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困ったときは遺書としてお使いください

ウマ娘の番組表を2024年版に改訂した場合にあたっての個人的な覚書

 

 

 

(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。気が付けば2月だしめっちゃ寒いし、全体的にやってられません。その割に昼ごはん食べた後日が差してくると鬼のように眠くなる。

そんなことはさておき、2月といえばすっかり生活リズムに組み込まれたウマ娘のアニバーサリーがあるわけで。知人と今年は誰が来るんだろうとか変更は何が来るかなとか、後方勢不遇の半年だった気がするとかいろいろ話していました。

そこで話題に上がったのが、ウマ娘の番組表……つまりレースの日程を現在のものに書き換える、という話でした。今年から実競馬はダート三冠路線の整備により南関東三冠のレースすべてが国内G1(Jpn1)の認定を受けるなど、かなり大きな変更があります。ついでに細々とした変更も含めて、その辺りをそろそろ一括で合わせないとどんどんズレていくのでは……という意見に関してなるほどとは思ったものの、実際問題けっこうな無茶だとは思いました。事実育成目標とかは今の番組表をもとに作られているわけですし。

ということで、変更点をわーっと並べて事実どれぐらいのラインなのか探ってみよう! ……というのが今回の記事の趣旨です。どれぐらいになるのかこの段を書いている時点ではそんなに予想がついていませんが、興味のある方はしばしお付き合いください。完全に自分の備忘録ですが。

 

 

 

 

 

前提

 

ウマ娘の番組表は「重賞などの日程は2018年の番組表」「一部日程調整やグレードについては京都の改修が行われていないほか様々な変更が行われなかったイフの2020年番組表」をもとにしていると思われる*1。ただし単純に上旬/下旬で前半ターン/後半ターンに振り分けるわけではなく、ゲームとしての調整を含んでいると考えられる。

筆者はゲーム制作未経験でありウマ娘をガチガチに極めているわけでもないので、以降新設・移動される重賞のターンの割り振りについては単純に前後半で振り分けている。そのためゲームバランスなどについては多少考察が荒くなる可能性があることをご留いただきたい。

また、上記の理由から「大きく並びが変わったわけではないが徐々に開催日程がズレたり週の変更があった結果ターンを跨いでしまった変更」(例:スプリンターズステークスは9月最終週~10月初週)などについてはそのまま、という前提で進める。

 

 

 

考察

 

芝重賞について

極端に大きな変更はないが、G3重賞としてウマ娘に登録されている東京スポーツ杯ジュニアステークス*2紫苑ステークス*3がG2に格上げになることが予想される。

獲得ファン数が増えるのが大きなメリットではあるが、現在のところ両レースとも目標に設定されているウマ娘が存在しない。そのためURA式シナリオでうっかりバレンタインやファン感謝祭で固有Lvを上げるためのファンが足りない事故を防ぐ……などといった明確な恩恵は受けられないものの、まああって損はないと思われる。

一応負になりうる影響として出走条件のファン人数も増えると思われる。東京スポーツ杯ジュニアステークスは350人から前ターンの京王杯ジュニアステークスと同じ375人、紫苑ステークスは1000人から同ターンのローズステークスと同じ1750人になると予想される。紫苑ステークスがメイクデビュー一発勝利から向かえなくなるが、URA式シナリオでは現在のところどんなに長くても夏合宿締切でファン数を稼ぐ目標があるので、問題が発生するほうが珍しいだろう。

 

 

ダートレースの新設について

現在ウマ娘の番組表に組み込まれておらず、中央所属の競走馬が出走することができ、国内グレードがついていて、さらに現在ウマ娘に実装されている地方競馬場で行われるレースはブルーバードカップ(クラシック1月前半相当のJpn3、船橋1800m)・雲取賞(クラシック2月相当のJpn3、大井1800m)・京浜杯(クラシック3月後半相当のJpn2、大井1700m)・不来方賞(クラシック9月前半相当のJpn2、盛岡2000m)・羽田盃(クラシック4月前半相当のJpn1、大井1800m)・東京ダービー(クラシック6月前半相当のJpn1、大井2000m)の各グレード2レース。

これらがダート三冠路線の整備に伴って昇格されたということもあり、クラシック級の前半に固まっている。元からダート路線は全日本2歳優駿からジャパンダートダービーまでの間に3レースしか重賞が存在せず、この期間に走れるレースが存在するのはシナリオギミックによってはいい方向に振れることも多いだろう。そもそも単純にファン数稼ぎなどにおいてもグレードの高いレースに出られるほうが当然いい訳で、現在この6レースに出走経験のあるウマ娘が発表されていないということもあって増えるぶんには問題がないだろう。他のレースと重なる場合でも、G1以外はダートに走れるレースが増えたほうが嬉しいし、G1はG1である種しょうがない面もある*4

 

 

ダートレースの変更について・時期のみの変更

現在ウマ娘に実装されているレースのうち大きな開催時期変更のみがあったレースはクイーン賞(両年12月前半からシニアのみ2月前半付近へ)・エンプレス杯(シニア3月前半からシニア5月前半付近へ)・川崎記念(シニア2月前半からシニア4月前半付近へ)。

クイーン賞の開催回数が減ることもさることながら、ゲーム内ではG1扱いの川崎記念が大きくお引越し。ダートウマ娘がファン感謝祭用に走れるG1がひとつ減るほか、ワンダーアキュートホッコータルマエは目標レース。その中でもワンダーアキュートは「川崎記念の後スマートファルコンはドバイの国際G1に向かい、アキュートは大きな目標をひとつ失う」という展開のため*5、この変更が発生すると4月の前半に翌年3月のドバイに向かうことになって大きく話が食い違ってしまう。一応ドバイに行くための長期休養などと言えばどうにかならないこともないが……というのが所感である。

ゲームのバランスとしてはマイル~長距離走れるウマ娘が走れるG1を全て走る、という因子用育成をした際に肌荒れチャンスが1回増えてしまう。これもこれで育成が上手くいっていないときの足切りが厳しくなると考えれば、そこそこな影響があるかもしれない。

 

 

ダートレースの変更について・名称変更を伴う変更

ジャパンダートダービーについては開催がクラシック7月前半からクラシック10月前半付近に移行すると同時に名称が「ジャパンダートクラシック」に変更になる。

名称変更の影響としてはロゴと出走時のロゴ3Dモデルの作り直し。そこそこな手間と見ることもできるだろうが、その辺の手間については浅薄な筆者の知識ではどうにも分からない、というのが正直なところである。

そして開催ターン変更に伴って、クラシック級マイルチャンピオンシップ南部杯と同ターンに開催されることになる。これによって5名のウマ娘がクラシック級のマイルCS南部杯に出走できなくなるが、シニア級のほうには全バ出走可能。クラシック級10月前半に開催されるレースはすべてシニア級の同ターンでも開催されるため、この場所であれば大きな弊害は出ない(アグネスデジタルの特殊出走イベントとスマートファルコンの地方巡業イベントが回収しづらくなるぐらい)。ただ「ついでだし他の三冠競争3つめと同じターンに開催しよう」となった場合は菊花賞秋華賞が潰れることになるため注意が必要。

 

 

ダートレースの変更について・距離変更を伴う変更

マリーンカップが両年12月前半ターン開催からシニア級2月前半になり、船橋1600mから船橋1800mに変更。距離は200m伸びるものの3年目頭のG3で有効加速を気にすることはないだろう。この変更がされる場合川崎記念も移動している可能性が高いため、そういう意味でダートのバッティングを恐れる必要はないと思われる。そういう意味では開催回数も減ってはいるが影響そのものは小さいだろう。

 

 

 

ダートレースの変更について・開催地変更を伴う変更

さらに大きな変更としてレース開催地や距離変更を含むものが2レースある。

もっとも直接的な被害が出る変更がユニコーンステークス。開催時期がクラシック級6月後半からクラシック級4月後半に移動になるのに加え、開催が東京1600mから京都1900mに変更になる。ウマ娘では1801m以上を中距離と分類しているため、ダートマイルのレースがダート中距離のレースへ*6。そしてユニコーンステークスシンコウウインディタイキシャトルの目標レースでもあるのだ。シンコウウインディは中距離適性がBだがタイキシャトルはE*7。間に継承が1回しか挟めず5着以内目標でもあるため1着取得の難易度の上がり方は強烈。初期にはシンボリルドルフサウジアラビアロイヤルカップが話題になったりもしたが、いくらトレーニング期間があるとはいえ……感が否めない。追い打ちをかけるようにタイキシャトルの固有二つ名「最強マイラー」はユニコーンステークスの勝利が条件*8のため、何を言っているんだお前は状態になってしまう。

具体的なユニコーンステークスの回避方法としてはURA方式の育成目標に従うシナリオではタイキシャトルユニコーンステークスを特別開催として東京1600クラシック6月後半開催にすることだが、場所だけならともかくレース日時まで変更するのは類を見ないため実際にできるのか不明。実馬が「3歳限定戦のマイルなら何でもよかった」と参戦し快勝したレースだけに、そこまで苦戦を強いられるのも難しい問題である。

そして被害は少ないが甚大な変更を求められるのがTCK女王盃。こちらは「兵庫女王盃」と名称変更をしたうえで大井1800mから園田1870m*9に変更。ウマ娘に実装されていない園田に移設されるということは、園田レース場を新しく実装しない限りこのレースはウマ娘から消滅してしまうことになる。一応園田競馬場にはスマートファルコンが優勝したJpn2兵庫ゴールドトロフィーコパノリッキーが優勝したJpn2兵庫チャンピオンシップなども存在するためできなくもないが、1870mの終盤開始が残り623m付近とかいう端数のヤバそうな数字になる。

 

 

その他細々とした変更

各種賞金額が変更になる。主にG1級競争に関しては増額の一途を辿っているため、おそらくそれに合わせて決められている取得ファン数に関しても増えると思われ、様々な事故が減る可能性は高い。

ただし軽く調べただけだが、中央開催の中でもレパードステークスは賞金が下がっている。ホッコータルマエの育成目標であるため、こちらはファンボーナスやレースの組み合わせによっては1レース増えかねない……という可能性もなくはない。無さそうだが。

 

 

個人的見解

芝重賞の格上げとダートレース追加に関しては問題が無さそうだが、それ以外の開催時期変更については(特に川崎記念ユニコーンステークスの)影響が非常に大きく、育成シナリオの改修と同時にしないと難しそうである。

確かに過去、特に初期勢の育成シナリオは後々に追加されたウマ娘によって拡張できるような内容も多く、リライトが待たれるところではある。しかしその作業によって新規ウマ娘のシナリオが遅滞するのは商業的・コンテンツ展開的にも厳しいところが多いことは容易に予測でき、それを考えると軽々にそういった調整をしてほしいというのも無責任なのだろうと思う。それが「現行に近い形にする」というゲーム的要素の薄い、なおかつ新規追加ではなく従来の要素の移動というのは、なかなかに費用対効果が望めるかは難しい。

 

 

 

 

後書き

というわけで今回はウマ娘の番組表更新の可能性について調べてみました! いかがでしたか?

……というわけじゃないですけどつらつらと書いてみたわけですが、やはり難しい。知人との話題としては「3周年で実装される新シナリオ以降は2024年の番組表でる」とか案が出たものの、どう考えても初心者やシナリオ読みに一番簡単なので適当にやりたい人切り捨てすぎだろになって却下という結論が出たり。やはり3年間これでやってて今から変えるのは並々ならぬ努力が必要ということになりそうです。それはそれとしてめっちゃ変わってる。

ズレていくとはいえ競走馬との時代のズレをうまく生かしたシナリオもあるわけですし、うまいこと消化してくれることを祈っていきましょう。

 

では、また何か思いつきましたら。

 

 

 

 

*1:フォワ賞ニエル賞凱旋門賞においても、ニエル賞が流行病の影響で中止されなければそれぞれ9月前半と10月前半にあたりそうな時期に開催されていた。

*2:ジュニア級11月後半、東京1800

*3:クラシック級9月前半、阪神1800

*4:もし実装するならクラシック三冠・トリプルティアラ・ダート三冠はすべて同じターン開催なのかなという気もする。

*5:だいぶうろ覚えなので間違っていたらごめんなさい。

*6:実際に京都砂1900mのレースはアルデバランステークスと平安ステークスが中距離レースとして実装されている

*7:現実のタイキシャトル号は中距離レースを1回も走ったことがないので盛られているほうという説もある。おそらくシニア級のサイレンススズカ周りの隠しイベントを回収しやすくするため。

*8:ユニコーンステークス安田記念を含むマイルの重賞で5勝以上し、うち1勝以上は天候(雨)で勝利かつ、マイルチャンピオンシップを5バ身差以上で勝利する

*9:誤植ではない。園田競馬場は自然地形によって中途半端なコース設定がまま存在する。

ウマから入ったふわふわ人間が去年と今年の競馬を少しだけ追いかけられた話

 

 

 

(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。今年はちょっと身の周りの整理があり、ひとりアドベントカレンダーはロクにできないという結論が出ました。あんなの毎年やるもんでもないし。

ただ今年の下半期は相変わらず全然キーボードを叩いていないな、という気持ちもあり、リハビリとしてちまちま叩いておこうかなという気持ちです。それで今回の記事は自分語りになるんですね。体験したことと考えてることを直で垂れ流せば済むだけなので。

そんなこんなで今回は少し遡って、去年と今年のリアル競馬を見ていた体験記でもつらつら並べていこうと思います。ほぼノープランで今から書き始めるのでめっちゃ長い可能性もめっちゃ短い可能性もありますが、ご容赦のうえ笑っていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

出会い/2022年春

 

「僕の指名馬、皐月賞出るんですよ」

そんな話をボイスチャットで聞いたのは、22年のどのタイミングだっただろうか。

2021年5月、参加している『捜査一課』*1ではPOG(ペーパー・オーナー・ゲーム)が開催されていた。POGは簡単に言えば「2歳馬を新馬戦開始前に一定数選び、1年間の選んだ馬たちの賞金総額で競う」……みたいなゲームだと理解していた。自分がウマ娘を本格的に始めたのは6月だったせいでPOGには参加できなかったが、専用のチャンネルを覗けば毎週一喜一憂が楽しめていた。ウマ娘をしっかりやるようになってからは徐々に覗く頻度も増えた。多分、「コイツならちょっと押せば沼に入るんじゃないか」と思われていたような気がする。

本当にそんなたくらみが先方にあったかはさておいて*2、「心臓ヤバいから一緒に見ませんか」なんて言われて別段断る理由もなかった私は説明をつけながらも最終的に了承することにした。それから彼の指名馬を聞く。

 

身内ルールの「ウマ娘血統にあたる馬を指名する」という枠で、「キタサンブラックだし最近流行りの母父だし」という理由で指名されたその馬を。

その年のPOGでは注目度が高くなかったものの、重賞勝利から中山G1へ歩を進めた馬を。

異例のローテーションでヴェールを脱ぐ、父の初年度産駒を背負って立つ馬を。

イクイノックスの名前を、私は初めてそこで頭に刻んだ。

 

イクイノックスという馬について一番最初に感じたことは、「名前オシャレやな」だった気がする。equinoxという単語が昼夜平分時を表す、という知識は『マジック:ザ・ギャザリング』の謎カード*3のおかげで知っていて、父キタサンブラックと母シャトーブランシュの黒と白を取って、というイメージはすぐに湧いた。名付け凝ってるなぁと思ったし、「名前は一生モノだから」という擦り倒されたフレーズに納得もいった。

 

話は変わるが、そもそも自分はスポーツ観戦がそれほど嫌いではない。よっぽど複雑だったりマイナーだったりじゃなければルールは素人程度に頭に入っているわけだし、本質的に何かを見て誰かと話すことが楽しいと思う側の人間である以上そういう流行に乗るのもそこまで大きく苦ではなかった。

ではなぜ流行りに流行っていた21年の秋に競馬を観なかったのか。一番大きな理由は、疫病神だから、である。

基本的に応援しているほうが負ける。遥か昔に「一般人の趣味を」と思って野球を1シーズン見てみたこともあるが、月に4~5試合とかのペースで見たうえで応援しているほうのチームが勝ったことが片手ぐらいしかなかった*4。他の大会などでもこの疫病神っぷりは遺憾なく発揮され、中学の時クラスメイト数人に「お願いだから運動会の日は学校に来ないでくれ」と言われたりもした*5

当然そんなものは統計でデータに落とし込めばそんなこともないのだろうし、自分が見ているから結果が変わるなんてバカげた話である。でも、その「気の持ちよう」の壁を越えられないほど、我が心の障壁は高かったのである。リアルタイム性を捨ててさえしまえば、結果の確定したものを心おきなく見ることができる。目の前で起こっているものを皆で楽しむことはできなくなったとしても、話題に乗るだけならそれでもいい。誰に何を言われなくとも、ありもしない自責の念に駆られるぐらいなら。自分はそういう後ろ向きな思考の人間である。だから21年のマイルチャンピオンシップジャパンカップも、当日の夜まで競馬系のタイムラインをなるべく見ないようにしていた。

それでも皐月賞は見ようと思ったのは、やっぱり知り合いという存在の力だろうか。まあ大外枠からジオグリフに差し切られて2着だったので結局ひととおり謝る展開をしたのだが。

 

結局ダービーも大外枠から2着。今度は差し切れなかった。とはいえレコードのダービーを見届けてひととおり指名者の方の「いや~~~」を聞き、イクイノックスのニュースからはいったん離れることになる。この年の一課身内POGには参加していたからだ。自分の指名馬の動向を見てやきもきすることに夏競馬は終始する。

そして、あくまで動向以外のニュース――具体的に言うとレースをリアルタイムで追うことはしなかったのである。

 

 

 

 

 

決意/2022年秋

 

別の参加者のPOG指名馬がレコードタイを出したりだとか、思ったよりも指名馬が人気しているだとか、そういうことにドタバタしながら迎えた秋。イクイノックスは菊花賞ではなく天皇賞を目指すというニュースも出ていた。しかし日曜日になるとすっかり私は天皇賞秋当日だということを忘れていたし、おそらくその方が精神衛生上正しかったとも今は思う。

とにかくそんな様子だったから、その日の15時40分を少し回ったタイミングでTwitter*6を開いたことには、何の意味もなかった。本当にただタイムラインを見ようとしただけだった。

おすすめトレンドの『サイレンススズカ』を見るまでは。

 

遥か昔*7に書いたが、そもそもウマ娘に触れようと思ったキッカケがアニメウマ娘1期のサイレンススズカ天皇賞秋への解決方法だった。だから当然実際の天皇賞秋のレース映像も(キツすぎて1度だけだが)見ていた。今冷静に考えれば、このトレンドと天皇賞秋からは悲劇だって予感できたと思う。

でも、なぜかあの時の自分はノータイムでそのトレンドを押して、レース映像を見た。

1000m57.4秒。ただ1頭だけ大欅の向こうを最高速で回って突っ込むパンサラッサ。そして猛烈な差し切り。

細かいことは置いておいて、あのレースが1998年を彷彿とさせるものだったことに異論はないと思う。少なくとも当時は間違いなく「令和のツインターボ」で「あの時の続き」だったわけだし。なお指名した方は「すごい嬉しいけど期間中に勝ってくれよぉ~~~」みたいなことを言っていた気がする。

とにかく、あのレースとそれに連なる大きなうねり、そして悲願のG1勝利を達成したイクイノックスを見て、自分は思ったのだ。「好きな馬の参加しているG1ぐらいはちゃんとレースをリアルタイムで見られるときは見る、それぐらいだけはちゃんと信じて見守ろう」と。

 

まあ中山大障害有馬記念は結局年末の買い出しや用事でリアタイできなかったうえに好きな馬が勝ったりしたのだが、それはご愛敬である。

 

 

 

戦々恐々/2023年

 

そうして色々な決意を固めて、ひとまず指名馬とイクイノックスのレースは見よう……と方針を立て迎えた3月。例のアレ――ドバイシーマクラシックが来るのである。

さすがに海外レースでそこそこ眠い目を擦りながら記憶はある。ただ、正直内容が衝撃的過ぎて全然覚えてない。ドバイの予習はほぼしておらず*8、まず逃げた時点でアレッだったしもっと動くかと思ったら全然中盤競り合いや順位の上がり下がりがないし、ペースの判断基準もわからなかったので速いのか遅いのかわからないまま見守ってたらなんか全然伸びてわからなかった。そしてわからなかったなりに何か目の前でヤバいことをやられたんだろうなという衝撃だけはあって、すぐに何度かレースを見直してノーステッキだったり首筋ポンポンだったりレコードだったりを確認して背骨がぞわぞわした。慌ててタイムラインだったりで関わりのある競馬民の人を見に行ってやはりおかしかったことを再確認し、そのままウシュバテソーロの会心の勝利を見届け、寝不足のまま一旦寝た。起きてもイクイノックスとウシュバテソーロは1着だったし、競馬メディアは各国イクイノックスのことを「なんだあれ」みたいなトーンで褒めたたえていた。

こうなると小心者としては怖くなってしまうのである。上ったからこそ下りるのが怖い。いつか大崩れしてしまったときに、どう頭の中で折り合いをつければいいのかわからない。ましてやミーハーの極みみたいな、典型的な「浅いところから入り強い馬を好きになった」と言われてもしょうがない経緯を辿っているわけだから、そういう意味でも心の中で「ハードルを下げたい」という心理が止まらなかった。

もっとたくさんの馬や戦法を知って、詳しくならなければならない。そうすればもっと冷静にイクイノックスと向き合えるのではないか。こうして3か月前に立てた「好きな馬のG1は見る」という誓いは、めでたく「POG馬のレースはリアタイじゃなくてもいいから確認して、今年のG1は見られるタイミングなら少しでもいいから下調べをしてからリアタイで見よう」に昇格することになった。

ジャックドールと武豊騎手の綺麗な逃げに感動し、フォロワーの指名馬リバティアイランドがG1勝利をさらに重ねてポイントランキングを破壊するのを見届け*9、クラシック戦線にウマ娘の世代を重ね、オフ会中のカラオケルームでみんなで見守った天皇賞春で「タイトルホルダー!?」「ディープボンド差し切れ和田竜二ィ!!」と叫んで平謝りしたり。平場どころかG2すらロクに見ないミーハーとしてはそこそこ楽しく見ていたような気もする。

 

そして迎えた宝塚記念、ファン投票と人気で圧倒的1番人気に推されたのはイクイノックス。当然といえば当然だった。とはいえ、負けうる要素は十分にある……というのが観測範囲においての評価だったような気がする。今日は良馬場ではあるがそこまでいい状態ではないとか、前のレースは前残りだから秋天のような差し脚が効くかは怪しいとか、そもそも虚弱体質でドバイで点滴を受けていたような子の疲れが抜けているのかとか、前走逃げた馬の折り合いがつくのかとか、宝塚記念は外枠のほうが有利だとか……。そういうものの理解がある程度できるようにはなっていた。

迎えた本番は、大外から一気に無理やりまとめて吹き飛ばすような勝ち方だった。想定を裏切られたデータキャラの気持ちがよくわかった。脚質スタンプラリーしてるのは聞いてなさすぎる。

とはいえ見直したり様々な人の意見を聞いていると本調子でなさそうなのはなんとなくわかって、夏全休から秋の大目標ジャパンカップ、という目標を聞いて安心したりもした。

 

敗れたデータキャラの行く先は2つ。データを捨てるか、よりデータを集めるか。自分が選んだのは後者だった。素人でも、聞きかじりの情報を集めるだけしか能が無くても、1ヶ月もあればたくさんの情報が入ってくる。というかイクイノックスとその目標レースについては、1ヶ月もあれば溢れるほど情報が入ってくるような状態だった。

大目標ジャパンカップに向けて前哨戦として天皇賞秋を選んだこと、天皇賞秋に出走馬が集まらず現在の体制になってから最小タイぐらいの少なさになったこと。少ないレースは競り合わないからスローペース→直線末脚勝負になりやすいこと、イクイノックスは基本的に1000mの通過が61秒弱ぐらいになりやすいからスローペースは歓迎なこと、それがわかっているからこそハナ争いがどうなるか。ノースブリッジが「1000m62秒で逃げさせてくれないかな」と言っていたのも合わせて*10、レース展開はスローで進むドバイシーマに近い形になるのかな……と自分で予想を立てた。そんな展開の後方からとなるとやっぱりマークがキツくなりそうで、ドウデュースを筆頭とした少数精鋭のマークの中をどう抜け出していくのか不安になったりもした。

結論から言うと、予想は大外しだった。ハナを切ったジャックドールにノースブリッジは付き合わず、代わりに後ろにつけたのはガイアフォースとイクイノックス。3番手のまま1000mを57.7秒という去年のパンサラッサと大きくは変わらないペース、なおかつ全馬そこまで大きくは離れない隊列で通過して、なぜか前方競馬した馬の中でイクイノックスだけ脚が残っていた。そして掲示板のタイムは、ウマ娘の元ネタを掘っていた時に見かけて覚えていたトーセンジョーダンのレコードを更新する1分55秒2。

当時はVCを繋いで見ていたような気がするのだが、興奮のしすぎで何を話していたか今はまったく思い出せない。ただ去年の1000m57.4はしっかり頭に残っていたから通過タイムを見て「ペースめっちゃ速い」と言い、最終直線立ち上がって前が開けていてまだ脚が残っているのが分かった瞬間に「あ違、終わった!」と応援しているクセに叫び、全部が終わった後にただただ困惑から「これどうするんだよ……」とは言った気がする。今思い返すと本当に自分はイクイノックスを応援していたのか怪しい気がする。自分が理解できる範疇にイクイノックスを落とし込みたかっただけなのかもしれない。

 

そしてイクイノックスとドウデュース、ダノンベルーガジャパンカップへ。想定の時点では9頭しか登録がなく、自分も含めて「マルゼンスキーみたいなことってあるんだ」と思った人が少なくないようだった。最終的には追加登録と回避があってG1馬8頭を含むぴったりフルゲートになりひと安心だった。

さらにこのレースには結局誰も寄せ付けないまま今年の牝馬三冠を獲得したフォロワーのPOG指名馬リバティアイランド、昨年の天皇賞秋で凄まじい対決を繰り広げたパンサラッサも参戦。よくG1を一緒に見る競馬初心者たちでちゃんとどういう感じか知りたいね、なんて話になり、結局天皇賞秋よりもマジメに馬を調べることにした。各馬の特徴、予想される位置取り、枠順の有利不利。「イクイノックス対策会議」と称した展開予想では全択をしらみ潰しに考えた。結局結論は「『イクイノックスを見なかったことにしてハイペースを無視して後方で脚を溜め差し切れることを祈りながら末脚』が一番勝てるが誰もマークしないならイクイノックスがのびのびするだけだし、そもそもパンサラッサに追いつかないといけない以上ペースが極端に下がることはない」という誰にでもわかる結論にはなったが、それでも作っている間とても楽しかった。他にも個人的に応援動画を作った*11りと、11月中旬はイクイノックスのことだけでてんてこまい状態だった気がする。

1枠2番と枠番が発表され最内は最有力のリバティアイランド・ひとつ外はマークしづらいタイトルホルダーと理解してからは「勝ちの石を積みすぎている」という『銀と金』の言葉を思い出して恐怖に慄いていた。当日は昼過ぎぐらいから緊張性のえずきを伴った咳が止まらず、自分でも何目線でこのレースを観るつもりなのかわからなくなっていた。要するに自分は、イクイノックスという1頭の馬に入れ込みすぎていることを自覚させられていた。

バイアスまみれという自覚はあった展開予想は、結局6~7割の誰もが予想できるラインぐらいは当たった。大逃げを打つパンサラッサ、離れて2番手がタイトルホルダー、先行策を取るならイクイノックスが(パンサラッサを除いたうちの)先団にいてリバティアイランドがそれをマーク、少し離したところにドウデュース。スターズオンアースが先行策を取ってリバティアイランドに完璧なマークをつけたのは予想外だったぐらい。パンサラッサを差し切りつつ対イクイノックスで受かるポジションとして前方に有力馬のほとんどがつけるという、どこをどう切っても真っ先に思い浮かぶようなほぼ理想展開。

ラッキングが一瞬NO SIGNALになるほどのハイペースで逃げるパンサラッサが4コーナーを回って、去年の天皇賞秋の構図と完璧に被った時にボイスチャットで「行くのか!?」とどよめきがあがる。一瞬先頭スピードが60km/hを割ったのを見て、勉強の成果は「同じ距離のドバイシーマでイクイノックスは押しただけで65km/h出る」と警鐘を鳴らした。思わず零れた言葉が「いける」だったか「ダメだ」だったかについては、正直自信が無い。

結局イクイノックスは冗談のように加速して、後ろを少しよろけさえしながら必死に追いかけるリバティアイランドの4馬身前、ダービーで追い越せなかった背中の0.1秒先を悠々と過ぎていった。

 

イクイノックスの引退が発表されたのは、それから4日後だった。

 

 

 

それから/2023年12月

 

正直に言って、安心した。種牡馬入りの事情があるのもわかっていたし、それはそれとして秋古馬三冠や天皇賞春、なんなら安田記念まで見たいとは思っていた。見られるならいつまでも見たかったのは確かだけど、それ以上にどこかで間違いが起こってしまうことが恐ろしすぎた。聞き分けのいいオタクとか種牡馬の価値とかではなく、ケガや最悪の事態でイクイノックスという存在が目減りしてしまうことにきっと耐えられないところまできていたと思う。ジャパンカップの構図で「自分はこの馬にも脳を焼かれていたんだな」と認識したパンサラッサも、何事もなく引退しセカンドライフを迎えるという報道に胸を撫でおろした。

イクイノックスの引退式では泣かなかった。現実感のなさだけがふわふわとしていて、戦闘モードに入っているとさえ思えるディクタスアイに少し笑って、たくさんの人に愛されていた名馬の現役を追いかけられたことの感慨に耽っていた。

そしてこの記事を書くためにレースを見直してボロッボロに泣いた。名レースには全馬全陣営のたくさんの思考と感情とアドリブがあって、イクイノックスをどうやって倒すよう作戦を立てたのか、イクイノックスはそれにどうやって勝つのかを自分の中で反芻するだけでぼろぼろになってしまった。こういう見方が自分に染みついたのは、ある意味ウマ娘のメディアミックスでのレースシーンから入ったからかもしれない。情報を入れて咀嚼して、ようやく自分は競馬観戦初心者にして現役時代語りおじさんの第一歩を踏み出したんだなという気はした。

 

おそらく、イクイノックスと同じぐらい入れ込んでレース展開をガチガチに作るような馬が自分にできるのはしばらく時間がかかると思う。有馬を見た後はのんびりG1を見て藤田オーナーの進路に期待したり、来年のPOGに向けて血統を本当に軽くだけ調べたりするぐらいで、ここまで煮詰めた競馬観戦をしないままゆっくり春を待つ予定だ。

でもそれは休憩が必要なだけで、楽しくなかったわけでは決してない。たぶん一緒に競馬を見る初心者グループの中で誰よりも前のめりだった自信があるし、イクイノックスに教えてもらった競馬の見かたは本当に、本当に楽しかった。賭けることはきっと無いけれど、競馬の情報を追いかける習慣はそうそう無くならない気がする。好きな競馬配信者さんもこの1年で見つけられたし、リアルタイムで何かを見る勇気や、文章や動画など形に残したいという気持ちも含めて、本当にたくさんのものを貰えた気分だ。

だから、手前勝手ながらこの言葉で終わりたい。

 

イクイノックス、ありがとう。楽しかったよ。

 

 

 

 

後書き

特にこの2か月は自分でも思ったよりイクイノックスのことしか考えてなかったし、こんなレース見て泣くタイプになるとは思っていませんでした。そして本当にありふれた内容しか書けなくて申し訳ない。でも自分的に本当にイクイノックスのおかげでほんの少しだけ上向きになれた気がしているので許してほしい。

結局冗長の極みみたいな量になってしまいましたが、この辺りで終わりにしておきたいと思います。有馬記念どうなるんでしょうね。全員同着になってほしいぐらい勝ってほしい馬が多すぎる。誰か第二魔法を使えるようにしてくれ。

それでは、また何か思いつきましたら。

*1:お世話になっているアイマス系列の謎のDiscordコミュニティ。基本何をすることもなくみんなでだらだらだべってゲームをしている。それもいい。

*2:恐らくそんなことはなかっただろう

*3:《Equinox》。ざっくり言うと「自分の特定のカードを破壊する効果を無効にする」みたいな効果を持っているが、「自分の特定のカードを破壊する効果」とはどこからどこまでを指すのかよくわかっていない……みたいなとんでもない穴の開いているカードとして有名。

*4:もちろん見ていなかったときは全部勝ってたわけではないが

*5:これに関しては運動音痴の自分も多分に悪いところがある

*6:当時

*7:オープンリーグスコーピオ杯1周目の記事

*8:事前に見ていたのはG2時代ステイゴールドの2001年のものだけ。

*9:本人は「名前の雰囲気の良さと、母名ヤンキーローゼスがちょっと面白かったから」と指名理由を言っていた

*10:あまりにも純真無垢な自分は当時このコメントを見て「ならイクイノックスは逃げるのでは……?」と一瞬普通に思った気がする、当然願望とフカしだとは思うが

*11:一応公開領域には置いてあるが身内向けと言われるとそう

今年のRiJが終わってから今までのRiJの好きなランを紹介することにどれだけの意味があるのか

 

 

 

(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。RTA in Japan(以下「RiJ」)ロスがヤバい。Twitchつけて「あ、やってない……」ってなる。今年の夏は6日間開催だったってことは、ロスは2日間開催だった頃の3倍ですからね。

寝る時にも流していたRiJSummer2023が終わりあまりにも寂しかったので過去のRiJを見返したりしていたのですが、習性で「こういうのは他人に共有することで文章を書くリハビリにしよう」などと考えはじめ、そして今に至ります。即行動することで躊躇する暇を自分に与えない。まあ後で後悔はするんですが。

というわけで今回は過去のRiJで好きなランを並べて感想書いて満足する回です。RiJ視聴者の皆様方におかれましてはメジャーどころが多くなるとは思いますが、読んでいただける方はしばしお付き合いください。

 

 

 

RTA in Japanとは?

 

rtain.jp

 

RTA*1メインのスーパープレイを有志の方々が披露する、だいたい夏のお盆と冬の年末に開催される日本最大級のRTAイベント。開催月のTwitchチャンネル収益やドネート、グッズ売り上げの一部などは税金を差し引いて国境なき医師団に寄付されるチャリティーイベントでもある。2016年年末から開催されているが、年々規模は拡大し続けている。

 

 

 

 

【スーパープレイ部門】

 

ものすごく当たり前のようなことではあるが、RTAプレイヤーはだいたいの場合そのゲームが上手い。RiJに登録し当選する*2ような猛者であればなおさら。

素人目にも「何かおかしいことが起きている」と思わせるようなプレイは、クイズ王の早押しやスポーツ選手のありえないプレーのような、隔絶しているからこその美しさがある。

今回この部門では主にグリッジというよりもスーパープレイの方向に重きを置いて*3、どうにか5つに絞ってみる。

 

 

スーパーモンキーボールデラックス Ultimate Normal (2019冬)

 

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「ボールに入った自キャラを転がしゴールに運ぶ」というゲーム性から最大限繰り出される難所の数々を、テンポのいい喋りとともにばったばったとなぎ倒す。乱数が絡まないというゲームの特性を活かし、いわゆるポーズバッファを使ってフレーム単位の調整から正確に操作することで同じ結果を出力させる技は、素人が手を出したらヤケドしそうなヤバさを明らかに感じさせる。なお走者のゆとりんさんはこの後公式YouTubeチャンネルに達人プレイヤー的な立ち位置でご出演なされた。凄い。

 

 

EQUALINE All Missions (2022夏)

 

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人外の集うパズルゲーム枠からのピックアップは「算数」。盤面にある数字と計算記号を通って目的の数字を作る、というシンプルかつわかりやすいゲーム性から繰り出される、"ちゃんとドン引きできる"超計算スピード。ルールが簡単ゆえに味わえる、どこをどうやっても勝てない絶望感が心地いい。……本当にパターン暗記じゃなくてガチ計算なの?

 

 

Factorio Any% (2022冬)

 

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工場のラインを整備しとにかく効率よく目標まで自動化し続ける……というハマる人間は人生を破壊しかけるレベルでハマる伝説のインディーズゲーム。事前のチャート選択や正確な操作が主に求められるゲームの中で、自分のミスだけではなくエンコードの不具合などにも泣かされながらも、ただただ効率よく効率化していく姿は圧巻の一言。動画の不具合はあるが一見の価値は間違いなくある。ちなみに走者のMazmotさんは2023年8月に世界記録を更新されていた。おめでとうございます。

 

 

Trials Rising Ninja% (2023夏)

 

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最新回からはバイクトライアルのゲーム『Trials』シリーズの最新作。公式が用意していいレベルを超えているようにしか見えない超絶難易度のステージ*4を、重心操作とアクセルブレーキだけでガンガン乗り越える。チェックポイント通過即リトライ可能という条項が何一つ譲歩に見えないし、前半のテンポと経過時間から目標タイムを見て後半の難易度を察せられる。左下の操作を見ると「なんでこれでこうなるのか」と困惑もできる。素人目には物理法則と筋力の限界を超えているようにしか見えない挙動も注目どころ。

 

 

キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲 Maxim Any% 4人×2チーム対抗リレー (2018冬)

 

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ニコニコ動画ではテンプレコメントだらけのTASで有名な『白夜の協奏曲』マクシームAny%を、(当時の動画勢からすれば)見覚えのあるTAS技をいくつも駆使しながら駆け抜ける。人は、キシンになれる。ノリのいい解説や観客席の方々も含め、見ていた人には懐かしさとゲームのブレイクっぷりを再確認させてくれる。Twitchチャンネルに残っているコレクションから当時のコメント欄を覗いてみるのもまた一興。

 

 

 

 

【解説部門】

 

RiJ含めRTAイベントにおいては、走者のほかに解説者が置かれることも多い。プレイしながら話すことが難しいゲームも多く、かといって何も喋らずにプレイだけ見せても凄さが分かりづらかったり間が持てなかったりすることも多いからだ。ランの内容があって、という絶対的な前提を下敷きとしても、そういった解説やリアルタイムの掛け合いもRiJの大きな魅力だと思っている。

 

 

リングフィットアドベンチャー Beat World1 Intensity Level 30, Intended (2021夏)

 

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同時接続者数18万人を達成した伝説のラン。レギュレーションは要するに「運動負荷レベル最大で、指示通り運動を行ったうえでワールド1をクリアする」。

関係各所のご尽力や記録保持者の推移、事前の諸々があったうえでの数字だ、ということを前提としたうえで、筆者は実況の田口尚平さんの話をしたい。元テレ東アナウンサーにしてeスポーツキャスターである田口さんは、率直に言ってしまえば筆者の推しeスポーツキャスターである。様々な仕事を抱えているにもかかわらず事前準備を欠かさずキーフレーズを差し込んでくるプロの仕事感、熱量と勢いを第一に伝えようとする姿勢と盛り上げ方、ほんの少しのあざとさととても大きな愛嬌が見え隠れする姿。素人目だが推せる。そしてその良さが十二分に、かつわかりやすく発揮されているのがこのランの実況だと思っている。ぜひ。*5

 

 

カドゥケウス New Blood Any% Normal (2022冬)

 

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ツッコミどころと見た目の派手さ満載の超次元医療ゲームに解説として参加していらっしゃったのは、医療関係者でもあるRiJ名解説者*6Y's(ワイズ)さん。落ち着いていながらもテンポとノリのいいトーンで、医療従事者目線の冷静なツッコミや実体験に基づいた雑談を繰り出していく。テンプレ天丼芸なども含めて緻密に練られた台本などの事前準備にはただただ頭が下がるばかりだし、世界記録に迫るプレイに合わせてこのランをはっきりと記憶に残るものにしていると思う。

Y's(ワイズ)さんは他にも2020年夏の『メタルスラッグX』や2023年夏の『GS美神 ~除霊士はナイスバディ~』などの解説も務められていらっしゃるので、良いと思われた方はチェックしていただきたい。

 

 

Portal Out of Bounds (2021冬)

 

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「Steamの義務教育」とまで言われる『Portal』の壁抜け可なんでもありレギュレーションでただでさえ常人には理解不能レベルなのだが、ゲームの独特な世界観とランのカオスさを引き立てるのがすないぬさんの解説芸。ボイスチェンジャーをつける、言葉の繋ぎ目を空ける、リトライ時には全く同じ解説を機械的に続ける……などといった形でPortalの世界観を補強している。もはやゲーム・プレイ内容・解説の三位一体の総合芸術と言っても過言ではないかもしれない。一度見たら忘れられなくなることうけあい。

 

 

パズルボブル Arcade 1Player (2022冬)

 

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見た目以上に圧倒的に難しいパズルゲームの、圧倒的高みにいる3人の並走。実力と運がともに必要なこのゲームの盛り上げ役を担ったのが、解説のShino.さん。明朗快活ハキハキとした「おねえさん」然とした声質で、忙しい3人並走を取りこぼしもせずスーパープレイにはプレイヤー視点で心からの賞賛を送りつつ……と完璧に回している。不確かなエイムを頼りに球を撃つ姿も合わせて手に力の入るラン。なお2019冬の『パズルボブル2』のランと合わせて「公式の回し者」「パズルボブルのおねえさん」という呼称が定着したShino.さんは後にパズルボブルの公式対戦会に実況解説としてご出演なされた。一般人とは。

 

 

ニュー・スーパーフックガール Extraモード (2020夏)

 

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世界1位と世界2位の並走を解説するのは、なんとゲームの開発者であるクストさん。スタイリッシュフックアクションの宿命とも言える開発者の予期しないルートを、何とも言えない感じで実況するシーンは一見の価値あり。また、そうでなくともそもそも目まぐるしく状況の変わるテンポの速いゲームを、聞き取りづらくならない程度の早口回しでしっかりと伝えてくれる。実況初心者……?

 

 

 

 

ミーム部門】

 

RiJを盛り上げるTwitchのコメント欄には、一定量擦られるミームと化した定型文が存在する。その中でも視聴者たちに残した爪痕が深く、またランにも見ごたえがあるものからどうにか5つを厳選させていただいた。どうして5つにしてしまったのか。

 

 

DEMENTO A ending (2019夏)

 

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「デメる」「花火はまずい」などの震源地にして、「RiJのホラー枠は縁起が悪い」というとんでもなく当たり判定の広い風評被害の発端のひとつ。世界1位の走者の素晴らしいラン……のはずだったが、なぜか次々と発生するアクシデントとミス。外で花火大会が始まり、画面共有用の配信が謎の成人指定を受け、精神的動揺により連鎖するミスに予定タイムオーバー、挙句の果てにフリーズ……。本人すら出禁を危惧するレベルのグダりっぷりにコメント欄は諸々の渦に包まれた。YouTubeだとどうしてもただミスが強調されて見えるかもしれないので、ぜひTwitchコレクションでコメント欄と一緒に。なお走者のソードフィッシュさんは無事出禁ではなくRiJの名物走者・解説者になった*7

 

 

15m challenge tournament (Barbie Super Model) Any% Super Model (2018冬)

 

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ピクセルパーフェクト」とそれに伴う変形型「フレームパーフェクト」の発信元。本番15分前にRTAを行うゲームを走者に発表し、短い練習の後ぶっつけトーナメントを行うという企画で、走られたのは『Burbie Super Model』。短時間・覚えることが少ない・見どころがある、という難しい条件に見事に合致したゲームに、練りこまれた天丼芸と、初心者・ガチではないエンジョイトーナメントということも相まって白熱するバトル。無駄にテクニカルなピクセルパーフェクトも見逃せない。

 

 

ポケットモンスター ソード&シールド Any% with DLC (2021夏)

 

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コメント欄で見かける謎の気持ち悪いスイクン*8の発祥。DLCダイマックスアドベンチャー226体からランダムで引ける1体を主軸として進行していくにあたり個別チャートを大量に用意した右下のキャロさんだったが、結局スイクンが捕獲できたうえにスイクンより速くなりうるポケモンが出ずにスイクンチャートに収まってしまい、しかもそのスイクン個体値C0*9……という波乱万丈。四者四様のチャートもあって本走も大変に面白く盛り上がったのだが、なぜかこのスイクンだけが一人歩きしてしまった。なおこのスイクンが爆発的に広まったのは本走が終わってからである。また、このランの遥か後に発売された『ポケットモンスター スカーレット&ヴァイオレット』では触手の生えたスイクンのような見た目をした「ウネルミナモ」というポケモンが追加されまた話題になった。

 

 

Paris Chase Any% (2022夏)

 

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「セーヌ枠」「ナイスセーヌ」の本元……というか、本元となったゲームがRiJで初披露され周知された回。海外イベント「Summer Games Done Quick 2021 Online」でこのゲームが披露された際の公式日本語ミラー配信で生まれたミーム*10で、CPUとの対戦レースゲームにして「相手をコースアウトで走行不能にしても勝ち」という悪用しか考えられないシステムにより相手をセーヌ川に投げ落とした際の掛け声。下準備とばかりに障害物を車体で掃除し相撲の決まり手のような形であの手この手で相手を事故らせる姿はあまりにもシュール。以降荒々しい運転が含まれたりややバカゲー寄りなプレイをするレースゲームを「セーヌ枠」と呼ぶ一派が現れるほどには視聴者の心に刻み込まれた。

 

 

Racing Lagoon Any% (2020夏)

 

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RTA界隈で生まれたミームではないが多用される、いわゆる「ラグーン語」の母体。やけにポエティックな語り口や独特な英語の使い方、「……冗談じゃねぇ…」「ごま塩程度に覚えておいてくれ」などの汎用性の高いセリフなどが、深夜帯の視聴者にあまりにも強いインパクトを残した。それはそれとしてゲームもRPGとレースゲームの融合と見どころが高く、走者の細やかな技術もまた面白い。コメント欄はとにかくラグーン語で一色だったので、こちらもぜひTwitchのコレクションアーカイブで。

 

 

 

 

【特殊なゲームやレギュレーション】

 

ギネス世界記録がそうであるように、RTAで記録を競うにあたり様々なレギュレーションが考案される。もちろん競争性・時間を縮めるにあたっての技術介入性が低いものは難しいが、いわゆる「魅せプレイ」として様々な特殊ゲームやレギュレーションが考慮されてきた。RiJでは近年スーパープレイ枠としてシューティングゲームのハイスコアアタックなどが採用されているが、それとはまた違った形の特殊ゲームを3つだけご紹介させていただきたい。

 

 

スーパーマリオ64 70 Stars Blindfolded (2021冬)

 

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Blindfoldedは「目隠し」である。つまりゲーム開始から「てんくうのたたかい!」を制してタイマーストップまで、一切映像情報なしでプレイする。

それを可能にしているのが熟練の目隠しRTA走者であるBubziaさんの正確無比なチャート構築力・記憶力・再現力。世界屈指の目隠しRTA走者であるBubziaさんは様々なゲームで目隠しRTAを行っており、予定タイム2時間以上の長丁場であるこのレギュレーションでも完璧なセットアップから魔法のようにスターを獲得する。わけのわからないものを見たいときにぜひ。

なおBubziaさんはRiJに何度もご参加なされており、これ以外にも『Deltarune』『大乱闘スマッシュブラザーズDX』、そして今回のRiJ2023Summerでは『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』を見事完走された。……なんで? またBubziaさん以外にも目隠し走者は近年増加傾向にあり、『マイクタイソン・パンチアウト!』『海原川背・旬』『ときめきメモリアル』など……なんで???

 

 

カービィボウル 3Keys Normal Courses (2020夏)

 

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ニコニコ動画のTAS*11界隈で非常に話題になったなるしすさんの動画『3つのボタンでカービィボウル*12のルールで行われる8コース+表ボス戦のRTA。ぱっと見わかりづらいが、方向転換もカーブボールもできず最初に出る自動ガイドの方向に発射するしかない超鬼畜ルール。元動画がTASであることもあり、フレーム目押しの緩和など人力一発勝負で再現できるチャートの再構成も凄まじい。3つのボタンでカービィボウル界隈のことは「学会」と呼ばれており*13、学会長なるしすさんのTwitter同時実況なども合わせて盛り上がった。ちなみにspeedrun.com*14によるとこのカテゴリの走者は2名いるらしい。

 

 

KORG Gadget for Nintendo Switch 15分、オールランダム、シーン&ガジェットロック (2020冬)

 

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Switchで音楽を作るためのガジェットアプリである『KORG Gadget for Nintendo Switch』で、製作時間15分+音源・BPM・スケールをランダム決定し変更禁止+8小節縛り。要するにゲームでもリアルタイムアタックでもないという非常に珍しい、この回のRiJのために作成されたレギュレーション。まだスーパープレイ枠が正式決定されていない中で行われた非常に実験的なRTA。ランダムに泣かされながらも作られた曲は果たして。

 

 

 

 

【その他個人的なオススメ】

 

上記の項目に入りきらなかった中でも特に個人的に面白いと思っているもの。こちらも苦渋の決断で絞らせていただいた。お気に入りを全部勧められるなら勧めたい。

 

 

リトルナイトメア Any% (2022夏)

 

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世界1位と世界2位のホラゲー並走なのだが、この回はとにかくガバる*15。短縮技の何もかもをミスってるんじゃないかと錯覚してしまうほどのガバり方なのに、なぜか予定タイムはきっちり守る。ミスをした走者2人の悲鳴と、あまりの事態に溢れ出る3人の笑いがどこか活力を与えてくれる、ホラゲーのはずなのにほっこりするRTA

 

 

ゼルダの伝説 風のタクトGC版) Any% (2020夏)

 

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このランを語るにあたって外せないのが、上動画の2年前に走られた同ゲーム同レギュレーションのランだろう。

 

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予定タイムが2時間50分の驚異のダイエットを遂げている。実は2年前のランの少し後にすべての記録を過去にしうるテクニック(バグ?)*16が発見され、その後も様々なことがあって2年後の予定タイム1時間半に繋がっているのだ。人類の進化の結晶が垣間見える、素敵なRTAと言える。あと3DゼルダAny%特有のメチャクチャ感も分かりやすくて筆者はお気に入り。

 

 

WHAT THE GOLF? Any% No Major Glitches (2021冬)

 

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RTAイベントでは自分の知らないゲームに触れられる。例えそれが、何なのかよくわからない謎ゲーであったとしても。

タイトルの通り「ゴルフってなんだ……?」と言いたくなることうけあいの、パロディ満載インディーズバカゴルフゲー。以降すべての球が転がるシーンにゴルフとコメントがつく原因になったわけのわからないもの。というかそもそも最初のステージの時点でゴールはフラッグにぶつけることであって穴に入れることではない。ユーモアたっぷりな走者さんと解説の方の掛け合いも合わせて、不思議な気持ちになれるラン。

 

 

GeoGuessr 30 Country Streak (2023夏)

 

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2022年にも走られた*17Googleマップストリートビューを使った場所当てゲーム『GeoGuessr』の国名当てモードで30問連続正解を目指すRiJ専用ルール。走者の方は同ゲームの公認プレイヤー。GeoGuessr世界マッププレイヤーであればとりあえず確認するらしい太陽の方角*18はもちろんのこと、電話番号やドメイン、ナンバープレートの色や模様、標識や電柱の植生*19ストリートビューを撮影しているGoogleカーの情報*20など、情報を取れるあらゆる場所から情報を取って知識でシバくプレイを見られる。よりクイズ王の早押しに近いスーパープレイを見たい方はぜひ。

 

 

【RiJ外】弾幕アマノジャク ~ Impossible Spell Card. All Scene No Items (Stylish Speedrun Showcase3)

 

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RiJのTwitchチャンネルではRiJ本番以外にも、有志の開催するRTAイベントを配信し、その活動記録を残す取り組みもしている。その中から1つ紹介させていただくのは、東方projectシリーズの『弾幕アマノジャク』だ。

「回避できない弾幕を、アイテムを使って回避する」という外伝ならではのアプローチがとられている本作を、ノーアイテムで攻略する*21という門外漢からしてみれば製作者の恩情を投げ捨てているとしか思えない恐ろしいレギュレーション。ランダム性の高さも相まって、高い実力とアドリブ力、そして運と祈りの力が要求されるスパルタ種目。思わず前のめりになること必見。

また同一レギュレーションはこのランの約半年後にRiJでも走られており、そちらはこのランの走者ともうひとりの方との並走である。このレギュレーションを走る人間が2人いることに驚きを禁じ得ないが、このレギュレーションのspeedrun.comの走者は世界に5人いるらしい*22。しかも2023年8月に行われた3人並走で世界記録が更新されていた。人類の天井などないことを感じる。

 

 

 

 

 

一旦の後書き

 

とりあえずキリがいいかなと思って各部門3~5個選んではみたものの、まあ当然枠が足りませんでした。普通の将棋とはまた別のアプローチをしており数日前に編み出された新手法が実戦投入された2018冬『最強羽生将棋』とか、無駄に(?)熱い対戦が繰り広げられる2019冬『街へいこうよどうぶつの森 第2回街森借金返済王決定戦』とか、ガバ部門だと茶番のせいでミスをして再走することになった*232019夏『スーパーボンバーマン』や色々あってアーカイブでは音声一部消去の憂き目に遭った2020年冬『サイレントヒル2』。RTA常連勢で言えば『Celeste』や『Cuphead』も何度も披露されているし、派手なゲーム破壊で言えばいつもの走者2021冬『ファイナルファンタジー6』に3Dゼルダ恒例Back in Time*24が乱れ飛ぶ2019夏『ゼルダの伝説スカイウォードソード』、予定タイムだけで明らかにヤバい空気が察せる2020夏『ファイナルファンタジー3』とかネタバレ厳禁にもかかわらずあまりにもゲームが崩壊しているので半分くらいはようわからんまま進行していく2022冬『Inscryption』*25。ひとくちRTAで行くなら2019冬『QWOP』やら2023夏『Gettin Over It with Bennett Foddy』やらのメジャータイトルの他にも、死ぬほど解説の音声がガビっていてそれも面白い2022冬『大工の源さん~べらんめ町騒動記』やセーヌ枠である2023夏『Jelly Drift』がある。ただただ自分の趣味だけで行くなら2018冬『チョロQHG2』に2021冬『NINTENDOパズルコレクションパネルでポン』、2019冬『ルミネス リマスター』や2022夏『VVVVVV』……とまあ挙げればキリがない。今17個ぐらい挙げた。

探したらこういう記事もごまんとあるんだろうな、という気持ちと、そもそもこんな辺境に来る人間は全員このあたり見てるだろうな、という気持ちがないまぜになってはいますが、とはいえこれをインターネットに放流して少しでも自分が好きなものが広まればいいなと思っています。冬も楽しみですね。自分も何かリアルにタイムアタックできる分野がありたい人生だった。

では、また何か思いつきましたら。

 

 

 

 

 

*1:リアルタイムアタック。主として実プレイ時間の短縮を目標としたゲームプレイのこと。

*2:RiJに出るにはゲームやレギュレーション、目標タイムなどを申請したうえで参考記録動画を送付する必要がある。倍率はエグい。

*3:そもそもグリッジ系が好きなのでグリッジを含めると全部ここに入れることになりそうというのもある。

*4:150万人ほどのゲームプレイヤーに対して最終ステージのクリア者は200人くらいらしい。

*5:「この項目だけランに関係ないところ長くない?」という指摘については甘んじて受け止めます。

*6:筆者の個人的な感想です。

*7:筆者個人の感想です。

*8:Twitchスタンプ「PokSuicune」に「Squid2」と「Squid4」を繋げた姿。

*9:とくこうのステータスに補正がない。要するに火力が低く時間はかかるが、当然引き直せるわけではないので一発勝負な以上これで行くしかない

*10:この際の日本語解説役が走者のkamiaさんで、司会進行がRiJ解説のアジーンさん。

*11:ツール使用によって理論値や理想乱数を引き寄せるスピードランやスーパープレイなどのこと

*12:ゴロ/フライの切り替えである上ボタン、コピー能力の使用であるBボタン、ショットとがんばれボタンの役割であるAボタン以外のすべてのボタンを使用できない制限TAS。

*13:主になるしすさんの仕様解析・説明動画が難解で講義のように聞こえたため

*14:おそらく最大級のRTA記録集積サイトのひとつ。

*15:ミスが多発する、のニコニコ動画RTA界隈の言い回し。特定個人発祥。

*16:発見に懸賞金までかかったバリアスキップ。また、表題走の1年半前のHD版のランでは「人間でやっている人は見たことない」と言われていたテクニックも実用化されている。

*17:その時は日本マップで5問連続満点を取るタイムアタックだった。

*18:北側にあれば南半球、南側にあれば北半球。

*19:例:メキシコの電柱は八角形である

*20:例:ケニアGoogleカーにはシュノーケルのような何かがついている

*21:一応達成時の称号は用意されているので理論上はすべてノーアイテムで回避可能ということらしい。

*22:なお現時点でリアルタイム記録1時間を切っているのはこの並走の走者2名。

*23:その後走者の方は世界記録更新をされていた

*24:スタート画面のデモプレイを操作してフラグやセーブデータを持ってくる無法。

*25:とはいえネタバレ要素はあるのでご視聴の際はお気をつけください

アリエス杯オープンリーグを好きなウマで勝つために努力する、と言うにはあまりにも好きウマが長距離で強い

 

 

 

(諸々を飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。最近何してるのか自分でも自信がなくなってきました。あらゆる生活を雰囲気でやっている。

久方ぶりに真面目に書く記事*1ですが、アリエス杯の記事です。ウマ娘チャンミの振り返り記事はまるっと1年ぶりです。もとから別に需要もなかったので個人的にまとめていたものをついでに記事にふんわり成型して公開していただけではあったのですが、キリということで今回は記事にします。記事にしていない間も別に個人で振り返りをまとめてはいたのですが、このフォーマットに戻ってくるとなかなか筆が進まない。既に5回ぐらい「久々の」って書いて消してます。語彙力よ。

そんなこんなでチャンミの一区切り、アリエス杯2周目。弊トレセンのその顛末をご笑覧ください。

 

 

 

 

 

アリエス杯基礎スペック

 

京都・芝・3200m(長距離/根幹距離)・右外・春・晴・良・昼 。

 

モチーフは天皇賞(春)

向こう正面スタート。少し行ったあたりで上り坂が始まり、コーナーを曲がってすぐに反転下り始めるのとほぼ同時に序盤終了。そのまま短いホームストレッチを抜け、第1コーナー終わりぐらいがレース中間点。そのまま向こう正面に戻り坂を上って、上り途中に終盤開始。終盤開始からかなり進んだところで序盤と同じく第3コーナーと下り坂、最終コーナー立ち上がりがだいたい残り400mでそのまま最終直線を進んでゴールイン。

 

 

 

 

 

動機と見渡したメタ

2023年3月20日ウマ娘2周年キャンペーン第4弾の開始と同時に、開発者レターが公開された。新イベントの「リーグオブヒーローズ」の実装と、それに伴うチャンピオンズミーティングの開催率減少。慣れ親しんだ黄道十二星座モチーフからの離脱。そして数日後発表されたアリエス杯の条件は、初めてちゃんと挑んだ*21周目ジェミニ杯と同じ、京都3200m。――やらねばなるまい。

オープンリーグがA+制限になってから、今回のアリエス杯でちょうど12回目である。ウマ娘そのものにもチャンミ環境にもオープン育成にも、あまりにも多くのことがあった。ステータスは1201以上に乗るようになりオープンリーグでもスピードは金色で当然、グラマス育成を使えば逆にステータスを抑えるのに苦労する。去年の夏にはダートのスキルが大量に増え、他にも長距離では《無我夢中》を手に入れた差しが《迫る影》を配布されない追込を上回る予想が多く出た。《鍔迫り合い》も《乗り換え上手》も無条件のまま終盤前半にシフトされ、じゃあ1月に実装された《抜群の切れ味》になんでこんなに条件がついてるんだと困惑もされた。無効発動という憎しみとともに語られた《クールダウン》と《好転一息》も中盤に発動するようになり長距離育成の際は配布サポカである程度賄えるようになり、固有レベルを無理に下げたりするよりも最大値を考えて育成計画を練るほうが強くなった。

自分はといえば相変わらず理論を組むのは好きだが実走は上下に振れ気味で、前回記事後11回のチャンミでは7回優勝。先月大逃げスズカで1着を取り、勝とうが意地でも聴いてこなかったMs.VICTORIAを初視聴するぐらいの人間だった*3。ものすごくざっくりした相談に乗っている程度のエンジョイ勢のフォロワーのほうが勝っている。そういうのもあって特に前年秋はモチベーションが低かったが、新シナリオが楽しく少し持ち直してきつつあったのもあり、今回は「好きなウマで走らせ、勝つ」を目標にすることにした。なにぶん、理論値的には悪くない。というか主に好きなウマ娘2名が京都3200を取っているせいで、とにかく長距離向きなのである。

 

オープンリーグのA+緩和実施後、長距離は12月の有馬記念に続いて2回目。長距離は地力が必要で極端に強い弱いが出づらい。加速スキルへの依存度が高くない(無いとは言わない)以上最低限のスキルを抑えていけばどうにかなると個人的には考えていて、その中でも基本的にスタミナには余裕を持たせ、安定したアベレージを出す……というのが個人的な嗜好だった。もちろんその分ステータスはカツカツになりスキル数が減ることで前に進出していきづらくはなるのだが、それをカバーできるウマ娘も多い。2年目のウマ娘は固有スキルに中盤位置取り系をつけることも多かったのである*4

とはいったもののTierが高いウマ娘はやはり決まっており、逃げでは等倍で固有を打ちつつ他の加速付スピードアップ固有と同じぐらい出るようになったドロワセイウンスカイの《Do Ya Breakin!》を搭載でき、《先手必勝》を進化させることでよりハナを取りやすくなる通常キタサンブラック。先行は《怪物》を積めるBlaze衣装ナリタブライアンやとにかく前に詰めていける水着メジロマックイーン*5。差しは《無我夢中》をデフォルトで用意できる正月サトノダイヤモンド。追込も《無我夢中》に割を食わされている中では確定有効加速の《迫る影》と即時スピード変換スキル《天衣無縫》を両方覚醒させられるミスターシービーが強いと目されていた。後に実装されたサクラローレルが長距離差しの最強候補として鳴り物入りで登場することになるが、とはいえやはり基礎の部分が大事で他多くはスキル構成である程度カバーできるだろう、というのが自分が出した見解だった。また脚溜め戦法*6はスタミナを妥協できない以上パワーを1200にすると絶対に死ぬので見なかったことにした。

こうして、わりに早い段階でメイン構成は決まり、あとは小さなところを詰めていきながら育成を回す。すべては、推しで勝つため。春の盾が欲しい3名に、あの歌を歌わせるためだった。

 

 

 

 

 

育成したウマ娘

 

・逃げ通常キタサンブラック

1174-936-766-484-607 適性S-A-A 14,483点
勝ち鬨ワッショイ!》Lv4
《Do Ya Breakin!》
《祭りだワッショイ!》(進化《先手必勝》)
《爆風一閃!》(進化《烈風一閃》)
《コンセントレーション》
トップランナー
《好転一息》
《脱兎の先へ》
《逃げ直線○》
《長距離コーナー◎》
《春ウマ娘○》

 

妥協ラインは速1100以上・体900・賢600に金回復2(うち1枚は《脱兎の先へ》)と《コンセントレーション》、覚醒スキル2枚習得に加えて最低限《先手必勝》は進化まで。

とにかくハナを取りに行くことを考えたが、やや根性に不安が残るところ。ただ結局スキルを多めに積まないとハナを維持しづらい、という点は残るので、補正や緑スキルを足して1200/900+金回復2/800前後/任意/600、というラインを引いたときに根性がピンク色になるのは物凄く難しい気がして妥協した。

今後オープン長距離を頑張りたい人*7向けに残しておくと、《脱兎の先へ》は696点。

 

 

・先行水着メジロマックイーン

1175-1050-796-503-643 適性A-S-A 14,498点
《きらめくは海、まばゆきは君》Lv3
《夏の名優》(進化《真打》)
《一意専心にリフレッシュ!》(進化《一意専心》)
《コンセントレーション》
《円弧のマエストロ》
《直線回復》
《本領発揮》
《垂れウマ回避》
《攻めの姿勢》
《食らいつき》

 

妥協ラインは速1100・体1000・賢さ600に《コンセントレーション》《マエストロ》《本領発揮》《垂れウマ回避》、距離かバ場S。覚醒スキルは両取得で、最低でも《一意専心》は進化まで。

スタミナを積めば積むほど固有の効果時間が延長になるため、早めに発動しうる回復を多めに入れた。そして「スピードが上がっている」という状態が欲しいだけなので固有レベルは1つ落とした。菊花賞の次が天春なのでグラマス育成でも理事長を避けることなく簡単にファン感謝祭をスキップできる。
《マエストロ》が1/4ほどの確率で《海君》より後に出たり、《直線回復》も向こう正面側だと間に合わないなどと微妙なところがあるがとはいえ《スタミナキープ》だと評価点足りなかったのでどうしようもない。基本はとにかく中盤後半にスピードを上げ前との距離を詰めてから《本領発揮》《垂れウマ回避》でひっかけてトバす形。

後述するが、一番白スキル何を積むか悩んだウマ娘。全部終わってからでも最適解がわからない。

 

 

・差し通常ゴールドシップ

1107-977-872-635-650 適性S-S-A 14,460点
《不沈艦、抜錨ォッ!》Lv4
《汝、皇帝の神威を見よ》
《潜伏態勢》
《クールダウン》
《大胆不敵》
《無我夢中》
《垂れウマ回避》
《ウマ好み》
《右回り◎》
《春ウマ娘◎》
《晴れの日◎》

 

妥協ラインは速1100・体900・力850・賢600に金回復2枚と《無我夢中》《垂れウマ回避》、距離かバ場S。あとは道中スキルをぼちぼち。

今日のゴリ押し。そもそもなぜ通常ゴルシが追込で出されるかといえば確実に5位以下を取りたいからで、逃げが強いならどうにかなるやろという投げやりな意志。というか「ゴルシを出したいが、金加速を暴発すると困るので通常ゴルシだし、通常ゴルシを出して勝つなら《無我夢中》がある差し」という消去法で選択した。

脚質の分布が読めないので、正直《ウマ好み》は余計だったかもなぁと思わないでもない。スピードは実質1300ぐらいあるはずなので《無我夢中》が出るならたぶん一番強い。

 

 

 

 

 

本番の記録

 

アリエス杯を観戦しながら取ったメモをおおむね無編集で垂れ流す。さすがに3200mを等倍で見るとしんどいので倍速で流しており、やや不正確な部分が存在することは承知していただきたい。またチャンミ期間中に激しく体調を崩しており、回し時間などもバラバラである。

 

 

1回戦1日目1回目(5-0)

キ不1-マ好3-ゴ普2
 4-3-2-0。1460-500-770-450-510の金1白1キタサン、ロックか? 逃げ多くてさすがにマックちゃんキツめ(固有が終盤発動)。とはいえまあそもそもスタミナ緑の人が多すぎた。オープン長距離、スタミナ積んでおけば簡単にA予選に抜けられるという定説。
キ普1-マ不5-ゴ好4
 2-4-2-1。1150-1030の通常クリークとか、《逃げ以外けん制》《先行以外ためらい》《先行駆け引き》《八方にらみ》のガチガチデバフネイチャとか。《地固め》《ワッショイ》キタサンは聞いてないっす。サンキュー《トップランナー》。めっちゃ縦にバ群が伸び、《Breakin》差でどうにか引きはがした。でもこれでも上体上がってたのでこっわい。回復全部出たのに……
キ絶好1-マ普2-ゴ普3
 キ出遅れ、ゴ掛かり。3-3-3-0。ローレルいるぅ……回復ないしスタ550だぁ……そんなぁ……。あと逃げ通常クリークとか。……逃げ通常クリーク???? 
キ不5-マ好2-ゴ普1
 キゴ掛かり。(1-3)-2-2-1。長距離S大逃げスズカ!?だったら大逃げ-逃げ-逃げ編成にしないほうがいいんじゃないか!? 楽しみにしてたのに大逃げスズカ出遅れおった! 加速2枚から先行赤テイオーをゴリゴリ削ってどうにかゴールイン。これでもスタミナギリなのあまりにも怖いな……。
キ好6-マ好3-ゴ普1
 ゴ出遅れ。1-3-3-2。《全けん制》《追込以外焦り》《魅惑のささやき》みたいなデバフネイチャが絶好調。そしてめっちゃ強そうな新春ダイヤいる。嫌。やっぱこの《汝、皇帝の神威を見よ》って固有強くねーか?

 

1回戦1日目2回目(5-0)

キ好3-マ好2-ゴ不1
 3-2-3-1。デバフネイチャとか。長距離Eのはずの通常チヨノオーを長距離Aにしたのに回復は《慧眼》なのか……。《八方にらみ》、逃げに当たらないのけっこうヤバそうだな。
キ不3-マ好2-ゴ不1
 ゴ掛かり。1-5-3-0。差し水着スペとか。何事もなく。
キ絶好2-マ不3-ゴ好1
 1-6-1-1。水着ゴルマクいるのはさすがに思想感じるな。さすがに先行が多すぎるのでゴルシとキタサンの一騎打ち。
キ絶好5-マ普1-ゴ普2
 2-1-5-1。カフェとかブライトとか。クリダスカに逃げ切られるかと思ったけどマックイーン初勝利。ゴルシは《垂れウマ》が出なかったのがやや響いたか。
キ好4-マ不2-ゴ普1
 マ出遅れ。1-3-3-2。絶好調追込通常ゴルシとか。マックイーンは帳尻出遅れ来た。ゴルシがカッ飛んですべてを終わらせる時。

 

1回戦1日目3回目(5-0)

キ好6-マ不8-ゴ好1
 2-3-2-2。マ掛かり。先行フェスタは7番人気。ゴルシがヒャー。
キ不3-マ普6-ゴ好1
 2-2-5-0。両ダイヤとか先行秋タマモとか。ゴルシがメー。
キ普2-マ普3-ゴ絶好1
 2-4-3-0。ゴルシがヤー。
キ不4-マ絶好2-ゴ好1
 ゴ出遅れ、マ掛かり。2-2-4-1。《右回り×》ついてる水着マック、今回は右だぞ。掛からなきゃマックイーンが勝ってた。
キ不2-マ不3-ゴ絶好1
 2-4-3-0。逃げ嫁マヤノとか。ゴルシが以下省略。初日で書くことなくなるのヤバいって。

 

 

1回戦2日目1回目(3-2)

キ不7-マ普2-ゴ好1
 1-4-3-1。白マックとかタイシンとか新春ダイヤとか。タイシンより"前"からッッ!! "ネジ伏せる"ッッ!!! 実際5番手から最速《無我夢中》《垂れウマ》はノーカウンターっぽそうではある。
キ普1-マ不5-ゴ好2
 (1-2)-2-4-0。大逃げスズカとか先行クリダスカとかチョコフラッシュとか。大逃げ、今回は2番手でも《勝ち鬨》《Breakin》両方出るからなんかつらそうではあるよな……。
キ普1-マ普4-ゴ絶好2
 2-3-2-2。シービーおるけど覚醒してないな……。珍しくゴルシが回復踏み逃して2番手。なぜ。
キ好3-マ好2-ゴ不6(1着絶好調タイシン)
 キ掛かり。1-3-3-2。シービーとか絶好調タイシンとか。ついに2覚醒完全体ローレルと遭遇(ややスタミナ不安だがたぶんいけそう)。ゴルシが前に出すぎて《無我夢中》が出ず、さすがに調子差で差しきられた。
キ好7-マ不2-ゴ不8(1着ヒーラーグラス)
 マ掛かり。1-1-5-2。秋イナリとかスチパンタイシンとか。後ろ寄りすぎてゴルシ3番手でワロタ。マックイーンは掛かるしキタサンは回復両方出ないしゲロ事故。

 

1回戦2日目2回目(4-1)

キ絶好3-マ不4-ゴ好1
 マ掛かり。5-2-2-0。絶好調通常キタサンどうしのぶつかり合い。というかマックイーンめっちゃ脚質分布に対して繊細だなやっぱ。どうにかゴルシが押し切り勝ちだし、固有出なかったのにキタサン3着……?
キ不2-マ好1-ゴ好3
 1-4-3-1。絶好調カフェとか。2番手から最速固有打って先頭立って《本領発揮》出えへんのかいって思ったら抜き返されたタイミングで《垂れウマ》出てついていき脚質補正と調子差で押し切ることに成功した。
キ普5-マ不3-ゴ絶好2(1着絶好調水マル)
 ゴ掛かり。4-3-1-1。黒マックも今回強いっぽいんだよな……。やはりすごく固有は正義。水マルが不自然な伸び方をしたんだけど、《末脚》1つで5バ身ぐらいつけられなかったか今……?
キ不2-マ普4-ゴ絶好1
 1-5-2-1。絶好調シービーとか。ゴリゴリのゴリ押し。
キ普1-マ普4-ゴ普2
 ゴ出遅れ。3-2-4-0。何事も。体調がまた悪くなってきた*8

 

1回戦2日目3回目(5-0)

キ好1-マ不2-ゴ不3
 ゴ出遅れ。2-3-2-2。走るネイチャとか。特に何事もなく。
キ好3-マ普1-ゴ普2
 1-3-4-1。先頭マックから全員加速発動、キタサンに抜き返された瞬間に《垂れウマ》でついていく。たぶんゴルシは最後ギリでスタミナ切れ減速。
キ好1-マ普3-ゴ普2
 2-3-4-0。ローレルは《無我夢中》は入ってない。外枠独占。このやろー。スタミナ足りてたのに大差出た。やっぱつえーわこの子。
キ普3-マ不1-ゴ絶好2
 2-2-4-1。通常タイシンとか。キタサンがハナ取られて後ろに沈んでいくピンチだったが《本領》で相手のキタサンに縋りついて《垂れウマ》で引きはがす。理想形。
キ絶好4-マ不2-ゴ不1
 2-3-3-1。絶好調Blazeブライアンいるけど差しだ。ゴルマクがイチャついて終わった。

 

 

2回戦1日目1回目(2-3)

キ不5-マ普2-ゴ普7(1着通常皇帝)
 ゴ出遅れ。2-2-4-1。絶好調差しクリオグリとか《抜群の切れ味》《迫る影》シービーとか。なんかようわからんけど負けた。見返したら《乗り換え》クリティカルっぽい? でもなんだろうなこの嫌な感じ。というかゴルシはどこいった。
キ普7-マ不2-ゴ絶好4(1着Blazeブライアン)
 ゴ掛かり。2-3-2-2。《神速》クリティカル+ゴルシがひたすらブロックされるし前に出ない。なんなんだ。
キ好2-マ不5-ゴ不1
 1-3-5-0。内部レート下がってきた気がする*9。バ群がすごく詰まった結果ゴルシがギリギリから《無我夢中》でどうにかした。
キ普6-マ普5-ゴ絶好3(1着クリオグリ)
 ゴ出遅れ、マゴ掛かり。1-3-3-2。かなり良さそうなシービー2枚とか。なんかもうこの時点でだいぶ絶望が見える。クリオグリの《深呼吸》クリティカルっぽい。神ゲーか?
キ不6-マ不4-ゴ好1
 3-3-3-0。白キタサンとか。というかもうちょいいい調子くれ。マジで一切前に動かず3番手-6番手-9番手をキープし続けるし中盤スキルひとっつも出ない。最終的にはゴルシがごぼう抜きしてどうにかはしたが……って感じ。

 

2回戦1日目2回目(5-0)

キ不2-マ不3-ゴ好1
 マ掛かり。1-4-3-1。通常ライスと晩飯いる。マックイーンの儚さを再確認。
キ不7-マ好1-ゴ好2
 マ掛かり。2-2-4-1。非大逃げツインターボとか。君無限に掛かるやん。しかも掛かったのに勝つやん。なんなん?(
キ不8-マ絶好2-ゴ好1
 2-4-1-2。絶好調白テイオーとか。先行Blazeブライアンだと思ったらスタ340で笑った。タイシンで勝ってるだろ。あとキタサン一生調子悪くない? マックイーンはキタサンに勝つには《本領発揮》《垂れウマ》の両方が必要で、+ゴルシがもだつくのが勝つ条件かぁという感じ。
キ普3-マ好2-ゴ好1
 1-4-3-1。何事もなくゴルシが前に出て勝ち。とはいえキタサンが勝たなくなったのはなぜか。
キ絶好3-マ好1-ゴ不6
 1-3-3-2。シービー新春ダイヤ晩飯黒マックと強めの子勢ぞろい。《マエストロ》が遅れたがなんか先頭に立ち、そのまま《本領発揮》ないのに雰囲気で勝った。他の子が新春ダイヤの進化《スタミナグリード》で死んでたとかなのか……?

 

2回戦1日目3回目(4-1)

キ普9-マ普1-ゴ普2
 ゴ出遅れ、マ掛かり。1-3-3-2。絶好調白テイオーとか。マックイーンは掛かる前に《一意専心にリフレッシュ》出たっぽい。もしかしてキタサンの順位が悪いの、一生金回復が出てないだけなのでは?
キ絶好3-マ普2-ゴ不4(1着晩飯)
 3-5-1-0。絶好調クリハヤヒデとか。先行多すぎて前がグズグズになり、ゴルシは調子が悪かった。マジで分布が悪いと死ぬ。マックに《地固め》欲しかったまであるな……。
キ絶好3-マ好4-ゴ不1
 2-4-2-1。絶好調赤テイオーとか絶好調水着マックとか。特に何事もなく。
キ絶好2-マ不4-ゴ好1
 3-3-2-1。キタサンがやや出遅れでしんどい展開……かと思ったら2番手からギリ最速加速を出し逃げ切った……かと思ったらゴルシの猛追。やっぱりゴルシが一番強いな?
キ絶好6-マ好1-ゴ不5
 キ掛かり。3-2-3-1。絶好調秋イナリとか。マジで急にマックイーンが押し切る展開増えたな……? 逃げのクオリティが足りないんだろうか。

 

 

2回戦2日目1回目(4-1)

キ絶好5-マ普2-ゴ不3(1着新春ダイヤ)
 ゴ出遅れ。1-4-4-0。《ノンスト》まで積んでるスーパー新春ダイヤおるって。案の定ゴルシが出遅れて対抗が難しくなり、そのまま差しきられた。出遅れてなかったら調子差なかったのでどうにかなったかなぁ。
キ好1-マ普2-ゴ不3
 キゴ出遅れ、マ掛かり。1-3-4-1。絶好調通常タイシンとか。君らさあ。でも単逃げだったので出遅れ影響が最低限で済みどうにかなった感。胃にはよくないね。
キ不3-マ不2-ゴ絶好1
 キゴ出遅れ。2-3-4-0。みんな新春ダイヤ持っとる。*10そして君ら。なんかキタサンマックで一騎打ちかと思ったら大外から突っ込んできたゴルシがハナ差差し切り。調子差感じる。
キ好1-マ普6-ゴ好2
 3-2-3-1。差し通常ゴルシ、ウチ以外に初めて見た。まあ《無我夢中》はなかったけど。先頭から自キタサン-白キタサン-黒キタサンというあまりにも相手方黒キタサンに不幸な事故が発生、そのまますっ飛んでどうにかなった。悲しいね。
キ普3-マ普2-ゴ好1
 ゴ掛かり。2-3-3-1。非大逃げパーマーとか。全員全加速切ったらまあ後方が勝つかな……。

 

2回戦2日目2回目(3-2)

キ普3-マ普2-ゴ好1
 ゴ掛かり。2-4-2-1。RtT放送後のせいかオペラオーが両方いる。安定のゴルシ。あんなに安定しなかったのに。
キ普1-マ普2-ゴ絶好4
 2-4-3-0。キタサンがポーン。
キ普6-マ不3-ゴ絶好2(1着カフェ)
 2-3-4-0。進化《無我夢中》強いからやめてほしいんだけど新春ダイヤ。ゴルシの回復が1個出なかったぶんと《大胆不敵》の場所ぶんで届かなかった。《垂れウマ》即発動でも勝ってたかなぁ。
キ好2-マ普3-ゴ好4(1着絶好調通常キタサン)
 3-5-1-0。先行通常ダスカとか。全員鬼ほどブロックされた。どうしろと。
キ絶好1-マ普3-ゴ不6
 1-2-5-1。秋シチーだ。まあ絶好調キタサンが強いのはそう。単逃げでスタミナに余裕もあった。

 

2回戦2日目3回目(5-0)

キ普2-マ好3-ゴ不1
 マ掛かり。1-4-3-1。絶好調シービーとか。ちゃんとシービー両進化してるときついんだよな。そしてゴルシが強い。なぜ。
キ絶好1-マ好4-ゴ不3
 3-2-2-2。ドロワウンス初遭遇。まあキタサンが絶好調なので……。
キ好1-マ絶好3-ゴ不6
 ゴ出遅れ、マゴ掛かり。3-3-1-2。秋皇帝とかゴリゴリシービーとか。
キ不2-マ普4-ゴ絶好1
 1-4-3-1。絶好調アヤベさんとか。回復出なかったから《無我夢中》めっちゃ遅れたはずなのになんか勝ちおった。こわ。
キ普3-マ絶好1-ゴ普2
 1-4-3-1。絶好調ローレルとか。ゴルシが突っかかったからマックイーンが勝った流れだけど、そもそも《一意専心に》が出てないのに勝つのもようわからん。加速、いらないのか……?

 

 

決勝

[1]○差しサクラローレル
[2]▲差し通常ナイスネイチャ 【《追込以外ためらい》積んだ半デバフ構成】
[3]自差し通常ゴールドシップ
[4]自逃げ通常キタサンブラック
[5]▲追込通常ゴールドシップ 【加速金2/白3】
[6]自先行水着メジロマックイーン
[7]○差し通常マチカネフクキタル
[8]○先行ハロウィンスーパークリーク
[9]▲先行通常ビワハヤヒデ

 

1-3-4-1。分布としては前4-後5なのでマックにはいいバランスだが、単騎逃げなのでキタサンはちょっと不安定か。ただ全体的に加速はそんなにないため、相対的に《神速》クリティカルが怖い。あとひとりだけ《ノンスト》《一陣》《直線一気》《切れ味》《コーナー加速○》とかいう何が何でも加速してやるみたいなゴルシがいる。こわ。
キ掛かり。回復はマックの《マエストロ》が固有には間に合わなかったものの無事全員発動。加速は2番手からキタサンが両方、3番手のマックが《本領発揮》。ゴルシはやや後ろ残りから《無我夢中》を打つもブロックされる形。後ろから猛追する最速《直線一気》《ノンスト》《切れ味》追込ゴルシに粘りこみ、1と1/4バ身差でマックイーン先頭!!!!!


1着メジロマックイーン。以下自チームは3着キタサンブラック、4着ゴールドシップ

 

 

 

 

 

 

 

 

勝敗記録

勝負:51/61
勝率:83.6%

 

勝ちウマ
キタサン:14
マック:10
ゴルシ:27

 

負けたときの1着
逃げ 水着マルゼン
   通常キタサン
先行 BLAZEブライアン
   クリオグリ
   ハロライス
差し ヒーラーグラス
   通常ルドルフ
   新春ダイヤ
   カフェ
追込 通常タイシン
           各1

 

 

 

 

 

決勝と全体の反省

決勝レースについてはある程度の当たり運とレース展開の運、そして安定性を重視した育成戦略がギリギリで実を結んだ形だと思われる。決勝でお相手することになった2組6名のウマ娘たちがどちらかというとステータスよりもスキル重視だったこともあり、ポテンシャルを発揮できれば最大値の都合でこちらに分があったこと。先行勢の中で前を取りに行くスキルが少ないのが弱点であるマックイーンが前に出られなくても《海君》を発動できる前脚質4の振り分けだったこと。《マエストロ》は《海君》に間に合わなかったものの回復は全部出て、いい形で終盤戦に入りかけたこと。あとは誰かがきちんと終盤スキルを切っていけば勝てる、という状態に持ち込めたのは良かったことだ。そしてここまで勝ちの石を積んでなお追込ゴールドシップにひっくり返されかけた、というのも長距離チャンミの一発勝負の恐ろしさだと思う。
全体として、自チームの勝ち数は事前の予想通りゴルシ>キタサン>マックになった。ゴルシが来られるならゴルシが勝ち、その次にマックイーンが理想的な立ち位置にいるならマックが勝ち、そうでないならキタサンが勝つ。今回は分布的に逃げが単逃げになりづらかったのでキタサンが勝つことが多かった形だと思われる。マックイーンに関しては出場した子以前にも何回も育成をやり直しており、スタミナを1200まで積んで進化1白1にした形、もっと賢さを高めた形などを模索していた。結果として逃げに勝つために《垂れウマ》や《食らいつき》を積んだが、メモ中にあるように《ウマ好み》を積めるのがベストだったように思う。ただ《ノンストップガール》を入れるのはさすがにポイントが足りなさすぎる……というのも水着マックイーンの弱点のように感じた。グレードリーグでは強いウマ娘でもオープンで強く使うのが難しい、という最もわかりやすい例だと思う。
対戦相手を見ると、シービーの出走率が高かったわりには1回しか負けておらず興味深く感じた。グレードリーグの知人は「覚醒スキルで安定はするけど格上の差しを相手にするのは大変」というようなことを言っており、やはり《迫る影》だけで戦ってきた追込の苦境を感じさせた。また進化スキルの評価点計算が面倒というのもあり、進化をしている人が少ないのもオープンの特徴だと思われる。
しかし全体としては(やや先行が割を食ってはいるものの)どの脚質も平等に勝て平等に負けられる、去年のアリエス杯の「誰でも勝とうと思えば勝てるし欠ければ負ける」とは少しだけ違う平等地獄だったように思う。そんな中でスキルやステータスの構成を考えてどれだけ勝率を安定させられるかを考えるのは楽しかったし、そこで回ってきたチャンスを好きなウマたちがモノにしてくれたというのはまた格別の味わいである。

 

 

 

 

 

後書き

ということでアリエス杯の日記は以上になります。「勝ったら記事公開するんで」とか言ってたので勝ってよかったのやら悪かったのやら。

動機のところでも書きましたが、今回のアリエス杯2周目をもって十二星座モチーフのチャンピオンズミーティングは終了し、別のレース系イベントが追加されるらしいです。でもチャンミの強い弱いよりも気軽にウマ娘の実装順とか固有とか決めてほしいし、新イベントがよっぽどじゃなければ楽しめる程度にやれるしいいかなと思っています。発動地点がメートル指定されているようなスキルとかは距離さえあってればどこでも強いことになって実装しづらくなるし*11。まあ、去年の自分が想像していたよりもオープンリーグの多様性や研究性は失われはしなかったし、去年の自分が想像していたよりも長くチャンミを楽しめていた……ということなんだと思います。とはいえ記事にしなくなったのも間違いとは思いませんが。

あとシンプルに好きなウマ娘で出て勝つと楽しい。「それは強いウマ娘が好きなヤツの意見だろ」とか言われたらそれまでなのかもしれませんが、勝率の高いセットアップを考えて試行錯誤するのがオツってものなんだと思います。

とはいえ、兎にも角にもこれで今回の記事はおしまいです。チャンミやらリーグオブヒーローズの詳細やらわかりませんので、また何か思いつきましたら。

*1:真面目さは前回の遊戯王テスト的なアレのほうが絶対上だったものの、いかんせんあの記事は文章を書くところが短かった

*2:記録をつけ始めたのは次のキャンサー杯から。

*3:聴かなかったことにたいそうな理由があるわけではなく、単に聴くなら推しで聴きたかっただけである

*4:個人的にはどうにかして「固有が継承でも強いウマ娘(≒その子をレンタルすれば本体は誰でもいい)」みたいな存在を減らしたかったのかな、と思う。典型例が継承すると途轍もなく途轍もないことになるタルマエだと思っている

*5:とはいえやはり全体として割りを食い側であるというのは否めない

*6:2周年で追加された「脚を溜める」を利用する、中盤スキルを控えめにして順位条件の緩い終盤加速を踏み差しきる戦法。どれぐらい有用なのかはそこまで検証できていない。

*7:主に未来の自分

*8:当日急に38度の熱が出た

*9:そんなものは多分ない。

*10:正月の無料ガチャは星3すら誰も出なかった。

*11:現在メートル指定の固有持ちは15名以上おり、最近も650m指定の《咲け咲け!私!》が追加された。あと《スリーセブン》もクリオグリの固有みたいなものである。

遊戯王共通テスト的な何か 解答解説・感想編

(以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(この記事は「遊戯王共通テスト的な何か 試験問題編」のネタバレの塊になります。試験問題をまだ解いていない方は下記の記事を先に読んでいただくことをオススメします。)

 

t.co

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答・解説

 

問1

下線部1について、会話で取り上げられている改定のひとつ前の回(2022年12月1日施行)のリミットレギュレーションで禁止カードに制定されたカードを1つ選べ。

 

正答は 2.《烈風の結界像》

他の「結界像」シリーズカードと比べて《王神鳥-シムルグ》や《スワローズ・ネスト》などデッキ内からのリクルート手段が手軽なうえに抜け道となる属性がややマイナーな風属性という強力な封殺カードの1枚であるからか環境で時折利用され、【ふわんだりぃず】の流行がトドメを刺す形になりマスターデュエルでは2022/12/01、後を追う形でOCGでも2023/01/01改定で禁止になった。

《ハリファイバー》は2022/09/30改定、《ディバインガイ》は2022/08/31改定で禁止。《グリフォンライダー》はマスターデュエルでは禁止されておらず、OCGでは2022/10/01で禁止になっている。

 

 

問2

下線部2について、《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》が制限カードに制定された主な原因と考えられるカードとして最も相応しいカードを選べ。

 

正答は 4.《LL-インディペンデント・ナイチンゲール

《簡易融合》などから出したこのカードを《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》2体でコピーすることで、攻撃力6800で他のカードの効果を受けず起動効果で4000のダメージを与えることのできるモンスターを作って8000バーンで勝つ、というルートが【魔術師】で流行した。規制理由が一意にこれだけのせいかは不明だが、他の選択肢が明らかに間違っているため4.を選ぶのが正解となる。

誤答選択肢はすべて「LL」のエクシーズモンスター。

 

 

問3

下線部3について、《ブロックドラゴン》でサーチできる組み合わせとして正しい組み合わせが以下の(1)~(4)のうちにいくつあるか選べ。

 

正答は 2.2つ

《ブロックドラゴン》の正しいサーチ対象となりうるのは、「レベル合計がちょうど8になる」「岩石族モンスター」「1~3枚」の組み合わせ。(1)はレベル合計が6、(2)はサーチ対象が4枚となるため不適。(3)と(4)が適正であるため、2.が正解となる。

 

 

問4

下線部4について、【神碑】を使った対戦における以下のシチュエーションで最も適切と思われるサーチ先を1つ選べ。

 

正答は 4.《怒れる嵐の神碑》

状況判断問題のように見えるが、《神碑の穂先》でサーチした後に相手のデッキの一番上のカードを除外し相手デッキの残り枚数が2枚になるため、4.以外のカードはデッキを除外する追加効果を持つ効果を発動できない(《解呪の神碑》はデッキからカードを手札に加える必要があるため、現在の状況で発動できたとしても相手がデッキにカードを戻さなければデッキ枚数は1枚を切ってしまう)。そのためこのターンに確実に決着をつけるのであれば、効果解決時に除外枚数を1枚~相手の場の枚数まで選べる《怒れる嵐の神碑》以外にサーチする必要のある選択肢は特段存在しない。

 

 

問5

下線部5について、「○○な壺」シリーズについての以下の記述のうちから誤っているものを1つ選べ。

 

正答は 3.「○○な壺」シリーズはすべて「○○で○○な壺」に登場している。

「○○な壺」シリーズで唯一の速攻魔法である《大欲な壺》のみ他の壺と合体したカードが発表されていない。

4.については《貪欲で無欲な壺》と《強欲で金満な壺》の両方とも発動タイミングにメインフェイズ1開始時を指定しているため、どちらを先に発動してももう片方を同一ターン中に発動することはできない。

※選択肢2について、2023/01/09の16:30に誤字訂正版を差し替えるまでは「魔法カードの種類は6種類」と選択肢2も正答である形になっていました。そのため、差し替え以前にこの問題を2.と解答された方は正答として進めてください。この度は得点に大きく関わる誤字をしてしまい、また解答制作時にも見逃してしまい申し訳ありませんでした。

 

 

問6

下線部6について、以下の相手の召喚を制限する永続罠からマスターデュエルでのレアリティがURに設定されているものを1つ選べ。

 

正答は 1.《センサー万別》

設問通り。誤答選択肢のほか、《スキルドレイン》などはSRのレアリティに設定されている。

 

 

問7

下線部7について、《閃刀姫-カガリ》のリンクマーカーの正しい向きを選べ。

 

正答は 1.左上

設問通り。《シズク》が右上、《ハヤテ》が左下、《カイナ》が右下になる。通常の【閃刀】でリンクマーカーが重要になることは少ないが、閃刀リンクモンスターになる初動を水増しするために《フォーマッド・スキッパー》とサーチ先に《パラレルエクシード》などを採用した場合、《パラレルエクシード》を出す先として利用するタイミングがある可能性が生まれる。

 

 

問8

下線部8について、この会話の後に発表されたセレクションパック「ヒロイック・ウォーリアーズ」のピックアップカードとして《セリオンズ“キング”レギュラス》が紹介された。(テキスト中略)この②の効果を発動するためのコストとして墓地に送ることができるカードの記述について、以下の記述から正しいものを選べ。

 

正答は 3.どちらも正しい

9期以降のカードテキストでは「○○」モンスターカード、という表記は「デッキ内でモンスターカードとして扱われるカード」を指す。よってフィールドで永続罠扱いであっても問題なく墓地へ送れるし、自身以外と書いていないので自身を墓地へ送ることも当然可能。③の効果以外でモンスターカードでない扱いになっている自身を墓地に送って発動できるかについては、②の効果をそもそも失っているため考慮の必要はない。
ただし8期以前のカードテキストでは、似た記述であっても現在状態を参照する(9期以降の書式でいうところの「○○」モンスターにあたる範囲を指す)場合があるので注意が必要。

 

 

問9

A.のカードについて、正しい記述を1つ選べ。

 

正答は 2.カード名の「V」「F」「D」はそれぞれ「バニッシャー」「フューラー」「ディザスター」から取られていると推測できる。

レベル9の「真竜皇」カード、《真竜皇アグニマズドV》《真竜皇バハルストスF》《真竜皇リトスアジムD》が存在し、これらのアルファベット部のルビは選択肢の通りである。このカードがこれら3枚でエクシーズ召喚でき、効果でこれらをサポートすることもあって、このような推測が可能である。

誤答選択肢について、このカードの正しいルビは「しんりゅうおうザ・ビースト」である*1。また3.についても、アドバンス召喚関連のサポートを受けることはできないが、《真竜皇の復活》の蘇生効果や《ドラゴニックD》の攻守アップ能力など、そこそこの数のサポートに対応している。

誤答選択肢1.を選んだ場合、野良犬に噛まれたとでも思って次に行くのが正しいと思われる。

 

 

問10

A.のカード内の[ ア ]の中にあるテキスト文中に書かれていない単語を、以下の中から1つ選べ。

 

正答は 3.属性

[ ア ]中にある《真竜皇V.F.D.》の②の効果の正確なテキストは、「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分の手札の「真竜」モンスターの効果で破壊するモンスターを相手フィールドからも選ぶことができる。」となっている。属性の判断は手札の「真竜」側に記載があるため省略されている形。

 

 

 

問11

B.のカードの①の効果について、以下のうち①の効果とそれ以降の動きとしてルール上誤っているものを1つ選べ。

 

正答は 4.《フレムベル・アーチャー》(後略)

《水晶機巧-ハリファイバー》の①の効果に関する制約は、「この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。」である。よってこの制約をすり抜けられるのは、「《ハリファイバー》で特殊召喚したという関係を切ってから発動する効果」か「発動しない効果」になる。

誤答選択肢の《エキセントリック・ボーイ》は効果として扱わないテキストのため発動できない・効果無効にかかわらず強制的に適用され、《ウィード》は発動しない永続効果のため適用が可能、《アタック・ゲイナー》は墓地に送られてから発動するため関係が切れており発動可能。

《フレムベル・アーチャー》はそもそも発動ができないせいで自身を墓地に送ることもできないため、効果を発動している4.の選択肢がルール上誤っていることになる。

 

 

問12

C.のカードについて、このカードの挙動で注意する事項について、有効な記述がいくつあるか選べ。

 

正答は 2.2つ

(1)は「AUTO」だと①の処理終了後のクイックエフェクトが勝手にスキップされ発動タイミングを逃したまま優先権が相手に移り②の効果で破壊されてしまうので、特に除去カードを伏せている時はONにしておく必要がある。(2)は自身やフィールドのリンクモンスターを除外して発動してしまううえに発動のキャンセルができないため計画的な確認が必須。

(3)に関しては、召喚成功時の誘発効果のチェーンの積み方の都合でそもそも《パラレルエクシード》の①の効果を《アクセスコード・トーカー》の①の効果より先にチェーンブロックに乗せることができない(《アクセスコード・トーカー》の①の効果を発動するか決定してから《パラレルエクシード》の①の効果を発動するか決定しなくてはならない)。なお(3)の挙動が可能な場合については《アクセスコード・トーカー》のチェーン不可効果がチェーンブロック全体を結果的に守るため、可能な限り最後にチェーンブロックに乗せたほうがいい。

 

 

問13

C.のカードについて、以下の状況において《アクセスコード・トーカー》の状態として正しいものを選べ。

 

正答は 1.《アクセスコード・トーカー》の最大打点は4300で、相手の《激流葬》では破壊されない。

《アクセスコード・トーカー》の①の効果は参照するリンクモンスターが存在する墓地のコントローラーは指定していないので、相手の墓地に送られた《マスカレーナ》を指定して打点を2000上げることができる。また《マスカレーナ》の効果はリンク召喚を行ったプレイヤーから見て相手のコントロールする効果で破壊されないを付与するので、コントロールが移動したとしても破壊されない対象はリンク召喚を行ったプレイヤーから見て相手のまま変わらない。

 

 

問14

D.のカードについて、エクシーズ素材を4つ以上持った《No.86 H-C ロンゴミアント》を処理する方法として正しいものを1つ選べ。

 

正答は 3.《イタチの大暴発》

誤答選択肢のうち《海亀壊獣ガメシエル》と《超融合》は「●4つ以上:相手はモンスターを召喚・特殊召喚できない。」に抵触する行動のためそもそも発動ができない。《拮抗勝負》に関しては有効になりうるが、どうしても《拮抗勝負》自身か《拮抗勝負》を場から離れさせるカードが場に残るので1枚を場に残す余地が生まれてしまい、結局《ロンゴミアント》以外を除外されてしまう。

また《超融合》だが、《ロンゴミアント》のエクシーズ素材が3つの場合でも融合素材として効果で墓地へ送ることができず処理方法として不適になる。

 

 

問15

下線部1について、この2枚のカードのルビとして正しいものを選べ。

 

正答は 3.《ラビュリンス・シャンドラ》と《ラビュリンス・ストービー》

設問通り。

 

 

問16

下線部2について、会話中に抜粋されている《白銀の城の竜飾灯》や《白銀の城の火吹炉》の効果のために手札から捨てた場合、常に効果を発動できないものがいくつあるか選べ。

 

正答は 1.1つ

《白銀の城の竜飾灯》や《白銀の城の火吹炉》は「コストで手札から捨てる」であり、効果で捨てる必要があるカード類の他に、タイミングを逃してしまう「時の任意効果」である《霞の谷の幼怪鳥》も発動できない。(1)の《魔轟神獣キャシー》は8期以前のテキストだが、「時の強制効果」であるためタイミングを逃さず発動する。

「手札から(結果的に墓地へ)捨てる」は「手札から墓地へ送る」に内包されているため発動できるが、《マクロコスモス》状況下では「手札から捨てる」ことはできても「手札から墓地へ捨てる」ことはできないことに注意。なお今回のケースで《マクロコスモス》が貼られていた場合は、そもそも《白銀の城の竜飾灯》や《白銀の城の火吹炉》自身をコストで「墓地へ」送ることができなくなるため発動ができない。

 

 

問17

下線部3について、以下の4枚の通常罠カードの中に《白銀の城の召使い アリアンナ》や《白銀の城の竜飾灯》の「自分の通常罠カードの効果でモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる」効果を誘発できるカードはいくつあるか選べ。

 

正答は 2.2つ

《緊急儀式術》と《叛逆の堕天使》が誘発する。これはカードの特性というよりも召喚方法の特性であり、(通常の)儀式召喚融合召喚はチェーンブロックを作って効果解決時に墓地へ送るため誘発するが、アドバンス召喚シンクロ召喚・エクシーズ召喚・リンク召喚はチェーンブロックを作らずに行うのみなので効果で墓地へ送った扱いにならない。

個人的には《緊急同調》も《星遺物からの目醒め》も、罠の効果は「召喚を行う権利を得てそれを即座に行使する」までであり、あくまで墓地へ送るのは罠カードではなくプレイヤーだという認識である*2

 

 

問18

下線部4について、この範囲に該当するカードに《ブラック・ローズ・ドラゴン》が存在する。(テキスト中略)この[ イ ]の中にある効果について、正しい記述を1つ選べ。

 

正答は 4.攻撃力を下げる効果である。

[ イ ]内のテキストにあたる②の効果は「1ターンに1度、自分の墓地から植物族モンスター1体を除外し、相手フィールドの守備表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手の守備表示モンスターを表側攻撃表示にし、その攻撃力はターン終了時まで0になる。」となる。

厳密には「攻撃力を0にする効果」であって「攻撃力を下げる効果」ではない*3が、攻撃力は基本的に下がる。*4

 

 

問19

今回登場人物Cが発案した下線デッキ【A】【B】【C】【D】のうち、2023年1月3日にマスターデュエルで実装されている範囲のカードで、斜体部と網掛け部で説明されている意図したシナジーが全て十全に発揮できるデッキはいくつあるか。

 

正答は 1.1つ

デッキ【B】のみが登場人物Cの想定通りの挙動で機能する。

誤答選択肢について、【A】の「暗黒界」モンスターはいずれも効果で捨てられる必要があり、《白銀の城の竜飾灯》たちでは効果が発動しない。デッキ【C】はかなり機能するが、《トリックスター・リンカーネーション》は「相手の手札枚数が相手のデッキ枚数より多い場合は発動できない」という裁定があるため、デッキ切れを狙うのであれば他にもデッキを削る手段が必要であるため「普通の【ラビュリンス】に《トリックスター・リンカーネーション》を入れるだけでいいからお手軽」という要件を満たせない。【D】に関しては《ウェルカム・ラビュリンス》の①の効果を発動すると次のターンが終わるまで悪魔族以外のデッキ・エクストラデッキからの特殊召喚が不可能になるため、《アルティマヤ・ツィオルキン》を特殊召喚したり効果を誘発させることができなくなる。

 

 

問20

以下はこの会話の時点ではマスターデュエル未実装の「ラビュリンス」カードである《迷宮城の白銀姫》のテキストである。(テキスト中略)このカードの効果に関する以下の文章のうち、正しい記述を1つ選べ。

 

正答は 2.(選択肢略)

①の効果のためには「ラビュリンス」カードの効果の発動、または通常罠カードのカードの発動が必要になる。そのため1.のように通常罠カードの効果の発動のみの場合や、2.の《バロネス》で「ラビュリンス」カードの効果の発動そのものを無効にされた後に①の効果を発動することはできない。

また③の効果は「時の任意効果」であり、これは他のラビュリンスたちが持っている通常罠カードを発動した「場合の任意効果」と違い通常罠カードに直接チェーンする形で発動する必要がある効果である。それに伴って、自分の通常罠カードは発動後相手に優先権が渡ってしまいそこに何か相手が通常罠カード以外の効果をチェーンすることで③の効果の発動を防がれてしまうのに対し、相手の通常罠カードの発動時には優先権の関係でこちらが先に効果の発動をできるため、横槍が入ることなく③の効果を発動できる。

このように一見すべての選択肢が誤っているように見えるが、《迷宮城の白銀姫》の①の効果は条件を満たしたそのチェーン上で発動が可能、かつスペルスピードが2であるため《バロネス》の効果にチェーンして①の効果を発動し特殊召喚ができる。2の選択肢文章には《バロネス》の処理後という指定は無いため、他3つの選択肢が明らかに間違っていることも含めて正答は2.となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作問者からのコメント

お疲れ様でした。作問担当の斬進です。20問をひとり、2日で作りました。

今回は「遊戯王の問題、受験問題みたいに作ってるのどっかで見たな……自分にもできるかな?」という思いつきからノータイムノープランで開始したので、本当に何の目的もなくなんなら身内で消化する予定で表紙とか作りました。

 

 

前回(記事にもした重箱の隅クイズの近辺)の反省を生かし、今回の目標は「多角的な方向から得点を狙える、平均6割付近狙いのテスト」というものでした。

 

「多角的な方向から得点を狙える」という点について。例えば登場するカードのテキストをすべて載せるスペースが無い以上どうしてもカード知識は必要になるのですが、カード知識がないと1問も解けない、という風にはしたくありませんでした。そのためルール的な挙動を分かっていればその場でテキストを読んで解答できる問11や問16のような問題を用意したり、純粋なカードテキストの知識ではない問1や問6のような問題を用意させていただきました。

また問1や問6は遊戯王というよりもマスターデュエルの知識を問う設問になっていますし、問12などはモロにマスターデュエル特有の現象についての記述が出てきます*5。逆にマスターデュエルに触れていなくても答えられる問題も多く、特に問8と問20のマスターデュエル未実装カードのテキストを読む問題ではその部分のカード知識があればアドバンテージを得られるようになっています。とはいえどちらの問題もメインは「その場でテキストを解読するアドリブ力と挙動の理解力」であるべきで、そのように作問しましたがどうでしょうか。

 

「平均6割」については上の目標を達成するために作問する以上、どうしても全員が全部の問題を取れるようにするのは難しい、ならば難易度の高い問題を入れることで平均点を6割にしよう、という副次的な目標です。

選択肢の作り方についても、単純な4択問題以外にも「3~4択+この中にはない」形式や「3~4つの文章からいくつ正しい/誤った記述があるか選択」形式を入れることによって、選択肢の作り方から正解を察されることが極力ないように注意を払いました。

個別の問題について、例えば問10は「真竜の特殊召喚コストを相手の場で払えるようにする」というざっくりとした記憶があったとしても少し悩むような問題構成と選択肢になっていますし、問13は実際に面倒な処理を問題にしました。そして問19と問20には殺意を込めました。ラダーのTierに載るようなデッキに入らない幅広いカード知識と「《リンカーネーション》だけではデッキを削りきれないので別途デッキを削る手段がいる」という針の穴ほどの矛盾を見逃さない必要がある問19と、マスターデュエル勢にとっては初見のテキストな上で「一見選択肢3と4が対立しているように見え、そこから3か4のどちらかであるとアタリをつけると間違える」「選択肢をきっちり精査するとすべての選択肢が間違っているように見える」「発動を無効にされる前に出せば選択肢2の『このターン中に①の効果で特殊召喚できる』という書き方に矛盾しない」という3重のトラップが仕掛けられている問20。皆様正解できたでしょうか。

この2問については日本語をめっちゃ考えましたが、ブーイングは受ける覚悟です。すいません。日本語がわかりづらいのもテストの華ということで……。

 

最後に謝辞を。

今回のテストを制作するにあたり、テストのテストプレイとアドバイスを元ゴリラさん(TwitterID:@isonozexal)とほり。さん(TwitterID:@mikamihoP)、いかざこさん(TwitterID:@prof_ikazako)にいただきました。深夜帯にもかかわらず解いていただき本当にありがとうございました。

また、この問題を解いていただいた方、解答解説のこんなところまで読んでいただいた方。本当にありがとうございました。作問者冥利に尽きるとはこういうことを言うんだと思います。

 

それでは、また何か書くことを思いつきましたら。

 

 

 

 

 

 

おまけ:ボツ問供養

 

 

リミットレギュレーションのクラフトポイント分解ボーナスを受けたロイヤル加工のカードを分解した場合、貰えるクラフトポイントはいくつになるか選べ。

 

1.30

2.50

3.70

4.90

 

 

【正解を表示】

2.50

リミットレギュレーションのクラフトポイント分解ボーナスは「通常分解した際のポイントに+20ポイント」であり、ロイヤル加工を分解した際の30ポイントと合計して50ポイント。

遊戯王マスターデュエル」の知識を純粋に問われる問題。環境デッキを握っている側の人間のほうが解きやすい。

現在の大問1にあたる問題の前に、数学の問題でありがちな小問集合の大問1を設置する予定があり、そのために制作された問題。結果として文系問題をベースにすることに決めたため入る場所がなくなりあえなくボツとなった。

 

 

 

次のカードのうち、カードイラストがソロモードの「チュートリアル」のバナーに使われているカードを選べ。

 

1.《鼓舞》

2.《不屈の闘志》

3.《一騎加勢》

4.《増援》

 

 

【正解を表示】

1.《鼓舞》

設問の通り。誤答選択肢のうち《不屈の闘志》は「デュエルストラテジー2」のバナーに採用されている。ちなみに《鼓舞》は通常罠カードで、「自分の場の表側モンスター1体を対象としてターン終了時まで攻撃力を700アップする」という《突進》の下位気味互換カードだが、れっきとした第9期にあたる2014年出身カードであり、「クリフォート」の登場と同じ月にこのカードが刷られている。海外で発売されたドラフト用パックのためにこのカードが作られたためカードパワーが低いのだが、なんとこのパックには前述の《突進》も再録されていた。

ソロモードから問題を作るにあたり、やっていない人間が極力少ないストーリーから問題を作ろうとした結果このような形に落ち着いた。

一応ストーリーの選択時に《鼓舞》というカード名が見えるものの、チュートリアルであることもあり純粋な記憶勝負の小問としては難易度が高すぎるという判断になりボツとなった。

 

 

 

次のうち、英語名にのみ「エクスクラメーションマーク(!)」が使用されているカードはいくつあるか。

 

(1)《永久に輝けし黄金郷》

(2)《ダブル・アップ・チャンス》

(3)《閃刀起動-エンゲージ》

(4)《ドカンポリン》

 

1.1つ

2.2つ

3.3つ

4.4つ

5.すべて該当しない

 

【正解を表示】

4.4つ

英語名は上から順に《Golden Land Forever!》《Double or Nothing!》《Sky Striker Mobilize - Engage!》《Boompoline!!》。

遊戯王カードWiki」のおもしろ記述として有名な、《門前払い》のページに記載されている項目からの出題。ちなみに英語名で言うと個人的には《ギョッ!/Oh F!sh!》が好きです*6

大問3で未界域の任意のモンスターの名前を出し、そこに下線を引いて「未界域の英語名は『Danger!』であり、英語名のみにエクスクラメーションマークが使われているカード群である。」と引っ張って出す予定だった。しかし表紙に「TCGとの選択科目」って書いてあるのにめっちゃTCG問題であることに気付いたのでボツ。出したかった。

 

*1:ちなみに「V.F.D.」と書いて「ザ・ビースト」と読む理由だが、「黙示録の獣」に由来するという説が有力視されている。

*2:作問者も不安になったので全部マスターデュエルでの挙動を確認しました

*3:遊戯王上では主に《あまのじゃくの呪い》などが関わった場合に明確な違いが出る

*4:というか選択肢を「攻撃力を0にする効果である。」と書くと明らかにこの選択肢が正解っぽく見えてしまうためこう書かざるを得なかった。

*5:この問題の(1)の文章がこの問題で一番伝えたかったことです。

*6:「Oh,Fish!」と「Ohf! sh!(shはshitの短縮形)」がかかっているらしい。

クイズ初心者がウマ娘クイズを作ってみた薄めの感想と、「フェアなクイズ」とは何なんだろうという漠然とした疑問

 

 

 

(自分語りとか全てを飛ばしたい方は以下の目次をご活用ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前説

 

お疲れ様です。斬進です。執筆開始時点で既に前回の記事から5ヶ月近く経っています。こうして考えるとチャンミ以外記事書く内容全く無いんだなってなりました。

今回はウマ娘の記事……というかメインは初心者なりにクイズについて色々考えながらウマ娘クイズを作ってみた、というような体験記兼自分語りになる予定です。あとは知人とそういう話をして出てきた概念について、誰かしらから何かしらのお話を伺えるといいなと思ってこの話を公開します。もちろんその知人に何か言われたらその部分あるいは記事全体を取り下げることになることを予めご理解ください。

とはいえなんか自分語り以外の部分は内容が内容なので今回は基本薄い記事です。殴らないでください。また表記簡略化のため、クイズの問題文と解答には全て強調+アンダーラインが付きます。合わせてご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

そもそも作ったクイズどれだよ

quiz-maker.site

 

※記事の内容上、以降の記事には上URLのクイズのネタバレが含まれます。先に解いてみたい/問題見るだけ見てみたいという方は先にこちらをご確認のうえ進んでください。

 

 

 

 

 

 

傍論1:動機その他長めの自分語り

昔から、クイズというものに人並みかそれより少しだけ多く触れてきた生活を送っていた。自分が子供の頃テレビをよく見ていたころはちょうどクイズのそこそこ盛りで、『雑学王』や『ヘキサゴン』、正統なクイズからは変化球にあたるような番組では『超問クイズ』や『IQサプリ』もよく見ていた。『高校生クイズ』はいわゆる「知力の甲子園」系列の頃にハマっていて、「以下の生き物を表す漢字の読みを答えなさい。(1)子規 (2)杜宇 (3)蜀魂」というような問題は今でも覚えている。*1あと火星で一番高い山も『高校生クイズ』で覚えた。

そういう意味でクイズは好きだったし知識欲も人並みややぐらいにはあったが、いわゆる競技クイズとも言われる早押しクイズの世界に入ることなく自分の学生生活は終わった。単純に元引きこもりの遠距離通学者に部活やサークルをやる体力はなかったというのも大きかったし、そもそも高校にクイズ研究会というものがあるということに思い当たったのが高校3年の時で全てが遅すぎたのもあった。大学はエスカレーターで規模が無駄に大きく、もはや今からクイズをやったとて全ての遅れを取り戻せずあらゆるものに置いて行かれることは明白だった。そうして大学でもクイズをやらないまま、幽霊文芸サークル部員を経由して学校生活は終わった。

ただ大学の途中あたりから某クイズ系YouTuber*2の方々が大きく活動をされ始め、クイズへの憧れとも何ともつかない感情は大きく膨れ上がっていった。使う予定もない早押しクイズもどきを150問ぐらいメモしたりもした。というか現在進行形でしている。マジで使い道も無ければ用途があったとしても出題できそうにないレベルのヤツ。どうするんだこれ。

それはともかく、9月中旬ごろにTwitterであるクイズメーカーの作品が流れてきたことが、今回自分でいよいよクイズを作って世に出してみるか、というキッカケになった。

そのクイズメーカーの作品はいわゆる「昔このゲームをやってた人なら解ける!」という感じの作品だったのだが、半分近くの問題が正確には「昔このゲームをリアルタイムでやってた人を見ていれば解ける!」だったということでそんなに良くない方向で話題になっていた。個人的にはまあ看板つけ間違えただけじゃないかという気がしないでもないがそれはさておき、そもそもいわゆるカルトクイズ系の細かい知識が必要なクイズでどこまで「フェアで面白い」問題が作れるのか、という疑問を実践したくなったのだ。

 

 

 

本論1:「フェアなクイズ」?

数ヶ月前、『遊戯王マスターデュエル』の身内対戦会で「早押しクイズをしながら可能な限り高速でデュエルをする、というマルチタスクで疑似的にライディングデュエルの慌ただしさを体験してみる」という企画を提案したことがあった。結局企画自体は色々あってお流れになったのだが、その際主催側に回ろうとしてくれていた知人とクイズについてやや方向性のすり合わせが行われたのだが。

「知らないことを聞かれるんじゃダメじゃないですか?」

そう言われて、非常に驚いたのを覚えている。もちろんジャンルとして専門的すぎるものを問うつもりは全く無かったのだが、彼曰くそういうつもりですらなく純粋に「解くのに知識が必要な問題を出すべきではない」ということだったらしい。「フェアではない」から。

つまり彼は論理パズルや最低限ひらめき問題程度の、素養として一切の知識の下地が存在しないものを「クイズ」と定義していたらしいのだ。解答者が少しでも知識によって思考を阻まれることがない、またあらゆる事前思考によって有利/不利がつかない問題群。実際自分が好きな遊び心として1問目に「1匁」に関する問題を出す、という(某動画でされていた)ものがあるのだが、それも「事前に何かしらの予想が付きうるのであれば作問者として絶対にやってはいけない」と返答されたのを覚えている。

流石に自分としてはその「クイズ」観をそのまま受け入れて「じゃあそうしますか」と言うにはあまりにも「早押しクイズ」を目指しすぎていたのだが、その時に「それはもう早押しクイズじゃなくて論理パズルじゃないですか」「早押しクイズはそういう駆け引きまで含めて早押しクイズなんだと思う」と言ったことをずっと引きずっている。

彼はそれを聞いて、「あ、じゃあもういいっすわ」と完全に興味を失ってしまったからだ。

テクニックも作問の完成された文学性も、確かに「純粋な頭の回転の速さを競う」にあたってはノイズあるいは悪影響しか与えない要素なのかもしれない。でもそれは「アンフェア」なのだろうか。ならそもそも「一切の知識を問わないクイズ」「万人に出題できるクイズ」とは何なのか。

彼が納得できるような答えは、なぜ自分には用意できなかったのだろうか。自分には用意できるはずもないものだったのか。実際に公開用に作問をすれば、何かわかるかもしれないと思った。

 

 

 

本論2:「ウマ娘重箱の隅クイズ」を作るにあたって

そうして今一番ちゃんとデータを調べる気のあるゲームであるところの『ウマ娘プリティーダービー』系のカルトクイズを作ることにしたのだが、「フェアでないクイズ」を出さないように、というのは念頭に置いていた。

まず真っ先に考えるべきなのは、タイトルと「いったいどの層がこのクイズをプレイするのか」である。作問者はクイズ初心者だが、そんなことを慮ってくれるほどインターネットの海は甘くない。初心者だろうがなんだろうが、何かに失敗すれば死ぬまで棒で叩かれるのは目に見えている。だからこの辺りの想定はきっちりしなければならない。結果として、「ウマ娘そのものはそこそこやってるけどマスクデータをどうのこうのとか言い出さないあたり」という自分と同じぐらいの客層を狙うことに決め、「ウマ娘クイズ」だともっと手前の客層を集めてしまい、「ウマ娘カルトクイズ」だと奥の客層が簡単とか言い出しそうな気がしたので「重箱の隅クイズ」というなんとも気の抜けたタイトルになった。

客層はクイズの内容にも関わってくる。不特定多数のあらゆる境遇の人間を相手にする以上、あらゆるプレイスタイルが想定される。身内だけで消化するクイズなら「うちのサーバーのトレーナー勢はなぜかマンハッタンカフェコパノリッキーの所持率が高いからこの辺りにフォーカスして」などできるかもしれないが、公開するクイズではそうもいかない。育成ストーリーやウマ娘ストーリーに関する問題については考えようともしなかった。

客層の想定を決めた後は平均点をどこに設置するかを決めた。公開用に作問するにあたって改めて感じたが、別に作問者は解答者を不正解にしたくて問題を作っているわけではない。正解が出るのはどちらにとっても喜ばしいはずのものだ、というどこかで見たフレーズが痛いほどよくわかった。ただそれはそれとして、簡単すぎる問題を投げるのもつまらないし、解いている側も面白くはないだろう。ほどよく悩んでくれる程度、ということで4~6点を目標として設定し、正答率の高そうな問題を3問、中ぐらいを2問、難しい問題を4問、怒られそうなレベルを1問、というぐらいにして調整することにした。

作問するにあたってまず思いついたのが1・2問目の「スキル正式表記クイズ」だった。チャンミのメモを取るにあたって誤変換は非常に面倒で、とくにオープンリーグのクリオグリは時折《ふり絞り》を持ってくるので変換ミスが多発していた。似たような字面の選択肢が4つ並ぶのはインパクトもあり、選択肢を見た瞬間「そういう問題かぁ~」という心の動かし方もできるかと思い採用。1問目は簡単な問題として件の《ふり絞り》を、2問目は中ぐらいの難易度として今までチャンミ等で騒ぎになるような*3活躍があったわけではなく意外性もある《熱血!!風紀アタック》にした。

3問目も自分がたまに間違えるところから作問した「スキル上位/下位クイズ」。選択肢は「最近出た金スキル」「最近話題になったけど取られない金スキル」「金スキルはよく取られるけど白スキルは全然使われないスキル」「そもそも全然使われない金スキル」で4方向のアプローチから揃えた。誤答選択肢としてそれっぽいものを用意できたのでは、と思う。

次に作ったのがメインストーリー関連の4・5・7問目。メインストーリーは全スキップするという知り合いがいたこともあり、最後までこの3問をボツにしてシステム系の問題にするか悩んだ。しかし5・7問目はメインストーリーに関わらない(ただし個人ストーリーの領域にやや踏み込んではいる)アプローチから解けうる問題にすることでかなりアンフェアさを排しており、4問目はそもそも非常に高い難易度の問題として作問されていたこともあり、そのまま強行突破で実装された。個人的に7問目の解説に書いたようなアプローチで解ける問題は非常にいい観点で作れたのではないか、と思っており、自分でも気に入っている。なおその後よく考えたら5問目は「不退転」と間違える人が多いかもしれないことに思い当たったので悪問の可能性がある。4問目についての批判は甘んじて受け入れます。

その後数問ボツ問を挟み、ようやくファイルが埋まったのは製作開始から丸一日経ってからだった。それ以降細かな調整を挟んで公開。最後まで10問目については悩んだが、なるべく多くの人間が体験あるいは確認する場所、かつ「思えば詳しく覚えていないけどうっすらわかるしどこかから引っ張ってこれる」ぐらいのラインを目指して作問した結果チュートリアルからの作問になった。

 

 

 

傍論2:感想

執筆現在全体の正答率は43%であり、正答率40%以上の問題が5問+難問表示の出る30%以下の問題が5問とかなりバランスよく作問そのものはできた。最も正答率が低いのが8問目、次いで6問目になっているというのは想定とは大きく異なる結果ではあるが、全体で見ると「半分ぐらいは1~2択に絞れて残りは悩む」ぐらいの想定難易度におそらく納まっている。逆に9問目の正答率が高いことに驚いたりもした。

本題の「フェアさ」だが、タイトルで客層に絞り込みをかけてこの問題群に対して「アンフェアな知識問題だ」と思うような人間をふるい落とし、そこで残ったウマ娘の重箱の隅に興味がある人間に対してフェアな問題を出すことには成功している、と思われる(難易度を意図的に釣り上げた問題を除く)。ただ知人の言った「どの人間にもフェアだと感じるクイズのようなもの」はやはりカルトクイズではなくもっと広く一般的なクイズとなると、参加する可能性がある解答者全員分の守備範囲について把握する以外の「フェアなクイズ」の方向性は未だに分からない。ただ出来ないと断言できるかというのも難しい部分であり、彼に伝えて自分が納得のいくような答えが得られていない、というのが現状だ。

改めて「フェアなクイズ」を普段から製作されている競技クイズの作問者の方々に敬意を表するとともに、これからもヒントを探すためにそういった視点でも問題を見ていきたい。

 

 

 

 

 

後書き

ということで内容うっすい気がするけどクイズ初製作記については以上です。「よくわかりませんでした! いかがでしたか?」と言ってることそんな変わらん。

実際こういうのってめちゃくちゃ経験を繰り返してこそ、という感じではあるので1回作った程度で語るのも烏滸がましい話です。とはいえ作問の経験値をどこで積めばいいやらも分からなければ作った問題はどこにも行けないのでどうしようもないんですが。誕生日にでも身内クイズ大会でも開けってか。それができる人徳と景品があれば苦労はしない。

でも楽しかったかで言うと楽しかったのでやっぱりクイズって面白い。作問は文学という名言も頷ける。今度は人に出したいので被験者お待ちしております。

それでは、また何か書くことを思いつきましたら。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ:一部ボツ問供養

 

次のウマ娘と二つ名の組み合わせのうち、そのウマ娘のみが取得できる固有二つ名として正しい組み合わせを選べ。

1.メジロブライト - 大器晩成

2.セイウンスカイ - トリックスター

3.フジキセキ - 若きトップスタァ

4.カレンチャン - 閃光少女

 

【正解を表示】

2.セイウンスカイ - トリックスター

メジロブライトの固有二つ名は「のんびりステイヤー」で、「大器晩成」はマチカネタンホイザの固有二つ名。

フジキセキの固有二つ名は「麗しの三冠ウマ娘」で、「若きトップスタァ」はクラシック級宝塚記念を勝った際に貰える汎用二つ名。

カレンチャンの固有二つ名は「閃光乙女」で、『閃光少女』は東京事変の楽曲。

最後まで採用が検討されていたが、該当育成ウマ娘を引いていない場合固有二つ名をチェックする方法が「興味を持ってデータを調べている」以外に無いのでギリギリで10問目と差し替えになった。

 

 

 

次の『STARTING GATE! -ウマ娘プリティーダービー-』に関する記述のうち、正しいものを全て選べ。

1.東京に来てから初めて会話したウマ娘サイレンススズカ

2.スペシャルウィークは真っ直ぐ学園に向かっている

3.教室に初めて入って会話したウマ娘ハルウララ

4.エルコンドルパサーは成績が優秀である

 

【正解を表示】

1、2、4

転倒したスペシャルウィークに声をかける役割はテイエムオペラオーが担当している。

他にもサイレンススズカエアグルーヴを「エアグルーヴ先輩」と呼ぶ、オグリキャップが食べる姿を見られるのを恥ずかしがるなど現在とは違う部分も多いが、「スペシャルウィークが初めて見て憧れたウマ娘サイレンススズカ」という部分はこの作品でも固持されている。

問題はアニメ1話/コミックス1巻から作製したが、ゲーム内からこれらにアクセスする方法がないためボツになった。

 

 

 

現在ゲーム『ウマ娘プリティーダービー』にGⅠとして実装されているレースの中で、現在名前とデザインが発表されているウマ娘と同名の競走馬が勝利したことのないレースはいくつあるか答えよ。ただし途中でグレードや距離が変更されている場合、GⅠとして認定されて以降の記録のみを参照する。

 

【正解を表示】

4レース

ホープフルステークスジャパンダートダービーJBCスプリントJBCレディスクラシックが該当する。

次いで1馬のみのレースは全日本2歳優駿アグネスデジタル)、チャンピオンズカップホッコータルマエ)、大阪杯キタサンブラック)などが並ぶ。

最近GⅠになったレースについてはかなり初見殺し気味の笑えない超難問であるうえ、「JRA独自グレードと国際グレードと現在のJpn1をどう切って説明するか」「GⅠのまま名前が変わったレースの説明をどうするか」など、細かい説明が必要なわりにその説明をするとあまりにも問題文が汚くなるのでボツになった。

おそらくこの場でも説明が上手くいかず「いや数え方によるだろ!」みたいな感想を抱かれるだろうなと思いつつ書いている。自分でもカウントミスがありそうで怖い。

 

 

 

 

 

 

*1:正解は「ほととぎす/ほととぎす/ほととぎす」。3つ漢字を読ませておきながら全部答えが一緒という、答えをわかったうえで大舞台で臆さず自分の出した結論と心中できるかどうかも問われる問題だった。

*2:高校生クイズ2連覇系クイズ王を中心とする方々。調べたらちょうど上の3連ホトトギスがその回っぽい。

*3:ここで言う「騒ぎ」はクリオグリレベルのことを指します。