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よさみカルタを改造してプロデューサー達でやってみたら幻覚を見るオタクの宴になった・後

 

※今回の記事にも主にアイドルマスターシンデレラガールズアイドルマスターシャイニーカラーズの百合二次創作要素が今までよりも多分に含まれています。苦手な方やよくわからない方はご注意ください。

 

(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。前編の記事(

よさみカルタを改造してプロデューサー達でやってみたら幻覚を見るオタクの宴になった・前 - このブログのどこからでも切れます

)がフォロー外に少しだけ拡散されたのを見てバケモノを生み出してしまったバイオ研究員の感情が少しわかるような気がしました。でもそれはそれとして他人がやったこのゲームのログは見たい。推しについて語れば世界は平和。逆カプ除く。

今回もTwitterで流れてきた「よさみカルタ」を二次創作用に多少ルールを改造して深夜12時半から4時にかけて行った記録をブログに残しておきたいと思います。第2回カルタ会のログ取りは自分以外になると思います。前半の記事22,566文字ってなんだよ。纏めろ。

参加メンバーは相も変わらず謎のデレマス・シャニマス二次創作プロデューサー集団、通称『一課』の面々です。今回参加されている方以外にもけっこうな数の方がいらっしゃりますが、だいたい負けず劣らずのやべーやつばかりです。個人的には「普通」と「一般」と「常識的」の違いについて詳しくなれる場所だと思います。

また今回も某人からの要望によりやや物語チックな書き方のテキストカバレージとなっております。時間がかかりすぎてノリで押し切れない感満載です。後半はそもそも妄想そのものの長さも減っていますが。

(追記:この競技を何故か就活に活かす人間が現れたうえに、彼の就活用の資料に前編のブログURLが付記されました。世の人間の発想に恐れ戦いています。)

(追記2:この競技を何故か就活に活かした人間はインターン面接に合格したらしいです。このブログの話もしたらしいです。正気か?)

 

 

 

 

 

ルール説明(前編と同じ)

 

元ネタ

 こちらをもとにしたルールを構成しています。

 

ゲームの流れ

1.読み手が単語をひとつ、「上の句」として提示する。
2.取り手がその単語で考えられる関係性(カップリング)を一人ひとつ、早い者勝ち「下の句」として提示する。
3.「下の句」が全員分揃ったなら、取り手は提示した順に自分の「下の句」は「上の句」の単語をどう活かしていくのか読み手にプレゼンする。
4.読み手は独断と偏見で最も心にきた「下の句」を選ぶ。
5.勝者を称える。
6.勝者を次の読み手として1.に戻る。

 

上の句について

読み手がアドリブで思いつく場合はそれを提示する。
思いつかない場合は主催が用意した診断を使ってもよい。

shindanmaker.com

 

今回のローカルルール的注意点(お好みでどうぞ)

・参加者の中に未成年がいるため全年齢対象版。エロ・グロ問わずなるべくそのような表現は避ける。
・二次創作者の集まりなので二次創作可。キャラクター名を出すかどうかは自由。
・推しに関わりのある単語が出ても限界になりすぎない。カルタをすること優先。
・あくまで妄想やネタを投げる。SSをそのまま書いて投げない。

 

 

 

 

 

イカれた参加メンバーの紹介(敬称略)

 

ひでん之

前編の下の句はしきあす・【読み手】・かほなつ。昔掲示板にSSを投下した後暫く創作活動をしていなかったが、最近になって物書きに復帰し掌編を作ったり合同誌に参加していたりする。合同誌で挿絵を商業漫画家の方に描いてもらったり、直接感想を貰ったりといった経験まである。通話するために深夜に散歩していたら、家の目と鼻の先で職務質問を受けたことがある。

https://www.pixiv.net/member.php?id=14571959

 

9り

前半の下の句はかほちょこ・こがきり・【読み手】。急に知り合いの推しカプの話をして相手を限界にする「刺しあい」を一課で初めてやりあった人。片手で数えられるほどの回数だがシャニマスのコミュを読む配信をしたことがあり、半泣きになりながら限界を迎える9りの声と元気な小宮果穂の声と窓の外で熱唱するカエルの群れの声が相成って、さながら田舎のお通夜のワンシーンのような配信になった。

https://www.pixiv.net/member.php?id=10316462

 

姪谷凌作

前半の下の句はオリジナル・よりななみ・おとより。一課の課長と呼ばれているがわりと放任主義。最近特に深い意味はなく別名義を作り1日1作SSを投稿していたことが発覚した。ご飯を毛布で包んで猫に見立てる行為については、「僕が初めてやったときにそれが湯たんぽだったら湯たんぽが猫だったかもしれないけど、ご飯くるんで猫にしたんでご飯が猫なんですよ」と語る。

https://www.pixiv.net/member.php?id=24826462

 

シズク

前半の下の句はかえみゆ・しきあす・かえみゆ。本人の好みはいわゆるカッコいい系のアイドル。暫く忙しかったらしく一課に顔を出さなかったが、落ち着いたのか最近復帰した。この企画が一課本格復帰初の参加となった。部屋にはアイドルの名前のラベルが貼られている透明な液体の入った小瓶が並んでいるらしい。本人は中身をアロマだと主張している。

https://www.pixiv.net/member.php?id=14105829

 

斬進

前半の下の句は【読み手】・なおかれ・みくりーな。今回の主催。ネタ出しなのでこの中で最も文章力が低い。

 

 

 

 

 

物語風味のログ本編

 

 

第4句 「猫」

「じゃあ私といえばね、『ご飯』と迷ったんですけど『猫』で」

第3句に引き続き汎用性の高い上の句となった。猫のようだと称されるアイドルもいれば猫の格好をしたアイドルもいる、猫を飼う話でも猫を見つける話でもよい。ありとあらゆる方向に伸ばすことのできるアンテナを一極に集中させ、その先に自分の妄想できるカップリングが存在するか。最初の方角決めが鍵となることを予感させた。

しかし、前の句からの流れはとどまることを知らない。すなわち、好きなカップリングの妄想をすることを優先させた蛮族戦法である。トリッキーな策を仕掛けてきそうな参加者のうち姪谷は今回読み手であり下の句には不参加、主催はそもそもの文章力が足りていないということを鑑みれば、この戦法が最も強いというのもある意味理に適っているのかもしれない。そこまで考えていたかはわからないが。

第4句、最も早く動いたのは9りだった。今までは下の句を『取る』のに多少時間がかかってはいたが、ここにきて絶対的にも相対的にも早く、そのカップリングの名前をボイスチャットに乗せる。

「『しきフレ』」

小さく呻き声がしたのは、ひでん之からだっただろうか。かたや[アイロニカル・エトランゼ]では猫と戯れ、本人もまた猫っぽいと言われるアイドルである一ノ瀬志希。かたや高田純次の女体化とも言われるほど自由奔放で気まま、しかししっかりしているところはしっかりしており猫のような気品も漂わせるクォーターアイドル宮本フレデリカ。「雑に顔がいい」とも評されるこのふたりだが、いかんせん天才と自由人である。こがきりと違って思考回路がどのようになっているのかの再現が難しいため妄想でも動かす難易度は下がらないと考えられるが、9りはふたりをどう猫へと導くのか。

そこからそう間を開けずして次に下の句を提示したのはシズクであった。

「はい、『りんのの』で」

渋谷凛と森久保乃々。エイプリルフールにデレマスで開催されたアイドル召喚マスター共闘バトル型ヴィジュアルノベルイベント「シンデレラパーティ ~ドリーム・ステアウェイ~」で初登場した組み合わせである。引っ込み思案の乃々と他者を先導する正統派クールの凛ではあるが、乃々は森のなかまたちと言って森に住む小動物を好み、凛は実家の花屋で犬を飼っているという描写がある。このふたりがどのようにして猫と絡み、また猫を介してどのような関わりを見せるのか。こちらもしきフレに引き続き目の離せない下の句となることが期待される。

さらに下の句の提示ラッシュは続く。切り出したのは主催。

「ここでね、参加できなかった方々にログ見て悔しがってほしいんですよそろそろ」

非常に性格の悪いことを言い出す主催。チャットに各々提示した上の句と下の句をメモしていて、チャット欄には単語の後にカップリング4つ、が続いていた。そして主催の言ったことは、要するにここにいない人物の推しカプを出しておけば、そのカップリングの話をしたことはわかっても内容が分からないのではないか、ということだった。

「ということでね、ここでひとつ『こしあん』行きますか」

押しも押されぬ人気アイドル、輿水幸子双葉杏カップリング。最近[あんず色の青春]で映り込んで界隈を阿鼻叫喚の地獄絵図に変化させたが、この一課においては特に重要な意味を持つカップリングである。何を隠そうこのこしあんというカップリングは、放任主義気味の課長である姪谷に変わって積極的に一課で活動をしているとあるプロデューサーが愛してやまないカップリングなのだ*1。しかしこしあんは描写する人間によって関係性や向き合い方が大きく異なることが多い、言うなれば非常にブレが激しいカップリングである。今回のこしあんはどの方向に舵を切るのか、『取った』のが主催という部分も含めて不安が立ち込める。

本日2回目の4番手となることが確定したひでん之であったが、彼もそう長くは悩まずに下の句を取る。

「んー、じゃあ『かなふみ』で」

今度は主催の口からお、と感嘆の声が漏れた。ミステリアスで思わせぶりな言動、しかしやや損な役回りもこなせる速水奏と、天然の気がある本の虫アイドルの鷺沢文香。こちらもまた、ひとめ猫とそこまで縁のないふたりである。勿論読書中に猫が、などと組み合わせることも可能ではある。しかし9りと片被りとはいえ、公式で猫っぽいと言われているうえに得意分野である一ノ瀬志希、そこから専門のしきあすに繋げるというルートを蹴ってまでこのかなふみの札を選んだということで、ひでん之には何か秘策があるのでは、と思わせるチョイスとなった。

今回も第3句と同様そこまで長い時間がかからずに4つの下の句が出揃った。特徴としては、猫とアイドル達の関わり方の予想がつけづらい、という点だ。9りのしきフレは両方に猫の要素があるうえふたりの思考回路がどのように接続するかの予想が付きづらく、残りの3人においては逆にどのアイドルもそこまで強く猫と関わっていないためどこに猫が関わっていく間隙があるのかがよくわからない。午前2時も15分強過ぎて、いよいよ他人には見えない幻覚の道を各々見始めたとも言えるだろう。

幻覚をいかに繋ぎ止め、表現し、他者に納得させるか。丑三つ時を迎えて鈍くなってきた頭をフル回転させ、参加者たちは第4句のプレゼンを始める。

 

 

「まず、『フレデリカ、猫やめるよ』です」

9りがそう切り出して、私は思わずなるほど、と呟く。『フレデリカ、猫やめるよ』はその名の通りフレデリカのソロ曲の2曲目として制作された、黒猫フレデリカを主人公とした楽曲である。これの名前を出したということは、意味はどうあれ今回の「猫」はフレデリカということなのだろう。そしてその推測は、9りの次の言葉で肯定されることとなる。

「フレデリカは猫で、志希ちゃんのことをずっと見てるんですよ。で、志希ちゃんも家の前の塀のとこにいるフレちゃんを撫でてから出かけるのが習慣になってるんです」

比喩的な猫ではなく、本物の生物学上の猫になったフレデリカ。どうやら語る彼女の口ぶりからすれば、夢の中という訳でも志希の薬でなったという訳でもなく、このフレデリカは先天的に猫ということらしい。しかしフレデリカは人間として自由に生きる志希に憧れる。人間にではなく、志希に。そしてある日、なにかの形でその願いが叶うこととなる。些事はどうあれ人間の形を得たフレデリカは、志希に会いにいつもの塀の前に歩いていく。猫の時と何ら変わらない軽快な足取りで志希の家の前まで辿り着くと、ちょうど志希が玄関から出てくるところだった。しかしフレデリカは彼女に声を掛けない。塀の上を見遣って、寂しそうな顔をした志希を見たからだ。

ここで終わったとしても違和感のない展開だったが、9りはなおも続ける。言いたいことを全てメモに纏めてから話し始める、と語っていた彼女がそうするということは、この先にも彼女の中で大事ななにかがあるということだ。

フレデリカは夢から覚める。フレデリカは変わらず猫で、志希の家の塀の前にいた。玄関の扉が開いて、志希が夢の中とは違って少しだけ嬉しそうにフレデリカを撫でて、いってくるね、と歩いていく。その背中をフレデリカは追う。猫をやめることをやめるとして、それでもなお一ノ瀬志希という人間のことが知りたいから。

やがて事務所に辿り着いたフレデリカは、そこで志希に気付かれる。志希に抱え上げられて自分の家の前にいる可愛い猫なんだ、とアイドル達に紹介されたその猫は、少し誇らしげににゃあと鳴いた。

前述した通り、一ノ瀬志希宮本フレデリカはどちらも猫のようなアイドルだ。前川みくを除けば真っ先に出てくるアイドルとして挙げてもいいだろう。そのうえで、『フレデリカ、猫やめるよ』という曲のタイトルから物語を構築するのであれば、[アイロニカル・エトランゼ]のイメージと合わせて猫のフレデリカと人間の志希、という組み合わせも、言ってしまえば発想そのものはそこまで難しいものではない。しかし、9りはそこからまた絶妙に外してみせた。猫をやめてしまったことですれ違ってしまった悲しい物語ではなく、それを投げ捨ててもうひとつぶんだけ物語を展開する。ベタを知り尽くしあえて踏襲したうえで、それにプラスワンをする9り。玄人の技と言わざるを得ないだろう。

 

次にプレゼンが行われるのはシズクのりんののである。彼もまた、前提知識の共有を手短に済ませてから語りだした。

「まず、乃々はたくみんと猫カフェに行ったことがあるんですよ。それで今度は凛を誘って猫カフェに、ってことになったんですね」

猫カフェの出典はデレぽ、2018年の12月の投稿。その時はどちらかと言えば拓海にフォーカスが当てられたような扱われ方だったが、今回は乃々を主役に物語が進む。猫カフェを訪れたふたりは、当然ではあるが猫と戯れることになる。幸せそうに猫を抱いて微笑む乃々や、少し戸惑ったように触れる凛を見て、お互いに不思議な感覚を抱くとシズクは言った。

「凛ちゃんはオオカミで、乃々はリスなわけじゃないですか。でも、今ふたりは猫とふれ合って、猫の仲間というか、猫を通してお互いを見ているわけです」

乃々は[困惑の小リス]、凛は[シルバースピリット]でそれぞれリスとオオカミをモチーフにした衣装を着用している。つまりこれらのイメージは、彼女たちのプロデューサーも承知しているほどの強いイメージであることは容易に想像がつく。しかし、オフの彼女たちがふたりで出かけふれ合っているのは、そのどちらのイメージにもやや似合わない猫。普段とは違う一面や感情の動きを猫を通して垣間見ながら、アイドル達の午後は過ぎていく。

シズクの妄想はかなりコンパクトに纏まった、それでいてかなりトリッキーなものに仕上がった。シズクはいわば、違和感を違和感としてそのまま提供したのだ。渋谷凛と森久保乃々という、猫と関わった実績はなくはないとしても直接猫と結びつけるにはやや違和感を覚えるようなふたりのアイドルを出し、その違和感を覚えるからこそ「別の一面を見たような」感じをお互いに感じさせる。もちろん荒唐無稽にただ猫との関わりがないアイドルという理由で選べば、ともすればキャラ崩壊の誹りを免れえないこととなっただろう。猫カフェに行ってのんびりとした時間を過ごしそうなイメージがぎりぎりあり、なおかつ相手と長い時間そのようにして一緒に過ごすことが考え得るような愛の深そうなカップリング。シズクのカップリング選択の嗅覚が光る一作となった。

 

「まあお察しの通り、全然こしあん分からないので、まあ各々適当に聞いててください」

主催の第一声は言い訳であった。数度某氏に頼まれてこしあんのネタ出しを行ったとはいえ、いまだ輿水幸子双葉杏のパーソナリティを掴みきれない主催。無事に辿り着くことすら怪しい航海が始まっていた。

「とりあえず、輿水幸子さんは双葉杏さんをどうにかこうにか連れ出して一緒に買い物に行くことに成功した、というところからね」

自分でも苦笑しながら主催は続ける。ふたりで道を歩いていると、路地裏の少し入った先に1匹の野良猫を見つける。幸子は小走りで猫に近付いて、杏はその後ろを気だるげに歩いて近寄る。野良猫は人馴れしているのか幸子を目の前にしても逃げることも抵抗することもしない。

「で、幸子ちゃんが杏にスマホを渡して、SNS用の写真を撮ってください、って言うんですよ」

下手に路地裏の様子を写すと特定とかされそうだけど、などと言って撮影を渋る杏に、ボクと猫をアップにして写せば問題ないでしょう、と反論する幸子。少しの議論の末、杏はスマホを構える。大通りの喧騒を尻目に響いたシャッター音のあと、杏は幸子の方のスマホを返す。

「まあそこにはドアップになった猫しか写ってないんですけど」

参加者たちから案の定、というような笑いが漏れる。幸子は当然猛抗議するが、先程言った特定性の問題や幸子のSNSらしさの問題、フォーカスの問題などを杏に流れるように指摘され妥協せざるを得なくなる。少し頬を膨らませて、幸子は今日一日杏を容赦なく買い物に連れ回すことを改めて宣言する。

「――で、大通りに戻っていく幸子の後ろで、杏が自分のスマホで取った幸子のアップの写真をこっそり確認する、みたいな、そういう感じで」

第3句と同じく、主催の妄想は以上です、の声と共に終わりを迎えた。

半ば不純な動機によって選択されたこしあんだが、一課で最も詳しい人間はこの場にはいない。しかし読み手の姪谷も、彼と関わっていくうえで多くのこしあんに触れてきたことは疑いようのない事実である。この妄想が輿水幸子双葉杏らしい作品であったかの審判は、次の妄想の後に下される。

 

「えーっと、皆さん『焼きそばハロウィン』というユニット……? についてはご存じでしょうか」

本日2回目の最終プレゼンとなったひでん之が最初に確認したのは、あるユニットについてだった。

焼きそばハロウィン、というのは2018年のデレマスとローソンのコラボに起用された一ノ瀬志希鷺沢文香・城ケ崎美嘉の3人をユニットとして見た場合の非公式呼称である。この3人はそもそもが2014年のガチャからたびたび共演があり、アニメでもProject:Krone候補として集められたアイドル達である。ローソンコラボを切っ掛けにこの3人の組み合わせが広く知られることとなり、とある劇場5コマで焼きそばの匂いに3人ともなぜか釣られていたことと、ローソンコラボのそれぞれの衣装がハロウィンをイメージしたものであったことからこの仮称がつけられ、なかなかに浸透しているらしい。ひでん之の妄想は、そんな彼女たちがハロウィンのおよそひと月弱前にコラボに使う写真等の撮影を終えた後、本来衣装を着ることもないはずのハロウィン直前から始まった。

美嘉が事務所に入ってくると、そこには何故かハロウィン衣装の文香と志希がいた。志希に聞いても埒が明かないため文香にその理由を聞けば、どうやらプロデューサーとちひろさんに今年のハロウィン衣装を着て事務所内でのハロウィンの盛り上げ係を頼まれた、ということらしかった。ウィッチ姿の志希に自分の悪魔モチーフの衣装を手渡され、どこで着替えるか美嘉が悩んでいたとき。

「志希ちゃんが、急に文香さんの首の、チョーカーのところに南京錠みたいなのをがしゃっとつけるんですよ。そしたら、文香さんの声が全部猫語の、『にゃあ』とかとしか聞こえなくなるんですね」

ひでん之は説明する。文香のローソンコラボでの衣装は黒猫をモチーフとしたライカンスロープ*2なものであり、志希はそれに便乗して面白半分にこの装置を作ったのであろうということを。

照れと困惑が入り混じったような表情をしてにゃあにゃあと鳴く文香を志希は自分のスマホで撮影し、メッセージアプリで誰かに向けて送信する。数分も経たないうちに事務所の扉が勢いよく開いて、現れたのは果たして速水奏であった。どういうことかしら、と物凄い勢いで志希を問い詰める奏に、志希は見た通りこういうことだよ、と奏の顔をを鳴き続けている文香の方へ向けさせる。自分の方を見てにゃあ、とまた一声鳴いた文香に怯んだ奏の隙を見逃さず、志希は鍵のような何かを押し付けて風のように事務所を去っていった。

めくるめく状況の変化に取り残された美嘉に、溜息とともに状況の説明を求める奏。美嘉の見たままの状況――急に志希が喉に装置を取り付けてそれ以降文香が猫語になってしまったことを伝えられ、奏の溜息は深くなる。これは私がどうにかするから美嘉は志希を捕まえてきて、と美嘉に依頼をして、奏は衣装も言葉も猫になってしまった文香とふたりきりで向きなおり――

ひでん之の語る妄想に夢中になっていた参加者たちだったが、その世界を切り裂いたのはひとつの音だった。

ちん、と卓上ベルの音がボイスチャットに鳴り響いて、暫くの沈黙の後にボイスチャットが爆笑の渦に引き込まれる。実は第3句の終了時点で、夜も更けてきたため以降の作品は一定時間が過ぎると卓上ベルが鳴らされる、というルールが追加されていたのだ。その時は半ば冗談のような取り決めであったが、主催は本当にそれを実行したのだ*3。これによってひでん之は、この場で妄想を畳むことを余儀なくされる。

「まあどうせこっから全然広がらないんで」

笑いながらそう言ったひでん之は、早回しで妄想を展開し、また畳んでいく。

奏は文香の様子を見て鍵を使う決心がなかなかつかず、延々と悩んでようやく文香の喉元に鍵を差し出し、南京錠を開錠しようとする。そしてその瞬間、文香の声が奏の耳を打つ。

「――『かにゃでさん』、って、感じで、いや長くなって申し訳ないです本当」

ひでん之曰く、志希の作った装置は基本的には装着者が何か発声するのに合わせて猫の鳴き声を流すだけの簡易なもので、声を張らない文香は自分の声がかき消されていただけだった。しかし「奏さん」だけは何らかの方法で「かにゃでさん」になるようにされていたのだ、と。

こうして、途中に横槍は入ったもののひでん之の妄想は終わりを告げた。ローソンコラボの猫の衣装、というすぐには思いつかないような部分から猫要素を引っ張ってきたうえでさらに猫要素を被せ、自分の専門である一ノ瀬志希も自然にそこに絡ませて動かす。非常に練られた物語構成ではあったが、いかんせんルールに抵触してしまったのが逆風となり得る要素であった。しかし描写の精度、平たく言ったところの「本人らしさ」は依然高いクオリティを保っており、これが丑三つ時を迎えてもなお衰えることのないひでん之の頭脳のタフさを物語っている。

 

姪谷は結構な時間を優勝者の決定に費やし、しかし最後には答えを出した。

「えーっと、今回の優勝はシズクさんで」

 深夜とはいえ惜しみない拍手がシズクに送られる。姪谷はその勝因を、綺麗だったからと表現した。曇りのない長閑な日常のワンシーンを描き切ったことが姪谷の心に刺さった、ということだろう。振り返ればこのシズクの下の句は、今までの彼の下の句の各所に散りばめられていたシズクらしさのない、言い方を変えればシズクらしさの薄い下の句だ、ともとれるかもしれない。しかし、それは悪いことでは一切なく、また彼らしさを捨てたということでもない。広い文やシーンの選択肢の中から、今回は単純にシズクらしさを出さないという選択肢を取っただけである。逆に言えば、このような形式の下の句で優勝をもぎ取ったということは、シズクの幅の広さを示したということだと言えるのだ。

 

第4句も一部の人間を除いて第3句からの流れを引き継ぎ、自分の好きなカップリングを指定しそれをどれだけ上手く、短く纏めるか、という勝負になったように思える。また徐々に参加者たちが短い中で山を作ることを試行錯誤し始めた、というようなことが見て取れるような痕跡もあり、夜が更けていくとともに妄想の物語性が更に高まっていくことも期待ができた。3時を目前に、参加者たちは各々どのような進化を遂げるのか。

姪谷と同じように、シズクも持ち込みの上の句があると言った。他の参加者とともに何度か上の句の単語を推敲し、その上の句を発表する。

 

第5句 「外套」

「えーっと、『外套』、マントとかコートとかの上着、って範囲でお願いします」

最初は『コート』だったその上の句がテニスコートなどの可能性を指摘され『外套』に落ち着いてから暫くは沈思黙考の時間が続く。外行きの上着、という指定範囲には「コート」以外にも「マント」などは含まれるだろう(それで妄想しようとする人間がいるかは難しいところかもしれないが)。仮に外套の上の句をコートだと限定するのであれば、舞台は十中八九秋から冬になるだろう。その周辺の季節に合ったカップリングが自分の中にあるか、という部分も問題となる。

暫しの沈黙を挟んだ後、今度はひでん之が最初に動く。

「えー…… これ、『りんちょこ』で、行きます」

 放課後クライマックスガールズの青色担当、大和撫子を絵に描いたような女性である杜野凛世と桃色担当、ユニット内随一の普通の女子高生*4園田智代子のカップリング。[をとめ大学]で少女漫画に関連したエピソードを通して凛世の巨大感情が露呈したことにより一躍脚光を浴びたふたりであるが、未だ作品そのものの数は少ない。これはもうこれしかないです、と言いながら下の句を取ったひでん之の脳裏には、いったいどんな欠片が浮かんでいるのか。

多少悩んだように最初の下の句を取ったひでん之であったが、次の取り手も悩みながら自分の下の句を手にした。

「えー、エアプだけどやるかー…… 『あさふゆ』」

あさふゆ――シャニマスの最新追加ユニットであるStraylightのメンバー、芹沢あさひと黛冬優子のカップリングを『取った』のは、主催であった。

中学2年生とは思えないほどの奔放さや興味が湧いた事項への熱しやすさ・冷めやすさ、そしてダンスの才能と集中力に溢れた*5芹沢あさひと、アイドルとしての意識が高くどのようにすればより高みに登れるかという研究に余念がない*6黛冬優子。正反対のタイプであるふたりは、最近開催されたStraylight初主演のイベントによって大ムーヴメントを引き起こしたカップリングである。しかし、取ったのは主催である。「エアプ」と言った通り、主催はシャニマスのアカウントすら持っていないのだ。一課で何人かがやっているシャニマス配信と、Twitterで流れてくるファンアートの情報から、いったいどれだけのあさふゆが作れるのか。主催は暗雲の中を進んでいく。

 それからまた少しの間をおいて、次に下の句を宣言したのは姪谷だった。

「んー…… 『ゆいちな』で」

この上の句では初となるデレマスのカップリング、大槻唯と相川千夏のゆいちな。サクラブロッサムというデレマス初の公式言及ユニットを結成したふたりであり、いわゆるモバマスデレステを問わず、ボイス実装アイドルと未実装アイドルという垣根を越えて定期的に交流の様子が描かれるふたりでもある*7。出会いの経緯からして文学性が高く根強いファンも多いこのカップリングを、マイナーを捌いてきた姪谷はどう構築していくのか。期待がかかる。

そして最後に残ったのは9りであったが、彼女もまた姪谷に続くように下の句を取る。

「『しゅがみん』、で」

続いたその下の句に、また少しどよめきが起こった。

佐藤心安部菜々カップリングであるしゅがみんは、ふたりの強いキャラクターと後がない年齢という共通点からコメディ色を強くするかシリアス色を強くするかの匙加減が非常に難しい繊細なカップリングである。コメディが強すぎれば「カップリング」よりも「ユニット」という意味合いが強くなってしまうし、シリアス色が強すぎればそれもまた深夜帯であるこの競技においては評価が難しくなるだろう。しかもその調整を即興でやらなければならないのだ。9りの高い腕前は既に証明されているとはいえ、彼女がどのようにふたりを描き、また上の句を回収するのか全く予想ができなくなった。

第5句は、スムーズに下の句が揃った前2句と比べて多少揃うまでに時間を要した。当然今は夏であり冬の物語を考えづらいという季節の問題もあっただろうが、それ以上に彼らを悩ませたのはある種のプレッシャーなのかもしれない。今までに4句を経験し、周囲も非常にレベルの高い句を纏めている。いかに自分も他の参加者に負けない句を作るか、という部分を無意識に考えていた可能性は否めないだろう。

最初にブレイクスルーを掴み、蛮族戦法から青銅器を掴み取るのは誰か。本格的に進化が問われるなか、ひでん之の事前情報の共有から第5句は始まった。

 

「まずですね、凛世さんは寮住みなんですけど、ちょこ先輩は事務所から家が一番遠いんですよ」

そう切り出したひでん之。放課後クライマックスガールズは2人が寮生活、3人が実家暮らしであり、また実家暮らしの3人の中では智代子の家が最も遠いということは公式で度々言及されている。そのうえでひでん之はそのふたりに冬の屋外、事務所の最寄り駅の前で待ち合わせをさせる。

「で、凛世さんはちょっと人込みを避けて駅が見える方の壁に寄り掛かって、自分の指先にはーって息を吐きかけながら、待ってるんですよ」

暫くそのまま凛世は駅の出口を眺めていたが、そのうち智代子が息を切らせて出口から出てきて、凛世は手を後ろに回して壁から数歩離れる。ごめん待ったよね、という言葉にそんなことはありません、と返す、それこそ少女漫画趣味という共通点を持ったふたりに相応しい会話。さりげなく後ろに回された凛世の手を掴んで、智代子はその赤くかじかんだ指先を見る。やっぱり、と呟いて、智代子は自分の着てきたコートを少しばつの悪そうにしている凛世の肩にかける。

「『私、走ってきたから今あったかいんだよね』ってちょこ先輩が言って、凛世さんは智代子さん、って呟いて、まっすぐにちょこ先輩の方を見るんですよ」

しかし智代子はその漏れ出てしまったような凛世の感情に気付くことはなく、さらにともすれば凛世の地雷を踏みかねない言葉を口にする。プロデューサーに手袋貸してもらったことがあるからそのおすそ分けしてあげるよ、と智代子は笑ったのだ。その悪気の一切感じられない笑顔に、凛世は一瞬だけ眉を顰める。しかしやはり智代子はその感情の機微に気付くことはなく、手を繋いで一緒に事務所へと向かう。プロデューサーの手袋が嵌った手を、凛世と繋いで。

ひでん之のプレゼンが終わると同時になるほど、と声が上がる。この語り口では凛世が眉を顰めた理由はそれ単体ではわからない。プロデューサーに対して好意を抱いていることが公式で明確に表現されている凛世では、「プロデューサーの手袋を智代子が貸してもらっていたこと」に対しての表情の可能性も、「智代子が自分と手を繋ぐ理由にプロデューサーを出したこと」に対しての表情の可能性もあるからである。しかしその前の智代子さん、というたった一言の呟きから凛世の感情が智代子に向けられたものである可能性が高いことが読み取れるし、そもそもこの感情の答えを本人すら分かっていないという可能性も存在する。その文脈による方向性を定めつつ、最後まで詰め切らせず曖昧さを残すという描写が、見事に杜野凛世というキャラクターと合致していた。

また今回のひでん之のプレゼンはかなり詳細な手指の動きや表情の変化を口頭で説明していたのも印象に残った。今までの彼は外見よりも心情の機微などの内面の描写や話の流れに重点を置いて語ることが多かったが、今回は違った。「第5句のちょこりんぜは単純な映像の紹介だった」と本人は後に語っていたが、ゲームを始める遙か以前から『画像』でネタを見られない、と言っていたひでん之がついにそのコツを掴んだ、という事実はかなり大きなものであることは間違いないだろう。

 

次は主催の番であったが、主催は話すのを渋っていた。当然と言えば当然である。しかしいつまでもそうしているわけにはいかない。本当に話さなきゃ駄目ですか、という質問が一蹴されたところでようやく主催は話し始めた。

「相当勝手なイメージなんですけど、黛冬優子さんは冬は大きめのダッフルコートを着てそう、ってのがまずありましてね」

それだけ前置きをして主催は妄想を展開しはじめる。ある冬の休日の早朝、マスク越しに白い息を吐き出しながら冬優子が事務所ビルを訪れると、ビルの前にやけに丸っこくなったあさひが立っているのを認める。ため息をつきながらどうしたのか訊ねると、あさひは親に自分じゃ着ないからと上着を多めに着せられ、事務所に着いてからプロデューサーにも待機時間に外で遊ぶならと着せられ、結果この状態になったと答えた。冬優子はもう一度溜息をついて、危ないからと言って過剰に着せられた上着を脱がせ、それから自分の羽織っていたあさひにはかなり大きいダッフルコートを着せる。

どうして自己管理もできないアイドルと組まなきゃいけないのかしら、と悪態をつく冬優子*8を前にしてもあさひは無邪気に喜び、冬優子はそれを見てさらに溜息を深める。

「……それで、最後に何気なくあさひちゃんがダッフルコートの匂いを嗅いでめちゃくちゃ怒られる、ってところで終わりです」

参加者たちの間に多少の笑いが起こって、主催は以上です、と妄想を締めた。

匂い嗅ぐのはやりそう、という声もあり、参加者から極端な解釈違いや悪評が出ることはなかったが、結果として直前のひでん之の妄想と「自分のコートを着せてあげる」という部分が被っているところに関しては読み手の好み次第とはいえ難しい部分であるように感じた。ファンアートとタイムラインの知識で建てた砂上の楼閣は、読み手の目にどう映るのか。

 

「まず言いたいのは、ちなったんコート似合うよね、ってことなんですよね」

姪谷は開口一番にそう言って小さく笑った。どうやら数あるカップリングの中でゆいちなを選び取った最大の理由はそこだったらしく、姪谷はその後を悩んでいたようだった。しかし言葉少なでありながらも、姪谷の中にある確たるイメージを彼は口にする。

冬の近い秋、当然のように一緒にいるふたり。唯は千夏に対して、コートを選びに行かないかと誘う。千夏が唯の突然の提案にやや意地悪をするようにどのお店に行くのかと訊ねると、唯は少し考えてイギリスやフランスの名前を出す。流石にそれは無理よ、と千夏が笑うと、唯もまた笑い返して手元のファッション誌を千夏の前に差し出して、じゃあココとかどう、と本当の相談を始めるのである。

そういう風景が見たいだけなんですよ、と語った姪谷に参加者たちは賛同し、次々とそれに連なる風景を口にしていく。一緒に買い物に行った店のショーウィンドウを撮影してSNSにアップする唯や、暫くしてそのショーウィンドウに映っていたコートを着ていることが確認される千夏、数週間後にそれらの情報を照らし合わせてようやく「あの時の唯のショッピングは千夏の服を見に行っていたのか」と理解する彼女たちのファンたち。最後に関してはやや考案者本人の願望が混ざっている気がしなくもないが、しかしそれは彼の今回の妄想の拡張性の高さを如実に表しているとも言える。完全に作者の中で完結する物語も勿論いいものであるが、聞き手側に想像させる物語にもひとつの良さがある。カップリング厨はふたりを見守る傍観者たれ、とはよく言ったものだが、今回の姪谷のプレゼンには他人を傍観者たらしめる何かがあった、ということなのだろう。核となる姪谷の妄想そのものが実際にふたりがしていてもおかしくのないほどイメージに沿ったものだったからこそ、と私は考える。

 

「まず冬で、しゅがみんのふたりで外で出かけてる」

9りは第1句から変わらず、平坦気味な口調で自分のプレゼンを読み上げはじめた。

「で、菜々さんは寒がりなんでコートを羽織ってるんですけど、しゅがはさんは寒いの大丈夫なんで、コート羽織ってこなかったんです」

昼からふたりで出かけているのか、それでも寒すぎる・熱すぎるなどといった不便はなくふたりの外出は進んでいく。しかし別れしな、電車で帰る菜々を徒歩で帰る心が見送る段になって、菜々は心にコートを貸そうとする。風邪をひくといけないから、とコートを手渡そうとする菜々と、大丈夫だし返すのが面倒になると問題だから、とそれを断ろうとする心、最終的に勝ったのは菜々だった。心の手に自分のコートを押し付けるように渡して、逃げるように改札口に走っていく菜々。心はその背中を呆然と見送って、やや違和感をおぼえながらもコートを羽織って歩き出す。そして何気なく心がコートのポケットに手を突っ込むと、紙の擦れる音がした。何事かと心がそれをポケットから取り出してみると、どうやらそれは手紙のようだった。

この時点で既に他の参加者たちはこの後の展開を察したのか、感嘆の声や呻き声がそこここから聞こえはじめる。しかし9りはそれを気にしていないかのように、テンポを変えることなく続けていく。

心が帰宅しその手紙を読んでみれば、果たしてそれは自分宛のラブレターであった。つまり菜々が心に半ば無理矢理とも言える形でコートを手渡してきたのは、これを渡したかったからだったのだ。当然心は驚く。そのような手紙を渡されたことにも、心が気付かなければそのまま無視されて手元に帰ってきてしまいかねない方法を菜々が選んだことにも。そして心は手紙を裏返し、愛しの「パイセン」への返事を認める。書き上げたそれをどうするか一瞬だけ迷った後、心は手紙の元あった場所――コートのポケットにそれを返した。

誰からともなく、拍手をしていた。9りの妄想は完璧な空気感を伴っていた。いわば「ギリギリの年齢」である彼女たちがおふざけなどではなく本気でやりそうであり、またそれが許容されるギリギリの青春、というラインを9りは完璧に読み切っていたのだ。また、ひでん之や主催と同様にこの話は「コートを着せてあげる」話でありながらも、それだけでコートの出番を終わらせることなくコートを「手紙を運ぶ手段」としても用いることでより上の句と物語そのものを密接に関わらせている。即興とは思えない完成度を誇る、非常にレベルの高い一句だと言える。

 

「いやぁ、ここは9りさんのしゅがみんで、優勝は」

シズクの決断は素早く、またそれに異論を唱えるものも当然の如く存在しなかった。改めて9りに惜しみのない拍手が贈られる。

9りの物語は前述の通り物語そのもののクオリティも高かったうえに、物語の構造も高い評価を得た。菜々が逃げるように去ったところで聞き手側に「菜々はコートを渡すことが目的だった、なら渡すことによって何があるのだろう」と想像をさせ、手紙が出てくることでその疑問を解決させながら物語としてひとつの山を作る。さらにそこで終わらせるわけではなく心に返事を書かせ、それをコートのポケットに入れたところで物語を畳む。あくまでも上の句である「コート」に主軸を置いた、ある種この競技の基本に帰ったようなその下の句は、深夜も3時半を前にした参加者たちの心を大きく揺さぶったのだ。

 

振り返れば第5句は挑戦の句であった、と捉えることもできた。ひでん之は『画像』を見てそれを自分の妄想として語ることに、姪谷は最低限の表現と断片的なワンシーンから実存性を描き出すことに挑戦していった。その中で9りが優勝をもぎ取ったというのは、決して彼女が研鑽をせず物理で殴り倒したということではなく、今までと同じ武器をそのままアップグレードさせたということに他ならない。自分の持ち味を生かした武器をそのまま強化して使えるのであればその方が圧倒的に手に馴染む。9りの成長性がこの句を制した、と言っても過言ではないだろう。

参加者たちの眠気も限界点に達しようとしていた。全員が1回ずつ読み手をやったことだし次で終わりにしよう、という決定が為された後、2回目の読み手となった9りは再び用意された診断を回す。その結果を見て少し困惑したような声を上げたものの、最後の上の句を読み上げた。

 

第6句 「てのひら」

「え、大丈夫かなこれ、『てのひら』です」

最後の上の句は『てのひら』。身体の部位でカップリングの妄想をするのであればオーソドックスな部類に入るであろう部分である。人間の中でも発達した身体の部分のひとつでもあり、その動きや文学的表現は多岐にわたる。それ故に、てのひらをどうするか、という選択によって、それに似合うカップリングもまた変わってくる。書きたいものを先に決め上の句を合わせる蛮族戦法も、上の句の活用法から考えるトリッキーな戦法もとりやすいという、最後に相応しい広さと深さを持った上の句であった。しかしそれ故、停滞した時間が取り手たちの間に流れる。

9りが「参加できるならこれこそ小宮果穂さんだった」とこぼした。それに対して姪谷が「いや、これこそよしのんなんですけどね」と返し、行きます、と声をあげた。

「えーっと、また呼び方が分からなくて申し訳ないんですけど…… 『藤居朋×道明寺歌鈴』ちゃんで」

うわっ、と参加者たちが声をあげ、頭を抱える。それも当然の話、藤居朋は占いを趣味としているアイドル。自分で様々な占いが可能であり、そのひとつに手相占いも含まれているのだ。『てのひら』を上の句とするのであればこれほどにない恰好のアイドルである。しかし、参加者たちには藤居朋と誰か、というカップリングの発想がなかったため、その恰好のアイドルが見えていなかった。そのうえでさらに姪谷が選んだ相手はミス・フォーチュン・テリングでの共演経験もあり、半ば超常現象的なドジに巻き込まれる不運なアイドルである道明寺歌鈴。おそらく行われる「藤居朋が手相を見る」という行為の相手としては十分すぎる理由が既にそこにあった。マイナーなカップリングでも上手く捌くことのできる姪谷の面目躍如とも言える、素晴らしいチョイスだった。

姪谷の下の句にひととおり呻いた取り手たちの中で、次に動いたのはシズクだった。その選択に、またどよめきが上がる。

「はい、じゃあ『あんきら』で、お願いします」

双葉杏諸星きらり。pixivのデレマス百合カップリングで最も登録作品の多い、伝統のあるカップリング。同い年で一日違いの誕生日、低身長と高身長、働かないアイドルと精いっぱい仕事を楽しむアイドル。しかしその根底にあるものは似通っており、そこが琴線に触れたプロデューサーも多いという。かなり対応できるシチュエーションに幅のあるアイドルたちであり、シズクも以前「元少年兵の双葉杏」を考えるなどをしていた。そんなシズクがあんきらでどのような『てのひら』を描くのか。

そして次に下の句を取ったのはひでん之。彼も戸惑ったように、しかししっかりとその名を告げる。

「え、えっと、これは『じゅりなつ』、です」

西城樹里と有栖川夏葉、またも放課後クライマックスガールズ内のカップリング。[意地っ張りサンセット]のカードコミュに代表されるように、一見ケンカップルのように見えてその実シャニマス内の時間が経過していくにつれてそのような面というよりかは実力を認め合いお互いを尊重するという面が強くなっていく、時間による関係性の変化が非常に明瞭なふたりである。典型的な口の悪い不良少女系ツンデレであるところの樹里とストイックでトレーニングに余念がないが少女のような無邪気さをも内包している夏葉、放課後クライマックスガールズの中でもかなり人気のあるカップリングをひでん之は選択した。なぜかひでん之自身が挙動不審なのは置いておいて、優しさというよりも情熱であるじゅりなつと上の句がどう繋がるのか想像を膨らませられる下の句である。

最後に取り残されたのは主催。暫く唸って、苦々しそうな声色で最初から考えてはいたらしい下の句を挙げる。

「行ける気がしないんだよなぁー…… 『みおあい』で、はい」

参加者たちからまた小さく納得の声があがった、ような気がした。みおあい――本田未央高森藍子カップリングは、青春少女漫画のような甘酸っぱさに適性があるカップリングである。「友情番長」などと形容されることもあるほど多くの友達を作り、しかしこと恋愛となると話をするのも恥ずかしがったりとポンコツな面を覗かせる未央と、森ガールをイメージしたと思わせるようなおっとりふんわりさとパッション属性に相応しい積極性を併せ持つ藍子。無意識に藍子をリードするような未央も、奥手になってしまった未央を引き寄せる藍子も描けるこのカップリングにおいて、「手を繋ぐ」という行為にフォーカスを当てるのはいわゆるベタな当て方のひとつである。また藍子のソロ曲である『お散歩カメラ』には「手のひらの上にちょこんと乗る幸せを探しに行こう」という歌詞もあるため、その点でもこのカップリングには馴染むと言えるだろう。逆に苦しむ理由の無いはずの下の句で主催が苦しんでいるのは、その実力の無さ故か。

いよいよ最後の句となり、いっそう取り手たちに気合の入った第6句。下の句が出揃い、参加者たちは最後の殴り合いを始める。ある者は自分の手に馴染む武器を手に、またある者は上の句に合った急所をつくことのできる武器を手に。自分の持てる技術を駆使して、丑三つ時すらとうに終わりを迎えた夜に最後に立っているのは誰か。

 

「まあ、朋ちゃんが歌鈴ちゃんの手相を見てあげながら、とりとめのない話をするんですよ」

姪谷の第6句は、そんな語りから始まった。姪谷は直前の自身の句と同じように、言葉は少ないもののポイントを押さえて話をしていく。

ドジ体質から定期的に占いをしてもらう歌鈴と、手相を見る朋。朋の指先が歌鈴の手のひらをなぞるたびに小さく肩を竦めてくすぐったがる歌鈴を見て何がしかの悪戯心が惹起させられたのか、それとも自分に少しでもチャンスがあるようにという打算的な考えが鎌首をもたげたのか。朋は歌鈴の恋愛運について、少しだけ嘘を交えて話していく。例えばそれは歌鈴の恋愛運がやや好調であるといったようなものであったり、いわゆる運命の人というものが案外近くにいるだろうといった類いのものであったり。そしてそれに対して、歌鈴ははにかんで他の誰かの話をするのだ。一切の他意の無いその話を聞いて、朋はそれを狡い自分に下った天罰のように感じどことなく暗い面持ちのまま、顔を上げずに占いを続ける――

姪谷が語り終わったボイスチャットに溜息が満ちる。物語としての落とし方もさることながら、「天罰」という言葉のチョイスが参加者たちの心に深く刻み込まれたようだった。程度や向き合い方の差はあれど方向性として不運なアイドルである藤居朋が、それでも計画が上手くいかなかった「アンラッキー」ではなく「天罰」と思ったという事実が、参加者たちの心に突き刺さる。

第6句の初手として読み上げられた姪谷の句は、「マイナーなカップリングであっても捉えきり捌く」という前半の姪谷の句に見られた特徴と、「要点のみを抑え残りを想像させるような広がりを持たせる」という後半の姪谷の句に見られた特徴がミックスされた、まさに進化の一句であった。一課課長としての貫禄と威厳を見せつけたものとなったであろう。

 

「先に言っておくと、今回の私の話はめちゃくちゃ短いんで」

そう言った2番手のシズクの妄想は、本当に「小さい物語」だった。示されたシーンはたった2つ、言葉にしてしまえば30秒と保たない物語。しかし、その「小ささ」こそがシズクの用意した武器だった。

「きらりを助けるために傷付けた杏の手のひらを見て、杏の強さを知るきらり、っていうそれだけで、杏もきらりを包み込んで守ってあげられないから手のひらでしか守れない、っていう」

9りがまさに刺された*9ような呻き声をあげる。他の参加者も感嘆の声をあげた。

シズクの物語は今までのものと比べると極端に短い。ストーリーの規模としても完全に外界との関わりをシャットアウトしたふたりの世界での話であり、ふたりの間での対話すら存在しないという意味では姪谷の句よりも小さい世界の話と言えるだろう。しかし、この句はそれでいいのだ。何故なら、双葉杏の身体は小さいから。双葉杏の手のひらは小さいから。双葉杏がどれだけ諸星きらりを包み込むような愛と覚悟を持っていたとしても彼女の身体は小さく、そして手を握りこんでしまえば傷付いた手のひらを隠すことなど造作もないほど彼女の手のひらは小さい。その「小ささ」を表現することに長大な文章を使ってもよいのだが、シズクはあえてそれを放棄した。言わば杏の手のひらを無理に開かせることをしなかったのだ。そして、そのSSであればある種説明不足だと詰られても仕方のないそれは、この場で繰り広げられるのがSSではなく妄想だからこそ許される特権的行為であった。やや殺伐としたシズクの世界観とその中で無言かつ一瞬だけの感情の交錯というシチュエーション、双葉杏諸星きらりというアイドルのチョイス。すべてが完全に噛み合ったうえでの今までで最も小さい物語は、参加者たちに大きな爪痕を残したに違いない。

 

敢えて誤解を恐れず先に言うのであれば、ひでん之の第6句は妄想ではなかった・・・・・・・・

「――放課後クライマックスガールズのライブイベントで、プールみたいなとこで夏葉さんがソロステージをやっていて、樹里さんがそれを見てたんですよ」

それは前提知識の共有ですらなく、ひでん之の口調も前提の押し付けという感じのものではなかった。強いて表現するのであれば、記憶の中の光景を確認しながら思い出しているような口調。

「夏葉さんの手指の動きや衣装の翻りとか、そういうスポットライトの中の一挙手一投足で夏葉さんが世界中に『私は有栖川夏葉だ』っていうのを発信してるのを網膜に焼き付けながら、やっぱかっけーなって思ってたら、夏葉さんのソロ曲の最後のホルンの音が鳴って、それから一瞬だけ静かになってから聴きなれた樹里ちゃんのソロのイントロのドラムパターンが流れ出したんですね」

当然だが、現在アイドルマスターシャイニーカラーズにはソロ曲を持っているアイドルは1人たりとも存在しない。だがもはや、それを指摘する人間はこの場にいなかった。指摘することさえできなかった、の方が正しいだろう。何故ならその瞬間、筆者にはふたつの曲のアウトロとイントロが確かに聴こえたのだ。シャニマスに対する造詣が深くない筆者でさえそうなのだ、他の人間が指摘できる道理はないだろう。

「そのイントロで我に返った樹里ちゃんがステージに向かおうとして、そこにすごい楽しそうに歯を見せた夏葉さんが走って向かってくんですよ。で、夏葉さんがはけてから入るはずだったんですけど樹里ちゃんも走り出して、すれ違う瞬間にばしぃんっ、って思いっきりハイタッチをするんです。それから夏葉さんが舞台袖にはけてって、樹里さんがそのじんじんする手のひらをグッと握りしめて、『行くぜお前らぁ!』って拳を突き上げて、それで歌い始めるんですよ、はい」

ひでん之が語り終わったそこにあったのは、果たして沈黙であった。それは決してひでん之の句が参加者たちに受け入れられなかったということではなく、その句があまりにも真に迫るものだったがゆえの静寂だった。そして口を開いたのは読み手の9り。

「……いや、もう妄想じゃなくってただのライブレポじゃん」

読み手をしてそこまで言わしめる、まるで本当にあったことを語るような語り口。描写のこまやかな動きも相成って、参加者たちはそこにライブの幻を見た。ひでん之の見ていた幻覚を共有させられた。それはまさにこの競技のひとつの極点だ。

しつこいようではあるが、彼は『画像』で天啓を得て書き始めるような物書きではない。しかし今回この句に至って、ひでん之はその神髄を垣間見たように思える。強烈なワンシーンを手中に収め、それを表現の工夫によって受け取り手の脳内にも焼き付ける。それは作家たちの目指すひとつの目的地であり至高天。さながら『神曲』のダンテのように、彼はひとときであれどその至高天へと辿り着いたのかもしれない。

 

 (※第6句4枚目主催の『みおあい』について、自分で自分の拙すぎる妄想のレビューをするのがあまりにも地獄でとうとう耐えきれなかったため、この部分だけ第6句読み手の9り先生にご寄稿いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。なお、提出していただいた原文をそのままお送りします*10。)

    公園にお散歩にきていた未央さんと藍子さん。未央さんが飲み物を買いに行きます。

    藍子さんがかの有名な歌の歌詞「手のひらを太陽に すかしてみれば」と鼻歌を歌いながらこの歌詞の「太陽」に未央さんを見出して飲み物を買いに行っている未央さんに手を伸ばします。

    未央さんがそれに気づいて「真っ赤に流れる〜〜」と続いて歌う、という内容だったはずです。ざっくり言って。多分。間違ってたらごめんなさい。切腹します。

    これなんですけどね〜めちゃめちゃに暖かいんですよね。なんていうんだろう、空気感が好きです。優しくて柔らかくてあったかい。太陽でした(?)公園でいたらニコニコしちゃいそう。いそうってくらい存在がある。そういうことです。

    終わっちゃった、こんな短くてええんか?

 

 

最終句である第6句、その下の句のプレゼンが全て終了した。参加者たちは、それぞれ別の方向で自分の武器を進化させて最後の戦いに赴いていた。前半と後半のやや毛色の違う2つの妄想技法を融合させた姪谷、世界観に自分らしさを込めながらもメタ的な要素も含めて作品として仕上げたシズク、自分にはできないと言っていたものを克服し周囲を映像の世界に引き込んだひでん之。単純な優劣をつけ難いこの判定は、しかして9りの一言で決着を迎えた。

「え、すべてに金メダルをあげたい気分だ…… え、いいですかそれで」

ややあってボイスチャットに笑いがこぼれ、参加者たちも同意する。予定調和で陳腐な「おてて繋いでみんなでゴール」エンドと言ってしまえばそれまでだが、本当に第6句は全員の語り方から内容までが素晴らしく、参加者の誰も優劣をつけられないような状態に陥っていた。そのため、参加者たちも9りの提案に誰一人異を唱えることなく同意した。4時でもあったし。

9りはそれぞれに賞を決めた。カップリング選択の妙と「天罰」という言葉選びに優れていた姪谷の下の句には「発想一等賞」を。あまりにも少ない文章であまりにも多くの感情を予感させるような濃度の高かったシズクの下の句には「火力一等賞」を。誰もが実在を信じて疑わないほどの幻覚を描き出したひでん之の下の句には「現実一等賞」を。*11それらをすべて決め終わった後、9りは少し満足気にうん、と呟いた。

参加者たちは口々にねぎらいの言葉をかけ合い、自分のメモや主催のとっていたあらすじのメモ書きを見ながら感想戦を行う。感想戦とそれに付随した雑談は、日が完全に昇るまで行われた。

 

 

かくして、急遽開催が決定したカルタ大会は終了の運びとなった。

全体を通して振り返ると、やはり参加者は読み手の好みに沿ったものよりも自分の最大火力を出し切る方向に舵を取りやすいものと考えられる。そしてその中でいかに火力を通しやすくするために即興で様々な技芸を凝らし、ストーリーの山や谷を作るか。その瞬発力こそが勝負のカギを握っているのだろう。蛮族戦法であっても、ただ手に馴染む棍棒で殴っているだけではどうしようもないこともあるのだ。周囲の蛮族が成長していくのであればなおさら。

――しかし、参加者たちはまだ知らなかった。第2回のカルタ大会では、"近代兵器"を持った新たなる刺客が蛮族オタクの領域を襲うことを。 

 

 

 

おわりに

 

ということで第4句から第6句まででした。前回より文字数が長くなってるんですが、何故なんでしょうか。纏めるのが下手だからです。次回は別の人にもログを渡してあるのでその方が書いてくれると思います。

当日終わって朝5時ぐらいから書き始めて、現在は8月1日です。まる1か月かかりました。「このままではブログを書き終わる前に第2回カルタ会が開催されかねないため」じゃないだろもう第3回も終わって今週末には第4回が開催予定だよ。そこそこの人気がある企画かつ自分の筆が遅いことが何もかも悪い。文責も死んでたし。

ただ、実際非常に楽しい企画ではありますので、もしよろしければ同じジャンルのオタクたちで集まってやってみてください。楽しいですよ。深夜帯にやるとなおよし。そして終わったらみんなブログを書け。他人の書いた文章を読ませろ。自分の文章はもう見飽きたんだジョン。

 

ちなみにこの企画の名前は「限界カルタ」になりました。

 

レポート明けで死んでいる頭で書いていたら無軌道の極みになりそうだったのでこのあたりにします。これでようやく約束の3記事に辿り着いたので、もしかしなくてもこのブログが更新されることは未来永劫ないかもしれません。私には面白いブログを書けるような文章の才能がないので。才能って悲しい。みんなブログを書くんだ、ここにいる奴よりは上手く書けるから。

とりあえずまたなにか思いつきましたら。

*1:どれぐらい愛してやまないかといえば、自動でこしあんを検索するbotを作ったり、作品を作者含めて殆ど把握していたり、ことあるごとに一課のメンバーにこしあんを請求していたりする。ついた渾名がこしあん893。

*2:編者註:本人は『リカント的』と仰っていましたが、リカントでググってもDQの敵しか出てこなかったので表現を変更しています。また『ライカンスロープ』も本来人狼のみを指す言葉ではありますが、慣用的に他の獣に変化する獣人にも使われることを確認したうえで、雰囲気を重視してこの言葉を選択しております。殴らないでください。これが正しい注釈の使い方。

*3:主催曰く、「まさか速攻で本当に超えてくる人がいるとは思わなかった」。

*4:諸説あります。

*5:かなりボカして書いていることを察していただければ幸いです。

*6:鬼のようにボカして書いていることを察していただければ幸いです。こちらに関しては後で触れざるを得ないですが。

*7:pixiv大百科とかが最新の情報まではいかずともゆいちなという概念を知るのに便利なので読んだことのない方はぜひ読んでください。

*8:彼女は完全な他人に好かれるための可愛い「ふゆ」と、憎まれ口やぶっきらぼうにとられることもある感情と打算の「冬優子」のふたつの面を持つ。どちらが本当とかはないし、どちらも偽物の可能性すらある。直近のイベントでユニットの仲間には「冬優子」を見せた。

*9:前述の通り彼女は定期的にTwitterのフォロワーに向けて相手のツボをつくようなネタを放流し、やり返されて自分も限界になるという行為をしている。これを彼女は「刺しあい」と呼んでいる。

*10:以下のような文章が展開されるご本人曰く限界なブログ「髪洗いながら小洒落たブログ名考えてたらシャンプー2回やっちゃった」はこちら https://kyuri9ri.hatenablog.com/。ブログタイトルのセンスたるや。)

*11:ちなみに文責の下の句には「太陽一等賞」が贈られた。