
そして開催ターン変更に伴って、クラシック級マイルチャンピオンシップ南部杯と同ターンに開催されることになる。これによって5名のウマ娘がクラシック級のマイルCS南部杯に出走できなくなるが、シニア級のほうには全バ出走可能。クラシック級10月前半に開催されるレースはすべてシニア級の同ターンでも開催されるため、この場所であれば大きな弊害は出ない(アグネスデジタルの特殊出走イベントとスマートファルコンの地方巡業イベントが回収しづらくなるぐらい)。ただ「ついでだし他の三冠競争3つめと同じターンに開催しよう」となった場合は菊花賞や秋華賞が潰れることになるため注意が必要。
ダートレースの変更について・距離変更を伴う変更
マリーンカップが両年12月前半ターン開催からシニア級2月前半になり、船橋1600mから船橋1800mに変更。距離は200m伸びるものの3年目頭のG3で有効加速を気にすることはないだろう。この変更がされる場合川崎記念も移動している可能性が高いため、そういう意味でダートのバッティングを恐れる必要はないと思われる。そういう意味では開催回数も減ってはいるが影響そのものは小さいだろう。
ダートレースの変更について・開催地変更を伴う変更
さらに大きな変更としてレース開催地や距離変更を含むものが2レースある。
もっとも直接的な被害が出る変更がユニコーンステークス。開催時期がクラシック級6月後半からクラシック級4月後半に移動になるのに加え、開催が東京1600mから京都1900mに変更になる。ウマ娘では1801m以上を中距離と分類しているため、ダートマイルのレースがダート中距離のレースへ*6。そしてユニコーンステークスはシンコウウインディとタイキシャトルの目標レースでもあるのだ。シンコウウインディは中距離適性がBだがタイキシャトルはE*7。間に継承が1回しか挟めず5着以内目標でもあるため1着取得の難易度の上がり方は強烈。初期にはシンボリルドルフのサウジアラビアロイヤルカップが話題になったりもしたが、いくらトレーニング期間があるとはいえ……感が否めない。追い打ちをかけるようにタイキシャトルの固有二つ名「最強マイラー」はユニコーンステークスの勝利が条件*8のため、何を言っているんだお前は状態になってしまう。
具体的なユニコーンステークスの回避方法としてはURA方式の育成目標に従うシナリオではタイキシャトルのユニコーンステークスを特別開催として東京1600クラシック6月後半開催にすることだが、場所だけならともかくレース日時まで変更するのは類を見ないため実際にできるのか不明。実馬が「3歳限定戦のマイルなら何でもよかった」と参戦し快勝したレースだけに、そこまで苦戦を強いられるのも難しい問題である。
そして被害は少ないが甚大な変更を求められるのがTCK女王盃。こちらは「兵庫女王盃」と名称変更をしたうえで大井1800mから園田1870m*9に変更。ウマ娘に実装されていない園田に移設されるということは、園田レース場を新しく実装しない限りこのレースはウマ娘から消滅してしまうことになる。一応園田競馬場にはスマートファルコンが優勝したJpn2兵庫ゴールドトロフィーやコパノリッキーが優勝したJpn2兵庫チャンピオンシップなども存在するためできなくもないが、1870mの終盤開始が残り623m付近とかいう端数のヤバそうな数字になる。
その他細々とした変更
各種賞金額が変更になる。主にG1級競争に関しては増額の一途を辿っているため、おそらくそれに合わせて決められている取得ファン数に関しても増えると思われ、様々な事故が減る可能性は高い。
ただし軽く調べただけだが、中央開催の中でもレパードステークスは賞金が下がっている。ホッコータルマエの育成目標であるため、こちらはファンボーナスやレースの組み合わせによっては1レース増えかねない……という可能性もなくはない。無さそうだが。
個人的見解
芝重賞の格上げとダートレース追加に関しては問題が無さそうだが、それ以外の開催時期変更については(特に川崎記念とユニコーンステークスの)影響が非常に大きく、育成シナリオの改修と同時にしないと難しそうである。
確かに過去、特に初期勢の育成シナリオは後々に追加されたウマ娘によって拡張できるような内容も多く、リライトが待たれるところではある。しかしその作業によって新規ウマ娘のシナリオが遅滞するのは商業的・コンテンツ展開的にも厳しいところが多いことは容易に予測でき、それを考えると軽々にそういった調整をしてほしいというのも無責任なのだろうと思う。それが「現行に近い形にする」というゲーム的要素の薄い、なおかつ新規追加ではなく従来の要素の移動というのは、なかなかに費用対効果が望めるかは難しい。
後書き
というわけで今回はウマ娘の番組表更新の可能性について調べてみました! いかがでしたか?
……というわけじゃないですけどつらつらと書いてみたわけですが、やはり難しい。知人との話題としては「3周年で実装される新シナリオ以降は2024年の番組表でる」とか案が出たものの、どう考えても初心者やシナリオ読みに一番簡単なので適当にやりたい人切り捨てすぎだろになって却下という結論が出たり。やはり3年間これでやってて今から変えるのは並々ならぬ努力が必要ということになりそうです。それはそれとしてめっちゃ変わってる。
ズレていくとはいえ競走馬との時代のズレをうまく生かしたシナリオもあるわけですし、うまいこと消化してくれることを祈っていきましょう。
では、また何か思いつきましたら。
*1:フォワ賞・ニエル賞・凱旋門賞においても、ニエル賞が流行病の影響で中止されなければそれぞれ9月前半と10月前半にあたりそうな時期に開催されていた。
*2:ジュニア級11月後半、東京1800
*4:もし実装するならクラシック三冠・トリプルティアラ・ダート三冠はすべて同じターン開催なのかなという気もする。
*5:だいぶうろ覚えなので間違っていたらごめんなさい。
*6:実際に京都砂1900mのレースはアルデバランステークスと平安ステークスが中距離レースとして実装されている
*7:現実のタイキシャトル号は中距離レースを1回も走ったことがないので盛られているほうという説もある。おそらくシニア級のサイレンススズカ周りの隠しイベントを回収しやすくするため。
*8:ユニコーンステークス、安田記念を含むマイルの重賞で5勝以上し、うち1勝以上は天候(雨)で勝利かつ、マイルチャンピオンシップを5バ身差以上で勝利する
ウマから入ったふわふわ人間が去年と今年の競馬を少しだけ追いかけられた話
(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)
前説
お疲れ様です。斬進です。今年はちょっと身の周りの整理があり、ひとりアドベントカレンダーはロクにできないという結論が出ました。あんなの毎年やるもんでもないし。
ただ今年の下半期は相変わらず全然キーボードを叩いていないな、という気持ちもあり、リハビリとしてちまちま叩いておこうかなという気持ちです。それで今回の記事は自分語りになるんですね。体験したことと考えてることを直で垂れ流せば済むだけなので。
そんなこんなで今回は少し遡って、去年と今年のリアル競馬を見ていた体験記でもつらつら並べていこうと思います。ほぼノープランで今から書き始めるのでめっちゃ長い可能性もめっちゃ短い可能性もありますが、ご容赦のうえ笑っていただければ幸いです。
出会い/2022年春
「僕の指名馬、皐月賞出るんですよ」
そんな話をボイスチャットで聞いたのは、22年のどのタイミングだっただろうか。
2021年5月、参加している『捜査一課』*1ではPOG(ペーパー・オーナー・ゲーム)が開催されていた。POGは簡単に言えば「2歳馬を新馬戦開始前に一定数選び、1年間の選んだ馬たちの賞金総額で競う」……みたいなゲームだと理解していた。自分がウマ娘を本格的に始めたのは6月だったせいでPOGには参加できなかったが、専用のチャンネルを覗けば毎週一喜一憂が楽しめていた。ウマ娘をしっかりやるようになってからは徐々に覗く頻度も増えた。多分、「コイツならちょっと押せば沼に入るんじゃないか」と思われていたような気がする。
本当にそんなたくらみが先方にあったかはさておいて*2、「心臓ヤバいから一緒に見ませんか」なんて言われて別段断る理由もなかった私は説明をつけながらも最終的に了承することにした。それから彼の指名馬を聞く。
身内ルールの「ウマ娘血統にあたる馬を指名する」という枠で、「キタサンブラックだし最近流行りの母父だし」という理由で指名されたその馬を。
その年のPOGでは注目度が高くなかったものの、重賞勝利から中山G1へ歩を進めた馬を。
異例のローテーションでヴェールを脱ぐ、父の初年度産駒を背負って立つ馬を。
イクイノックスの名前を、私は初めてそこで頭に刻んだ。
イクイノックスという馬について一番最初に感じたことは、「名前オシャレやな」だった気がする。equinoxという単語が昼夜平分時を表す、という知識は『マジック:ザ・ギャザリング』の謎カード*3のおかげで知っていて、父キタサンブラックと母シャトーブランシュの黒と白を取って、というイメージはすぐに湧いた。名付け凝ってるなぁと思ったし、「名前は一生モノだから」という擦り倒されたフレーズに納得もいった。
話は変わるが、そもそも自分はスポーツ観戦がそれほど嫌いではない。よっぽど複雑だったりマイナーだったりじゃなければルールは素人程度に頭に入っているわけだし、本質的に何かを見て誰かと話すことが楽しいと思う側の人間である以上そういう流行に乗るのもそこまで大きく苦ではなかった。
ではなぜ流行りに流行っていた21年の秋に競馬を観なかったのか。一番大きな理由は、疫病神だから、である。
基本的に応援しているほうが負ける。遥か昔に「一般人の趣味を」と思って野球を1シーズン見てみたこともあるが、月に4~5試合とかのペースで見たうえで応援しているほうのチームが勝ったことが片手ぐらいしかなかった*4。他の大会などでもこの疫病神っぷりは遺憾なく発揮され、中学の時クラスメイト数人に「お願いだから運動会の日は学校に来ないでくれ」と言われたりもした*5。
当然そんなものは統計でデータに落とし込めばそんなこともないのだろうし、自分が見ているから結果が変わるなんてバカげた話である。でも、その「気の持ちよう」の壁を越えられないほど、我が心の障壁は高かったのである。リアルタイム性を捨ててさえしまえば、結果の確定したものを心おきなく見ることができる。目の前で起こっているものを皆で楽しむことはできなくなったとしても、話題に乗るだけならそれでもいい。誰に何を言われなくとも、ありもしない自責の念に駆られるぐらいなら。自分はそういう後ろ向きな思考の人間である。だから21年のマイルチャンピオンシップもジャパンカップも、当日の夜まで競馬系のタイムラインをなるべく見ないようにしていた。
それでも皐月賞は見ようと思ったのは、やっぱり知り合いという存在の力だろうか。まあ大外枠からジオグリフに差し切られて2着だったので結局ひととおり謝る展開をしたのだが。
結局ダービーも大外枠から2着。今度は差し切れなかった。とはいえレコードのダービーを見届けてひととおり指名者の方の「いや~~~」を聞き、イクイノックスのニュースからはいったん離れることになる。この年の一課身内POGには参加していたからだ。自分の指名馬の動向を見てやきもきすることに夏競馬は終始する。
そして、あくまで動向以外のニュース――具体的に言うとレースをリアルタイムで追うことはしなかったのである。
決意/2022年秋
別の参加者のPOG指名馬がレコードタイを出したりだとか、思ったよりも指名馬が人気しているだとか、そういうことにドタバタしながら迎えた秋。イクイノックスは菊花賞ではなく天皇賞を目指すというニュースも出ていた。しかし日曜日になるとすっかり私は天皇賞秋当日だということを忘れていたし、おそらくその方が精神衛生上正しかったとも今は思う。
とにかくそんな様子だったから、その日の15時40分を少し回ったタイミングでTwitter*6を開いたことには、何の意味もなかった。本当にただタイムラインを見ようとしただけだった。
おすすめトレンドの『サイレンススズカ』を見るまでは。
遥か昔*7に書いたが、そもそもウマ娘に触れようと思ったキッカケがアニメウマ娘1期のサイレンススズカ天皇賞秋への解決方法だった。だから当然実際の天皇賞秋のレース映像も(キツすぎて1度だけだが)見ていた。今冷静に考えれば、このトレンドと天皇賞秋からは悲劇だって予感できたと思う。
でも、なぜかあの時の自分はノータイムでそのトレンドを押して、レース映像を見た。
1000m57.4秒。ただ1頭だけ大欅の向こうを最高速で回って突っ込むパンサラッサ。そして猛烈な差し切り。
細かいことは置いておいて、あのレースが1998年を彷彿とさせるものだったことに異論はないと思う。少なくとも当時は間違いなく「令和のツインターボ」で「あの時の続き」だったわけだし。なお指名した方は「すごい嬉しいけど期間中に勝ってくれよぉ~~~」みたいなことを言っていた気がする。
とにかく、あのレースとそれに連なる大きなうねり、そして悲願のG1勝利を達成したイクイノックスを見て、自分は思ったのだ。「好きな馬の参加しているG1ぐらいはちゃんとレースをリアルタイムで見られるときは見る、それぐらいだけはちゃんと信じて見守ろう」と。
まあ中山大障害と有馬記念は結局年末の買い出しや用事でリアタイできなかったうえに好きな馬が勝ったりしたのだが、それはご愛敬である。
戦々恐々/2023年
そうして色々な決意を固めて、ひとまず指名馬とイクイノックスのレースは見よう……と方針を立て迎えた3月。例のアレ――ドバイシーマクラシックが来るのである。
さすがに海外レースでそこそこ眠い目を擦りながら記憶はある。ただ、正直内容が衝撃的過ぎて全然覚えてない。ドバイの予習はほぼしておらず*8、まず逃げた時点でアレッだったしもっと動くかと思ったら全然中盤競り合いや順位の上がり下がりがないし、ペースの判断基準もわからなかったので速いのか遅いのかわからないまま見守ってたらなんか全然伸びてわからなかった。そしてわからなかったなりに何か目の前でヤバいことをやられたんだろうなという衝撃だけはあって、すぐに何度かレースを見直してノーステッキだったり首筋ポンポンだったりレコードだったりを確認して背骨がぞわぞわした。慌ててタイムラインだったりで関わりのある競馬民の人を見に行ってやはりおかしかったことを再確認し、そのままウシュバテソーロの会心の勝利を見届け、寝不足のまま一旦寝た。起きてもイクイノックスとウシュバテソーロは1着だったし、競馬メディアは各国イクイノックスのことを「なんだあれ」みたいなトーンで褒めたたえていた。
こうなると小心者としては怖くなってしまうのである。上ったからこそ下りるのが怖い。いつか大崩れしてしまったときに、どう頭の中で折り合いをつければいいのかわからない。ましてやミーハーの極みみたいな、典型的な「浅いところから入り強い馬を好きになった」と言われてもしょうがない経緯を辿っているわけだから、そういう意味でも心の中で「ハードルを下げたい」という心理が止まらなかった。
もっとたくさんの馬や戦法を知って、詳しくならなければならない。そうすればもっと冷静にイクイノックスと向き合えるのではないか。こうして3か月前に立てた「好きな馬のG1は見る」という誓いは、めでたく「POG馬のレースはリアタイじゃなくてもいいから確認して、今年のG1は見られるタイミングなら少しでもいいから下調べをしてからリアタイで見よう」に昇格することになった。
ジャックドールと武豊騎手の綺麗な逃げに感動し、フォロワーの指名馬リバティアイランドがG1勝利をさらに重ねてポイントランキングを破壊するのを見届け*9、クラシック戦線にウマ娘の世代を重ね、オフ会中のカラオケルームでみんなで見守った天皇賞春で「タイトルホルダー!?」「ディープボンド差し切れ和田竜二ィ!!」と叫んで平謝りしたり。平場どころかG2すらロクに見ないミーハーとしてはそこそこ楽しく見ていたような気もする。
そして迎えた宝塚記念、ファン投票と人気で圧倒的1番人気に推されたのはイクイノックス。当然といえば当然だった。とはいえ、負けうる要素は十分にある……というのが観測範囲においての評価だったような気がする。今日は良馬場ではあるがそこまでいい状態ではないとか、前のレースは前残りだから秋天のような差し脚が効くかは怪しいとか、そもそも虚弱体質でドバイで点滴を受けていたような子の疲れが抜けているのかとか、前走逃げた馬の折り合いがつくのかとか、宝塚記念は外枠のほうが有利だとか……。そういうものの理解がある程度できるようにはなっていた。
迎えた本番は、大外から一気に無理やりまとめて吹き飛ばすような勝ち方だった。想定を裏切られたデータキャラの気持ちがよくわかった。脚質スタンプラリーしてるのは聞いてなさすぎる。
とはいえ見直したり様々な人の意見を聞いていると本調子でなさそうなのはなんとなくわかって、夏全休から秋の大目標ジャパンカップ、という目標を聞いて安心したりもした。
敗れたデータキャラの行く先は2つ。データを捨てるか、よりデータを集めるか。自分が選んだのは後者だった。素人でも、聞きかじりの情報を集めるだけしか能が無くても、1ヶ月もあればたくさんの情報が入ってくる。というかイクイノックスとその目標レースについては、1ヶ月もあれば溢れるほど情報が入ってくるような状態だった。
大目標ジャパンカップに向けて前哨戦として天皇賞秋を選んだこと、天皇賞秋に出走馬が集まらず現在の体制になってから最小タイぐらいの少なさになったこと。少ないレースは競り合わないからスローペース→直線末脚勝負になりやすいこと、イクイノックスは基本的に1000mの通過が61秒弱ぐらいになりやすいからスローペースは歓迎なこと、それがわかっているからこそハナ争いがどうなるか。ノースブリッジが「1000m62秒で逃げさせてくれないかな」と言っていたのも合わせて*10、レース展開はスローで進むドバイシーマに近い形になるのかな……と自分で予想を立てた。そんな展開の後方からとなるとやっぱりマークがキツくなりそうで、ドウデュースを筆頭とした少数精鋭のマークの中をどう抜け出していくのか不安になったりもした。
結論から言うと、予想は大外しだった。ハナを切ったジャックドールにノースブリッジは付き合わず、代わりに後ろにつけたのはガイアフォースとイクイノックス。3番手のまま1000mを57.7秒という去年のパンサラッサと大きくは変わらないペース、なおかつ全馬そこまで大きくは離れない隊列で通過して、なぜか前方競馬した馬の中でイクイノックスだけ脚が残っていた。そして掲示板のタイムは、ウマ娘の元ネタを掘っていた時に見かけて覚えていたトーセンジョーダンのレコードを更新する1分55秒2。
当時はVCを繋いで見ていたような気がするのだが、興奮のしすぎで何を話していたか今はまったく思い出せない。ただ去年の1000m57.4はしっかり頭に残っていたから通過タイムを見て「ペースめっちゃ速い」と言い、最終直線立ち上がって前が開けていてまだ脚が残っているのが分かった瞬間に「あ違、終わった!」と応援しているクセに叫び、全部が終わった後にただただ困惑から「これどうするんだよ……」とは言った気がする。今思い返すと本当に自分はイクイノックスを応援していたのか怪しい気がする。自分が理解できる範疇にイクイノックスを落とし込みたかっただけなのかもしれない。
そしてイクイノックスとドウデュース、ダノンベルーガはジャパンカップへ。想定の時点では9頭しか登録がなく、自分も含めて「マルゼンスキーみたいなことってあるんだ」と思った人が少なくないようだった。最終的には追加登録と回避があってG1馬8頭を含むぴったりフルゲートになりひと安心だった。
さらにこのレースには結局誰も寄せ付けないまま今年の牝馬三冠を獲得したフォロワーのPOG指名馬リバティアイランド、昨年の天皇賞秋で凄まじい対決を繰り広げたパンサラッサも参戦。よくG1を一緒に見る競馬初心者たちでちゃんとどういう感じか知りたいね、なんて話になり、結局天皇賞秋よりもマジメに馬を調べることにした。各馬の特徴、予想される位置取り、枠順の有利不利。「イクイノックス対策会議」と称した展開予想では全択をしらみ潰しに考えた。結局結論は「『イクイノックスを見なかったことにしてハイペースを無視して後方で脚を溜め差し切れることを祈りながら末脚』が一番勝てるが誰もマークしないならイクイノックスがのびのびするだけだし、そもそもパンサラッサに追いつかないといけない以上ペースが極端に下がることはない」という誰にでもわかる結論にはなったが、それでも作っている間とても楽しかった。他にも個人的に応援動画を作った*11りと、11月中旬はイクイノックスのことだけでてんてこまい状態だった気がする。
1枠2番と枠番が発表され最内は最有力のリバティアイランド・ひとつ外はマークしづらいタイトルホルダーと理解してからは「勝ちの石を積みすぎている」という『銀と金』の言葉を思い出して恐怖に慄いていた。当日は昼過ぎぐらいから緊張性のえずきを伴った咳が止まらず、自分でも何目線でこのレースを観るつもりなのかわからなくなっていた。要するに自分は、イクイノックスという1頭の馬に入れ込みすぎていることを自覚させられていた。
バイアスまみれという自覚はあった展開予想は、結局6~7割の誰もが予想できるラインぐらいは当たった。大逃げを打つパンサラッサ、離れて2番手がタイトルホルダー、先行策を取るならイクイノックスが(パンサラッサを除いたうちの)先団にいてリバティアイランドがそれをマーク、少し離したところにドウデュース。スターズオンアースが先行策を取ってリバティアイランドに完璧なマークをつけたのは予想外だったぐらい。パンサラッサを差し切りつつ対イクイノックスで受かるポジションとして前方に有力馬のほとんどがつけるという、どこをどう切っても真っ先に思い浮かぶようなほぼ理想展開。
トラッキングが一瞬NO SIGNALになるほどのハイペースで逃げるパンサラッサが4コーナーを回って、去年の天皇賞秋の構図と完璧に被った時にボイスチャットで「行くのか!?」とどよめきがあがる。一瞬先頭スピードが60km/hを割ったのを見て、勉強の成果は「同じ距離のドバイシーマでイクイノックスは押しただけで65km/h出る」と警鐘を鳴らした。思わず零れた言葉が「いける」だったか「ダメだ」だったかについては、正直自信が無い。
結局イクイノックスは冗談のように加速して、後ろを少しよろけさえしながら必死に追いかけるリバティアイランドの4馬身前、ダービーで追い越せなかった背中の0.1秒先を悠々と過ぎていった。
イクイノックスの引退が発表されたのは、それから4日後だった。
それから/2023年12月
正直に言って、安心した。種牡馬入りの事情があるのもわかっていたし、それはそれとして秋古馬三冠や天皇賞春、なんなら安田記念まで見たいとは思っていた。見られるならいつまでも見たかったのは確かだけど、それ以上にどこかで間違いが起こってしまうことが恐ろしすぎた。聞き分けのいいオタクとか種牡馬の価値とかではなく、ケガや最悪の事態でイクイノックスという存在が目減りしてしまうことにきっと耐えられないところまできていたと思う。ジャパンカップの構図で「自分はこの馬にも脳を焼かれていたんだな」と認識したパンサラッサも、何事もなく引退しセカンドライフを迎えるという報道に胸を撫でおろした。
イクイノックスの引退式では泣かなかった。現実感のなさだけがふわふわとしていて、戦闘モードに入っているとさえ思えるディクタスアイに少し笑って、たくさんの人に愛されていた名馬の現役を追いかけられたことの感慨に耽っていた。
そしてこの記事を書くためにレースを見直してボロッボロに泣いた。名レースには全馬全陣営のたくさんの思考と感情とアドリブがあって、イクイノックスをどうやって倒すよう作戦を立てたのか、イクイノックスはそれにどうやって勝つのかを自分の中で反芻するだけでぼろぼろになってしまった。こういう見方が自分に染みついたのは、ある意味ウマ娘のメディアミックスでのレースシーンから入ったからかもしれない。情報を入れて咀嚼して、ようやく自分は競馬観戦初心者にして現役時代語りおじさんの第一歩を踏み出したんだなという気はした。
おそらく、イクイノックスと同じぐらい入れ込んでレース展開をガチガチに作るような馬が自分にできるのはしばらく時間がかかると思う。有馬を見た後はのんびりG1を見て藤田オーナーの進路に期待したり、来年のPOGに向けて血統を本当に軽くだけ調べたりするぐらいで、ここまで煮詰めた競馬観戦をしないままゆっくり春を待つ予定だ。
でもそれは休憩が必要なだけで、楽しくなかったわけでは決してない。たぶん一緒に競馬を見る初心者グループの中で誰よりも前のめりだった自信があるし、イクイノックスに教えてもらった競馬の見かたは本当に、本当に楽しかった。賭けることはきっと無いけれど、競馬の情報を追いかける習慣はそうそう無くならない気がする。好きな競馬配信者さんもこの1年で見つけられたし、リアルタイムで何かを見る勇気や、文章や動画など形に残したいという気持ちも含めて、本当にたくさんのものを貰えた気分だ。
だから、手前勝手ながらこの言葉で終わりたい。
イクイノックス、ありがとう。楽しかったよ。
後書き
特にこの2か月は自分でも思ったよりイクイノックスのことしか考えてなかったし、こんなレース見て泣くタイプになるとは思っていませんでした。そして本当にありふれた内容しか書けなくて申し訳ない。でも自分的に本当にイクイノックスのおかげでほんの少しだけ上向きになれた気がしているので許してほしい。
結局冗長の極みみたいな量になってしまいましたが、この辺りで終わりにしておきたいと思います。有馬記念どうなるんでしょうね。全員同着になってほしいぐらい勝ってほしい馬が多すぎる。誰か第二魔法を使えるようにしてくれ。
それでは、また何か思いつきましたら。
*1:お世話になっているアイマス系列の謎のDiscordコミュニティ。基本何をすることもなくみんなでだらだらだべってゲームをしている。それもいい。
*2:恐らくそんなことはなかっただろう
*3:《Equinox》。ざっくり言うと「自分の特定のカードを破壊する効果を無効にする」みたいな効果を持っているが、「自分の特定のカードを破壊する効果」とはどこからどこまでを指すのかよくわかっていない……みたいなとんでもない穴の開いているカードとして有名。
*4:もちろん見ていなかったときは全部勝ってたわけではないが
*5:これに関しては運動音痴の自分も多分に悪いところがある
*6:当時
*8:事前に見ていたのはG2時代ステイゴールドの2001年のものだけ。
*9:本人は「名前の雰囲気の良さと、母名ヤンキーローゼスがちょっと面白かったから」と指名理由を言っていた
*10:あまりにも純真無垢な自分は当時このコメントを見て「ならイクイノックスは逃げるのでは……?」と一瞬普通に思った気がする、当然願望とフカしだとは思うが
*11:一応公開領域には置いてあるが身内向けと言われるとそう
今年のRiJが終わってから今までのRiJの好きなランを紹介することにどれだけの意味があるのか
(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)
前説
お疲れ様です。斬進です。RTA in Japan(以下「RiJ」)ロスがヤバい。Twitchつけて「あ、やってない……」ってなる。今年の夏は6日間開催だったってことは、ロスは2日間開催だった頃の3倍ですからね。
寝る時にも流していたRiJSummer2023が終わりあまりにも寂しかったので過去のRiJを見返したりしていたのですが、習性で「こういうのは他人に共有することで文章を書くリハビリにしよう」などと考えはじめ、そして今に至ります。即行動することで躊躇する暇を自分に与えない。まあ後で後悔はするんですが。
というわけで今回は過去のRiJで好きなランを並べて感想書いて満足する回です。RiJ視聴者の皆様方におかれましてはメジャーどころが多くなるとは思いますが、読んでいただける方はしばしお付き合いください。
RTA in Japanとは?
RTA*1メインのスーパープレイを有志の方々が披露する、だいたい夏のお盆と冬の年末に開催される日本最大級のRTAイベント。開催月のTwitchチャンネル収益やドネート、グッズ売り上げの一部などは税金を差し引いて国境なき医師団に寄付されるチャリティーイベントでもある。2016年年末から開催されているが、年々規模は拡大し続けている。
【スーパープレイ部門】
ものすごく当たり前のようなことではあるが、RTAプレイヤーはだいたいの場合そのゲームが上手い。RiJに登録し当選する*2ような猛者であればなおさら。
素人目にも「何かおかしいことが起きている」と思わせるようなプレイは、クイズ王の早押しやスポーツ選手のありえないプレーのような、隔絶しているからこその美しさがある。
今回この部門では主にグリッジというよりもスーパープレイの方向に重きを置いて*3、どうにか5つに絞ってみる。
スーパーモンキーボールデラックス Ultimate Normal (2019冬)
「ボールに入った自キャラを転がしゴールに運ぶ」というゲーム性から最大限繰り出される難所の数々を、テンポのいい喋りとともにばったばったとなぎ倒す。乱数が絡まないというゲームの特性を活かし、いわゆるポーズバッファを使ってフレーム単位の調整から正確に操作することで同じ結果を出力させる技は、素人が手を出したらヤケドしそうなヤバさを明らかに感じさせる。なお走者のゆとりんさんはこの後公式YouTubeチャンネルに達人プレイヤー的な立ち位置でご出演なされた。凄い。
EQUALINE All Missions (2022夏)
人外の集うパズルゲーム枠からのピックアップは「算数」。盤面にある数字と計算記号を通って目的の数字を作る、というシンプルかつわかりやすいゲーム性から繰り出される、"ちゃんとドン引きできる"超計算スピード。ルールが簡単ゆえに味わえる、どこをどうやっても勝てない絶望感が心地いい。……本当にパターン暗記じゃなくてガチ計算なの?
Factorio Any% (2022冬)
工場のラインを整備しとにかく効率よく目標まで自動化し続ける……というハマる人間は人生を破壊しかけるレベルでハマる伝説のインディーズゲーム。事前のチャート選択や正確な操作が主に求められるゲームの中で、自分のミスだけではなくエンコードの不具合などにも泣かされながらも、ただただ効率よく効率化していく姿は圧巻の一言。動画の不具合はあるが一見の価値は間違いなくある。ちなみに走者のMazmotさんは2023年8月に世界記録を更新されていた。おめでとうございます。
Trials Rising Ninja% (2023夏)
最新回からはバイクトライアルのゲーム『Trials』シリーズの最新作。公式が用意していいレベルを超えているようにしか見えない超絶難易度のステージ*4を、重心操作とアクセルブレーキだけでガンガン乗り越える。チェックポイント通過即リトライ可能という条項が何一つ譲歩に見えないし、前半のテンポと経過時間から目標タイムを見て後半の難易度を察せられる。左下の操作を見ると「なんでこれでこうなるのか」と困惑もできる。素人目には物理法則と筋力の限界を超えているようにしか見えない挙動も注目どころ。
キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲 Maxim Any% 4人×2チーム対抗リレー (2018冬)
ニコニコ動画ではテンプレコメントだらけのTASで有名な『白夜の協奏曲』マクシームAny%を、(当時の動画勢からすれば)見覚えのあるTAS技をいくつも駆使しながら駆け抜ける。人は、キシンになれる。ノリのいい解説や観客席の方々も含め、見ていた人には懐かしさとゲームのブレイクっぷりを再確認させてくれる。Twitchチャンネルに残っているコレクションから当時のコメント欄を覗いてみるのもまた一興。
【解説部門】
RiJ含めRTAイベントにおいては、走者のほかに解説者が置かれることも多い。プレイしながら話すことが難しいゲームも多く、かといって何も喋らずにプレイだけ見せても凄さが分かりづらかったり間が持てなかったりすることも多いからだ。ランの内容があって、という絶対的な前提を下敷きとしても、そういった解説やリアルタイムの掛け合いもRiJの大きな魅力だと思っている。
リングフィットアドベンチャー Beat World1 Intensity Level 30, Intended (2021夏)
同時接続者数18万人を達成した伝説のラン。レギュレーションは要するに「運動負荷レベル最大で、指示通り運動を行ったうえでワールド1をクリアする」。
関係各所のご尽力や記録保持者の推移、事前の諸々があったうえでの数字だ、ということを前提としたうえで、筆者は実況の田口尚平さんの話をしたい。元テレ東アナウンサーにしてeスポーツキャスターである田口さんは、率直に言ってしまえば筆者の推しeスポーツキャスターである。様々な仕事を抱えているにもかかわらず事前準備を欠かさずキーフレーズを差し込んでくるプロの仕事感、熱量と勢いを第一に伝えようとする姿勢と盛り上げ方、ほんの少しのあざとさととても大きな愛嬌が見え隠れする姿。素人目だが推せる。そしてその良さが十二分に、かつわかりやすく発揮されているのがこのランの実況だと思っている。ぜひ。*5
カドゥケウス New Blood Any% Normal (2022冬)
ツッコミどころと見た目の派手さ満載の超次元医療ゲームに解説として参加していらっしゃったのは、医療関係者でもあるRiJ名解説者*6Y's(ワイズ)さん。落ち着いていながらもテンポとノリのいいトーンで、医療従事者目線の冷静なツッコミや実体験に基づいた雑談を繰り出していく。テンプレ天丼芸なども含めて緻密に練られた台本などの事前準備にはただただ頭が下がるばかりだし、世界記録に迫るプレイに合わせてこのランをはっきりと記憶に残るものにしていると思う。
Y's(ワイズ)さんは他にも2020年夏の『メタルスラッグX』や2023年夏の『GS美神 ~除霊士はナイスバディ~』などの解説も務められていらっしゃるので、良いと思われた方はチェックしていただきたい。
Portal Out of Bounds (2021冬)
「Steamの義務教育」とまで言われる『Portal』の壁抜け可なんでもありレギュレーションでただでさえ常人には理解不能レベルなのだが、ゲームの独特な世界観とランのカオスさを引き立てるのがすないぬさんの解説芸。ボイスチェンジャーをつける、言葉の繋ぎ目を空ける、リトライ時には全く同じ解説を機械的に続ける……などといった形でPortalの世界観を補強している。もはやゲーム・プレイ内容・解説の三位一体の総合芸術と言っても過言ではないかもしれない。一度見たら忘れられなくなることうけあい。
パズルボブル Arcade 1Player (2022冬)
見た目以上に圧倒的に難しいパズルゲームの、圧倒的高みにいる3人の並走。実力と運がともに必要なこのゲームの盛り上げ役を担ったのが、解説のShino.さん。明朗快活ハキハキとした「おねえさん」然とした声質で、忙しい3人並走を取りこぼしもせずスーパープレイにはプレイヤー視点で心からの賞賛を送りつつ……と完璧に回している。不確かなエイムを頼りに球を撃つ姿も合わせて手に力の入るラン。なお2019冬の『パズルボブル2』のランと合わせて「公式の回し者」「パズルボブルのおねえさん」という呼称が定着したShino.さんは後にパズルボブルの公式対戦会に実況解説としてご出演なされた。一般人とは。
ニュー・スーパーフックガール Extraモード (2020夏)
世界1位と世界2位の並走を解説するのは、なんとゲームの開発者であるクストさん。スタイリッシュフックアクションの宿命とも言える開発者の予期しないルートを、何とも言えない感じで実況するシーンは一見の価値あり。また、そうでなくともそもそも目まぐるしく状況の変わるテンポの速いゲームを、聞き取りづらくならない程度の早口回しでしっかりと伝えてくれる。実況初心者……?
【ミーム部門】
RiJを盛り上げるTwitchのコメント欄には、一定量擦られるミームと化した定型文が存在する。その中でも視聴者たちに残した爪痕が深く、またランにも見ごたえがあるものからどうにか5つを厳選させていただいた。どうして5つにしてしまったのか。
DEMENTO A ending (2019夏)
「デメる」「花火はまずい」などの震源地にして、「RiJのホラー枠は縁起が悪い」というとんでもなく当たり判定の広い風評被害の発端のひとつ。世界1位の走者の素晴らしいラン……のはずだったが、なぜか次々と発生するアクシデントとミス。外で花火大会が始まり、画面共有用の配信が謎の成人指定を受け、精神的動揺により連鎖するミスに予定タイムオーバー、挙句の果てにフリーズ……。本人すら出禁を危惧するレベルのグダりっぷりにコメント欄は諸々の渦に包まれた。YouTubeだとどうしてもただミスが強調されて見えるかもしれないので、ぜひTwitchコレクションでコメント欄と一緒に。なお走者のソードフィッシュさんは無事出禁ではなくRiJの名物走者・解説者になった*7。
15m challenge tournament (Barbie Super Model) Any% Super Model (2018冬)
「ピクセルパーフェクト」とそれに伴う変形型「フレームパーフェクト」の発信元。本番15分前にRTAを行うゲームを走者に発表し、短い練習の後ぶっつけトーナメントを行うという企画で、走られたのは『Burbie Super Model』。短時間・覚えることが少ない・見どころがある、という難しい条件に見事に合致したゲームに、練りこまれた天丼芸と、初心者・ガチではないエンジョイトーナメントということも相まって白熱するバトル。無駄にテクニカルなピクセルパーフェクトも見逃せない。
ポケットモンスター ソード&シールド Any% with DLC (2021夏)
コメント欄で見かける謎の気持ち悪いスイクン*8の発祥。DLCのダイマックスアドベンチャーで226体からランダムで引ける1体を主軸として進行していくにあたり個別チャートを大量に用意した右下のキャロさんだったが、結局スイクンが捕獲できたうえにスイクンより速くなりうるポケモンが出ずにスイクンチャートに収まってしまい、しかもそのスイクンは個体値C0*9……という波乱万丈。四者四様のチャートもあって本走も大変に面白く盛り上がったのだが、なぜかこのスイクンだけが一人歩きしてしまった。なおこのスイクンが爆発的に広まったのは本走が終わってからである。また、このランの遥か後に発売された『ポケットモンスター スカーレット&ヴァイオレット』では触手の生えたスイクンのような見た目をした「ウネルミナモ」というポケモンが追加されまた話題になった。
Paris Chase Any% (2022夏)
「セーヌ枠」「ナイスセーヌ」の本元……というか、本元となったゲームがRiJで初披露され周知された回。海外イベント「Summer Games Done Quick 2021 Online」でこのゲームが披露された際の公式日本語ミラー配信で生まれたミーム*10で、CPUとの対戦レースゲームにして「相手をコースアウトで走行不能にしても勝ち」という悪用しか考えられないシステムにより相手をセーヌ川に投げ落とした際の掛け声。下準備とばかりに障害物を車体で掃除し相撲の決まり手のような形であの手この手で相手を事故らせる姿はあまりにもシュール。以降荒々しい運転が含まれたりややバカゲー寄りなプレイをするレースゲームを「セーヌ枠」と呼ぶ一派が現れるほどには視聴者の心に刻み込まれた。
Racing Lagoon Any% (2020夏)
RTA界隈で生まれたミームではないが多用される、いわゆる「ラグーン語」の母体。やけにポエティックな語り口や独特な英語の使い方、「……冗談じゃねぇ…」「ごま塩程度に覚えておいてくれ」などの汎用性の高いセリフなどが、深夜帯の視聴者にあまりにも強いインパクトを残した。それはそれとしてゲームもRPGとレースゲームの融合と見どころが高く、走者の細やかな技術もまた面白い。コメント欄はとにかくラグーン語で一色だったので、こちらもぜひTwitchのコレクションアーカイブで。
【特殊なゲームやレギュレーション】
ギネス世界記録がそうであるように、RTAで記録を競うにあたり様々なレギュレーションが考案される。もちろん競争性・時間を縮めるにあたっての技術介入性が低いものは難しいが、いわゆる「魅せプレイ」として様々な特殊ゲームやレギュレーションが考慮されてきた。RiJでは近年スーパープレイ枠としてシューティングゲームのハイスコアアタックなどが採用されているが、それとはまた違った形の特殊ゲームを3つだけご紹介させていただきたい。
スーパーマリオ64 70 Stars Blindfolded (2021冬)
Blindfoldedは「目隠し」である。つまりゲーム開始から「てんくうのたたかい!」を制してタイマーストップまで、一切映像情報なしでプレイする。
それを可能にしているのが熟練の目隠しRTA走者であるBubziaさんの正確無比なチャート構築力・記憶力・再現力。世界屈指の目隠しRTA走者であるBubziaさんは様々なゲームで目隠しRTAを行っており、予定タイム2時間以上の長丁場であるこのレギュレーションでも完璧なセットアップから魔法のようにスターを獲得する。わけのわからないものを見たいときにぜひ。
なおBubziaさんはRiJに何度もご参加なされており、これ以外にも『Deltarune』『大乱闘スマッシュブラザーズDX』、そして今回のRiJ2023Summerでは『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』を見事完走された。……なんで? またBubziaさん以外にも目隠し走者は近年増加傾向にあり、『マイクタイソン・パンチアウト!』『海原川背・旬』『ときめきメモリアル』など……なんで???
カービィボウル 3Keys Normal Courses (2020夏)
ニコニコ動画のTAS*11界隈で非常に話題になったなるしすさんの動画『3つのボタンでカービィボウル』*12のルールで行われる8コース+表ボス戦のRTA。ぱっと見わかりづらいが、方向転換もカーブボールもできず最初に出る自動ガイドの方向に発射するしかない超鬼畜ルール。元動画がTASであることもあり、フレーム目押しの緩和など人力一発勝負で再現できるチャートの再構成も凄まじい。3つのボタンでカービィボウル界隈のことは「学会」と呼ばれており*13、学会長なるしすさんのTwitter同時実況なども合わせて盛り上がった。ちなみにspeedrun.com*14によるとこのカテゴリの走者は2名いるらしい。
KORG Gadget for Nintendo Switch 15分、オールランダム、シーン&ガジェットロック (2020冬)
Switchで音楽を作るためのガジェットアプリである『KORG Gadget for Nintendo Switch』で、製作時間15分+音源・BPM・スケールをランダム決定し変更禁止+8小節縛り。要するにゲームでもリアルタイムアタックでもないという非常に珍しい、この回のRiJのために作成されたレギュレーション。まだスーパープレイ枠が正式決定されていない中で行われた非常に実験的なRTA。ランダムに泣かされながらも作られた曲は果たして。
【その他個人的なオススメ】
上記の項目に入りきらなかった中でも特に個人的に面白いと思っているもの。こちらも苦渋の決断で絞らせていただいた。お気に入りを全部勧められるなら勧めたい。
リトルナイトメア Any% (2022夏)
世界1位と世界2位のホラゲー並走なのだが、この回はとにかくガバる*15。短縮技の何もかもをミスってるんじゃないかと錯覚してしまうほどのガバり方なのに、なぜか予定タイムはきっちり守る。ミスをした走者2人の悲鳴と、あまりの事態に溢れ出る3人の笑いがどこか活力を与えてくれる、ホラゲーのはずなのにほっこりするRTA。
ゼルダの伝説 風のタクト(GC版) Any% (2020夏)
このランを語るにあたって外せないのが、上動画の2年前に走られた同ゲーム同レギュレーションのランだろう。
予定タイムが2時間50分の驚異のダイエットを遂げている。実は2年前のランの少し後にすべての記録を過去にしうるテクニック(バグ?)*16が発見され、その後も様々なことがあって2年後の予定タイム1時間半に繋がっているのだ。人類の進化の結晶が垣間見える、素敵なRTAと言える。あと3DゼルダAny%特有のメチャクチャ感も分かりやすくて筆者はお気に入り。
WHAT THE GOLF? Any% No Major Glitches (2021冬)
RTAイベントでは自分の知らないゲームに触れられる。例えそれが、何なのかよくわからない謎ゲーであったとしても。
タイトルの通り「ゴルフってなんだ……?」と言いたくなることうけあいの、パロディ満載インディーズバカゴルフゲー。以降すべての球が転がるシーンにゴルフとコメントがつく原因になったわけのわからないもの。というかそもそも最初のステージの時点でゴールはフラッグにぶつけることであって穴に入れることではない。ユーモアたっぷりな走者さんと解説の方の掛け合いも合わせて、不思議な気持ちになれるラン。
GeoGuessr 30 Country Streak (2023夏)
2022年にも走られた*17Googleマップのストリートビューを使った場所当てゲーム『GeoGuessr』の国名当てモードで30問連続正解を目指すRiJ専用ルール。走者の方は同ゲームの公認プレイヤー。GeoGuessr世界マッププレイヤーであればとりあえず確認するらしい太陽の方角*18はもちろんのこと、電話番号やドメイン、ナンバープレートの色や模様、標識や電柱の植生*19やストリートビューを撮影しているGoogleカーの情報*20など、情報を取れるあらゆる場所から情報を取って知識でシバくプレイを見られる。よりクイズ王の早押しに近いスーパープレイを見たい方はぜひ。
【RiJ外】弾幕アマノジャク ~ Impossible Spell Card. All Scene No Items (Stylish Speedrun Showcase3)
RiJのTwitchチャンネルではRiJ本番以外にも、有志の開催するRTAイベントを配信し、その活動記録を残す取り組みもしている。その中から1つ紹介させていただくのは、東方projectシリーズの『弾幕アマノジャク』だ。
「回避できない弾幕を、アイテムを使って回避する」という外伝ならではのアプローチがとられている本作を、ノーアイテムで攻略する*21という門外漢からしてみれば製作者の恩情を投げ捨てているとしか思えない恐ろしいレギュレーション。ランダム性の高さも相まって、高い実力とアドリブ力、そして運と祈りの力が要求されるスパルタ種目。思わず前のめりになること必見。
また同一レギュレーションはこのランの約半年後にRiJでも走られており、そちらはこのランの走者ともうひとりの方との並走である。このレギュレーションを走る人間が2人いることに驚きを禁じ得ないが、このレギュレーションのspeedrun.comの走者は世界に5人いるらしい*22。しかも2023年8月に行われた3人並走で世界記録が更新されていた。人類の天井などないことを感じる。
一旦の後書き
とりあえずキリがいいかなと思って各部門3~5個選んではみたものの、まあ当然枠が足りませんでした。普通の将棋とはまた別のアプローチをしており数日前に編み出された新手法が実戦投入された2018冬『最強羽生将棋』とか、無駄に(?)熱い対戦が繰り広げられる2019冬『街へいこうよどうぶつの森 第2回街森借金返済王決定戦』とか、ガバ部門だと茶番のせいでミスをして再走することになった*232019夏『スーパーボンバーマン』や色々あってアーカイブでは音声一部消去の憂き目に遭った2020年冬『サイレントヒル2』。RTA常連勢で言えば『Celeste』や『Cuphead』も何度も披露されているし、派手なゲーム破壊で言えばいつもの走者2021冬『ファイナルファンタジー6』に3Dゼルダ恒例Back in Time*24が乱れ飛ぶ2019夏『ゼルダの伝説スカイウォードソード』、予定タイムだけで明らかにヤバい空気が察せる2020夏『ファイナルファンタジー3』とかネタバレ厳禁にもかかわらずあまりにもゲームが崩壊しているので半分くらいはようわからんまま進行していく2022冬『Inscryption』*25。ひとくちRTAで行くなら2019冬『QWOP』やら2023夏『Gettin Over It with Bennett Foddy』やらのメジャータイトルの他にも、死ぬほど解説の音声がガビっていてそれも面白い2022冬『大工の源さん~べらんめ町騒動記』やセーヌ枠である2023夏『Jelly Drift』がある。ただただ自分の趣味だけで行くなら2018冬『チョロQHG2』に2021冬『NINTENDOパズルコレクションパネルでポン』、2019冬『ルミネス リマスター』や2022夏『VVVVVV』……とまあ挙げればキリがない。今17個ぐらい挙げた。
探したらこういう記事もごまんとあるんだろうな、という気持ちと、そもそもこんな辺境に来る人間は全員このあたり見てるだろうな、という気持ちがないまぜになってはいますが、とはいえこれをインターネットに放流して少しでも自分が好きなものが広まればいいなと思っています。冬も楽しみですね。自分も何かリアルにタイムアタックできる分野がありたい人生だった。
では、また何か思いつきましたら。
*1:リアルタイムアタック。主として実プレイ時間の短縮を目標としたゲームプレイのこと。
*2:RiJに出るにはゲームやレギュレーション、目標タイムなどを申請したうえで参考記録動画を送付する必要がある。倍率はエグい。
*3:そもそもグリッジ系が好きなのでグリッジを含めると全部ここに入れることになりそうというのもある。
*4:150万人ほどのゲームプレイヤーに対して最終ステージのクリア者は200人くらいらしい。
*5:「この項目だけランに関係ないところ長くない?」という指摘については甘んじて受け止めます。
*6:筆者の個人的な感想です。
*7:筆者個人の感想です。
*8:Twitchスタンプ「PokSuicune」に「Squid2」と「Squid4」を繋げた姿。
*9:とくこうのステータスに補正がない。要するに火力が低く時間はかかるが、当然引き直せるわけではないので一発勝負な以上これで行くしかない
*10:この際の日本語解説役が走者のkamiaさんで、司会進行がRiJ解説のアジーンさん。
*11:ツール使用によって理論値や理想乱数を引き寄せるスピードランやスーパープレイなどのこと
*12:ゴロ/フライの切り替えである上ボタン、コピー能力の使用であるBボタン、ショットとがんばれボタンの役割であるAボタン以外のすべてのボタンを使用できない制限TAS。
*13:主になるしすさんの仕様解析・説明動画が難解で講義のように聞こえたため
*15:ミスが多発する、のニコニコ動画RTA界隈の言い回し。特定個人発祥。
*16:発見に懸賞金までかかったバリアスキップ。また、表題走の1年半前のHD版のランでは「人間でやっている人は見たことない」と言われていたテクニックも実用化されている。
*17:その時は日本マップで5問連続満点を取るタイムアタックだった。
*18:北側にあれば南半球、南側にあれば北半球。
*20:例:ケニアのGoogleカーにはシュノーケルのような何かがついている
*21:一応達成時の称号は用意されているので理論上はすべてノーアイテムで回避可能ということらしい。
*22:なお現時点でリアルタイム記録1時間を切っているのはこの並走の走者2名。
*23:その後走者の方は世界記録更新をされていた
*24:スタート画面のデモプレイを操作してフラグやセーブデータを持ってくる無法。
*25:とはいえネタバレ要素はあるのでご視聴の際はお気をつけください
アリエス杯オープンリーグを好きなウマで勝つために努力する、と言うにはあまりにも好きウマが長距離で強い
(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)
前説
お疲れ様です。斬進です。最近何してるのか自分でも自信がなくなってきました。あらゆる生活を雰囲気でやっている。
久方ぶりに真面目に書く記事*1ですが、アリエス杯の記事です。ウマ娘チャンミの振り返り記事はまるっと1年ぶりです。もとから別に需要もなかったので個人的にまとめていたものをついでに記事にふんわり成型して公開していただけではあったのですが、キリということで今回は記事にします。記事にしていない間も別に個人で振り返りをまとめてはいたのですが、このフォーマットに戻ってくるとなかなか筆が進まない。既に5回ぐらい「久々の」って書いて消してます。語彙力よ。
そんなこんなでチャンミの一区切り、アリエス杯2周目。弊トレセンのその顛末をご笑覧ください。
アリエス杯基礎スペック
京都・芝・3200m(長距離/根幹距離)・右外・春・晴・良・昼 。
モチーフは天皇賞(春)。
向こう正面スタート。少し行ったあたりで上り坂が始まり、コーナーを曲がってすぐに反転下り始めるのとほぼ同時に序盤終了。そのまま短いホームストレッチを抜け、第1コーナー終わりぐらいがレース中間点。そのまま向こう正面に戻り坂を上って、上り途中に終盤開始。終盤開始からかなり進んだところで序盤と同じく第3コーナーと下り坂、最終コーナー立ち上がりがだいたい残り400mでそのまま最終直線を進んでゴールイン。
動機と見渡したメタ
2023年3月20日。ウマ娘2周年キャンペーン第4弾の開始と同時に、開発者レターが公開された。新イベントの「リーグオブヒーローズ」の実装と、それに伴うチャンピオンズミーティングの開催率減少。慣れ親しんだ黄道十二星座モチーフからの離脱。そして数日後発表されたアリエス杯の条件は、初めてちゃんと挑んだ*21周目ジェミニ杯と同じ、京都3200m。――やらねばなるまい。
オープンリーグがA+制限になってから、今回のアリエス杯でちょうど12回目である。ウマ娘そのものにもチャンミ環境にもオープン育成にも、あまりにも多くのことがあった。ステータスは1201以上に乗るようになりオープンリーグでもスピードは金色で当然、グラマス育成を使えば逆にステータスを抑えるのに苦労する。去年の夏にはダートのスキルが大量に増え、他にも長距離では《無我夢中》を手に入れた差しが《迫る影》を配布されない追込を上回る予想が多く出た。《鍔迫り合い》も《乗り換え上手》も無条件のまま終盤前半にシフトされ、じゃあ1月に実装された《抜群の切れ味》になんでこんなに条件がついてるんだと困惑もされた。無効発動という憎しみとともに語られた《クールダウン》と《好転一息》も中盤に発動するようになり長距離育成の際は配布サポカである程度賄えるようになり、固有レベルを無理に下げたりするよりも最大値を考えて育成計画を練るほうが強くなった。
自分はといえば相変わらず理論を組むのは好きだが実走は上下に振れ気味で、前回記事後11回のチャンミでは7回優勝。先月大逃げスズカで1着を取り、勝とうが意地でも聴いてこなかったMs.VICTORIAを初視聴するぐらいの人間だった*3。ものすごくざっくりした相談に乗っている程度のエンジョイ勢のフォロワーのほうが勝っている。そういうのもあって特に前年秋はモチベーションが低かったが、新シナリオが楽しく少し持ち直してきつつあったのもあり、今回は「好きなウマで走らせ、勝つ」を目標にすることにした。なにぶん、理論値的には悪くない。というか主に好きなウマ娘2名が京都3200を取っているせいで、とにかく長距離向きなのである。
オープンリーグのA+緩和実施後、長距離は12月の有馬記念に続いて2回目。長距離は地力が必要で極端に強い弱いが出づらい。加速スキルへの依存度が高くない(無いとは言わない)以上最低限のスキルを抑えていけばどうにかなると個人的には考えていて、その中でも基本的にスタミナには余裕を持たせ、安定したアベレージを出す……というのが個人的な嗜好だった。もちろんその分ステータスはカツカツになりスキル数が減ることで前に進出していきづらくはなるのだが、それをカバーできるウマ娘も多い。2年目のウマ娘は固有スキルに中盤位置取り系をつけることも多かったのである*4。
とはいったもののTierが高いウマ娘はやはり決まっており、逃げでは等倍で固有を打ちつつ他の加速付スピードアップ固有と同じぐらい出るようになったドロワセイウンスカイの《Do Ya Breakin!》を搭載でき、《先手必勝》を進化させることでよりハナを取りやすくなる通常キタサンブラック。先行は《怪物》を積めるBlaze衣装ナリタブライアンやとにかく前に詰めていける水着メジロマックイーン*5。差しは《無我夢中》をデフォルトで用意できる正月サトノダイヤモンド。追込も《無我夢中》に割を食わされている中では確定有効加速の《迫る影》と即時スピード変換スキル《天衣無縫》を両方覚醒させられるミスターシービーが強いと目されていた。後に実装されたサクラローレルが長距離差しの最強候補として鳴り物入りで登場することになるが、とはいえやはり基礎の部分が大事で他多くはスキル構成である程度カバーできるだろう、というのが自分が出した見解だった。また脚溜め戦法*6はスタミナを妥協できない以上パワーを1200にすると絶対に死ぬので見なかったことにした。
こうして、わりに早い段階でメイン構成は決まり、あとは小さなところを詰めていきながら育成を回す。すべては、推しで勝つため。春の盾が欲しい3名に、あの歌を歌わせるためだった。
育成したウマ娘
・逃げ通常キタサンブラック
1174-936-766-484-607 適性S-A-A 14,483点
《勝ち鬨ワッショイ!》Lv4
《Do Ya Breakin!》
《祭りだワッショイ!》(進化《先手必勝》)
《爆風一閃!》(進化《烈風一閃》)
《コンセントレーション》
《トップランナー》
《好転一息》
《脱兎の先へ》
《逃げ直線○》
《長距離コーナー◎》
《春ウマ娘○》
妥協ラインは速1100以上・体900・賢600に金回復2(うち1枚は《脱兎の先へ》)と《コンセントレーション》、覚醒スキル2枚習得に加えて最低限《先手必勝》は進化まで。
とにかくハナを取りに行くことを考えたが、やや根性に不安が残るところ。ただ結局スキルを多めに積まないとハナを維持しづらい、という点は残るので、補正や緑スキルを足して1200/900+金回復2/800前後/任意/600、というラインを引いたときに根性がピンク色になるのは物凄く難しい気がして妥協した。
今後オープン長距離を頑張りたい人*7向けに残しておくと、《脱兎の先へ》は696点。
・先行水着メジロマックイーン
1175-1050-796-503-643 適性A-S-A 14,498点
《きらめくは海、まばゆきは君》Lv3
《夏の名優》(進化《真打》)
《一意専心にリフレッシュ!》(進化《一意専心》)
《コンセントレーション》
《円弧のマエストロ》
《直線回復》
《本領発揮》
《垂れウマ回避》
《攻めの姿勢》
《食らいつき》
妥協ラインは速1100・体1000・賢さ600に《コンセントレーション》《マエストロ》《本領発揮》《垂れウマ回避》、距離かバ場S。覚醒スキルは両取得で、最低でも《一意専心》は進化まで。
スタミナを積めば積むほど固有の効果時間が延長になるため、早めに発動しうる回復を多めに入れた。そして「スピードが上がっている」という状態が欲しいだけなので固有レベルは1つ落とした。菊花賞の次が天春なのでグラマス育成でも理事長を避けることなく簡単にファン感謝祭をスキップできる。
《マエストロ》が1/4ほどの確率で《海君》より後に出たり、《直線回復》も向こう正面側だと間に合わないなどと微妙なところがあるがとはいえ《スタミナキープ》だと評価点足りなかったのでどうしようもない。基本はとにかく中盤後半にスピードを上げ前との距離を詰めてから《本領発揮》《垂れウマ回避》でひっかけてトバす形。
後述するが、一番白スキル何を積むか悩んだウマ娘。全部終わってからでも最適解がわからない。
・差し通常ゴールドシップ
1107-977-872-635-650 適性S-S-A 14,460点
《不沈艦、抜錨ォッ!》Lv4
《汝、皇帝の神威を見よ》
《潜伏態勢》
《クールダウン》
《大胆不敵》
《無我夢中》
《垂れウマ回避》
《ウマ好み》
《右回り◎》
《春ウマ娘◎》
《晴れの日◎》
妥協ラインは速1100・体900・力850・賢600に金回復2枚と《無我夢中》《垂れウマ回避》、距離かバ場S。あとは道中スキルをぼちぼち。
今日のゴリ押し。そもそもなぜ通常ゴルシが追込で出されるかといえば確実に5位以下を取りたいからで、逃げが強いならどうにかなるやろという投げやりな意志。というか「ゴルシを出したいが、金加速を暴発すると困るので通常ゴルシだし、通常ゴルシを出して勝つなら《無我夢中》がある差し」という消去法で選択した。
脚質の分布が読めないので、正直《ウマ好み》は余計だったかもなぁと思わないでもない。スピードは実質1300ぐらいあるはずなので《無我夢中》が出るならたぶん一番強い。
本番の記録
アリエス杯を観戦しながら取ったメモをおおむね無編集で垂れ流す。さすがに3200mを等倍で見るとしんどいので倍速で流しており、やや不正確な部分が存在することは承知していただきたい。またチャンミ期間中に激しく体調を崩しており、回し時間などもバラバラである。
1回戦1日目1回目(5-0)
キ不1-マ好3-ゴ普2
4-3-2-0。1460-500-770-450-510の金1白1キタサン、ロックか? 逃げ多くてさすがにマックちゃんキツめ(固有が終盤発動)。とはいえまあそもそもスタミナ緑の人が多すぎた。オープン長距離、スタミナ積んでおけば簡単にA予選に抜けられるという定説。
キ普1-マ不5-ゴ好4
2-4-2-1。1150-1030の通常クリークとか、《逃げ以外けん制》《先行以外ためらい》《先行駆け引き》《八方にらみ》のガチガチデバフネイチャとか。《地固め》《ワッショイ》キタサンは聞いてないっす。サンキュー《トップランナー》。めっちゃ縦にバ群が伸び、《Breakin》差でどうにか引きはがした。でもこれでも上体上がってたのでこっわい。回復全部出たのに……
キ絶好1-マ普2-ゴ普3
キ出遅れ、ゴ掛かり。3-3-3-0。ローレルいるぅ……回復ないしスタ550だぁ……そんなぁ……。あと逃げ通常クリークとか。……逃げ通常クリーク????
キ不5-マ好2-ゴ普1
キゴ掛かり。(1-3)-2-2-1。長距離S大逃げスズカ!?だったら大逃げ-逃げ-逃げ編成にしないほうがいいんじゃないか!? 楽しみにしてたのに大逃げスズカ出遅れおった! 加速2枚から先行赤テイオーをゴリゴリ削ってどうにかゴールイン。これでもスタミナギリなのあまりにも怖いな……。
キ好6-マ好3-ゴ普1
ゴ出遅れ。1-3-3-2。《全けん制》《追込以外焦り》《魅惑のささやき》みたいなデバフネイチャが絶好調。そしてめっちゃ強そうな新春ダイヤいる。嫌。やっぱこの《汝、皇帝の神威を見よ》って固有強くねーか?
1回戦1日目2回目(5-0)
キ好3-マ好2-ゴ不1
3-2-3-1。デバフネイチャとか。長距離Eのはずの通常チヨノオーを長距離Aにしたのに回復は《慧眼》なのか……。《八方にらみ》、逃げに当たらないのけっこうヤバそうだな。
キ不3-マ好2-ゴ不1
ゴ掛かり。1-5-3-0。差し水着スペとか。何事もなく。
キ絶好2-マ不3-ゴ好1
1-6-1-1。水着ゴルマクいるのはさすがに思想感じるな。さすがに先行が多すぎるのでゴルシとキタサンの一騎打ち。
キ絶好5-マ普1-ゴ普2
2-1-5-1。カフェとかブライトとか。クリダスカに逃げ切られるかと思ったけどマックイーン初勝利。ゴルシは《垂れウマ》が出なかったのがやや響いたか。
キ好4-マ不2-ゴ普1
マ出遅れ。1-3-3-2。絶好調追込通常ゴルシとか。マックイーンは帳尻出遅れ来た。ゴルシがカッ飛んですべてを終わらせる時。
1回戦1日目3回目(5-0)
キ好6-マ不8-ゴ好1
2-3-2-2。マ掛かり。先行フェスタは7番人気。ゴルシがヒャー。
キ不3-マ普6-ゴ好1
2-2-5-0。両ダイヤとか先行秋タマモとか。ゴルシがメー。
キ普2-マ普3-ゴ絶好1
2-4-3-0。ゴルシがヤー。
キ不4-マ絶好2-ゴ好1
ゴ出遅れ、マ掛かり。2-2-4-1。《右回り×》ついてる水着マック、今回は右だぞ。掛からなきゃマックイーンが勝ってた。
キ不2-マ不3-ゴ絶好1
2-4-3-0。逃げ嫁マヤノとか。ゴルシが以下省略。初日で書くことなくなるのヤバいって。
1回戦2日目1回目(3-2)
キ不7-マ普2-ゴ好1
1-4-3-1。白マックとかタイシンとか新春ダイヤとか。タイシンより"前"からッッ!! "ネジ伏せる"ッッ!!! 実際5番手から最速《無我夢中》《垂れウマ》はノーカウンターっぽそうではある。
キ普1-マ不5-ゴ好2
(1-2)-2-4-0。大逃げスズカとか先行クリダスカとかチョコフラッシュとか。大逃げ、今回は2番手でも《勝ち鬨》《Breakin》両方出るからなんかつらそうではあるよな……。
キ普1-マ普4-ゴ絶好2
2-3-2-2。シービーおるけど覚醒してないな……。珍しくゴルシが回復踏み逃して2番手。なぜ。
キ好3-マ好2-ゴ不6(1着絶好調タイシン)
キ掛かり。1-3-3-2。シービーとか絶好調タイシンとか。ついに2覚醒完全体ローレルと遭遇(ややスタミナ不安だがたぶんいけそう)。ゴルシが前に出すぎて《無我夢中》が出ず、さすがに調子差で差しきられた。
キ好7-マ不2-ゴ不8(1着ヒーラーグラス)
マ掛かり。1-1-5-2。秋イナリとかスチパンタイシンとか。後ろ寄りすぎてゴルシ3番手でワロタ。マックイーンは掛かるしキタサンは回復両方出ないしゲロ事故。
1回戦2日目2回目(4-1)
キ絶好3-マ不4-ゴ好1
マ掛かり。5-2-2-0。絶好調通常キタサンどうしのぶつかり合い。というかマックイーンめっちゃ脚質分布に対して繊細だなやっぱ。どうにかゴルシが押し切り勝ちだし、固有出なかったのにキタサン3着……?
キ不2-マ好1-ゴ好3
1-4-3-1。絶好調カフェとか。2番手から最速固有打って先頭立って《本領発揮》出えへんのかいって思ったら抜き返されたタイミングで《垂れウマ》出てついていき脚質補正と調子差で押し切ることに成功した。
キ普5-マ不3-ゴ絶好2(1着絶好調水マル)
ゴ掛かり。4-3-1-1。黒マックも今回強いっぽいんだよな……。やはりすごく固有は正義。水マルが不自然な伸び方をしたんだけど、《末脚》1つで5バ身ぐらいつけられなかったか今……?
キ不2-マ普4-ゴ絶好1
1-5-2-1。絶好調シービーとか。ゴリゴリのゴリ押し。
キ普1-マ普4-ゴ普2
ゴ出遅れ。3-2-4-0。何事も。体調がまた悪くなってきた*8。
1回戦2日目3回目(5-0)
キ好1-マ不2-ゴ不3
ゴ出遅れ。2-3-2-2。走るネイチャとか。特に何事もなく。
キ好3-マ普1-ゴ普2
1-3-4-1。先頭マックから全員加速発動、キタサンに抜き返された瞬間に《垂れウマ》でついていく。たぶんゴルシは最後ギリでスタミナ切れ減速。
キ好1-マ普3-ゴ普2
2-3-4-0。ローレルは《無我夢中》は入ってない。外枠独占。このやろー。スタミナ足りてたのに大差出た。やっぱつえーわこの子。
キ普3-マ不1-ゴ絶好2
2-2-4-1。通常タイシンとか。キタサンがハナ取られて後ろに沈んでいくピンチだったが《本領》で相手のキタサンに縋りついて《垂れウマ》で引きはがす。理想形。
キ絶好4-マ不2-ゴ不1
2-3-3-1。絶好調Blazeブライアンいるけど差しだ。ゴルマクがイチャついて終わった。
2回戦1日目1回目(2-3)
キ不5-マ普2-ゴ普7(1着通常皇帝)
ゴ出遅れ。2-2-4-1。絶好調差しクリオグリとか《抜群の切れ味》《迫る影》シービーとか。なんかようわからんけど負けた。見返したら《乗り換え》クリティカルっぽい? でもなんだろうなこの嫌な感じ。というかゴルシはどこいった。
キ普7-マ不2-ゴ絶好4(1着Blazeブライアン)
ゴ掛かり。2-3-2-2。《神速》クリティカル+ゴルシがひたすらブロックされるし前に出ない。なんなんだ。
キ好2-マ不5-ゴ不1
1-3-5-0。内部レート下がってきた気がする*9。バ群がすごく詰まった結果ゴルシがギリギリから《無我夢中》でどうにかした。
キ普6-マ普5-ゴ絶好3(1着クリオグリ)
ゴ出遅れ、マゴ掛かり。1-3-3-2。かなり良さそうなシービー2枚とか。なんかもうこの時点でだいぶ絶望が見える。クリオグリの《深呼吸》クリティカルっぽい。神ゲーか?
キ不6-マ不4-ゴ好1
3-3-3-0。白キタサンとか。というかもうちょいいい調子くれ。マジで一切前に動かず3番手-6番手-9番手をキープし続けるし中盤スキルひとっつも出ない。最終的にはゴルシがごぼう抜きしてどうにかはしたが……って感じ。
2回戦1日目2回目(5-0)
キ不2-マ不3-ゴ好1
マ掛かり。1-4-3-1。通常ライスと晩飯いる。マックイーンの儚さを再確認。
キ不7-マ好1-ゴ好2
マ掛かり。2-2-4-1。非大逃げツインターボとか。君無限に掛かるやん。しかも掛かったのに勝つやん。なんなん?(
キ不8-マ絶好2-ゴ好1
2-4-1-2。絶好調白テイオーとか。先行Blazeブライアンだと思ったらスタ340で笑った。タイシンで勝ってるだろ。あとキタサン一生調子悪くない? マックイーンはキタサンに勝つには《本領発揮》《垂れウマ》の両方が必要で、+ゴルシがもだつくのが勝つ条件かぁという感じ。
キ普3-マ好2-ゴ好1
1-4-3-1。何事もなくゴルシが前に出て勝ち。とはいえキタサンが勝たなくなったのはなぜか。
キ絶好3-マ好1-ゴ不6
1-3-3-2。シービー新春ダイヤ晩飯黒マックと強めの子勢ぞろい。《マエストロ》が遅れたがなんか先頭に立ち、そのまま《本領発揮》ないのに雰囲気で勝った。他の子が新春ダイヤの進化《スタミナグリード》で死んでたとかなのか……?
2回戦1日目3回目(4-1)
キ普9-マ普1-ゴ普2
ゴ出遅れ、マ掛かり。1-3-3-2。絶好調白テイオーとか。マックイーンは掛かる前に《一意専心にリフレッシュ》出たっぽい。もしかしてキタサンの順位が悪いの、一生金回復が出てないだけなのでは?
キ絶好3-マ普2-ゴ不4(1着晩飯)
3-5-1-0。絶好調クリハヤヒデとか。先行多すぎて前がグズグズになり、ゴルシは調子が悪かった。マジで分布が悪いと死ぬ。マックに《地固め》欲しかったまであるな……。
キ絶好3-マ好4-ゴ不1
2-4-2-1。絶好調赤テイオーとか絶好調水着マックとか。特に何事もなく。
キ絶好2-マ不4-ゴ好1
3-3-2-1。キタサンがやや出遅れでしんどい展開……かと思ったら2番手からギリ最速加速を出し逃げ切った……かと思ったらゴルシの猛追。やっぱりゴルシが一番強いな?
キ絶好6-マ好1-ゴ不5
キ掛かり。3-2-3-1。絶好調秋イナリとか。マジで急にマックイーンが押し切る展開増えたな……? 逃げのクオリティが足りないんだろうか。
2回戦2日目1回目(4-1)
キ絶好5-マ普2-ゴ不3(1着新春ダイヤ)
ゴ出遅れ。1-4-4-0。《ノンスト》まで積んでるスーパー新春ダイヤおるって。案の定ゴルシが出遅れて対抗が難しくなり、そのまま差しきられた。出遅れてなかったら調子差なかったのでどうにかなったかなぁ。
キ好1-マ普2-ゴ不3
キゴ出遅れ、マ掛かり。1-3-4-1。絶好調通常タイシンとか。君らさあ。でも単逃げだったので出遅れ影響が最低限で済みどうにかなった感。胃にはよくないね。
キ不3-マ不2-ゴ絶好1
キゴ出遅れ。2-3-4-0。みんな新春ダイヤ持っとる。*10そして君ら。なんかキタサンマックで一騎打ちかと思ったら大外から突っ込んできたゴルシがハナ差差し切り。調子差感じる。
キ好1-マ普6-ゴ好2
3-2-3-1。差し通常ゴルシ、ウチ以外に初めて見た。まあ《無我夢中》はなかったけど。先頭から自キタサン-白キタサン-黒キタサンというあまりにも相手方黒キタサンに不幸な事故が発生、そのまますっ飛んでどうにかなった。悲しいね。
キ普3-マ普2-ゴ好1
ゴ掛かり。2-3-3-1。非大逃げパーマーとか。全員全加速切ったらまあ後方が勝つかな……。
2回戦2日目2回目(3-2)
キ普3-マ普2-ゴ好1
ゴ掛かり。2-4-2-1。RtT放送後のせいかオペラオーが両方いる。安定のゴルシ。あんなに安定しなかったのに。
キ普1-マ普2-ゴ絶好4
2-4-3-0。キタサンがポーン。
キ普6-マ不3-ゴ絶好2(1着カフェ)
2-3-4-0。進化《無我夢中》強いからやめてほしいんだけど新春ダイヤ。ゴルシの回復が1個出なかったぶんと《大胆不敵》の場所ぶんで届かなかった。《垂れウマ》即発動でも勝ってたかなぁ。
キ好2-マ普3-ゴ好4(1着絶好調通常キタサン)
3-5-1-0。先行通常ダスカとか。全員鬼ほどブロックされた。どうしろと。
キ絶好1-マ普3-ゴ不6
1-2-5-1。秋シチーだ。まあ絶好調キタサンが強いのはそう。単逃げでスタミナに余裕もあった。
2回戦2日目3回目(5-0)
キ普2-マ好3-ゴ不1
マ掛かり。1-4-3-1。絶好調シービーとか。ちゃんとシービー両進化してるときついんだよな。そしてゴルシが強い。なぜ。
キ絶好1-マ好4-ゴ不3
3-2-2-2。ドロワウンス初遭遇。まあキタサンが絶好調なので……。
キ好1-マ絶好3-ゴ不6
ゴ出遅れ、マゴ掛かり。3-3-1-2。秋皇帝とかゴリゴリシービーとか。
キ不2-マ普4-ゴ絶好1
1-4-3-1。絶好調アヤベさんとか。回復出なかったから《無我夢中》めっちゃ遅れたはずなのになんか勝ちおった。こわ。
キ普3-マ絶好1-ゴ普2
1-4-3-1。絶好調ローレルとか。ゴルシが突っかかったからマックイーンが勝った流れだけど、そもそも《一意専心に》が出てないのに勝つのもようわからん。加速、いらないのか……?
決勝
[1]○差しサクラローレル
[2]▲差し通常ナイスネイチャ 【《追込以外ためらい》積んだ半デバフ構成】
[3]自差し通常ゴールドシップ
[4]自逃げ通常キタサンブラック
[5]▲追込通常ゴールドシップ 【加速金2/白3】
[6]自先行水着メジロマックイーン
[7]○差し通常マチカネフクキタル
[8]○先行ハロウィンスーパークリーク
[9]▲先行通常ビワハヤヒデ
1-3-4-1。分布としては前4-後5なのでマックにはいいバランスだが、単騎逃げなのでキタサンはちょっと不安定か。ただ全体的に加速はそんなにないため、相対的に《神速》クリティカルが怖い。あとひとりだけ《ノンスト》《一陣》《直線一気》《切れ味》《コーナー加速○》とかいう何が何でも加速してやるみたいなゴルシがいる。こわ。
キ掛かり。回復はマックの《マエストロ》が固有には間に合わなかったものの無事全員発動。加速は2番手からキタサンが両方、3番手のマックが《本領発揮》。ゴルシはやや後ろ残りから《無我夢中》を打つもブロックされる形。後ろから猛追する最速《直線一気》《ノンスト》《切れ味》追込ゴルシに粘りこみ、1と1/4バ身差でマックイーン先頭!!!!!
1着メジロマックイーン。以下自チームは3着キタサンブラック、4着ゴールドシップ
チャンピオンズミーティングアリエス杯オープンリーグお疲れ様でした! オープンでどれだけ強い水着マックが作れるのか、黒マックのほうがよかったのかとかいろいろ考えたけどまあ勝ったのでヨシ!!!!! pic.twitter.com/LHhROdLvrG
— 斬進/zanshin001 (@zanshinm9) 2023年4月18日
勝敗記録
勝負:51/61
勝率:83.6%
勝ちウマ
キタサン:14
マック:10
ゴルシ:27
負けたときの1着
逃げ 水着マルゼン
通常キタサン
先行 BLAZEブライアン
クリオグリ
ハロライス
差し ヒーラーグラス
通常ルドルフ
新春ダイヤ
カフェ
追込 通常タイシン
各1
決勝と全体の反省
決勝レースについてはある程度の当たり運とレース展開の運、そして安定性を重視した育成戦略がギリギリで実を結んだ形だと思われる。決勝でお相手することになった2組6名のウマ娘たちがどちらかというとステータスよりもスキル重視だったこともあり、ポテンシャルを発揮できれば最大値の都合でこちらに分があったこと。先行勢の中で前を取りに行くスキルが少ないのが弱点であるマックイーンが前に出られなくても《海君》を発動できる前脚質4の振り分けだったこと。《マエストロ》は《海君》に間に合わなかったものの回復は全部出て、いい形で終盤戦に入りかけたこと。あとは誰かがきちんと終盤スキルを切っていけば勝てる、という状態に持ち込めたのは良かったことだ。そしてここまで勝ちの石を積んでなお追込ゴールドシップにひっくり返されかけた、というのも長距離チャンミの一発勝負の恐ろしさだと思う。
全体として、自チームの勝ち数は事前の予想通りゴルシ>キタサン>マックになった。ゴルシが来られるならゴルシが勝ち、その次にマックイーンが理想的な立ち位置にいるならマックが勝ち、そうでないならキタサンが勝つ。今回は分布的に逃げが単逃げになりづらかったのでキタサンが勝つことが多かった形だと思われる。マックイーンに関しては出場した子以前にも何回も育成をやり直しており、スタミナを1200まで積んで進化1白1にした形、もっと賢さを高めた形などを模索していた。結果として逃げに勝つために《垂れウマ》や《食らいつき》を積んだが、メモ中にあるように《ウマ好み》を積めるのがベストだったように思う。ただ《ノンストップガール》を入れるのはさすがにポイントが足りなさすぎる……というのも水着マックイーンの弱点のように感じた。グレードリーグでは強いウマ娘でもオープンで強く使うのが難しい、という最もわかりやすい例だと思う。
対戦相手を見ると、シービーの出走率が高かったわりには1回しか負けておらず興味深く感じた。グレードリーグの知人は「覚醒スキルで安定はするけど格上の差しを相手にするのは大変」というようなことを言っており、やはり《迫る影》だけで戦ってきた追込の苦境を感じさせた。また進化スキルの評価点計算が面倒というのもあり、進化をしている人が少ないのもオープンの特徴だと思われる。
しかし全体としては(やや先行が割を食ってはいるものの)どの脚質も平等に勝て平等に負けられる、去年のアリエス杯の「誰でも勝とうと思えば勝てるし欠ければ負ける」とは少しだけ違う平等地獄だったように思う。そんな中でスキルやステータスの構成を考えてどれだけ勝率を安定させられるかを考えるのは楽しかったし、そこで回ってきたチャンスを好きなウマたちがモノにしてくれたというのはまた格別の味わいである。
後書き
ということでアリエス杯の日記は以上になります。「勝ったら記事公開するんで」とか言ってたので勝ってよかったのやら悪かったのやら。
動機のところでも書きましたが、今回のアリエス杯2周目をもって十二星座モチーフのチャンピオンズミーティングは終了し、別のレース系イベントが追加されるらしいです。でもチャンミの強い弱いよりも気軽にウマ娘の実装順とか固有とか決めてほしいし、新イベントがよっぽどじゃなければ楽しめる程度にやれるしいいかなと思っています。発動地点がメートル指定されているようなスキルとかは距離さえあってればどこでも強いことになって実装しづらくなるし*11。まあ、去年の自分が想像していたよりもオープンリーグの多様性や研究性は失われはしなかったし、去年の自分が想像していたよりも長くチャンミを楽しめていた……ということなんだと思います。とはいえ記事にしなくなったのも間違いとは思いませんが。
あとシンプルに好きなウマ娘で出て勝つと楽しい。「それは強いウマ娘が好きなヤツの意見だろ」とか言われたらそれまでなのかもしれませんが、勝率の高いセットアップを考えて試行錯誤するのがオツってものなんだと思います。
とはいえ、兎にも角にもこれで今回の記事はおしまいです。チャンミやらリーグオブヒーローズの詳細やらわかりませんので、また何か思いつきましたら。
*1:真面目さは前回の遊戯王テスト的なアレのほうが絶対上だったものの、いかんせんあの記事は文章を書くところが短かった
*2:記録をつけ始めたのは次のキャンサー杯から。
*3:聴かなかったことにたいそうな理由があるわけではなく、単に聴くなら推しで聴きたかっただけである
*4:個人的にはどうにかして「固有が継承でも強いウマ娘(≒その子をレンタルすれば本体は誰でもいい)」みたいな存在を減らしたかったのかな、と思う。典型例が継承すると途轍もなく途轍もないことになるタルマエだと思っている
*5:とはいえやはり全体として割りを食い側であるというのは否めない
*6:2周年で追加された「脚を溜める」を利用する、中盤スキルを控えめにして順位条件の緩い終盤加速を踏み差しきる戦法。どれぐらい有用なのかはそこまで検証できていない。
*7:主に未来の自分
*8:当日急に38度の熱が出た
*9:そんなものは多分ない。
*10:正月の無料ガチャは星3すら誰も出なかった。
*11:現在メートル指定の固有持ちは15名以上おり、最近も650m指定の《咲け咲け!私!》が追加された。あと《スリーセブン》もクリオグリの固有みたいなものである。
遊戯王共通テスト的な何か 解答解説・感想編
(以下の目次をご活用ください)
(この記事は「遊戯王共通テスト的な何か 試験問題編」のネタバレの塊になります。試験問題をまだ解いていない方は下記の記事を先に読んでいただくことをオススメします。)
解答・解説
問1
下線部1について、会話で取り上げられている改定のひとつ前の回(2022年12月1日施行)のリミットレギュレーションで禁止カードに制定されたカードを1つ選べ。
正答は 2.《烈風の結界像》 。
他の「結界像」シリーズカードと比べて《王神鳥-シムルグ》や《スワローズ・ネスト》などデッキ内からのリクルート手段が手軽なうえに抜け道となる属性がややマイナーな風属性という強力な封殺カードの1枚であるからか環境で時折利用され、【ふわんだりぃず】の流行がトドメを刺す形になりマスターデュエルでは2022/12/01、後を追う形でOCGでも2023/01/01改定で禁止になった。
《ハリファイバー》は2022/09/30改定、《ディバインガイ》は2022/08/31改定で禁止。《グリフォンライダー》はマスターデュエルでは禁止されておらず、OCGでは2022/10/01で禁止になっている。
問2
下線部2について、《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》が制限カードに制定された主な原因と考えられるカードとして最も相応しいカードを選べ。
正答は 4.《LL-インディペンデント・ナイチンゲール》 。
《簡易融合》などから出したこのカードを《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》2体でコピーすることで、攻撃力6800で他のカードの効果を受けず起動効果で4000のダメージを与えることのできるモンスターを作って8000バーンで勝つ、というルートが【魔術師】で流行した。規制理由が一意にこれだけのせいかは不明だが、他の選択肢が明らかに間違っているため4.を選ぶのが正解となる。
誤答選択肢はすべて「LL」のエクシーズモンスター。
問3
下線部3について、《ブロックドラゴン》でサーチできる組み合わせとして正しい組み合わせが以下の(1)~(4)のうちにいくつあるか選べ。
正答は 2.2つ 。
《ブロックドラゴン》の正しいサーチ対象となりうるのは、「レベル合計がちょうど8になる」「岩石族モンスター」「1~3枚」の組み合わせ。(1)はレベル合計が6、(2)はサーチ対象が4枚となるため不適。(3)と(4)が適正であるため、2.が正解となる。
問4
下線部4について、【神碑】を使った対戦における以下のシチュエーションで最も適切と思われるサーチ先を1つ選べ。
正答は 4.《怒れる嵐の神碑》 。
状況判断問題のように見えるが、《神碑の穂先》でサーチした後に相手のデッキの一番上のカードを除外し相手デッキの残り枚数が2枚になるため、4.以外のカードはデッキを除外する追加効果を持つ効果を発動できない(《解呪の神碑》はデッキからカードを手札に加える必要があるため、現在の状況で発動できたとしても相手がデッキにカードを戻さなければデッキ枚数は1枚を切ってしまう)。そのためこのターンに確実に決着をつけるのであれば、効果解決時に除外枚数を1枚~相手の場の枚数まで選べる《怒れる嵐の神碑》以外にサーチする必要のある選択肢は特段存在しない。
問5
下線部5について、「○○な壺」シリーズについての以下の記述のうちから誤っているものを1つ選べ。
正答は 3.「○○な壺」シリーズはすべて「○○で○○な壺」に登場している。 。
「○○な壺」シリーズで唯一の速攻魔法である《大欲な壺》のみ他の壺と合体したカードが発表されていない。
4.については《貪欲で無欲な壺》と《強欲で金満な壺》の両方とも発動タイミングにメインフェイズ1開始時を指定しているため、どちらを先に発動してももう片方を同一ターン中に発動することはできない。
※選択肢2について、2023/01/09の16:30に誤字訂正版を差し替えるまでは「魔法カードの種類は6種類」と選択肢2も正答である形になっていました。そのため、差し替え以前にこの問題を2.と解答された方は正答として進めてください。この度は得点に大きく関わる誤字をしてしまい、また解答制作時にも見逃してしまい申し訳ありませんでした。
問6
下線部6について、以下の相手の召喚を制限する永続罠からマスターデュエルでのレアリティがURに設定されているものを1つ選べ。
正答は 1.《センサー万別》 。
設問通り。誤答選択肢のほか、《スキルドレイン》などはSRのレアリティに設定されている。
問7
下線部7について、《閃刀姫-カガリ》のリンクマーカーの正しい向きを選べ。
正答は 1.左上 。
設問通り。《シズク》が右上、《ハヤテ》が左下、《カイナ》が右下になる。通常の【閃刀】でリンクマーカーが重要になることは少ないが、閃刀リンクモンスターになる初動を水増しするために《フォーマッド・スキッパー》とサーチ先に《パラレルエクシード》などを採用した場合、《パラレルエクシード》を出す先として利用するタイミングがある可能性が生まれる。
問8
下線部8について、この会話の後に発表されたセレクションパック「ヒロイック・ウォーリアーズ」のピックアップカードとして《セリオンズ“キング”レギュラス》が紹介された。(テキスト中略)この②の効果を発動するためのコストとして墓地に送ることができるカードの記述について、以下の記述から正しいものを選べ。
正答は 3.どちらも正しい 。
9期以降のカードテキストでは「○○」モンスターカード、という表記は「デッキ内でモンスターカードとして扱われるカード」を指す。よってフィールドで永続罠扱いであっても問題なく墓地へ送れるし、自身以外と書いていないので自身を墓地へ送ることも当然可能。③の効果以外でモンスターカードでない扱いになっている自身を墓地に送って発動できるかについては、②の効果をそもそも失っているため考慮の必要はない。
ただし8期以前のカードテキストでは、似た記述であっても現在状態を参照する(9期以降の書式でいうところの「○○」モンスターにあたる範囲を指す)場合があるので注意が必要。
問9
A.のカードについて、正しい記述を1つ選べ。
正答は 2.カード名の「V」「F」「D」はそれぞれ「バニッシャー」「フューラー」「ディザスター」から取られていると推測できる。 。
レベル9の「真竜皇」カード、《真竜皇アグニマズドV》《真竜皇バハルストスF》《真竜皇リトスアジムD》が存在し、これらのアルファベット部のルビは選択肢の通りである。このカードがこれら3枚でエクシーズ召喚でき、効果でこれらをサポートすることもあって、このような推測が可能である。
誤答選択肢について、このカードの正しいルビは「しんりゅうおうザ・ビースト」である*1。また3.についても、アドバンス召喚関連のサポートを受けることはできないが、《真竜皇の復活》の蘇生効果や《ドラゴニックD》の攻守アップ能力など、そこそこの数のサポートに対応している。
誤答選択肢1.を選んだ場合、野良犬に噛まれたとでも思って次に行くのが正しいと思われる。
問10
A.のカード内の[ ア ]の中にあるテキスト文中に書かれていない単語を、以下の中から1つ選べ。
正答は 3.属性 。
[ ア ]中にある《真竜皇V.F.D.》の②の効果の正確なテキストは、「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分の手札の「真竜」モンスターの効果で破壊するモンスターを相手フィールドからも選ぶことができる。」となっている。属性の判断は手札の「真竜」側に記載があるため省略されている形。
問11
B.のカードの①の効果について、以下のうち①の効果とそれ以降の動きとしてルール上誤っているものを1つ選べ。
正答は 4.《フレムベル・アーチャー》(後略) 。
《水晶機巧-ハリファイバー》の①の効果に関する制約は、「この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。」である。よってこの制約をすり抜けられるのは、「《ハリファイバー》で特殊召喚したという関係を切ってから発動する効果」か「発動しない効果」になる。
誤答選択肢の《エキセントリック・ボーイ》は効果として扱わないテキストのため発動できない・効果無効にかかわらず強制的に適用され、《ウィード》は発動しない永続効果のため適用が可能、《アタック・ゲイナー》は墓地に送られてから発動するため関係が切れており発動可能。
《フレムベル・アーチャー》はそもそも発動ができないせいで自身を墓地に送ることもできないため、効果を発動している4.の選択肢がルール上誤っていることになる。
問12
C.のカードについて、このカードの挙動で注意する事項について、有効な記述がいくつあるか選べ。
正答は 2.2つ 。
(1)は「AUTO」だと①の処理終了後のクイックエフェクトが勝手にスキップされ発動タイミングを逃したまま優先権が相手に移り②の効果で破壊されてしまうので、特に除去カードを伏せている時はONにしておく必要がある。(2)は自身やフィールドのリンクモンスターを除外して発動してしまううえに発動のキャンセルができないため計画的な確認が必須。
(3)に関しては、召喚成功時の誘発効果のチェーンの積み方の都合でそもそも《パラレルエクシード》の①の効果を《アクセスコード・トーカー》の①の効果より先にチェーンブロックに乗せることができない(《アクセスコード・トーカー》の①の効果を発動するか決定してから《パラレルエクシード》の①の効果を発動するか決定しなくてはならない)。なお(3)の挙動が可能な場合については《アクセスコード・トーカー》のチェーン不可効果がチェーンブロック全体を結果的に守るため、可能な限り最後にチェーンブロックに乗せたほうがいい。
問13
C.のカードについて、以下の状況において《アクセスコード・トーカー》の状態として正しいものを選べ。
正答は 1.《アクセスコード・トーカー》の最大打点は4300で、相手の《激流葬》では破壊されない。 。
《アクセスコード・トーカー》の①の効果は参照するリンクモンスターが存在する墓地のコントローラーは指定していないので、相手の墓地に送られた《マスカレーナ》を指定して打点を2000上げることができる。また《マスカレーナ》の効果はリンク召喚を行ったプレイヤーから見て相手のコントロールする効果で破壊されないを付与するので、コントロールが移動したとしても破壊されない対象はリンク召喚を行ったプレイヤーから見て相手のまま変わらない。
問14
D.のカードについて、エクシーズ素材を4つ以上持った《No.86 H-C ロンゴミアント》を処理する方法として正しいものを1つ選べ。
正答は 3.《イタチの大暴発》 。
誤答選択肢のうち《海亀壊獣ガメシエル》と《超融合》は「●4つ以上:相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない。」に抵触する行動のためそもそも発動ができない。《拮抗勝負》に関しては有効になりうるが、どうしても《拮抗勝負》自身か《拮抗勝負》を場から離れさせるカードが場に残るので1枚を場に残す余地が生まれてしまい、結局《ロンゴミアント》以外を除外されてしまう。
また《超融合》だが、《ロンゴミアント》のエクシーズ素材が3つの場合でも融合素材として効果で墓地へ送ることができず処理方法として不適になる。
問15
下線部1について、この2枚のカードのルビとして正しいものを選べ。
正答は 3.《ラビュリンス・シャンドラ》と《ラビュリンス・ストービー》 。
設問通り。
問16
下線部2について、会話中に抜粋されている《白銀の城の竜飾灯》や《白銀の城の火吹炉》の効果のために手札から捨てた場合、常に効果を発動できないものがいくつあるか選べ。
正答は 1.1つ 。
《白銀の城の竜飾灯》や《白銀の城の火吹炉》は「コストで手札から捨てる」であり、効果で捨てる必要があるカード類の他に、タイミングを逃してしまう「時の任意効果」である《霞の谷の幼怪鳥》も発動できない。(1)の《魔轟神獣キャシー》は8期以前のテキストだが、「時の強制効果」であるためタイミングを逃さず発動する。
「手札から(結果的に墓地へ)捨てる」は「手札から墓地へ送る」に内包されているため発動できるが、《マクロコスモス》状況下では「手札から捨てる」ことはできても「手札から墓地へ捨てる」ことはできないことに注意。なお今回のケースで《マクロコスモス》が貼られていた場合は、そもそも《白銀の城の竜飾灯》や《白銀の城の火吹炉》自身をコストで「墓地へ」送ることができなくなるため発動ができない。
問17
下線部3について、以下の4枚の通常罠カードの中に《白銀の城の召使い アリアンナ》や《白銀の城の竜飾灯》の「自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる」効果を誘発できるカードはいくつあるか選べ。
正答は 2.2つ 。
《緊急儀式術》と《叛逆の堕天使》が誘発する。これはカードの特性というよりも召喚方法の特性であり、(通常の)儀式召喚と融合召喚はチェーンブロックを作って効果解決時に墓地へ送るため誘発するが、アドバンス召喚・シンクロ召喚・エクシーズ召喚・リンク召喚はチェーンブロックを作らずに行うのみなので効果で墓地へ送った扱いにならない。
個人的には《緊急同調》も《星遺物からの目醒め》も、罠の効果は「召喚を行う権利を得てそれを即座に行使する」までであり、あくまで墓地へ送るのは罠カードではなくプレイヤーだという認識である*2。
問18
下線部4について、この範囲に該当するカードに《ブラック・ローズ・ドラゴン》が存在する。(テキスト中略)この[ イ ]の中にある効果について、正しい記述を1つ選べ。
正答は 4.攻撃力を下げる効果である。 。
[ イ ]内のテキストにあたる②の効果は「1ターンに1度、自分の墓地から植物族モンスター1体を除外し、相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手の守備表示モンスターを表側攻撃表示にし、その攻撃力はターン終了時まで0になる。」となる。
厳密には「攻撃力を0にする効果」であって「攻撃力を下げる効果」ではない*3が、攻撃力は基本的に下がる。*4
問19
今回登場人物Cが発案した下線デッキ【A】【B】【C】【D】のうち、2023年1月3日にマスターデュエルで実装されている範囲のカードで、斜体部と網掛け部で説明されている意図したシナジーが全て十全に発揮できるデッキはいくつあるか。
正答は 1.1つ 。
デッキ【B】のみが登場人物Cの想定通りの挙動で機能する。
誤答選択肢について、【A】の「暗黒界」モンスターはいずれも効果で捨てられる必要があり、《白銀の城の竜飾灯》たちでは効果が発動しない。デッキ【C】はかなり機能するが、《トリックスター・リンカーネーション》は「相手の手札枚数が相手のデッキ枚数より多い場合は発動できない」という裁定があるため、デッキ切れを狙うのであれば他にもデッキを削る手段が必要であるため「普通の【ラビュリンス】に《トリックスター・リンカーネーション》を入れるだけでいいからお手軽」という要件を満たせない。【D】に関しては《ウェルカム・ラビュリンス》の①の効果を発動すると次のターンが終わるまで悪魔族以外のデッキ・エクストラデッキからの特殊召喚が不可能になるため、《アルティマヤ・ツィオルキン》を特殊召喚したり効果を誘発させることができなくなる。
問20
以下はこの会話の時点ではマスターデュエル未実装の「ラビュリンス」カードである《迷宮城の白銀姫》のテキストである。(テキスト中略)このカードの効果に関する以下の文章のうち、正しい記述を1つ選べ。
正答は 2.(選択肢略) 。
①の効果のためには「ラビュリンス」カードの効果の発動、または通常罠カードのカードの発動が必要になる。そのため1.のように通常罠カードの効果の発動のみの場合や、2.の《バロネス》で「ラビュリンス」カードの効果の発動そのものを無効にされた後に①の効果を発動することはできない。
また③の効果は「時の任意効果」であり、これは他のラビュリンスたちが持っている通常罠カードを発動した「場合の任意効果」と違い通常罠カードに直接チェーンする形で発動する必要がある効果である。それに伴って、自分の通常罠カードは発動後相手に優先権が渡ってしまいそこに何か相手が通常罠カード以外の効果をチェーンすることで③の効果の発動を防がれてしまうのに対し、相手の通常罠カードの発動時には優先権の関係でこちらが先に効果の発動をできるため、横槍が入ることなく③の効果を発動できる。
このように一見すべての選択肢が誤っているように見えるが、《迷宮城の白銀姫》の①の効果は条件を満たしたそのチェーン上で発動が可能、かつスペルスピードが2であるため《バロネス》の効果にチェーンして①の効果を発動し特殊召喚ができる。2の選択肢文章には《バロネス》の処理後という指定は無いため、他3つの選択肢が明らかに間違っていることも含めて正答は2.となる。
作問者からのコメント
お疲れ様でした。作問担当の斬進です。20問をひとり、2日で作りました。
今回は「遊戯王の問題、受験問題みたいに作ってるのどっかで見たな……自分にもできるかな?」という思いつきからノータイムノープランで開始したので、本当に何の目的もなくなんなら身内で消化する予定で表紙とか作りました。
前回(記事にもした重箱の隅クイズの近辺)の反省を生かし、今回の目標は「多角的な方向から得点を狙える、平均6割付近狙いのテスト」というものでした。
「多角的な方向から得点を狙える」という点について。例えば登場するカードのテキストをすべて載せるスペースが無い以上どうしてもカード知識は必要になるのですが、カード知識がないと1問も解けない、という風にはしたくありませんでした。そのためルール的な挙動を分かっていればその場でテキストを読んで解答できる問11や問16のような問題を用意したり、純粋なカードテキストの知識ではない問1や問6のような問題を用意させていただきました。
また問1や問6は遊戯王というよりもマスターデュエルの知識を問う設問になっていますし、問12などはモロにマスターデュエル特有の現象についての記述が出てきます*5。逆にマスターデュエルに触れていなくても答えられる問題も多く、特に問8と問20のマスターデュエル未実装カードのテキストを読む問題ではその部分のカード知識があればアドバンテージを得られるようになっています。とはいえどちらの問題もメインは「その場でテキストを解読するアドリブ力と挙動の理解力」であるべきで、そのように作問しましたがどうでしょうか。
「平均6割」については上の目標を達成するために作問する以上、どうしても全員が全部の問題を取れるようにするのは難しい、ならば難易度の高い問題を入れることで平均点を6割にしよう、という副次的な目標です。
選択肢の作り方についても、単純な4択問題以外にも「3~4択+この中にはない」形式や「3~4つの文章からいくつ正しい/誤った記述があるか選択」形式を入れることによって、選択肢の作り方から正解を察されることが極力ないように注意を払いました。
個別の問題について、例えば問10は「真竜の特殊召喚コストを相手の場で払えるようにする」というざっくりとした記憶があったとしても少し悩むような問題構成と選択肢になっていますし、問13は実際に面倒な処理を問題にしました。そして問19と問20には殺意を込めました。ラダーのTierに載るようなデッキに入らない幅広いカード知識と「《リンカーネーション》だけではデッキを削りきれないので別途デッキを削る手段がいる」という針の穴ほどの矛盾を見逃さない必要がある問19と、マスターデュエル勢にとっては初見のテキストな上で「一見選択肢3と4が対立しているように見え、そこから3か4のどちらかであるとアタリをつけると間違える」「選択肢をきっちり精査するとすべての選択肢が間違っているように見える」「発動を無効にされる前に出せば選択肢2の『このターン中に①の効果で特殊召喚できる』という書き方に矛盾しない」という3重のトラップが仕掛けられている問20。皆様正解できたでしょうか。
この2問については日本語をめっちゃ考えましたが、ブーイングは受ける覚悟です。すいません。日本語がわかりづらいのもテストの華ということで……。
最後に謝辞を。
今回のテストを制作するにあたり、テストのテストプレイとアドバイスを元ゴリラさん(TwitterID:@isonozexal)とほり。さん(TwitterID:@mikamihoP)、いかざこさん(TwitterID:@prof_ikazako)にいただきました。深夜帯にもかかわらず解いていただき本当にありがとうございました。
また、この問題を解いていただいた方、解答解説のこんなところまで読んでいただいた方。本当にありがとうございました。作問者冥利に尽きるとはこういうことを言うんだと思います。
それでは、また何か書くことを思いつきましたら。
おまけ:ボツ問供養
リミットレギュレーションのクラフトポイント分解ボーナスを受けたロイヤル加工のカードを分解した場合、貰えるクラフトポイントはいくつになるか選べ。
1.30
2.50
3.70
4.90
【正解を表示】
2.50
リミットレギュレーションのクラフトポイント分解ボーナスは「通常分解した際のポイントに+20ポイント」であり、ロイヤル加工を分解した際の30ポイントと合計して50ポイント。
「遊戯王マスターデュエル」の知識を純粋に問われる問題。環境デッキを握っている側の人間のほうが解きやすい。
現在の大問1にあたる問題の前に、数学の問題でありがちな小問集合の大問1を設置する予定があり、そのために制作された問題。結果として文系問題をベースにすることに決めたため入る場所がなくなりあえなくボツとなった。
次のカードのうち、カードイラストがソロモードの「チュートリアル」のバナーに使われているカードを選べ。
1.《鼓舞》
2.《不屈の闘志》
3.《一騎加勢》
4.《増援》
【正解を表示】
1.《鼓舞》
設問の通り。誤答選択肢のうち《不屈の闘志》は「デュエルストラテジー2」のバナーに採用されている。ちなみに《鼓舞》は通常罠カードで、「自分の場の表側モンスター1体を対象としてターン終了時まで攻撃力を700アップする」という《突進》の下位気味互換カードだが、れっきとした第9期にあたる2014年出身カードであり、「クリフォート」の登場と同じ月にこのカードが刷られている。海外で発売されたドラフト用パックのためにこのカードが作られたためカードパワーが低いのだが、なんとこのパックには前述の《突進》も再録されていた。
ソロモードから問題を作るにあたり、やっていない人間が極力少ないストーリーから問題を作ろうとした結果このような形に落ち着いた。
一応ストーリーの選択時に《鼓舞》というカード名が見えるものの、チュートリアルであることもあり純粋な記憶勝負の小問としては難易度が高すぎるという判断になりボツとなった。
次のうち、英語名にのみ「エクスクラメーションマーク(!)」が使用されているカードはいくつあるか。
(1)《永久に輝けし黄金郷》
(2)《ダブル・アップ・チャンス》
(3)《閃刀起動-エンゲージ》
(4)《ドカンポリン》
1.1つ
2.2つ
3.3つ
4.4つ
5.すべて該当しない
【正解を表示】
4.4つ
英語名は上から順に《Golden Land Forever!》《Double or Nothing!》《Sky Striker Mobilize - Engage!》《Boompoline!!》。
「遊戯王カードWiki」のおもしろ記述として有名な、《門前払い》のページに記載されている項目からの出題。ちなみに英語名で言うと個人的には《ギョッ!/Oh F!sh!》が好きです*6。
大問3で未界域の任意のモンスターの名前を出し、そこに下線を引いて「未界域の英語名は『Danger!』であり、英語名のみにエクスクラメーションマークが使われているカード群である。」と引っ張って出す予定だった。しかし表紙に「TCGとの選択科目」って書いてあるのにめっちゃTCG問題であることに気付いたのでボツ。出したかった。