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クイズ初心者がウマ娘クイズを作ってみた薄めの感想と、「フェアなクイズ」とは何なんだろうという漠然とした疑問

 

 

 

(自分語りとか全てを飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。執筆開始時点で既に前回の記事から5ヶ月近く経っています。こうして考えるとチャンミ以外記事書く内容全く無いんだなってなりました。

今回はウマ娘の記事……というかメインは初心者なりにクイズについて色々考えながらウマ娘クイズを作ってみた、というような体験記兼自分語りになる予定です。あとは知人とそういう話をして出てきた概念について、誰かしらから何かしらのお話を伺えるといいなと思ってこの話を公開します。もちろんその知人に何か言われたらその部分あるいは記事全体を取り下げることになることを予めご理解ください。

とはいえなんか自分語り以外の部分は内容が内容なので今回は基本薄い記事です。殴らないでください。また表記簡略化のため、クイズの問題文と解答には全て強調+アンダーラインが付きます。合わせてご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも作ったクイズどれだよ

quiz-maker.site

 

※記事の内容上、以降の記事には上URLのクイズのネタバレが含まれます。先に解いてみたい/問題見るだけ見てみたいという方は先にこちらをご確認のうえ進んでください。

 

 

 

 

 

 

傍論1:動機その他長めの自分語り

昔から、クイズというものに人並みかそれより少しだけ多く触れてきた生活を送っていた。自分が子供の頃テレビをよく見ていたころはちょうどクイズのそこそこ盛りで、『雑学王』や『ヘキサゴン』、正統なクイズからは変化球にあたるような番組では『超問クイズ』や『IQサプリ』もよく見ていた。『高校生クイズ』はいわゆる「知力の甲子園」系列の頃にハマっていて、「以下の生き物を表す漢字の読みを答えなさい。(1)子規 (2)杜宇 (3)蜀魂」というような問題は今でも覚えている。*1あと火星で一番高い山も『高校生クイズ』で覚えた。

そういう意味でクイズは好きだったし知識欲も人並みややぐらいにはあったが、いわゆる競技クイズとも言われる早押しクイズの世界に入ることなく自分の学生生活は終わった。単純に元引きこもりの遠距離通学者に部活やサークルをやる体力はなかったというのも大きかったし、そもそも高校にクイズ研究会というものがあるということに思い当たったのが高校3年の時で全てが遅すぎたのもあった。大学はエスカレーターで規模が無駄に大きく、もはや今からクイズをやったとて全ての遅れを取り戻せずあらゆるものに置いて行かれることは明白だった。そうして大学でもクイズをやらないまま、幽霊文芸サークル部員を経由して学校生活は終わった。

ただ大学の途中あたりから某クイズ系YouTuber*2の方々が大きく活動をされ始め、クイズへの憧れとも何ともつかない感情は大きく膨れ上がっていった。使う予定もない早押しクイズもどきを150問ぐらいメモしたりもした。というか現在進行形でしている。マジで使い道も無ければ用途があったとしても出題できそうにないレベルのヤツ。どうするんだこれ。

それはともかく、9月中旬ごろにTwitterであるクイズメーカーの作品が流れてきたことが、今回自分でいよいよクイズを作って世に出してみるか、というキッカケになった。

そのクイズメーカーの作品はいわゆる「昔このゲームをやってた人なら解ける!」という感じの作品だったのだが、半分近くの問題が正確には「昔このゲームをリアルタイムでやってた人を見ていれば解ける!」だったということでそんなに良くない方向で話題になっていた。個人的にはまあ看板つけ間違えただけじゃないかという気がしないでもないがそれはさておき、そもそもいわゆるカルトクイズ系の細かい知識が必要なクイズでどこまで「フェアで面白い」問題が作れるのか、という疑問を実践したくなったのだ。

 

 

 

本論1:「フェアなクイズ」?

数ヶ月前、『遊戯王マスターデュエル』の身内対戦会で「早押しクイズをしながら可能な限り高速でデュエルをする、というマルチタスクで疑似的にライディングデュエルの慌ただしさを体験してみる」という企画を提案したことがあった。結局企画自体は色々あってお流れになったのだが、その際主催側に回ろうとしてくれていた知人とクイズについてやや方向性のすり合わせが行われたのだが。

「知らないことを聞かれるんじゃダメじゃないですか?」

そう言われて、非常に驚いたのを覚えている。もちろんジャンルとして専門的すぎるものを問うつもりは全く無かったのだが、彼曰くそういうつもりですらなく純粋に「解くのに知識が必要な問題を出すべきではない」ということだったらしい。「フェアではない」から。

つまり彼は論理パズルや最低限ひらめき問題程度の、素養として一切の知識の下地が存在しないものを「クイズ」と定義していたらしいのだ。解答者が少しでも知識によって思考を阻まれることがない、またあらゆる事前思考によって有利/不利がつかない問題群。実際自分が好きな遊び心として1問目に「1匁」に関する問題を出す、という(某動画でされていた)ものがあるのだが、それも「事前に何かしらの予想が付きうるのであれば作問者として絶対にやってはいけない」と返答されたのを覚えている。

流石に自分としてはその「クイズ」観をそのまま受け入れて「じゃあそうしますか」と言うにはあまりにも「早押しクイズ」を目指しすぎていたのだが、その時に「それはもう早押しクイズじゃなくて論理パズルじゃないですか」「早押しクイズはそういう駆け引きまで含めて早押しクイズなんだと思う」と言ったことをずっと引きずっている。

彼はそれを聞いて、「あ、じゃあもういいっすわ」と完全に興味を失ってしまったからだ。

テクニックも作問の完成された文学性も、確かに「純粋な頭の回転の速さを競う」にあたってはノイズあるいは悪影響しか与えない要素なのかもしれない。でもそれは「アンフェア」なのだろうか。ならそもそも「一切の知識を問わないクイズ」「万人に出題できるクイズ」とは何なのか。

彼が納得できるような答えは、なぜ自分には用意できなかったのだろうか。自分には用意できるはずもないものだったのか。実際に公開用に作問をすれば、何かわかるかもしれないと思った。

 

 

 

本論2:「ウマ娘重箱の隅クイズ」を作るにあたって

そうして今一番ちゃんとデータを調べる気のあるゲームであるところの『ウマ娘プリティーダービー』系のカルトクイズを作ることにしたのだが、「フェアでないクイズ」を出さないように、というのは念頭に置いていた。

まず真っ先に考えるべきなのは、タイトルと「いったいどの層がこのクイズをプレイするのか」である。作問者はクイズ初心者だが、そんなことを慮ってくれるほどインターネットの海は甘くない。初心者だろうがなんだろうが、何かに失敗すれば死ぬまで棒で叩かれるのは目に見えている。だからこの辺りの想定はきっちりしなければならない。結果として、「ウマ娘そのものはそこそこやってるけどマスクデータをどうのこうのとか言い出さないあたり」という自分と同じぐらいの客層を狙うことに決め、「ウマ娘クイズ」だともっと手前の客層を集めてしまい、「ウマ娘カルトクイズ」だと奥の客層が簡単とか言い出しそうな気がしたので「重箱の隅クイズ」というなんとも気の抜けたタイトルになった。

客層はクイズの内容にも関わってくる。不特定多数のあらゆる境遇の人間を相手にする以上、あらゆるプレイスタイルが想定される。身内だけで消化するクイズなら「うちのサーバーのトレーナー勢はなぜかマンハッタンカフェコパノリッキーの所持率が高いからこの辺りにフォーカスして」などできるかもしれないが、公開するクイズではそうもいかない。育成ストーリーやウマ娘ストーリーに関する問題については考えようともしなかった。

客層の想定を決めた後は平均点をどこに設置するかを決めた。公開用に作問するにあたって改めて感じたが、別に作問者は解答者を不正解にしたくて問題を作っているわけではない。正解が出るのはどちらにとっても喜ばしいはずのものだ、というどこかで見たフレーズが痛いほどよくわかった。ただそれはそれとして、簡単すぎる問題を投げるのもつまらないし、解いている側も面白くはないだろう。ほどよく悩んでくれる程度、ということで4~6点を目標として設定し、正答率の高そうな問題を3問、中ぐらいを2問、難しい問題を4問、怒られそうなレベルを1問、というぐらいにして調整することにした。

作問するにあたってまず思いついたのが1・2問目の「スキル正式表記クイズ」だった。チャンミのメモを取るにあたって誤変換は非常に面倒で、とくにオープンリーグのクリオグリは時折《ふり絞り》を持ってくるので変換ミスが多発していた。似たような字面の選択肢が4つ並ぶのはインパクトもあり、選択肢を見た瞬間「そういう問題かぁ~」という心の動かし方もできるかと思い採用。1問目は簡単な問題として件の《ふり絞り》を、2問目は中ぐらいの難易度として今までチャンミ等で騒ぎになるような*3活躍があったわけではなく意外性もある《熱血!!風紀アタック》にした。

3問目も自分がたまに間違えるところから作問した「スキル上位/下位クイズ」。選択肢は「最近出た金スキル」「最近話題になったけど取られない金スキル」「金スキルはよく取られるけど白スキルは全然使われないスキル」「そもそも全然使われない金スキル」で4方向のアプローチから揃えた。誤答選択肢としてそれっぽいものを用意できたのでは、と思う。

次に作ったのがメインストーリー関連の4・5・7問目。メインストーリーは全スキップするという知り合いがいたこともあり、最後までこの3問をボツにしてシステム系の問題にするか悩んだ。しかし5・7問目はメインストーリーに関わらない(ただし個人ストーリーの領域にやや踏み込んではいる)アプローチから解けうる問題にすることでかなりアンフェアさを排しており、4問目はそもそも非常に高い難易度の問題として作問されていたこともあり、そのまま強行突破で実装された。個人的に7問目の解説に書いたようなアプローチで解ける問題は非常にいい観点で作れたのではないか、と思っており、自分でも気に入っている。なおその後よく考えたら5問目は「不退転」と間違える人が多いかもしれないことに思い当たったので悪問の可能性がある。4問目についての批判は甘んじて受け入れます。

その後数問ボツ問を挟み、ようやくファイルが埋まったのは製作開始から丸一日経ってからだった。それ以降細かな調整を挟んで公開。最後まで10問目については悩んだが、なるべく多くの人間が体験あるいは確認する場所、かつ「思えば詳しく覚えていないけどうっすらわかるしどこかから引っ張ってこれる」ぐらいのラインを目指して作問した結果チュートリアルからの作問になった。

 

 

 

傍論2:感想

執筆現在全体の正答率は43%であり、正答率40%以上の問題が5問+難問表示の出る30%以下の問題が5問とかなりバランスよく作問そのものはできた。最も正答率が低いのが8問目、次いで6問目になっているというのは想定とは大きく異なる結果ではあるが、全体で見ると「半分ぐらいは1~2択に絞れて残りは悩む」ぐらいの想定難易度におそらく納まっている。逆に9問目の正答率が高いことに驚いたりもした。

本題の「フェアさ」だが、タイトルで客層に絞り込みをかけてこの問題群に対して「アンフェアな知識問題だ」と思うような人間をふるい落とし、そこで残ったウマ娘の重箱の隅に興味がある人間に対してフェアな問題を出すことには成功している、と思われる(難易度を意図的に釣り上げた問題を除く)。ただ知人の言った「どの人間にもフェアだと感じるクイズのようなもの」はやはりカルトクイズではなくもっと広く一般的なクイズとなると、参加する可能性がある解答者全員分の守備範囲について把握する以外の「フェアなクイズ」の方向性は未だに分からない。ただ出来ないと断言できるかというのも難しい部分であり、彼に伝えて自分が納得のいくような答えが得られていない、というのが現状だ。

改めて「フェアなクイズ」を普段から製作されている競技クイズの作問者の方々に敬意を表するとともに、これからもヒントを探すためにそういった視点でも問題を見ていきたい。

 

 

 

 

 

後書き

ということで内容うっすい気がするけどクイズ初製作記については以上です。「よくわかりませんでした! いかがでしたか?」と言ってることそんな変わらん。

実際こういうのってめちゃくちゃ経験を繰り返してこそ、という感じではあるので1回作った程度で語るのも烏滸がましい話です。とはいえ作問の経験値をどこで積めばいいやらも分からなければ作った問題はどこにも行けないのでどうしようもないんですが。誕生日にでも身内クイズ大会でも開けってか。それができる人徳と景品があれば苦労はしない。

でも楽しかったかで言うと楽しかったのでやっぱりクイズって面白い。作問は文学という名言も頷ける。今度は人に出したいので被験者お待ちしております。

それでは、また何か書くことを思いつきましたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ:一部ボツ問供養

 

次のウマ娘と二つ名の組み合わせのうち、そのウマ娘のみが取得できる固有二つ名として正しい組み合わせを選べ。

1.メジロブライト - 大器晩成

2.セイウンスカイ - トリックスター

3.フジキセキ - 若きトップスタァ

4.カレンチャン - 閃光少女

 

【正解を表示】

2.セイウンスカイ - トリックスター

メジロブライトの固有二つ名は「のんびりステイヤー」で、「大器晩成」はマチカネタンホイザの固有二つ名。

フジキセキの固有二つ名は「麗しの三冠ウマ娘」で、「若きトップスタァ」はクラシック級宝塚記念を勝った際に貰える汎用二つ名。

カレンチャンの固有二つ名は「閃光乙女」で、『閃光少女』は東京事変の楽曲。

最後まで採用が検討されていたが、該当育成ウマ娘を引いていない場合固有二つ名をチェックする方法が「興味を持ってデータを調べている」以外に無いのでギリギリで10問目と差し替えになった。

 

 

 

次の『STARTING GATE! -ウマ娘プリティーダービー-』に関する記述のうち、正しいものを全て選べ。

1.東京に来てから初めて会話したウマ娘サイレンススズカ

2.スペシャルウィークは真っ直ぐ学園に向かっている

3.教室に初めて入って会話したウマ娘ハルウララ

4.エルコンドルパサーは成績が優秀である

 

【正解を表示】

1、2、4

転倒したスペシャルウィークに声をかける役割はテイエムオペラオーが担当している。

他にもサイレンススズカエアグルーヴを「エアグルーヴ先輩」と呼ぶ、オグリキャップが食べる姿を見られるのを恥ずかしがるなど現在とは違う部分も多いが、「スペシャルウィークが初めて見て憧れたウマ娘サイレンススズカ」という部分はこの作品でも固持されている。

問題はアニメ1話/コミックス1巻から作製したが、ゲーム内からこれらにアクセスする方法がないためボツになった。

 

 

 

現在ゲーム『ウマ娘プリティーダービー』にGⅠとして実装されているレースの中で、現在名前とデザインが発表されているウマ娘と同名の競走馬が勝利したことのないレースはいくつあるか答えよ。ただし途中でグレードや距離が変更されている場合、GⅠとして認定されて以降の記録のみを参照する。

 

【正解を表示】

4レース

ホープフルステークスジャパンダートダービーJBCスプリントJBCレディスクラシックが該当する。

次いで1馬のみのレースは全日本2歳優駿アグネスデジタル)、チャンピオンズカップホッコータルマエ)、大阪杯キタサンブラック)などが並ぶ。

最近GⅠになったレースについてはかなり初見殺し気味の笑えない超難問であるうえ、「JRA独自グレードと国際グレードと現在のJpn1をどう切って説明するか」「GⅠのまま名前が変わったレースの説明をどうするか」など、細かい説明が必要なわりにその説明をするとあまりにも問題文が汚くなるのでボツになった。

おそらくこの場でも説明が上手くいかず「いや数え方によるだろ!」みたいな感想を抱かれるだろうなと思いつつ書いている。自分でもカウントミスがありそうで怖い。

 

 

 

 

 

 

*1:正解は「ほととぎす/ほととぎす/ほととぎす」。3つ漢字を読ませておきながら全部答えが一緒という、答えをわかったうえで大舞台で臆さず自分の出した結論と心中できるかどうかも問われる問題だった。

*2:高校生クイズ2連覇系クイズ王を中心とする方々。調べたらちょうど上の3連ホトトギスがその回っぽい。

*3:ここで言う「騒ぎ」はクリオグリレベルのことを指します。